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【番外編】幼馴染みが留学している
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ほんの一瞬腕の力を緩めた途端、「…ごちそうさま」と言ってルイはするっと逃げ出した。さっきまで優しかったのになんだか急に素っ気ない。「このままだとヤられる」ということを察知して警戒されているのだろうか。
何事もなかったかのように、さっきまでケーキが乗っていた皿をガチャガチャと片付ける様子からは心情が読み取れず、その気があるのか無いのかわからなかった。
「もういらないの?」
「残りは明日また食べる」
食器を洗う薄い背中を眺めていると、もうどうしようもないくらいセックスがしたくて堪らなかった。バカだとルイには思われるだろうけど、昨日は、ようやく会えることが嬉しすぎて、ほとんど眠れていない。眠くなるのを待つ間も、ずっとルイのことを考えていた。
一年間、スカイプでのビデオ通話で散々いろいろなことをさせた。「なんでこんな変なことを俺にさせるんだろう?」と納得出来ないながらもそれに従って、気持ちがいいのに「いやだ」と悶えるルイの姿を思い出すとますます目が冴えた。
けれど、さっき電車でクークー眠っていた様子は疲れているようだったし、気軽に「セックスさせてよ」と言うのは気が引ける。ルイは優しいから、眠いと思っていたとしても、「うん」と頷いてくれるかもしれなかった。でも、そうしたら無理をさせることになってしまう。
身体に負担はかけたくないけど、セックスも諦めきれなくて皿を洗うルイの側をウロウロしていると、「寂しいのか?」と呆れられた。
「うん……」
「……セックスする?」
泡まみれの手を水で洗い流しながら、ルイがボソッと呟いた。自分がそうしたいから提案している、というよりかは、セックスさせて欲しいという俺の気持ちを汲んでそう言ってくれているとしか思えなかった。
「いいの?」
「いいのって……お前、昨日、自分が言ったこと忘れたのか? ヒカルが禁欲しろって言うから、してたのに……」
「えっ、本当に守ってくれてたの?」
「……お前やっぱり、俺をからかってたんだろ。ほんっとーに最低だな!」
「違うって。疲れているんじゃないかと思ったから……ねえ、怒らないでよ。ゴメンって。からかってないよ」
「はあ……」
機嫌を直してもらおうとベタベタくっついて甘えていたら「やめろよ!」とすごく怒られた。
「ねえ、何日くらい我慢した? 教えてよ」
「知るかっ」
洗い物がすんで手を拭いている間もぶすっとしていたけど、ずっとまとわりついて「お願い」と「ごめん」を繰り返していたら、諦めたように「もう! わかったから!」と言って折れてくれた。
「俺は風呂に入るっ」
「……あ、ああ。どうぞ」
呼びかけとか、報告と言うよりは、宣言に近かった。そう思えるくらい、早口気味で勢いがある言い方だった。「待ってろ」とだけ言うと、バスルームへ行ってしまう。約束を忘れられて怒っているのと、自分だけが律儀に何日も禁欲していたことを知られて恥ずかしいのとで、必要以上にバタバタと慌ただしい動きをしている。
「ルイも期待してた?」と思わず聞きたくなる程、ソワソワしていて可愛かった。俺を含む、変な人をたくさん引き寄せてしまうような、一生懸命さと真面目さが感じられた。
ルイは無視、受け流す、と言ったことがほとんど出来ない。出来ることは出来るけど、「俺は今、からかわれて怒っているから無視をしているんだ!」というのが、表情や態度から漏れすぎていて、構ってくれているのとほとんど変わらない。本人に自覚はないようだけど、俺はずっとルイのそういう隙だらけなところにのめり込んでいる。
あんなに怒るなんて、「どうしよう、でもヒカルが、ああ言ってたし……」とムラムラしても頑張って我慢していたのだと言っているのと同じだった。
一年ぶりに触れたらどんな反応をするんだろう。嫌がりながらも最後は受け入れるのか、それとも見たことがないくらい乱れるのか、想像がつかない。
自分に何かして欲しい、という考えは不思議とあまり浮かんでこなかった。何をさせたら一番恥ずかしがるか、一番悦ぶか、ルイの反応を確かめるためにセックスがしたいのかもしれない。
◇◆◇
ものすごく長い時間をかけてルイは戻って来た。お風呂に入っただけだというのに、事後か、と言いたくなるくらい疲れきっていて、かろうじて水滴は拭き取った、という程度にしか髪も乾かされていない。
「いいってば!」とツンツンしていたところを捕まえて無理やりドライヤーをあててやると、すごく気持ち良さそうにしている。細い真っ直ぐな髪はサラサラしていて触り心地がいい。何度も上から下へ指で梳いていると「ヒカル、風呂は?」と怪訝そうな顔で言われた。
「入るけど、眠かったら寝ててもいいよ?」
「起きてる」
もしかしたら待っている間に寝ているだろうな、と保険をかける意味で自分に何度も言い聞かせた。髪や身体を洗っている間もずっと「寝てるに決まっている」と思い込んでいた。だから、戻ってきた時に起きて待っていてくれたことが何倍も嬉しく感じられた。
どうやら、お母さんに電話をしていたみたいで、ほんの少しだけ内容が聞こえた。
……うん。こっち寒くてビックリした。疲れたけど……、大丈夫。え? 学校? 四月から。うん、大丈夫。
お母さん……。やっぱりなんでもない。なんでもないってば! ……お父さんにもありがとうって言っておいて欲しい。……いい、代わらないでいい。
え? ヒカルに? かけてない。もう、うるさいなあ! わかった。わかったってば! 小学生じゃないんだから! いつの話をしてんだよ!わかったから! ……はい……じゃあ。
横顔しか見えなかったけど、電話を切った後はなんだかぼんやりとしている。一生懸命自分の両親のことについて何か考えているけど、納得する答えが見つからなくて一人で悩んでいるような雰囲気だった。「オーストラリアから無事に帰ってきました、ありがとう」という報告の電話だということは分かっていたけれど、見ている方を不安な気持ちにさせるくらい、なんだか寂しそうだった。
「どうしたの?」と聞くことも出来ずに、後ろからぎゅっと抱き締めると「髪、乾かしたか?」といつも通りの口調で聞かれた。
「うん。あのさ、寂しいの?」
「俺が?」
すごくビックリした声で聞き返された。どうしてそんな事を聞かれたのか、まるでわからない、といった様子だった。
「なんか、そう見えたから」
「全然。……帰ってきたから寂しくない」
「ほんと?」
うん、と頷いてから、振り向いてこっちを見ている顔はべつに変わったところは無い。さっきのことは俺の考えすぎだったんだろうか。
