6 / 6
第6話:煙を追ってきた足音
しおりを挟む
「ここに……煙、立ってたぞ!」
「昨日も匂いしてた!ここだってば!」
夜明けの光が、焼け落ちた工場の骨組みを薄く照らすころ。
その声は、石と煤に吸われず、まっすぐ工房の中まで届いた。
数日、俺たちは慎重だった。
煙が高く上がりすぎないように。焼く時間をずらし、火を強くしすぎず、匂いが町の中心へ流れないように風を読んだ。
それでも、完全に消すことはできない。
パンの匂いは、嘘をつかない。
そして、腹を空かせた鼻は、驚くほどしつこい。
工房の外――崩れた壁の向こうから、複数の足音が泥を踏む音がする。
軽くて、速くて、迷いがない。大人の足じゃない。
「……来たか」
レノが工具を置いて、短く息を吐いた。
そのため息は諦めじゃなく、「予想どおり」という種類のものだった。
「わざわざ隠れて焼いてたのに」
ティナが呟く。
けれど、その声に怒気はなかった。むしろ少しだけ、困ったような、でもどこか納得したような響きが混じっている。
工房の入口に立つと、そこにはスラムの子供たちが五、六人。
顔も手も薄汚れていて、服はサイズが合っていないのに、必死に着ている。膝も肘も擦りむけて、どの子も痩せている。
けど、目だけが光っていた。
あの光を、俺は知っている。
食べ物を見つけたときの目。
「宝物をみつけた」と思ったときの目だ。
「にーちゃん、あの、パン……!」
一番前の子が、思い切ったように声を張り上げた。
頬がこけているのに、その声だけはよく通る。
「昨日くれたやつ、すっごくうまかった!」
続いて別の子が、半歩前に出る。
銅貨の気配はない。けれど両手を掲げるみたいにして、必死に言った。
「もう一個、だめ? 銅貨はないけど……手、貸すから!」
その言葉で、胸の奥が少しだけ痛んだ。
俺は一瞬、戸惑った。
警戒すべきか。追い返すべきか。
集まれば集まるほど、匂いは大きくなる。煙も増える。見つかる確率は上がる。
それでも、目の前の子供たちは「危険」じゃなく「腹」だった。
腹が空いているだけの体は、言葉より先に震えてしまう。
レノの視線が俺に来る。
“どうする”という問い。
ティナは、子供たちを見たまま黙っている。いつもの仏頂面。けれど、口元が少しだけ硬い。
その沈黙を破ったのは、ティナだった。
「……じゃあ、交換ね」
ティナの声は、淡々としていた。
優しさを飾らない言い方。だからこそ、子供たちの耳にまっすぐ入る。
「薪と水と、できれば干しぶどう。拾ってきて。そしたら……“あれ”を一個、あげる」
“あれ”――夜風のかりかりパン。
あの音がする三日月のやつ。
「ほんとに!?」
子供たちの目が一気に明るくなる。
嬉しさというより、希望に火がついた色だ。
「うそじゃないよね!?」
「うそついてどうするの。ほら、行って」
ティナが顎で外を指すと、子供たちは勢いよく散っていった。
迷う子は一人もいない。走り出す背中が、瓦礫の陰に次々と消える。
工房に残ったのは、煤の匂いと、さっきまでのざわめきの余韻だけ。
急に静かになって、俺は自分が息を止めていたことに気づいた。
「……大丈夫か?」
俺はティナに小さく問うた。
子供たちを巻き込むのが怖い。
ここが居場所になりかけているからこそ、壊れるのが怖い。
ティナは肩をすくめた。
「子供はね。仕事をくれるってだけで命がけになる」
さらっと言うのに、重い。
彼女自身が、それで生きてきたからだ。
「でも、パンがあるなら、ちゃんと帰ってくる」
言い切った。
信じているというより、信じるしかない現実を知っている顔だった。
レノは腕を組んで、入口の方を一度だけ見た。
「……戻ってきたら、約束は守れよ」
「もちろん」
俺は答えた。
約束が守られない世界で、約束を守ることだけが人を人にする。
―――
夕方。
日が傾いて、焼け跡の影が長く伸びるころ。
足音が戻ってきた。
