転生したので好きに生きよう!

ゆっけ

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第二章ドラゴニア帝国編

町へ行く許可が欲しいです

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 居た堪れない空気になりながらもジュールさんの執務室へと遣って来た私達。エレンさんは私を抱えているのでファンティーヌさんが扉をノックする。

「陛下、失礼します」

 その言葉と同時に部屋へと押し入るファンティーヌさん。ジュールさんて竜帝で偉いんだよね?なんか、皆のジュールさんの扱いを見てるとなんか雑。いやいや、親しみやすいと思っておこう。

「ファンティーヌ嬢、言葉と同時に入ってきたら聞いた意味がないだろう?」

 困惑気味なジュールさんと書類片手に呆れ顔のランドルフさん、それから妹に会えて嬉しいのか破顔しているギデオンさんが部屋の中にいた。

「ちゃんと待ちましたよ?」

「コンマの世界だったら大差無いからね!」

「はぁ…」

 納得いかないって顔してるよファンティーヌさん。そんなに表情に出して良いの?

「フィー」

 ほら、お兄ちゃんからのお怒りのお言葉だよ。あまり表情に出しては護衛として失格だとか言うんだね。

「凄いじゃないか!以前よりも我慢強くなったね!!」

 うん、違った。知ってた。ギデオンさんがファンティーヌさんに対して甘い事なんて火を見るより明らかでした。ギデオンさんは兄弟の中で唯一の妹を溺愛しております。



 麗しい顔面で微笑むギデオンさん。普通の女性がいたらもう顔を真っ赤にさせて鼻血噴出して失神ものだけど、生憎と耐性がある者、興味がない者しかこの場にはいないので当然、

「ギデオン…」

「ギデオン殿……」

 空気が凍りました。でも私は気にしないよ。だって町に行きたいからね。スッパリと今までの空気を流す。

「ジュールしゃん、町に行きたいでしゅ。きょきゃをくだちゃい」

「町へ?そっか町に興味があるのか…私も行こうかな?」

「駄目です。執務が滞ってます。ニア様の町へ下りる事は許可をしますがくれぐれも気を付けて下さい」

 あっさりと許可が下りた。流石お母さんだね。ジュールお父さんをお尻というか書類で敷いてるね。

「なんか今、大変不愉快な気配が…」

「!行きまちょう!フィーしゃん!エレンしゃん!」

 凄いよ、ランドルフさん。私の心の声に反応するなんて。第六感かな?

 このままこの場にいたら気付かれそうなのでさっさと離れるに限るとばかりに二人を促して執務室を出た。まあ、幼児なのでよちよちとした歩きなので凄く遅いけどね。

 城下町ってどんな所かな?屋台とか出てるかな?色々な屋台で買い物して……あ、お金持ってない。しまった、ジュールお父さんにお小遣い貰えば良かった。

 そう思いながら二人の手を引いて歩いていると遅かったのかエレンさんが抱き上げてくれた。
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