転生賢者は安心して死にたい ~転生者カノイの一生~

文字の大きさ
111 / 216

第110話:何がとは言わないが直観は大事

しおりを挟む
「シェリルあの人がいいと思う!ドレスがキラキラしてる!」

「チェリルはあの人!ひらひらがいっぱい!」

「俺はね!あの人!強くて従兄弟伯父ちゃんを守ってくれそう!」

「僕はあの人かな。頭よさそうだから従兄弟伯父ちゃんをフォローしてくれそうだし。」

「う~ん、見た目か性能か、いや、この言い方は失礼か。」

「まぁ好みの見た目かっていうのと優秀な人材かっていうのは大事なところだよな。」

「ヴェークさんの性質から考えると、ある程度見た目を諦めてでも有能な人間に伴侶になっていただく方がよいと思いますけどね。」

「それもそれで失礼なような……それに気持ちの問題もあるだろうし。」

「惚れた張れたの問題か?ヴェークさんがそれに対応できると思うか?」

「そもそも王族になる気の方で恋愛感情で寄ってくる方はそういないでしょう。」

「うっ……まぁそれもそうか……。」

感情論だけではどうにもならないから決まらないとこもあるよな。

「特に本人のやる気がな~。」

「うん?どうかしたのカノイ君?」

「どうかしたのじゃないですよ!家の子達と遊んでないで婚約者選んでくださいよ!」

冬の間ずっと遊んでて誰とも同伴してないんだもの!

子供好きなら自分の子を持てと!

「自分の子供もかわいいもんですよ?」

「カノイ様ってなんで身内に出力される言葉が優しくなるんでしょう?」

「いうなよ、そういう性分なんだよ。」

「うん……そうだね。私も子供は必要だと思うよ。」

「そうでしょう?」

「でもこんなに可愛い従甥達が王宮に上がってきてくれるなら伴侶がいなくてもいいかな~って。」

「やめて!家の子を王家のごたごたに巻き込まないで!」

お前ほんとにやめろ!こっちも必死で守るぞ!

「あはは、流石に冗談、冗談だよ。」

「じゃなかったらあなたの命はない。」

「こわ!?いや、でも継承権はある身ではあるから最悪の事態は覚悟しておいてね?」

「チェリル王子様~?」

「シェリルも~?」

「うんうん!皆王子様だよ~!」

「やめて!そういう教育してないの!」

「あはは。」

駄目だ……ヴェークさんの目が死んでる。

自分も抵抗できない身だから嘘とは言えない奴だ……!

「とにかく!婚約者を!探そう!」

もう奥の手だ!デバッグモードで好感度とステータスが高い人を見繕おう!

いるだろ!王様に憧れているタイプのロマンチスト!



……いねぇ!リアリストしかいねぇ!

なんでこんなロマンあふれる世界で誰も王様に惚れてないんだよ!

え?ヴェークさん実は王子時代になんかやらかしてた?

それなら王様にするな!

…………お?

「失礼!そこの方!」

「は、はい!」

「その角、共和国の方ですよね?」

「よくご存じですね!ってえぇ!?もしやあなたは!総大将のカノイ様!?」

「なにそれは!?」

思わずパーティーで叫んでしまったが!?

何総大将って!?

「共和国に突然現れて世界の広さを広め、武力で開国を説いたというあの!」

「なんだろう、この誇張されてないのに拡大解釈されている感!」

どんな伝わり方してるんだよ!

「あなた様のおかげで外の世界に出られて私共は本当に感謝しているのです!何なりとお申し付けください!」

「何なりとっていうか、なんというか、あの人と話してきてみてくれないかな?」

「?はい。」

そういうと共和国の人。サクラさんはヴェークさんのもとに向かった。

何を隠そうこの方、共和国のちょっとした要人である。

そしてヴェークさんへの初対面の印象が「綺麗な人だな~」というまったく立場とか気にしていない天然さんでもある。

これならうまくいくのでは?

ヴェークさんとサクラさんはしばらく談笑をして……長いな……いや長くない!?



「でね!すっごく仲良くなったんだ!」

「うん、知ってる。」

「長かったな。」

「まさか開始から終わりまで喋り続けるとは。」

パーティー終っちゃったよ!いや、目的は達成できた、のか?

「従兄弟伯父ちゃん結婚?」

「お相手見つかった?」

「うん。結婚相手ってこんな感じでよかったんだね!」

「従兄弟伯父ちゃんの結婚式?」

「そうだね~。皆がいるうちに式をしちゃおうかな?」

「軽いな~。」

「わーい!従兄弟伯父ちゃんの結婚式!」

「明日にでもやろうか。」

「明日!?」

「早いな!?」

「お相手の心情は!?」

「あはは!話しているうちにプロポーズはできたよ!」

はっや!?この人本当は手が速い人なのか!?

「じゃあまた明日ね!」

「「「あ、はい。」」」



そうして結婚式の日は訪れた……。

国家をあげての結婚式。だけど共和国の人と王国の人の結婚式ということでどちら式の式にするのかとか、食材の調達とか、なんというか、色々と大変だった。

最終的には要人各員がお見合いパーティーで集まっていたので滞りなく進めることができたのだった。

私達は最前列でヴェークさんの雄姿を見届けた。

まさか誓いの言葉で嚙むとは思わなかったが、まぁ、皆笑ってたから結果オーライ。ちょっとおとぼけな感じが皆に伝わったことだろう。

そんな感じで笑顔溢れる結婚式は無事終了した。

「カノイ君、リボルさん、ヴァイスさん、今回は本当にありがとう!」

「総大将様!右大将殿!左大将殿!ありがとうございました!」

「いや~最終的には二人の頑張りだったよ。」

「一瞬の出来事だったな。ところで右大将って俺?」

「ある種一目惚れより凄かったですね。ということは僕が左大将ですか?」

「あはは!カノイ君達は本当に色々やってて凄いな~!私も何かできるよう頑張るよ!」

「ははは、まぁ無理はせずに。」

「それじゃあまたね!シェリル、チェリル、リイン、グロウもありがとう!ルーさんとルーナ君にもよろしくね!」

「「「じゃーね!従兄弟伯父ちゃん!」」」

「じゃあヴェークさん!またいつか!」

「うん!またね!」

長かったヴェークさんの婚活も終わり、終わったのか?まぁ終わったんだろう!平和な生活が戻ってきた。

ルートルーナと合流して数日王都で遊んでから帰ろうかな~。

カノイ・マークガーフ、27歳、ある意味王国最大の危機を救ったことになる春の出来事である。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~

チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!? 魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで! 心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく-- 美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

【連載版】ヒロインは元皇后様!?〜あら?生まれ変わりましたわ?〜

naturalsoft
恋愛
その日、国民から愛された皇后様が病気で60歳の年で亡くなった。すでに現役を若き皇王と皇后に譲りながらも、国内の貴族のバランスを取りながら暮らしていた皇后が亡くなった事で、王国は荒れると予想された。 しかし、誰も予想していなかった事があった。 「あら?わたくし生まれ変わりましたわ?」 すぐに辺境の男爵令嬢として生まれ変わっていました。 「まぁ、今世はのんびり過ごしましょうか〜」 ──と、思っていた時期がありましたわ。 orz これは何かとヤラカシて有名になっていく転生お皇后様のお話しです。 おばあちゃんの知恵袋で乗り切りますわ!

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

処理中です...