朝より少し重い。疲れている。けれど、どこか弾んでいる。
子供たちは本当に帰ってきた。
背中には薪。腕にはひび割れた水瓶。
そして――潰れかけの干しぶどうの房。握りしめた手の中で、粒が少し潰れている。
それは宝物みたいに大事に抱えられていた。
「取ってきた!」
「薪、これ!」
「水、落とさなかった!」
口々に報告してくる。
息が切れて、汗で顔が汚れて、それでも得意げだ。
俺は受け取って、まず水瓶の口を覗いた。
濁っている。でも、煮沸すれば使える。
薪は細いのも太いのも混ざっている。火を起こすのにちょうどいい。
干しぶどうは形が崩れているけれど、甘さは残っている。酵母にも使えるし、今日の生地に混ぜてもいい。
「すごいじゃないか……これ、ちゃんと使えるよ」
俺が言うと、子供たちはそれだけで少し胸を張った。
役に立つ、と言われるのが、こんなにも嬉しいのか。
「ほら、“夜風の”やつ、くれる?」
朝の一番前の子が言う。
遠慮がない。でも、それでいい。遠慮は腹を満たさない。
俺は頷いて、包みをほどいた。
三日月型のパンを、焼きたてに近い温度で渡せるよう、火の近くに置いていたやつだ。
手のひらに乗せると、軽い。表面は乾いていて、指先が少しだけ引っかかる。
小さな手のひらに、一つずつ。
落とさないように、受け取る側も必死だ。
子供たちは無言で頬張り――すぐに黙り込み――そして。
「うっま!」
「これ、魔法みたいだ!」
「皮が、音する!」
噛んだ瞬間の“ぱき”という音が、工房の中に小さく跳ねる。
その音に、俺の胸の奥がまた熱くなる。
俺が作りたかったのは、味だけじゃない。
噛んだ瞬間の驚きと、腹に落ちる安心と、そのあとに残る「生きてる」って感覚だ。
「また明日も、来ていい?」
一人が恐る恐る言った。
その言い方だけが、やけに丁寧だった。拒まれるのを知っている声。
ティナが俺を見る。
レノも俺を見る。
俺は、一瞬だけ考えた。
危険は増える。
でも、薪と水が増える。
何より、ここに来る理由が“盗む”じゃなく“働く”になる。
ティナが先に口を開いた。
「明日も来るなら、今日と同じ。交換。勝手に火は触らない。走って中に入らない。約束できる?」
子供たちは一斉に頷いた。
頷き方が揃いすぎていて、可笑しいくらい真剣だ。
「できる!」
「約束!」
「火、触んない!」
ティナはそれを聞いて、ほんの少しだけ頷いた。
顔は相変わらず仏頂面なのに、その目は柔らかい。
―――
その日から、廃工場には小さな働き手たちが集まり始めた。
薪割りをする子。
壺を洗う子。
粉をふるう子。
石を集める子。布を運ぶ子。水を見張る子。
誰かが勝手に役割を決めたわけじゃないのに、自然と“やれること”に分かれていく。
ティナは火の扱いを教えた。
火に近づきすぎない距離。薪の置き方。煙が溜まるときの合図。
「火は味方だけど、油断すると噛む」
――その言い方に、子供たちは真面目に頷いた。
レノは木箱を改造して道具箱を作った。
錆びた釘を抜き、割れた板を合わせ、蓋がちゃんと閉まるように調整する。
子供たちはそれを見て「すげぇ」と囁く。レノは照れたように目を逸らす。
俺は少しずつ、作る量を増やしていった。
酵母の壺を増やすわけにはいかないから、使い方を工夫する。
生地を寝かせる時間をずらし、火のタイミングを合わせる。
失敗が出ないように、水は必ず煮る。甘さはほんの少しだけ。塩は入れすぎない。
パンの香りと子供たちの笑い声が交差するこの場所は、もはや“かまど”ではなかった。
煤の町の片隅で、灰の中から生まれた、小さな灯り。
食べ物の匂いが、喧嘩じゃなく、仕事を連れてくる。
奪うための集まりじゃなく、作るための集まりになっていく。
それは、スラムに生まれた子供たちの、初めての“居場所”になりつつあった。
「昨日も匂いしてた!ここだってば!」