「……もう、今日からはお互いビデオ通話で、一人でしなくていいわけだし、良かったな。……俺も、昨日は楽しみで眠れなかった。セックスがしたかったから……」
こんなにもストレートにものを言った後のルイは、照れて逃げ出しそうな気がしたから、抱き締める腕に力を込めた。絶対逃がすか、というのが伝わったのか何も言われなかった。
◇◆◇
服を脱いでいるところを見せて、と頼むと、何も言わないで従ってくれた。小さい縦長のお臍や、女と違ってくびれのほとんどない、お尻までストンと真っ直ぐ続く細い腰を見るのはずいぶん久しぶりで目が離せなくなる。
「パンツも?」
「パンツは後で俺が脱がせる」
「うん」
ルイは、ふーっと一仕事を終えた時のように深くため息を吐いた。部屋はルイが望むよりも、ずっと明るくしている。表情をちゃんと見たかったから、完全な暗闇の中ではしたくなかった。
「して欲しいことある?」
「……ヒカルを、舐めたい」
「俺のどこを? あと、したいことじゃなくて、して欲しいことだよ」
「でも、舐めたい」
「どこを?」
「どこって……」
「迷ってる? それとも言うのが恥ずかしいの?」
いくら待っても何も答えようとしないから、「先に舐めてもいいよね?」とそのまま押し倒した。俺だって同じで、ルイにしたいことがあるのだから仕方がない。
確かめるように身体のあちこちに触れた。腕やお腹は何度も掌で擦って、指でなぞると、ほんの少しではあるけど留学に行く前と体つきが変わっていた。単に細いがゆえに硬かった子供っぽい身体は、皮膚の下に僅かではあるけど筋肉がついて、完全に大人の男の身体になりつつあった。
ルイはなぜベタベタ触られているんだろうと不思議そうにしている。どうやら当の本人は自分の身体つきの変化にほとんど気が付いていないようだった。硬く尖らせた舌で腹筋を舐めていると「くすぐったい」と子供みたいな反応が返ってくる。色気の欠片もない笑いをこらえたような言い方だった。自分の肉体がどんなふうにいやらしく見られているのかわかっていないところが、無防備ですごくそそられる。
そのまま、すぐに乳首や胸には触れないで、鎖骨やわき腹ばかり舐めた。もどかしそうに時折腰を浮かしながらも、ルイはされるがままになっている。
「おっぱい吸って欲しい?」
「うん……」
「おっぱい」という単語が恥ずかしかったのか、何かを想像したのか、焦らされた後なのに、頷くまでにずいぶん間があった。「おっぱい」とはかけ離れた、平たくて固い胸に触れてもらった途端、ピクリと反応する身体はルイの意思とは関係なく「早く触って」と訴えている。
そうっと乳輪を摘まんだ後、小さい乳首を吸ってやると気持ちいいのか、「あっ、あっ」と誘うような声で短く喘いだ。今日は指で刺激されるよりも、舐めたり吸ったりされたりする方がよっぽど悦んでくれている。痛みを感じるギリギリまで強く吸っても嫌がるどころか「もっと」と甘えるようにせがんでくる。
「どうしたの、今日はすごく気持ちよさそう……」
「だって、吸うのは、自分で出来ない……」
「へー……ずっとこんなふうに吸って欲しいと思ってたんだ。淫乱だね」
「違う……!」
「気持ちよくないの?」
「あっ、いやだ、きもちくない……! いやだ!」
煽られてすごく怒りながらも、乳首だけでイけるんじゃないかと思うくらい感じているみたいだった。「違う」と頭を押し退けようとする手には全然力が籠っていなくて、気持ちが良い時にほんの少し指先を強張らせるだけだったからだ。
「怒ったの? ごめんね。しゃぶってあげようか?」
「うん……」
内腿を擦ってやりながら、下着を少しだけずらして鼠径部に舌を這わせた。何度も上から下へ往復させるとくすぐったそうに、脚を閉じてしまう。下腹部を舐めようとほんの少し下着をずり下げようとすると、全部脱がされると思ったのか、ルイが腰を浮かせた。気づいていないふりをして、そのまま性器以外への愛撫を続けていると「もう!」と怒った声がする。
「ヒカル……」
「うん?」
「早く、舐めて……。気持ちいいけど、ずっと我慢してるから、苦しい……早く」
「お願いしますは?」
「……お願いします」
片足ずつ下着を脱がせると、ペニスの先端はすでに先走りで少し濡れている。舌先で舐め取った後に、ルイの表情を伺うとすごく苦しそうな顔でこっちを見ていた。無言で「早く、しゃぶってください」と訴えている。
それでも、一気に口には含まないで、舌の表面を使って裏筋を舐めた。時々キスするみたいに唇を押し当てたり、先っぽだけ口に含んでやったりすると、耐えるみたいにシーツをぎゅっと握りしめている。どんな女よりもルイのモノなら上手くしゃぶれる自信があった。限界だと思うギリギリの深さまで咥えることになんの抵抗もなかったし、フェラチオ中はなぜかルイが俺の顔をじーっと見てくるけど恥ずかしいとか見られたくないなんて思ったこともない。
今日も視線を意識しながら見せつけるように先端を咥えた後、舌を回転させるようにしてペニスを舐めまわした。ぐちゃぐちゃとわざと音を立てるようにすると、それだけで「気持ちいい」と声を震わせている。いくら綺麗に舐め取っても、すぐに透明な液はじわりと先端に滲んでくる。そんなに俺にしゃぶってもらえるのが嬉しいのか、と聞きたくなるほどだった。
「気持ちよさそうだね」
「きもち、いいっ……もっとして……」
口とぺニスの密着度をマックスまで高めてから、頭をゆっくり上下させると、ぎゅうっと脚全体に力が入っているのがわかった。吸い上げる力を少し強めてから、動きをどんどん早くさせると、かぱっと口を開いたルイが、必死で喘いでいる。
「だめ、もう出る! だめだってば……! いや、いやだ! あっ……! ああっ、いやだ……!」
バタバタ暴れて抵抗するから、腕を強く押さえつけながら、脚に覆い被さるようにしていないといけなかった。口の中に出すのを嫌がっているようだったけど、裏筋に舌を強くあてたままストロークを繰り返すのをやめないでいるとピュク、ピュクと口の中で精液が何回にも分けて吐き出された。完全に止まるまでいつもよりもずっと時間がかかった。「飲んじゃ駄目だ」ってルイの掠れた声がしたけど、無視してもちろん全部飲んだ。
「ごめん……」
「え、なんで謝るの? よかったでしょ?」
「でも……絶対最低な味だったし、量も多かっただろ……ごめん」
「そんなことないよ」
フェラチオの後にルイに気遣ってもらえると、女にしか与えてもらえない優しさや思いやりが手に入ったような気になってすごく心が満たされる。女は大嫌いだし、女になりたいわけでもない。ただ、ルイに色目を使って来た女に対して「ざまあみろ」という気持ちになる。
「俺も、ヒカルを舐める……」
フェラチオでイかされた後の余韻でまだぼんやりしているようだったけど、「次はヒカルが寝て」と交代を促された。
