53 / 100
第二章ドラゴニア帝国編
町へ行く許可が欲しいです
しおりを挟む
居た堪れない空気になりながらもジュールさんの執務室へと遣って来た私達。エレンさんは私を抱えているのでファンティーヌさんが扉をノックする。
「陛下、失礼します」
その言葉と同時に部屋へと押し入るファンティーヌさん。ジュールさんて竜帝で偉いんだよね?なんか、皆のジュールさんの扱いを見てるとなんか雑。いやいや、親しみやすいと思っておこう。
「ファンティーヌ嬢、言葉と同時に入ってきたら聞いた意味がないだろう?」
困惑気味なジュールさんと書類片手に呆れ顔のランドルフさん、それから妹に会えて嬉しいのか破顔しているギデオンさんが部屋の中にいた。
「ちゃんと待ちましたよ?」
「コンマの世界だったら大差無いからね!」
「はぁ…」
納得いかないって顔してるよファンティーヌさん。そんなに表情に出して良いの?
「フィー」
ほら、お兄ちゃんからのお怒りのお言葉だよ。あまり表情に出しては護衛として失格だとか言うんだね。
「凄いじゃないか!以前よりも我慢強くなったね!!」
うん、違った。知ってた。ギデオンさんがファンティーヌさんに対して甘い事なんて火を見るより明らかでした。ギデオンさんは兄弟の中で唯一の妹を溺愛しております。
麗しい顔面で微笑むギデオンさん。普通の女性がいたらもう顔を真っ赤にさせて鼻血噴出して失神ものだけど、生憎と耐性がある者、興味がない者しかこの場にはいないので当然、
「ギデオン…」
「ギデオン殿……」
空気が凍りました。でも私は気にしないよ。だって町に行きたいからね。スッパリと今までの空気を流す。
「ジュールしゃん、町に行きたいでしゅ。きょきゃをくだちゃい」
「町へ?そっか町に興味があるのか…私も行こうかな?」
「駄目です。執務が滞ってます。ニア様の町へ下りる事は許可をしますがくれぐれも気を付けて下さい」
あっさりと許可が下りた。流石お母さんだね。ジュールお父さんをお尻というか書類で敷いてるね。
「なんか今、大変不愉快な気配が…」
「!行きまちょう!フィーしゃん!エレンしゃん!」
凄いよ、ランドルフさん。私の心の声に反応するなんて。第六感かな?
このままこの場にいたら気付かれそうなのでさっさと離れるに限るとばかりに二人を促して執務室を出た。まあ、幼児なのでよちよちとした歩きなので凄く遅いけどね。
城下町ってどんな所かな?屋台とか出てるかな?色々な屋台で買い物して……あ、お金持ってない。しまった、ジュールお父さんにお小遣い貰えば良かった。
そう思いながら二人の手を引いて歩いていると遅かったのかエレンさんが抱き上げてくれた。
「陛下、失礼します」
その言葉と同時に部屋へと押し入るファンティーヌさん。ジュールさんて竜帝で偉いんだよね?なんか、皆のジュールさんの扱いを見てるとなんか雑。いやいや、親しみやすいと思っておこう。
「ファンティーヌ嬢、言葉と同時に入ってきたら聞いた意味がないだろう?」
困惑気味なジュールさんと書類片手に呆れ顔のランドルフさん、それから妹に会えて嬉しいのか破顔しているギデオンさんが部屋の中にいた。
「ちゃんと待ちましたよ?」
「コンマの世界だったら大差無いからね!」
「はぁ…」
納得いかないって顔してるよファンティーヌさん。そんなに表情に出して良いの?
「フィー」
ほら、お兄ちゃんからのお怒りのお言葉だよ。あまり表情に出しては護衛として失格だとか言うんだね。
「凄いじゃないか!以前よりも我慢強くなったね!!」
うん、違った。知ってた。ギデオンさんがファンティーヌさんに対して甘い事なんて火を見るより明らかでした。ギデオンさんは兄弟の中で唯一の妹を溺愛しております。
麗しい顔面で微笑むギデオンさん。普通の女性がいたらもう顔を真っ赤にさせて鼻血噴出して失神ものだけど、生憎と耐性がある者、興味がない者しかこの場にはいないので当然、
「ギデオン…」
「ギデオン殿……」
空気が凍りました。でも私は気にしないよ。だって町に行きたいからね。スッパリと今までの空気を流す。
「ジュールしゃん、町に行きたいでしゅ。きょきゃをくだちゃい」
「町へ?そっか町に興味があるのか…私も行こうかな?」
「駄目です。執務が滞ってます。ニア様の町へ下りる事は許可をしますがくれぐれも気を付けて下さい」
あっさりと許可が下りた。流石お母さんだね。ジュールお父さんをお尻というか書類で敷いてるね。
「なんか今、大変不愉快な気配が…」
「!行きまちょう!フィーしゃん!エレンしゃん!」
凄いよ、ランドルフさん。私の心の声に反応するなんて。第六感かな?
このままこの場にいたら気付かれそうなのでさっさと離れるに限るとばかりに二人を促して執務室を出た。まあ、幼児なのでよちよちとした歩きなので凄く遅いけどね。
城下町ってどんな所かな?屋台とか出てるかな?色々な屋台で買い物して……あ、お金持ってない。しまった、ジュールお父さんにお小遣い貰えば良かった。
そう思いながら二人の手を引いて歩いていると遅かったのかエレンさんが抱き上げてくれた。
207
あなたにおすすめの小説
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
【完結】婚約者と仕事を失いましたが、すべて隣国でバージョンアップするようです。
鋼雅 暁
ファンタジー
聖女として働いていたアリサ。ある日突然、王子から婚約破棄を告げられる。
さらに、偽聖女と決めつけられる始末。
しかし、これ幸いと王都を出たアリサは辺境の地でのんびり暮らすことに。しかしアリサは自覚のない「魔力の塊」であったらしく、それに気付かずアリサを放り出した王国は傾き、アリサの魔力に気付いた隣国は皇太子を派遣し……捨てる国あれば拾う国あり!?
他サイトにも重複掲載中です。
水しか操れない無能と言われて虐げられてきた令嬢に転生していたようです。ところで皆さん。人体の殆どが水分から出来ているって知ってました?
ラララキヲ
ファンタジー
わたくしは出来損ない。
誰もが5属性の魔力を持って生まれてくるこの世界で、水の魔力だけしか持っていなかった欠陥品。
それでも、そんなわたくしでも侯爵家の血と伯爵家の血を引いている『血だけは価値のある女』。
水の魔力しかないわたくしは皆から無能と呼ばれた。平民さえもわたくしの事を馬鹿にする。
そんなわたくしでも期待されている事がある。
それは『子を生むこと』。
血は良いのだから次はまともな者が生まれてくるだろう、と期待されている。わたくしにはそれしか価値がないから……
政略結婚で決められた婚約者。
そんな婚約者と親しくする御令嬢。二人が愛し合っているのならわたくしはむしろ邪魔だと思い、わたくしは父に相談した。
婚約者の為にもわたくしが身を引くべきではないかと……
しかし……──
そんなわたくしはある日突然……本当に突然、前世の記憶を思い出した。
前世の記憶、前世の知識……
わたくしの頭は霧が晴れたかのように世界が突然広がった……
水魔法しか使えない出来損ない……
でも水は使える……
水……水分……液体…………
あら? なんだかなんでもできる気がするわ……?
そしてわたくしは、前世の雑な知識でわたくしを虐げた人たちに仕返しを始める……──
【※女性蔑視な発言が多々出てきますので嫌な方は注意して下さい】
【※知識の無い者がフワッとした知識で書いてますので『これは違う!』が許せない人は読まない方が良いです】
【※ファンタジーに現実を引き合いに出してあれこれ考えてしまう人にも合わないと思います】
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるよ!
◇なろうにも上げてます。
【完結】間違えたなら謝ってよね! ~悔しいので羨ましがられるほど幸せになります~
綾雅(りょうが)今年は7冊!
ファンタジー
「こんな役立たずは要らん! 捨ててこい!!」
何が起きたのか分からず、茫然とする。要らない? 捨てる? きょとんとしたまま捨てられた私は、なぜか幼くなっていた。ハイキングに行って少し道に迷っただけなのに?
後に聖女召喚で間違われたと知るが、だったら責任取って育てるなり、元に戻すなりしてよ! 謝罪のひとつもないのは、納得できない!!
負けん気の強いサラは、見返すために幸せになることを誓う。途端に幸せが舞い込み続けて? いつも笑顔のサラの周りには、聖獣達が集った。
やっぱり聖女だから戻ってくれ? 絶対にお断りします(*´艸`*)
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/06/22……完結
2022/03/26……アルファポリス、HOT女性向け 11位
2022/03/19……小説家になろう、異世界転生/転移(ファンタジー)日間 26位
2022/03/18……エブリスタ、トレンド(ファンタジー)1位
婚約破棄され森に捨てられました。探さないで下さい。
拓海のり
ファンタジー
属性魔法が使えず、役に立たない『自然魔法』だとバカにされていたステラは、婚約者の王太子から婚約破棄された。そして身に覚えのない罪で断罪され、修道院に行く途中で襲われる。他サイトにも投稿しています。
噂の醜女とは私の事です〜蔑まれた令嬢は、その身に秘められた規格外の魔力で呪われた運命を打ち砕く〜
秘密 (秘翠ミツキ)
ファンタジー
*『ねぇ、姉さん。姉さんの心臓を僕に頂戴』
◆◆◆
*『お姉様って、本当に醜いわ』
幼い頃、妹を庇い代わりに呪いを受けたフィオナだがその妹にすら蔑まれて……。
◆◆◆
侯爵令嬢であるフィオナは、幼い頃妹を庇い魔女の呪いなるものをその身に受けた。美しかった顔は、その半分以上を覆う程のアザが出来て醜い顔に変わった。家族や周囲から醜女と呼ばれ、庇った妹にすら「お姉様って、本当に醜いわね」と嘲笑われ、母からはみっともないからと仮面をつける様に言われる。
こんな顔じゃ結婚は望めないと、フィオナは一人で生きれる様にひたすらに勉学に励む。白塗りで赤く塗られた唇が一際目立つ仮面を被り、白い目を向けられながらも学院に通う日々。
そんな中、ある青年と知り合い恋に落ちて婚約まで結ぶが……フィオナの素顔を見た彼は「ごめん、やっぱり無理だ……」そう言って婚約破棄をし去って行った。
それから社交界ではフィオナの素顔で話題は持ちきりになり、仮面の下を見たいが為だけに次から次へと婚約を申し込む者達が後を経たない。そして仮面の下を見た男達は直ぐに婚約破棄をし去って行く。それが今社交界での流行りであり、暇な貴族達の遊びだった……。
城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?
甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。
友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。
マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に……
そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり……
武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