夜明けの光が、焼け落ちた工場の骨組みを薄く照らすころ。
その声は、石と煤に吸われず、まっすぐ工房の中まで届いた。
数日、俺たちは慎重だった。
煙が高く上がりすぎないように。焼く時間をずらし、火を強くしすぎず、匂いが町の中心へ流れないように風を読んだ。
それでも、完全に消すことはできない。
パンの匂いは、嘘をつかない。
そして、腹を空かせた鼻は、驚くほどしつこい。
工房の外――崩れた壁の向こうから、複数の足音が泥を踏む音がする。
軽くて、速くて、迷いがない。大人の足じゃない。
「……来たか」
レノが工具を置いて、短く息を吐いた。
そのため息は諦めじゃなく、「予想どおり」という種類のものだった。
「わざわざ隠れて焼いてたのに」
ティナが呟く。
けれど、その声に怒気はなかった。むしろ少しだけ、困ったような、でもどこか納得したような響きが混じっている。
工房の入口に立つと、そこにはスラムの子供たちが五、六人。
顔も手も薄汚れていて、服はサイズが合っていないのに、必死に着ている。膝も肘も擦りむけて、どの子も痩せている。
けど、目だけが光っていた。
あの光を、俺は知っている。
食べ物を見つけたときの目。
「宝物をみつけた」と思ったときの目だ。
「にーちゃん、あの、パン……!」
一番前の子が、思い切ったように声を張り上げた。
頬がこけているのに、その声だけはよく通る。
「昨日くれたやつ、すっごくうまかった!」
続いて別の子が、半歩前に出る。
銅貨の気配はない。けれど両手を掲げるみたいにして、必死に言った。
「もう一個、だめ? 銅貨はないけど……手、貸すから!」
その言葉で、胸の奥が少しだけ痛んだ。
俺は一瞬、戸惑った。
警戒すべきか。追い返すべきか。
集まれば集まるほど、匂いは大きくなる。煙も増える。見つかる確率は上がる。
それでも、目の前の子供たちは「危険」じゃなく「腹」だった。
腹が空いているだけの体は、言葉より先に震えてしまう。
レノの視線が俺に来る。
“どうする”という問い。
ティナは、子供たちを見たまま黙っている。いつもの仏頂面。けれど、口元が少しだけ硬い。
その沈黙を破ったのは、ティナだった。
「……じゃあ、交換ね」
ティナの声は、淡々としていた。
優しさを飾らない言い方。だからこそ、子供たちの耳にまっすぐ入る。
「薪と水と、できれば干しぶどう。拾ってきて。そしたら……“あれ”を一個、あげる」
“あれ”――夜風のかりかりパン。
あの音がする三日月のやつ。
「ほんとに!?」
子供たちの目が一気に明るくなる。
嬉しさというより、希望に火がついた色だ。
「うそじゃないよね!?」
「うそついてどうするの。ほら、行って」
ティナが顎で外を指すと、子供たちは勢いよく散っていった。
迷う子は一人もいない。走り出す背中が、瓦礫の陰に次々と消える。
工房に残ったのは、煤の匂いと、さっきまでのざわめきの余韻だけ。
急に静かになって、俺は自分が息を止めていたことに気づいた。
「……大丈夫か?」
俺はティナに小さく問うた。
子供たちを巻き込むのが怖い。
ここが居場所になりかけているからこそ、壊れるのが怖い。
ティナは肩をすくめた。
「子供はね。仕事をくれるってだけで命がけになる」
さらっと言うのに、重い。
彼女自身が、それで生きてきたからだ。
「でも、パンがあるなら、ちゃんと帰ってくる」
言い切った。
信じているというより、信じるしかない現実を知っている顔だった。
レノは腕を組んで、入口の方を一度だけ見た。
「……戻ってきたら、約束は守れよ」
「もちろん」
俺は答えた。
約束が守られない世界で、約束を守ることだけが人を人にする。
―――
夕方。
日が傾いて、焼け跡の影が長く伸びるころ。
足音が戻ってきた。
朝より少し重い。疲れている。けれど、どこか弾んでいる。
子供たちは本当に帰ってきた。
背中には薪。腕にはひび割れた水瓶。
