庶民Aは御曹司を堕としたい!

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第6話「庶民の家でホームパーティ!? ゲームで勝負!・前編」

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放課後、昇降口。

「朝日、新」

「……ん?」

下校準備をしていた俺の元に、西園寺頼が現れた。
例によって今日も視線を集めているけど、もはや慣れつつある自分がいる。

「今日は“庶民の遊び”を体験したい」

「庶民の遊び?」

「そうだ。昨日の“カレーうどん”は合格だった。次は家で楽しむ庶民の“余暇”を見せろ」

「……マジでリサーチ熱心だな、頼」

「お前の家に行く。断るな」

その言い方よ。
でもちょっとワクワクしてる自分もいる。
正直、自分の家に“御曹司”を呼ぶことになるとは思ってなかったけど――

「分かった。じゃあ、今日うち来る?」

「ああ。お前の“普通”を体験したい」

―――

家に着くと、すでに母が張り切っておやつ(たい焼き)を用意していた。
頼はリビングを見回して、

「これが……庶民の居間……?」

「変なとこはないからね。とりあえず座ってて!」

「遠慮はしない」

(本当にしないんだ……)

なんだかんだでしっかりしてる奴だ。

―――

「それで、何をするんだ?」

「“家での遊び”っていえば、やっぱりゲームだろ!」

「ゲーム?」

頼は首を傾げる。

「ボードゲーム? それともTVゲーム?」

「……どっちも初めてだ」

「じゃあ、最初は“人生ゲーム”!」

ボードを広げ、コマをセットする。

「サイコロを振って、お金を稼いだり結婚したり、色々なイベントをこなしてゴールを目指すんだ」

「結婚? 」

「まあまあ、やれば分かる!」

最初は戸惑っていた頼も、進めていくうちにどんどん真剣な顔になっていく。

「朝日、次はどっちのルートが得だ?」

「え、そこまで真剣に考える……?」

「これは勝負だろう。俺は“庶民の遊び”でも手加減しない」

ちょっと楽しくなってきた。
サイコロを振るたび、妙な勝負根性が見える頼。
途中で“宝くじイベント”に当たったときは珍しくニッコリ。

「……こういう運ゲー、意外と燃えるな」

「だろ?」

―――

その後はTVゲーム――
マリオカートでバトルしたり、スマブラでガチ対戦したり。

「西園寺、意外と反射神経いいじゃん!」

「こういうのは経験だ。だが……次は絶対勝つ」

お互い熱くなりすぎて、母が「ご飯できたよー」と声をかけるまでゲーム大会は続いた。

―――

ご飯を食べ終わった後、頼がふと真顔で呟く。

「……今日は楽しかった」

「そう?」

「“普通”をバカにしてた気がする。だが、こういう日常も悪くないな」

「……そっか」

横並びで座るリビングのソファ。
気が付けば、距離は最初よりかなり近い。

(こういうのも、悪くない……)

ふと、頼がこっちを見る。

「また来てもいいか?」

「もちろん」

――また一つ、“フラグ”が立った気がした。
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