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第43話:ネリルのおしゃべり期と家族会議
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ネリルがおしゃべりを覚えてからというもの、屋敷はますます温かい笑い声で満ちていた。
朝、陽の光が差し込む居間で、ネリルはお気に入りのぬいぐるみを抱きしめながら走り回る。
「ぱぱ!まま!みてみて!」
「はいはい、ちゃんと見てるよ。」
俺が微笑みながら手を振ると、タリスも「すごいな」と優しく目を細めた。
ネリルはくるりと回ってぬいぐるみを高く掲げ、得意げに胸を張る。
「すき!ぱぱ!すき!まま!」
その無邪気な言葉に、胸がじんわりと温かくなる。
タリスも同じように頬をゆるめ、ネリルの髪をくしゃっと撫でた。
―――
一方、廊下を優雅に歩くルインは、まるでどこかの舞踏会から抜け出したお姫様のようだった。
フリルのついたドレスをまとい、弟子たちからの視線を自然に集める。
「ルイン様、今日も素敵ですね。」
「ありがとう。お花を飾るなら、ここの角がいいと思うの。」
そんなやりとりに、弟子たちは目を丸くし、父と母は誇らしげに頷いていた。
まだ幼いはずなのに、その振る舞いはすでに一人前のレディ。
俺はその様子を陰から見ていて、胸がいっぱいになる。
―――
庭ではランゼとフルルが肩を並べ、剣と魔法の訓練をしている。
「ランゼ、これ、つよい?」
「つよい!でもランゼがまもる!」
ふたりの絆は昔から変わらない。
時折屋敷に届く求婚の手紙を見せると、ふたりは顔を見合わせて同じ言葉を言った。
「ランゼはフルルがいる。」
「ふるるもランゼ。」
あっさりとした返事に、弟子たちは顔を見合わせて笑い、母は「まぁ、いいんじゃない?」と肩をすくめた。
―――
夜。タリスと俺は寝室でこっそり相談をしていた。
外では虫の声が響き、窓からは月明かりが差し込む。
「……もうひとり、どう思う?」
「……ネリルも、ルインも、ランゼもフルルもいるのに……でも、また一緒に迎えられるなら……いいかな。」
頬が熱くなる。タリスも同じように照れくさそうに笑った。
「……ネリルに聞いてみる?」
「いやいやいやいや、早すぎるだろ~!」
ふたりで笑い合い、しばらく無言で手を取り合う。
外からは、ネリルの寝言のような「ぱぱ……まま……」という声がかすかに聞こえてきた。
小さな命に呼ばれているようで、胸がいっぱいになる。
―――
その夜、寝室の窓から見える月は丸く、銀の光が優しく降り注いでいた。
リビングからは、まだ寝ないランゼとフルル、そしてルインの楽しげな笑い声が聞こえてくる。
父と母は暖炉のそばでゆっくりと紅茶を飲み、祖父母は昔話を弟子たちに聞かせている。
家族がそろって、笑い声が満ちるこの家。
それは俺が長い旅の果てにようやくたどり着いた宝物だ。
タリスと顔を見合わせ、互いに微笑む。
「……リセル。」
「なに?」
「……ありがとうな。」
「……こちらこそ。」
指先がそっと重なり、温もりが広がる。
窓の外では夜風が優しく葉を揺らし、遠くでフクロウの声がした。
俺はそっと目を閉じ、タリスの肩に寄りかかった。
(……家族って、いいな。)
こうして私たちの物語は、一旦の幕を下ろす。
けれど、きっとまた新しい日々が続いていくのだろう。笑い声と、涙と、たくさんの愛情とともに――。
朝、陽の光が差し込む居間で、ネリルはお気に入りのぬいぐるみを抱きしめながら走り回る。
「ぱぱ!まま!みてみて!」
「はいはい、ちゃんと見てるよ。」
俺が微笑みながら手を振ると、タリスも「すごいな」と優しく目を細めた。
ネリルはくるりと回ってぬいぐるみを高く掲げ、得意げに胸を張る。
「すき!ぱぱ!すき!まま!」
その無邪気な言葉に、胸がじんわりと温かくなる。
タリスも同じように頬をゆるめ、ネリルの髪をくしゃっと撫でた。
―――
一方、廊下を優雅に歩くルインは、まるでどこかの舞踏会から抜け出したお姫様のようだった。
フリルのついたドレスをまとい、弟子たちからの視線を自然に集める。
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「ありがとう。お花を飾るなら、ここの角がいいと思うの。」
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まだ幼いはずなのに、その振る舞いはすでに一人前のレディ。
俺はその様子を陰から見ていて、胸がいっぱいになる。
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庭ではランゼとフルルが肩を並べ、剣と魔法の訓練をしている。
「ランゼ、これ、つよい?」
「つよい!でもランゼがまもる!」
ふたりの絆は昔から変わらない。
時折屋敷に届く求婚の手紙を見せると、ふたりは顔を見合わせて同じ言葉を言った。
「ランゼはフルルがいる。」
「ふるるもランゼ。」
あっさりとした返事に、弟子たちは顔を見合わせて笑い、母は「まぁ、いいんじゃない?」と肩をすくめた。
―――
夜。タリスと俺は寝室でこっそり相談をしていた。
外では虫の声が響き、窓からは月明かりが差し込む。
「……もうひとり、どう思う?」
「……ネリルも、ルインも、ランゼもフルルもいるのに……でも、また一緒に迎えられるなら……いいかな。」
頬が熱くなる。タリスも同じように照れくさそうに笑った。
「……ネリルに聞いてみる?」
「いやいやいやいや、早すぎるだろ~!」
ふたりで笑い合い、しばらく無言で手を取り合う。
外からは、ネリルの寝言のような「ぱぱ……まま……」という声がかすかに聞こえてきた。
小さな命に呼ばれているようで、胸がいっぱいになる。
―――
その夜、寝室の窓から見える月は丸く、銀の光が優しく降り注いでいた。
リビングからは、まだ寝ないランゼとフルル、そしてルインの楽しげな笑い声が聞こえてくる。
父と母は暖炉のそばでゆっくりと紅茶を飲み、祖父母は昔話を弟子たちに聞かせている。
家族がそろって、笑い声が満ちるこの家。
それは俺が長い旅の果てにようやくたどり着いた宝物だ。
タリスと顔を見合わせ、互いに微笑む。
「……リセル。」
「なに?」
「……ありがとうな。」
「……こちらこそ。」
指先がそっと重なり、温もりが広がる。
窓の外では夜風が優しく葉を揺らし、遠くでフクロウの声がした。
俺はそっと目を閉じ、タリスの肩に寄りかかった。
(……家族って、いいな。)
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けれど、きっとまた新しい日々が続いていくのだろう。笑い声と、涙と、たくさんの愛情とともに――。
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