何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか

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第1話:よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入してしまった件

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目が覚めると、そこはやたらと高級そうな天蓋付きのベビーベッドだった。

いや、天蓋があるかどうかの確認はできていない。
ただ、視界の端から見えるレースと、頭上のきらきら光る何かが、そういう代物だと物語っている。

赤ちゃんになっていた。
手を見れば小さく、ぷにぷにとして、どう見ても乳児。

ついでに言えば視界もぼやけ気味で、聞こえる声はやけに甘ったるい。

「かわいこちゃん、おめめあいたのね~?ママよ、わたしがママよ~!」

あっ……これはアレだ。異世界転生。
見た目は豪華な室内、香水とハーブの香り、母を名乗る美女の髪は紫で目は金。
ファンタジー属性、完備。

「うっそ……恋愛ゲームかよ……。」

ぼそりと口に出してしまいそうだったが、赤ちゃんの喉はそこまで発達していない。
幸いだ。うっかり親バレしたら面倒なことになりそうだった。

そう、これはよくある異世界転生――だが、私は知っている。この世界、前世で遊んだ恋愛ゲームにそっくりなのだ。
しかも、よりにもよって「親友ルート」に突入してしまったことを、後々知ることになる……。

いや、もっとちゃんと攻略対象のヒロインたちと恋愛したかった。
なんで最後に残った「親友」が、こんなに重い男になってるんだよ……!

吉井透(よしい とおる)、元サラリーマン。三十路独身、実家暮らし、BL嗜好は皆無。
そんな俺が、なぜか王子に転生して、しかも恋愛ゲームの親友(♂)に命を懸けて愛されるとか……。

「……なんで俺なんだよ……。」

カノン・ライエル・フィルディア、0歳。異世界王国の第三王子。
物語はここから始まる。
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