どこを舐めてくれるんだろう、と待っていたら何を思ったのかさっきケーキを食べさせた時みたいに指を舐め始めた。中指を丁寧に舌でくすぐるように舐められた後、パクっと口に含まれる。強く吸い上げられたり、歯があたらないよう、唇だけを密着させて出し入れを繰り替えされたりして、どう考えてもフェラチオを連想させるような行為がひたすら続いた。
「ねー、違うとこも舐めてよ」
「……どこを?」
ずっとそう言われるのを待っていたのだろうか。ルイは期待で顔を輝やかせている。
「どこを舐めて欲しいんだよ。言えよ」
そう言いながらとっても嬉しそうな顔をしていた。俺が「お願いします。しゃぶってください」と言うとでも思っているのか、ワクワクしているのが全然隠しきれていない。
「やっぱりもっと指を舐めてよ」
「え……」
「…この後、中をぐちゃぐちゃにしてあげるからさ、ちゃんと自分で舐めて」
ほら、と奥まで咥えさせると、すごく悔しそうな顔をしていた。俺に対してムカついているのは明らかだったけど、自分であんなことを言った手前、後には引けないのか、さっきと同じように手を抜かないで頑張って舐めている。
「どう? これから自分の中に入る指を舐めてる気分は?」
「……う」
「悔しいの? 可愛い……。指を入れて欲しい?」
「うん……」
「じゃあ、代わりにどこを舐めたらいいかわかってるよね?」
「……うん」
毎回毎回返り討ちにあっているのに、懲りずに挑んでくる。そうされるのを心では望んでいるんじゃないだろうか、と思いたくなるくらいに。たぶん、「後でコイツを絶対に殴る」とかそういう物騒なことを考えていそうな顔で睨まれたけど、俺が足を開くと何も言わなくてもルイはそこにうつ伏せになった。
◇◆◇
ルイと初めてキスした時、どんな女とも唇が全然違っていて驚いた。すごく薄いのに柔らかくて、和紙みたいにサラサラしていた。本当にたまにルイから軽くキスしてくれる時も「掠める」という表現の方が正しいと思える程に。
女のそれみたいに艶かしくテラテラ光って特定の誰かを誘ったりしない。会う人全員に平等に笑いかけるためだけに作られたような唇、といつも思っていた。だから、そんな平等と公正を象徴するようなルイの入口に自分のペニスが出し入れされるのを眺めるのは、上手下手とかのテクニックでは補えないような背徳感を覚えた。
しかも、ねっとり味わうように吸いつかれたり、じゅぼじゅぼ音を立てて出し入れされたり、疑うなんてことはしたくないけれど、どこで覚えてきた? 誰に仕込まれた? と聞きたくなるくらいしゃぶるのが上手くなっている。
「ねえ、なんか……上手くなった?」
咥えたまま上目遣いでこっちを見て、不思議そうな顔をしている。少し何かを考えた後、呆れたような顔でルイは性器から口を離した。
「しょっちゅうビデオ通話中に指をしゃぶらせるからだろ!」
「あ、あー……そっか。へー、あれで……」
自分の指を咥えて、パソコンの前で悶えていたルイの姿を思い出した。あの時も、ずっと本当のルイに触りたかったし、早く抱きたくてしょうがなかった。勉強したテクニックで尽くしてくれるルイは、我慢して我慢して一年ぶりに貰えたご褒美のようで気分が昂る。
上体を起こして、ルイのお尻に手を伸ばすと、警戒するかのように身を硬くしていた。「足を開いて、もっと突き出すようにして」と指示すると、こわごわそれに従ってくれる。ローションが垂らされた時点ですでに緊張しているみたいだった。ツププと音を立てて、ゆっくり自分の指が飲み込まれていくのを見ているだけでドキドキする。
久しぶりに挿入されることを不安に思っているのかもしれなかったから、始めは円を描くようにして入口の方をゆっくりほぐした。こっちに集中したいのに、ルイも一生懸命しゃぶってくるしで、もう大丈夫だろうと思えるまですごく時間がかかった。初めはただ耐えるように呻いていただけだったルイも、一番疼いているであろう硬くなっている部分を指の腹で押してやると気持ちよさそうに喘いだ。
「ルイ、中でイくとこ見せて、見たい」
「……いいよ」
意外にもあっさりとオーケーしてくれた。ルイの「もっと強く擦って」に従うと、こんなに激しく突いて大丈夫なんだろうかと心配になるくらいズプズプと指を出し入れすることになった。さっきまで夢中でしゃぶっていたのに、今は口に含んでいるのもしんどいのか、フェラチオは中断してしまっている。
「あっ、あっ、きもちいい……! もっと……」
「自分でも動いてみて。ふふ、口が止まってる」
気持ちよさそうにはしているけど、なかなかイクことは出来ないようだった。時々、思い出したかのようにフェラチオを頑張って再開しようとはするけど、中を指で擦られると気持ちがよくて口を離して喘いでしまう。その度に「ちゃんとしゃぶって」と言うと、慌ててぺニスを口に含もうとするのがたまらなく可愛い。
「んっ、んっ! だめ、いく、あ、あ、あ……」
恥ずかしかったのかずっと我慢していただろうに、最後は指の動きを追うようにいやらしく腰をくねらせて、中で達していた。ゼーゼー肩で息をしながら、触っていない性器が熱を持ってしまって苦しそうにしている。
「ふふ、中でイけてよかったね」
「……いいから。もう、いれて」
「早くしろよ」と偉そうで生意気なことを言っている割には、全てを剥き出しにしたままルイは無防備に脱力しきっていた。ルイの両足首を掴んで持ち上げると、ほんの少し嫌そうな顔をしてから、顔を背けて目をキツく閉じてしまう。膝を曲げてそのまま胸に押し当てるような状態にしてから、ひくついている部分へそっとぺニスをあてがった。
「大丈夫?」と何度も確認するたびに奥へ進めるのをストップしながら、少しずつ挿入する。全部入った時には、まだ終わっていないのに二人とも「はあ」と一息ついていた。それでようやく、ゆっくりと動かすと、ほんの少しルイが顔を歪めた。
「痛い?」
「いたく、ない。だいじょぶ……」
痛くないとしても、あまり気持ちよさそうでもなかった。「どうしたらいい?」と聞いても「好きに動いていい」としか言わないし、どう見ても無理をさせている。そもそも入れる穴の位置が違うから、女とする時と違ってずっと窮屈だった。ほんの少しだけゆっくり腰を振りながらキスをすると、ルイがぎゅっと腕を回してきた。
「大丈夫?」
「うん……くっついてるから、なんか、だいじょぶ、かも……安心する……」
激しく出し入れなんかしなくても、くっついているだけで充分だった。繋がっている部分はすごく静かでゆっくりしたピストンを繰り返した。代わりにキスはくちゅくちゅという音がする程激しかった。ルイも、必死で唇を押し当ててきて、どっちのものかわからない唾液が口の端から零れても止めようとしなかった。
「舌、出して、吸ってあげるから」
「ん、ふ……」