そして――潰れかけの干しぶどうの房。握りしめた手の中で、粒が少し潰れている。
それは宝物みたいに大事に抱えられていた。
「取ってきた!」
「薪、これ!」
「水、落とさなかった!」
口々に報告してくる。
息が切れて、汗で顔が汚れて、それでも得意げだ。
俺は受け取って、まず水瓶の口を覗いた。
濁っている。でも、煮沸すれば使える。
薪は細いのも太いのも混ざっている。火を起こすのにちょうどいい。
干しぶどうは形が崩れているけれど、甘さは残っている。酵母にも使えるし、今日の生地に混ぜてもいい。
「すごいじゃないか……これ、ちゃんと使えるよ」
俺が言うと、子供たちはそれだけで少し胸を張った。
役に立つ、と言われるのが、こんなにも嬉しいのか。
「ほら、“夜風の”やつ、くれる?」
朝の一番前の子が言う。
遠慮がない。でも、それでいい。遠慮は腹を満たさない。
俺は頷いて、包みをほどいた。
三日月型のパンを、焼きたてに近い温度で渡せるよう、火の近くに置いていたやつだ。
手のひらに乗せると、軽い。表面は乾いていて、指先が少しだけ引っかかる。
小さな手のひらに、一つずつ。
落とさないように、受け取る側も必死だ。
子供たちは無言で頬張り――すぐに黙り込み――そして。
「うっま!」
「これ、魔法みたいだ!」
「皮が、音する!」
噛んだ瞬間の“ぱき”という音が、工房の中に小さく跳ねる。
その音に、俺の胸の奥がまた熱くなる。
俺が作りたかったのは、味だけじゃない。
噛んだ瞬間の驚きと、腹に落ちる安心と、そのあとに残る「生きてる」って感覚だ。
「また明日も、来ていい?」
一人が恐る恐る言った。
その言い方だけが、やけに丁寧だった。拒まれるのを知っている声。
ティナが俺を見る。
レノも俺を見る。
俺は、一瞬だけ考えた。
危険は増える。
でも、薪と水が増える。
何より、ここに来る理由が“盗む”じゃなく“働く”になる。
ティナが先に口を開いた。
「明日も来るなら、今日と同じ。交換。勝手に火は触らない。走って中に入らない。約束できる?」
子供たちは一斉に頷いた。
頷き方が揃いすぎていて、可笑しいくらい真剣だ。
「できる!」
「約束!」
「火、触んない!」
ティナはそれを聞いて、ほんの少しだけ頷いた。
顔は相変わらず仏頂面なのに、その目は柔らかい。
―――
その日から、廃工場には小さな働き手たちが集まり始めた。
薪割りをする子。
壺を洗う子。
粉をふるう子。
石を集める子。布を運ぶ子。水を見張る子。
誰かが勝手に役割を決めたわけじゃないのに、自然と“やれること”に分かれていく。
ティナは火の扱いを教えた。
火に近づきすぎない距離。薪の置き方。煙が溜まるときの合図。
「火は味方だけど、油断すると噛む」
――その言い方に、子供たちは真面目に頷いた。
レノは木箱を改造して道具箱を作った。
錆びた釘を抜き、割れた板を合わせ、蓋がちゃんと閉まるように調整する。
子供たちはそれを見て「すげぇ」と囁く。レノは照れたように目を逸らす。
俺は少しずつ、作る量を増やしていった。
酵母の壺を増やすわけにはいかないから、使い方を工夫する。
生地を寝かせる時間をずらし、火のタイミングを合わせる。
失敗が出ないように、水は必ず煮る。甘さはほんの少しだけ。塩は入れすぎない。
パンの香りと子供たちの笑い声が交差するこの場所は、もはや“かまど”ではなかった。
煤の町の片隅で、灰の中から生まれた、小さな灯り。
食べ物の匂いが、喧嘩じゃなく、仕事を連れてくる。
奪うための集まりじゃなく、作るための集まりになっていく。
それは、スラムに生まれた子供たちの、初めての“居場所”になりつつあった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』
宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる