お隣さんがパンツを見せろと言うからプロ意識を持ってそれに応える

サトー

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サービス

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いやらしいことのサービスって、なんなんだろう、と思う。
パン屋や八百屋なら「一つオマケ」とかそういうことが出来る。けど、俺が生田さんに出来るサービスって?とここ数日頭を悩ませている。

そもそも、気持ち悪がられて喜ぶ生田さんのメンタルが理解出来なかった。俺だったら、好きな女の子から「気持ち悪い!サイテー!」と罵倒されて嫌がられたら立ち直れない。
いくら俺が嫌がる姿を見て生田さんが喜んでいるとは言っても、もしかしたら言われたくないことや、されたくないことだって本当はあるのかもしれなかった。

生田さんにどうやったらサービスが出来るのかな、と思い学校やバイトがない時にネットでコツコツと調べた。
そしたら、SMクラブや風俗店では事前にカウンセリングを行っているところがあるらしいということが分かった。
好きなプレイ、苦手なプレイ、何に性欲を覚えるか、触って欲しいところ・触って欲しくないところを聞いてからサービスを提供する、と書いてあって、みんなプロなんだな、と感心してしまった。。

俺もカウンセリングとまではいかなくても、生田さんから細かい要望を聞くことが出来れば、満足して貰えるうえに、もっと効率よくお金が稼げるかも!と思わずルーズリーフに「ちゃんとカウンセリングをする」とメモした。






「……ということで、カウンセリングが一番重要なんです」

呼び出されたその日、生田さんの部屋でそう言うと、「はあ」となぜ重要なのかあまり分かっていないであろう、返事が返ってきた。
 
「……恥ずかしいと思いますけど正直に言って貰えます?あの、さ、触って欲しいところとか、苦手なプレイとか……」
「……鈴井さん、これもう始まってる?」
「なにがですか?」
「いや、これはそういうプレイなのかと思って」
「……そ、そういうプレイってなんですか?なんのことか、さっぱりわかりません。それよりも、ちゃんと教えてください!
例えば……なんで、俺にエッチなことばっかり言って、嫌がる顔を見ようとするんですか?」
「ああ……。無視が一番キツイから……」
 
 そう言ったきり生田さんはなんだかぼんやりしてしまった。
もしかしたら、あまり話したくないことなのかもしれない。生田さんに喜んで欲しいから、いろいろ聞き出してやろうと張り切っていたのに、これじゃあかえって嫌な気持ちにさせてしまっている。
「今日はなんだかしらけたから、帰ってくれ」と謂われたらどうしよう、と思いすごく焦った。



「……鈴井さん、オヤツ食べる?」
「え?」
 
生田さんはキッチンからパンパンに膨らんだレジ袋を持って来た。中から、コアラのマーチ、ポッキー、じゃがりこ、ポテトチップス、チョコチップクッキー、チョコパイ……等といったお菓子がどんどん出てきた。
 
「ど、どうしたんですか……?こんなにたくさん」
「……なんだか、お金を払っていやらしいことだけして帰って貰うというのが、申し訳ないから」

たまにしか行かない親戚の家でもてなされているみたいだった。それを、生田さんに伝えると、不思議そうな顔をされた。

「……そうかな。誘拐犯っぽくないかな」
「……もー、そう言われたらそう見えてきちゃいますよ」

せっかく一生懸命選んで買ってきてくれたみたいなのに……と呆れていると、大好きなアルフォートのパッケージが目に留まった。

「わあ!俺、このお菓子大好きなんです」
「へえ……それなら良かった。このお菓子がそんなに好きなの?」 
「はいっ。一番大好きです!」

元気よくそう答えた後、仕事の前だけど、ほんの少しだけ食べちゃおう、と一人暮らしだとほとんど買うことの無いファミリーパックのパッケージをウキウキで開封していると、「鈴井さん」と生田さんに上擦った声で名前を呼ばれた。

「……鈴井さん、ちょっと、なんでもいいから罵倒してくれる?」
「えっ?!」
「……変態、ゴミ、クズ、塵、芥……なんでもいいから…。ちょっと、それで、平常心を保つから……」
「また訳のわからないことを言って……」

塵、芥なんてフツー悪口で思い付かないよ……とある意味感心したけど、生田さんにそんなことを言うのは気が引けたから、黙ってアルフォートを貪った。

「一緒に食べましょう」と何度か誘ってみたけど、「俺はいいよ」と断られるだけで生田さんは絶対にお菓子に手を付けなかった。
ここにある、大量のお菓子は全部俺のために用意されたみたいだった。



「……鈴井さん、お菓子を食べてるのも可愛いけど、そろそろ他のところを見せて欲しいな」
「あっ、ご、ごめんなさい……。美味しくて、つい……」
 
 お菓子が美味しいのと、生田さんの部屋は、うちとほとんど同じ造りだから、なんとなく落ち着くしでフツーに寛いでしまっていた。
「終わったら、たくさん食べようね」とベッドに促そうとする生田さんの腕をぎゅっと掴んだ。


「あっ、あの、この前はチップをいっぱい貰っちゃったから…。きょ、今日は、俺にサービスさせてください……」

こんなことを俺から言うなんてとても恥ずかしかった。自分がすごくいやらしい人間になってしまったような気がした。

「……サービスって?」
「ええと……何かして欲しいことあります?」

生田さんは真剣な顔でこっちをじっと見ている。……もしかしたら、この前見せた俺の身体を思い出しているのかもしれなかった。

「……おっぱいを触らせてくれないかな」
「ひゃっ!」

いきなり服の上から、左胸の辺りをぎゅっと掴まれた。女の人みたいに膨らんでいないから、鷲掴みというわけにはいかないけど、筋肉の有無や肌の固さを確かめるかのようにムニ、と触られた。

「ま、まだ良いって言ってないのに、何するんですか!」
「ちょっと、鈴井さんの反応が見たかったから、つい……」
「生田さんのバカ!」
「……ちょっとトイレ」
「なんで、このタイミングで抜きにいっちゃうんですか!サービスするって言ったでしょ!もう!」

「鈴井さん、鈴井さんが可愛いから、一回抜いておかないとすぐに射精してしまう」と、生田さんは何でもないことのようにそう言った。
そんなことを言うのは全然平気みたいで、言われた俺の方がずっと恥ずかしかった。

「だ、駄目です……。きょ、今日はいっぱいサービスしたいから、我慢してください」
「………うっ」
「ちょっと!なんで射精してんですか!」
「……だ、大丈夫。まだ出てない……。」
 
「我慢しろなんて……鈴井さん、どこで覚えてきたの?」と言いながら、すでに生田さんは興奮しているようだった。
「何言ってんだか……」と聞き流そうと思ったけど、無視が一番キツイ、とさっき言われたのをふと思い出した。
それで、恥ずかしいけど「……は、早くエッチなことをしましょう」と全然思ってもいないことを言ったら、「……鈴井さん、嘘がつけないんだね。可愛いよ」とすごく喜んでくれた。
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