お互いの肌が触れている部分にじっとりと汗が滲んでいる。折り畳まれるような体勢でずっといるのは辛そうだったから、一度ペニスを抜いてからルイをうつ伏せにさせた。「……ローション足して」と恥ずかしそうに言われたけど、こうやってハッキリものを言われるのは嬉しい。さっきみたいにゆっくり挿入してから、そのままルイの身体に覆い被さるようにして、全身を密着させた。
「この方が楽じゃない?」
「うん……さっきよりはずっと楽かも……」
「動いても大丈夫そう?」
「うん」
ルイの足を閉じた状態にすると締まりが良くなるし、腰を前後に振るとお尻の柔らかい部分も感じられて、それだけで意識が飛びそうなくらい気持ちよかった。
寝ていられるから楽な体位ではあるんだろうけど、うつ伏せのままだと、乳首もペニスも触ってやれない。どうしよう、と迷っていると、突かれるたびにペニスがシーツに擦れるためか、ルイもさっきよりもずっと気持ちよさそうだった。
「は、あっ、ルイ、触ってないのに、気持ちいいの……?」
「ちがっ……、だって、かってに、こすれて……あっ! だめ、だめ、いや、あっ、あっ」
激しく突けば突くほど、ルイの性器へ与えられる刺激も強くなるようだった。抵抗することも出来ず、投げ出された両手が何度もシーツを握っては離してを繰り返している。
「だめ、もう、いく……あっ! だめ、ベッド汚れる……」
「汚しなよ。そのまま、出したら気持ちいいよ」
「いやだ……! んんっ! だめだって……あ、あ……いや、いやだ」
そのまま射精するようにどれだけ促しても、頑なにそれを拒まれた。仕方ないから、「じゃあ、これに出したら?」と脱いでそのままになっていた俺の下着を渡すと、ルイはそれがなんなのかはろくに確認もせずに身体の下へ無理に捩じ込んだ。
「キスしよう、顔こっちに向けて……」
「ん……」
もう体力がほとんど残っていないのか、ルイは口を薄く開けているのがやっとのようだった。それでも差し出すように、ほんの少し舌を伸ばしてくるのが健気で、夢中になってそれを吸った。ルイが自分で擦りつけるようにしてカクカクと腰を動かしている。見たことがないくらい乱れていた。
「もっとして、ヒカル、お願い」と懇願されて、さっき慎重に挿入したのはなんだったんだろうと思うくらい乱暴に突いた。先にイったルイにぎゅうぎゅう締めつけられて、そのまま俺も射精してしまった。もっと長く楽しみたかったけど、我慢が出来なかった。
◇◆◇
シャワー、一緒に浴びる? と提案したら意外にも素直に頷かれた。絶対に断ってくるだろうと思ったのに、なんだか妙にしおらしくて、様子がいつもと違うから心配になる。
「どうしたの? 疲れた? どこか痛いの?」
「あの……」
一人でシャワーに行けないほど、どこか痛むんだろうかと思い、返事を待たないで布団を捲ろうとすると「駄目だっ!」と激しく抵抗された。なんなんだ、と訝しんでいると、モゾモゾと布団で身体を隠しながらようやく起き上がった。
「ヒカルのパンツを汚してしまったから……」
「ああ……。べつに、いいよ。渡したの俺だし。そんなにいっぱい出てないでしょ?」
「……それが、思った以上にたくさん出て、恥ずかしくて……」
「へえ……。どのくらい出たの? 見せて」
見せられない、とルイが微かに首を振ると、髪の毛先が揺れてその隙間から真っ赤になった耳が覗いた。……精液を見せるどころか、さっき飲ませた相手に何をここまでモジモジしているんだろう、と不思議で仕方がなかった。
「見せてよ」
「嫌だ」
「俺の下着だよね?」
自分でも卑怯だとは思いながらも、こう言えばルイが絶対に渡さざるを得ないだろうということを指摘した。諦めたような表情でしぶしぶ差し出すだけでなく、肝心な部分が見えないように丁寧に二つに折った状態にしているのが、すごくいじらしい。
フロントのカルバン・クラインのロゴを見ても、わりと最近買ったということしか思い出せないくらいの、べつに何枚も持ってるうちの一枚でしかない。自分が普段履いている黒のローライズボクサーに白く濁った液がべったりと付着していた。恋人の下着に射精したうえに、それを謝罪しないといけないことが、恥ずかしくて悔しくて堪らなかったのか、珍しいことにルイはなんだか泣きそうになっている。
その表情を凝視しながら自分が身につけていた下着に、脈打つようにしてルイが射精した、という事実を噛みしめていると自分の頬にどんどん熱が集まって紅潮しているのがわかった。
「……なんか、今日一番興奮したかも」
「え?」
「……もう一回しようよ、いいよね?」
「さっき、これから風呂に入ろうって言ってただろ!」
「じゃあ、お風呂でしようよ」
「……でも、風呂でしたことないし」
「ルイは何もしなくていいから。ね、大丈夫だからさ」
下着を汚した負い目があるからなかのか、「わかった」とルイはしぶしぶバスルームに着いてきた。その後は、立ったまま後ろからルイのことを抱いた。よっぽど俺の下着に射精したことがショックだったのか、いつもよりもずっと大人しくて従順だった。「ごめんなさい」と謝った後、「中に出して」とまで言われて、ルイが疲れていなければ何回でも出来そうだった。
◇◆◇
綺麗になった身体でベッドに横になっていると、聞かれてもいないのに自分から「気持ちよかった」とルイが口にした。
「ほんと? 嬉しい」
「久しぶりにしたら、こんなに気持ちいいんだな。ビックリした」
「……ラーメンと一緒?」
「へ?」
「……ルイは足りた?」
「足りてないけど、今日はもう無理……」
また明日、と照れたように言われたのが嬉しくて、くたっとした部屋着を着ているルイを抱き寄せた。
「ルイがいなくて寂しかった……」
「うん……。ヒカル、待っててくれてありがとう」
眠いのか、ぼやーっとした顔だけど真っ直ぐ俺の目を見てルイはそう言った。待っている間、最低なこともしたし、留守番の出来としては褒められたものではなかったのに、やっぱりルイは優しい。
「あと少しでヒカルは働き始めるし、本当に別々のとこに行くのは初めてだから変な感じがする……」
「うん……」
幼稚園からずっと一緒だったし、自分だけが先に就職するなんて考えてもいなかった。けれど、こうやって一緒に暮らせている。片思いをしていた頃は、ルイにいつか女が出来て離ればなれになる日が来ることにずっと怯えていたのに。
「ルイ、大好き……」
「俺も」
本当は大好き以外に言わないといけないことがあるような気はしていたけど、布団にくるまってぬくぬくと幸せそうにくつろいでいるルイを見ていると胸が潰れそうになるくらい苦しくて、それしか言葉が出てこなかった。ルイを見ていてこれほどまでに辛いと思うようなことは今まで無かった。ルイは「何?」と不思議そうな表情を浮かべている。
「可愛い顔をしてるな、って思って」
「そんなことヒカルにしか言われたことない」
「本当に? ルイが聞いてないだけじゃなくて?」
「本当だよ……だって、ヒカルといるとみんな『ヒカル君ってかっこいい、綺麗』って俺に言うし……。女はいつもヒカルへの用事でしか俺に話しかけないし。本当に好きなら彼女がいるかくらい、自分で聞け! って言ったら、早川サイテーってすげー文句言われた」
女の扱いが下手なことに自分でウケているのか、クスクス笑いながらそう言った。
「ごめん、ヒカルもう眠い……」
「おやすみ」
「うん……」
閉じられた目元にちゅっとキスをすると、もう一度だけ目を開けて、ふっと微笑みかけてくれた。
本当は今日会った瞬間に、ルイの目がすごく腫れていることに気がついていた。後で顔がどうなるかなんて全く気にせずに目の前の相手に泣いてるところを見られないように、必死でゴシゴシと乱暴に擦ったんだってすぐにわかった。
もしかしたら、大勢の友達に囲まれて嬉しくて寂しくて涙を流したのかもしれない。けれど、人前で泣くのを嫌がるルイの性格を考えると、誰か本当に心を許せる大切な人の側で堰を切ったように泣いたんじゃないかという気がした。
なんで? どうして、俺の側では泣かないの? どうして俺じゃ駄目なの? と聞きたい気持ちを今だって俺は必死で堪えている。ルイのことで気がついていないふりをするのは耐えがたい苦痛だった。それでも我慢した。誰の側で泣いたのかなんて聞かなくても何となくわかっている。ルイが初めて俺と付き合っていることを打ち明けた、オーストラリアで一緒に過ごしていた女だってことぐらい。
別れの悲しみだけじゃなく、いろいろな感情が溢れて泣いたんだろう。俺と付き合っているということを誰にも言えずに、どんなに傷つけられても一人でずっと耐えていた時の分の涙まで流したんじゃないかという気がしていた。だから、俺はルイに何も言えるわけがなかった。……本当に悔しいけど、きっとルイには、男と付き合っていても大丈夫、と肯定してくれるあの女が必要だった。
「自分のことをゲイだと思ったことあるか?」とルイに聞かれたことがあった。なんだか気になって、あの後も何度か、どうしてそんなことを俺に聞くのか尋ねたけど、「べつに気になっただけ」とかそんな理由でずっとはぐらかされている。
一度だけ、「ヒカルは強いな。俺は…ずっと人にどう思われるか気にしている」と言われた。それに対して否定も肯定もしなかったけど、本当のところは、強い、と言うよりも思考が停止している、の方が正しい。ルイを好きだと思った中学生の頃からもうずっと同じ所で立ち止まったままだ。もちろん、男なのに男が好きだということは蔑みや好奇の対象になることは知っていた。けれども、それがなんだ、そんなことで諦めてたまるか、どんな手でも使ってやる、と思わないと、ルイの側になんか辛くていられなかった。
ただ、ルイは何か悩んでいるようだったし、もしかしたら俺に言っていないだけで「お前はゲイか?」と聞かれて、不快で怖い思いをしたのかもしれなかった。どんなにしつこく聞いても、このことについては何にも教えてくれないから全部推測か想像することしか出来なかったけど、ここで初めて、俺と付き合っていることでルイが嫌な目に合う、という問題に直面することになった。
それからは、ルイの気持ちに少しでも寄り添おうと思って、試験勉強の合間を縫って本を読んだり、ネットで調べたりする日々が始まった。それらしきウェブサイトを見ていても「僕はリバよりのウケで、バニラです」と、何を言われているのかさっぱりわからなくて、言葉の意味を調べるところから始まった。一つ覚えてもまたわからない言葉が出てきて、戻ってはまた調べてを繰り返した。
いろいろな人がいた。
男とセックスはしたいけど特定のパートナーを持ちたくない人、挿入されるのが苦手でハグとキスだけで満足する人、ゲイだけどセックスレスの奥さんがいて、でもちゃんと奥さんを愛している人、ゲイであることのカミングアウトを推奨する人、ゲイの自分のことを放っておいて欲しいと思っている人……。
ずっとずっとルイの悩んでいそうなこととその答えを探し続けているけれど、なかなか見つからない。
ルイもひょっとしたら、今日は見つからなかったけど明日はきっと見つかる、と思いながら、何度も何度も自分の求める何かをずっと前から一人で探し続けていたのかもしれない。だから、簡単に諦めることは出来なかった。
「ウケをやってるからって、『女っぽい』と言われるなんて冗談じゃない。なんで男女のセックスの価値観をゲイのセックスに持ってくる? 挿入する・されるだけで括られたくない」
百人以上の言葉の中から、ようやく近いものが見つかったような気がした。ルイが「挿入される方は、女役って言うらしい」と言っていたのを思い出したからだ。
ルイはべつに女と間違えられるような容姿はしていない。どこからどう見ても男だ。顔だけなら俺の方がずっと女っぽい。けれど、考えてみれば、俺とルイが付き合っていることについて、ルイの方がウケだと知れば間違いなくそういう目で見る奴もいる、ということだった。「ああ、やっぱり」と納得出来るまで、ルイの仕草や話し方をジッと観察して、少しでも女っぽいと思える部分を探そうとするだろう。
セックスの趣向や方法なんて、人間のほんの一部分でしかないのに、他の人間と違うことをしていると、それがその人の本質を占める大部分のように思われてしまう。
恐ろしいのが、家族や友達からでさえ、そう誤解されるかもしれないことだった。どれだけそれがルイにとって苦痛か理解すると同時に……自分自身も、ルイを「抱いている」ということで自尊心を保っている部分もあったし、ルイがそういう偏見に悩んでいるなんて考えたこともなかった。結局、ルイを一人で悩ませていたのは俺だ、とようやく理解した。
ルイを心から可愛いと思っている。ずっと大好きで、二人で一緒にいられるなら、他には誰も必要なかった。……両親でさえも失ったって構わなかった。
ただ、ルイにも同じようにしろ、なんて言えるはずがなかった。ルイの両親もきっとルイのことをすごく可愛いと思っているに違いないからだ。さっき、電話をしていた時に「お母さん」と切なく呼んでいた声が頭から離れない。
きっと、この先ルイは俺といる限り両親にあらゆることについて、説明しないといけない時が来る。どうして彼女を作らないのか、結婚しないのか、子供を欲しがらないのか……。普通じゃないと思われるかもしれないし、失望されるかもしれなかった。
そして、俺はひどく憎まれるだろうから、出来ればずっと二人だけで隠れるようにしていたい。けれど、ルイはきっとそれを望まないだろう。全てを打ち明けるその時が来たとしたら、今度こそ一人にさせるわけにはいかなかった。
「ルイが大好き、ずっと一緒にいて」だけでは、もう押し通せなくなるくらい、俺もルイも成長してしまった。社会に出たら、ルイが言っていたように、きっと理不尽な思いもするし、苦労もする。ずっと一緒にいて、じゃなく、ずっと一緒にいられるように自分で何とかしないといけなかった。みっともなくても、人の手を借りてでも、もっと強くて賢くて、ルイの気持ちをわかるような人間にならないといけない。
ルイがいないと生きていけないなんて言っている場合じゃなかった。
何事もなかったかのように、さっきまでケーキが乗っていた皿をガチャガチャと片付ける様子からは心情が読み取れず、その気があるのか無いのかわからなかった。
「もういらないの?」
「残りは明日また食べる」
食器を洗う薄い背中を眺めていると、もうどうしようもないくらいセックスがしたくて堪らなかった。バカだとルイには思われるだろうけど、昨日は、ようやく会えることが嬉しすぎて、ほとんど眠れていない。眠くなるのを待つ間も、ずっとルイのことを考えていた。
一年間、スカイプでのビデオ通話で散々いろいろなことをさせた。「なんでこんな変なことを俺にさせるんだろう?」と納得出来ないながらもそれに従って、気持ちがいいのに「いやだ」と悶えるルイの姿を思い出すとますます目が冴えた。
けれど、さっき電車でクークー眠っていた様子は疲れているようだったし、気軽に「セックスさせてよ」と言うのは気が引ける。ルイは優しいから、眠いと思っていたとしても、「うん」と頷いてくれるかもしれなかった。でも、そうしたら無理をさせることになってしまう。
身体に負担はかけたくないけど、セックスも諦めきれなくて皿を洗うルイの側をウロウロしていると、「寂しいのか?」と呆れられた。
「うん……」
「……セックスする?」
泡まみれの手を水で洗い流しながら、ルイがボソッと呟いた。自分がそうしたいから提案している、というよりかは、セックスさせて欲しいという俺の気持ちを汲んでそう言ってくれているとしか思えなかった。
「いいの?」
「いいのって……お前、昨日、自分が言ったこと忘れたのか? ヒカルが禁欲しろって言うから、してたのに……」
「えっ、本当に守ってくれてたの?」
「……お前やっぱり、俺をからかってたんだろ。ほんっとーに最低だな!」
「違うって。疲れているんじゃないかと思ったから……ねえ、怒らないでよ。ゴメンって。からかってないよ」
「はあ……」
機嫌を直してもらおうとベタベタくっついて甘えていたら「やめろよ!」とすごく怒られた。
「ねえ、何日くらい我慢した? 教えてよ」
「知るかっ」
洗い物がすんで手を拭いている間もぶすっとしていたけど、ずっとまとわりついて「お願い」と「ごめん」を繰り返していたら、諦めたように「もう! わかったから!」と言って折れてくれた。
「俺は風呂に入るっ」
「……あ、ああ。どうぞ」
呼びかけとか、報告と言うよりは、宣言に近かった。そう思えるくらい、早口気味で勢いがある言い方だった。「待ってろ」とだけ言うと、バスルームへ行ってしまう。約束を忘れられて怒っているのと、自分だけが律儀に何日も禁欲していたことを知られて恥ずかしいのとで、必要以上にバタバタと慌ただしい動きをしている。
「ルイも期待してた?」と思わず聞きたくなる程、ソワソワしていて可愛かった。俺を含む、変な人をたくさん引き寄せてしまうような、一生懸命さと真面目さが感じられた。
ルイは無視、受け流す、と言ったことがほとんど出来ない。出来ることは出来るけど、「俺は今、からかわれて怒っているから無視をしているんだ!」というのが、表情や態度から漏れすぎていて、構ってくれているのとほとんど変わらない。本人に自覚はないようだけど、俺はずっとルイのそういう隙だらけなところにのめり込んでいる。
あんなに怒るなんて、「どうしよう、でもヒカルが、ああ言ってたし……」とムラムラしても頑張って我慢していたのだと言っているのと同じだった。
一年ぶりに触れたらどんな反応をするんだろう。嫌がりながらも最後は受け入れるのか、それとも見たことがないくらい乱れるのか、想像がつかない。
自分に何かして欲しい、という考えは不思議とあまり浮かんでこなかった。何をさせたら一番恥ずかしがるか、一番悦ぶか、ルイの反応を確かめるためにセックスがしたいのかもしれない。
◇◆◇
ものすごく長い時間をかけてルイは戻って来た。お風呂に入っただけだというのに、事後か、と言いたくなるくらい疲れきっていて、かろうじて水滴は拭き取った、という程度にしか髪も乾かされていない。
「いいってば!」とツンツンしていたところを捕まえて無理やりドライヤーをあててやると、すごく気持ち良さそうにしている。細い真っ直ぐな髪はサラサラしていて触り心地がいい。何度も上から下へ指で梳いていると「ヒカル、風呂は?」と怪訝そうな顔で言われた。
「入るけど、眠かったら寝ててもいいよ?」
「起きてる」
もしかしたら待っている間に寝ているだろうな、と保険をかける意味で自分に何度も言い聞かせた。髪や身体を洗っている間もずっと「寝てるに決まっている」と思い込んでいた。だから、戻ってきた時に起きて待っていてくれたことが何倍も嬉しく感じられた。
どうやら、お母さんに電話をしていたみたいで、ほんの少しだけ内容が聞こえた。
……うん。こっち寒くてビックリした。疲れたけど……、大丈夫。え? 学校? 四月から。うん、大丈夫。
お母さん……。やっぱりなんでもない。なんでもないってば! ……お父さんにもありがとうって言っておいて欲しい。……いい、代わらないでいい。
え? ヒカルに? かけてない。もう、うるさいなあ! わかった。わかったってば! 小学生じゃないんだから! いつの話をしてんだよ!わかったから! ……はい……じゃあ。
横顔しか見えなかったけど、電話を切った後はなんだかぼんやりとしている。一生懸命自分の両親のことについて何か考えているけど、納得する答えが見つからなくて一人で悩んでいるような雰囲気だった。「オーストラリアから無事に帰ってきました、ありがとう」という報告の電話だということは分かっていたけれど、見ている方を不安な気持ちにさせるくらい、なんだか寂しそうだった。
「どうしたの?」と聞くことも出来ずに、後ろからぎゅっと抱き締めると「髪、乾かしたか?」といつも通りの口調で聞かれた。
「うん。あのさ、寂しいの?」
「俺が?」
すごくビックリした声で聞き返された。どうしてそんな事を聞かれたのか、まるでわからない、といった様子だった。
「なんか、そう見えたから」
「全然。……帰ってきたから寂しくない」
「ほんと?」
うん、と頷いてから、振り向いてこっちを見ている顔はべつに変わったところは無い。さっきのことは俺の考えすぎだったんだろうか。
「……もう、今日からはお互いビデオ通話で、一人でしなくていいわけだし、良かったな。……俺も、昨日は楽しみで眠れなかった。セックスがしたかったから……」
こんなにもストレートにものを言った後のルイは、照れて逃げ出しそうな気がしたから、抱き締める腕に力を込めた。絶対逃がすか、というのが伝わったのか何も言われなかった。
◇◆◇
服を脱いでいるところを見せて、と頼むと、何も言わないで従ってくれた。小さい縦長のお臍や、女と違ってくびれのほとんどない、お尻までストンと真っ直ぐ続く細い腰を見るのはずいぶん久しぶりで目が離せなくなる。
「パンツも?」
「パンツは後で俺が脱がせる」
「うん」
ルイは、ふーっと一仕事を終えた時のように深くため息を吐いた。部屋はルイが望むよりも、ずっと明るくしている。表情をちゃんと見たかったから、完全な暗闇の中ではしたくなかった。
「して欲しいことある?」
「……ヒカルを、舐めたい」
「俺のどこを? あと、したいことじゃなくて、して欲しいことだよ」
「でも、舐めたい」
「どこを?」
「どこって……」
「迷ってる? それとも言うのが恥ずかしいの?」
いくら待っても何も答えようとしないから、「先に舐めてもいいよね?」とそのまま押し倒した。俺だって同じで、ルイにしたいことがあるのだから仕方がない。
確かめるように身体のあちこちに触れた。腕やお腹は何度も掌で擦って、指でなぞると、ほんの少しではあるけど留学に行く前と体つきが変わっていた。単に細いがゆえに硬かった子供っぽい身体は、皮膚の下に僅かではあるけど筋肉がついて、完全に大人の男の身体になりつつあった。
ルイはなぜベタベタ触られているんだろうと不思議そうにしている。どうやら当の本人は自分の身体つきの変化にほとんど気が付いていないようだった。硬く尖らせた舌で腹筋を舐めていると「くすぐったい」と子供みたいな反応が返ってくる。色気の欠片もない笑いをこらえたような言い方だった。自分の肉体がどんなふうにいやらしく見られているのかわかっていないところが、無防備ですごくそそられる。
そのまま、すぐに乳首や胸には触れないで、鎖骨やわき腹ばかり舐めた。もどかしそうに時折腰を浮かしながらも、ルイはされるがままになっている。
「おっぱい吸って欲しい?」
「うん……」
「おっぱい」という単語が恥ずかしかったのか、何かを想像したのか、焦らされた後なのに、頷くまでにずいぶん間があった。「おっぱい」とはかけ離れた、平たくて固い胸に触れてもらった途端、ピクリと反応する身体はルイの意思とは関係なく「早く触って」と訴えている。
そうっと乳輪を摘まんだ後、小さい乳首を吸ってやると気持ちいいのか、「あっ、あっ」と誘うような声で短く喘いだ。今日は指で刺激されるよりも、舐めたり吸ったりされたりする方がよっぽど悦んでくれている。痛みを感じるギリギリまで強く吸っても嫌がるどころか「もっと」と甘えるようにせがんでくる。
「どうしたの、今日はすごく気持ちよさそう……」
「だって、吸うのは、自分で出来ない……」
「へー……ずっとこんなふうに吸って欲しいと思ってたんだ。淫乱だね」
「違う……!」
「気持ちよくないの?」
「あっ、いやだ、きもちくない……! いやだ!」
煽られてすごく怒りながらも、乳首だけでイけるんじゃないかと思うくらい感じているみたいだった。「違う」と頭を押し退けようとする手には全然力が籠っていなくて、気持ちが良い時にほんの少し指先を強張らせるだけだったからだ。
「怒ったの? ごめんね。しゃぶってあげようか?」
「うん……」
内腿を擦ってやりながら、下着を少しだけずらして鼠径部に舌を這わせた。何度も上から下へ往復させるとくすぐったそうに、脚を閉じてしまう。下腹部を舐めようとほんの少し下着をずり下げようとすると、全部脱がされると思ったのか、ルイが腰を浮かせた。気づいていないふりをして、そのまま性器以外への愛撫を続けていると「もう!」と怒った声がする。
「ヒカル……」
「うん?」
「早く、舐めて……。気持ちいいけど、ずっと我慢してるから、苦しい……早く」
「お願いしますは?」
「……お願いします」
片足ずつ下着を脱がせると、ペニスの先端はすでに先走りで少し濡れている。舌先で舐め取った後に、ルイの表情を伺うとすごく苦しそうな顔でこっちを見ていた。無言で「早く、しゃぶってください」と訴えている。
それでも、一気に口には含まないで、舌の表面を使って裏筋を舐めた。時々キスするみたいに唇を押し当てたり、先っぽだけ口に含んでやったりすると、耐えるみたいにシーツをぎゅっと握りしめている。どんな女よりもルイのモノなら上手くしゃぶれる自信があった。限界だと思うギリギリの深さまで咥えることになんの抵抗もなかったし、フェラチオ中はなぜかルイが俺の顔をじーっと見てくるけど恥ずかしいとか見られたくないなんて思ったこともない。
今日も視線を意識しながら見せつけるように先端を咥えた後、舌を回転させるようにしてペニスを舐めまわした。ぐちゃぐちゃとわざと音を立てるようにすると、それだけで「気持ちいい」と声を震わせている。いくら綺麗に舐め取っても、すぐに透明な液はじわりと先端に滲んでくる。そんなに俺にしゃぶってもらえるのが嬉しいのか、と聞きたくなるほどだった。
「気持ちよさそうだね」
「きもち、いいっ……もっとして……」
口とぺニスの密着度をマックスまで高めてから、頭をゆっくり上下させると、ぎゅうっと脚全体に力が入っているのがわかった。吸い上げる力を少し強めてから、動きをどんどん早くさせると、かぱっと口を開いたルイが、必死で喘いでいる。
「だめ、もう出る! だめだってば……! いや、いやだ! あっ……! ああっ、いやだ……!」
バタバタ暴れて抵抗するから、腕を強く押さえつけながら、脚に覆い被さるようにしていないといけなかった。口の中に出すのを嫌がっているようだったけど、裏筋に舌を強くあてたままストロークを繰り返すのをやめないでいるとピュク、ピュクと口の中で精液が何回にも分けて吐き出された。完全に止まるまでいつもよりもずっと時間がかかった。「飲んじゃ駄目だ」ってルイの掠れた声がしたけど、無視してもちろん全部飲んだ。
「ごめん……」
「え、なんで謝るの? よかったでしょ?」
「でも……絶対最低な味だったし、量も多かっただろ……ごめん」
「そんなことないよ」
フェラチオの後にルイに気遣ってもらえると、女にしか与えてもらえない優しさや思いやりが手に入ったような気になってすごく心が満たされる。女は大嫌いだし、女になりたいわけでもない。ただ、ルイに色目を使って来た女に対して「ざまあみろ」という気持ちになる。
「俺も、ヒカルを舐める……」
フェラチオでイかされた後の余韻でまだぼんやりしているようだったけど、「次はヒカルが寝て」と交代を促された。
どこを舐めてくれるんだろう、と待っていたら何を思ったのかさっきケーキを食べさせた時みたいに指を舐め始めた。中指を丁寧に舌でくすぐるように舐められた後、パクっと口に含まれる。強く吸い上げられたり、歯があたらないよう、唇だけを密着させて出し入れを繰り替えされたりして、どう考えてもフェラチオを連想させるような行為がひたすら続いた。
「ねー、違うとこも舐めてよ」
「……どこを?」
ずっとそう言われるのを待っていたのだろうか。ルイは期待で顔を輝やかせている。
「どこを舐めて欲しいんだよ。言えよ」
そう言いながらとっても嬉しそうな顔をしていた。俺が「お願いします。しゃぶってください」と言うとでも思っているのか、ワクワクしているのが全然隠しきれていない。
「やっぱりもっと指を舐めてよ」
「え……」
「…この後、中をぐちゃぐちゃにしてあげるからさ、ちゃんと自分で舐めて」
ほら、と奥まで咥えさせると、すごく悔しそうな顔をしていた。俺に対してムカついているのは明らかだったけど、自分であんなことを言った手前、後には引けないのか、さっきと同じように手を抜かないで頑張って舐めている。
「どう? これから自分の中に入る指を舐めてる気分は?」
「……う」
「悔しいの? 可愛い……。指を入れて欲しい?」
「うん……」
「じゃあ、代わりにどこを舐めたらいいかわかってるよね?」
「……うん」
毎回毎回返り討ちにあっているのに、懲りずに挑んでくる。そうされるのを心では望んでいるんじゃないだろうか、と思いたくなるくらいに。たぶん、「後でコイツを絶対に殴る」とかそういう物騒なことを考えていそうな顔で睨まれたけど、俺が足を開くと何も言わなくてもルイはそこにうつ伏せになった。
◇◆◇
ルイと初めてキスした時、どんな女とも唇が全然違っていて驚いた。すごく薄いのに柔らかくて、和紙みたいにサラサラしていた。本当にたまにルイから軽くキスしてくれる時も「掠める」という表現の方が正しいと思える程に。
女のそれみたいに艶かしくテラテラ光って特定の誰かを誘ったりしない。会う人全員に平等に笑いかけるためだけに作られたような唇、といつも思っていた。だから、そんな平等と公正を象徴するようなルイの入口に自分のペニスが出し入れされるのを眺めるのは、上手下手とかのテクニックでは補えないような背徳感を覚えた。
しかも、ねっとり味わうように吸いつかれたり、じゅぼじゅぼ音を立てて出し入れされたり、疑うなんてことはしたくないけれど、どこで覚えてきた? 誰に仕込まれた? と聞きたくなるくらいしゃぶるのが上手くなっている。
「ねえ、なんか……上手くなった?」
咥えたまま上目遣いでこっちを見て、不思議そうな顔をしている。少し何かを考えた後、呆れたような顔でルイは性器から口を離した。
「しょっちゅうビデオ通話中に指をしゃぶらせるからだろ!」
「あ、あー……そっか。へー、あれで……」
自分の指を咥えて、パソコンの前で悶えていたルイの姿を思い出した。あの時も、ずっと本当のルイに触りたかったし、早く抱きたくてしょうがなかった。勉強したテクニックで尽くしてくれるルイは、我慢して我慢して一年ぶりに貰えたご褒美のようで気分が昂る。
上体を起こして、ルイのお尻に手を伸ばすと、警戒するかのように身を硬くしていた。「足を開いて、もっと突き出すようにして」と指示すると、こわごわそれに従ってくれる。ローションが垂らされた時点ですでに緊張しているみたいだった。ツププと音を立てて、ゆっくり自分の指が飲み込まれていくのを見ているだけでドキドキする。
久しぶりに挿入されることを不安に思っているのかもしれなかったから、始めは円を描くようにして入口の方をゆっくりほぐした。こっちに集中したいのに、ルイも一生懸命しゃぶってくるしで、もう大丈夫だろうと思えるまですごく時間がかかった。初めはただ耐えるように呻いていただけだったルイも、一番疼いているであろう硬くなっている部分を指の腹で押してやると気持ちよさそうに喘いだ。
「ルイ、中でイくとこ見せて、見たい」
「……いいよ」
意外にもあっさりとオーケーしてくれた。ルイの「もっと強く擦って」に従うと、こんなに激しく突いて大丈夫なんだろうかと心配になるくらいズプズプと指を出し入れすることになった。さっきまで夢中でしゃぶっていたのに、今は口に含んでいるのもしんどいのか、フェラチオは中断してしまっている。
「あっ、あっ、きもちいい……! もっと……」
「自分でも動いてみて。ふふ、口が止まってる」
気持ちよさそうにはしているけど、なかなかイクことは出来ないようだった。時々、思い出したかのようにフェラチオを頑張って再開しようとはするけど、中を指で擦られると気持ちがよくて口を離して喘いでしまう。その度に「ちゃんとしゃぶって」と言うと、慌ててぺニスを口に含もうとするのがたまらなく可愛い。
「んっ、んっ! だめ、いく、あ、あ、あ……」
恥ずかしかったのかずっと我慢していただろうに、最後は指の動きを追うようにいやらしく腰をくねらせて、中で達していた。ゼーゼー肩で息をしながら、触っていない性器が熱を持ってしまって苦しそうにしている。
「ふふ、中でイけてよかったね」
「……いいから。もう、いれて」
「早くしろよ」と偉そうで生意気なことを言っている割には、全てを剥き出しにしたままルイは無防備に脱力しきっていた。ルイの両足首を掴んで持ち上げると、ほんの少し嫌そうな顔をしてから、顔を背けて目をキツく閉じてしまう。膝を曲げてそのまま胸に押し当てるような状態にしてから、ひくついている部分へそっとぺニスをあてがった。
「大丈夫?」と何度も確認するたびに奥へ進めるのをストップしながら、少しずつ挿入する。全部入った時には、まだ終わっていないのに二人とも「はあ」と一息ついていた。それでようやく、ゆっくりと動かすと、ほんの少しルイが顔を歪めた。
「痛い?」
「いたく、ない。だいじょぶ……」
痛くないとしても、あまり気持ちよさそうでもなかった。「どうしたらいい?」と聞いても「好きに動いていい」としか言わないし、どう見ても無理をさせている。そもそも入れる穴の位置が違うから、女とする時と違ってずっと窮屈だった。ほんの少しだけゆっくり腰を振りながらキスをすると、ルイがぎゅっと腕を回してきた。
「大丈夫?」
「うん……くっついてるから、なんか、だいじょぶ、かも……安心する……」
激しく出し入れなんかしなくても、くっついているだけで充分だった。繋がっている部分はすごく静かでゆっくりしたピストンを繰り返した。代わりにキスはくちゅくちゅという音がする程激しかった。ルイも、必死で唇を押し当ててきて、どっちのものかわからない唾液が口の端から零れても止めようとしなかった。
「舌、出して、吸ってあげるから」
「ん、ふ……」
お互いの肌が触れている部分にじっとりと汗が滲んでいる。折り畳まれるような体勢でずっといるのは辛そうだったから、一度ペニスを抜いてからルイをうつ伏せにさせた。「……ローション足して」と恥ずかしそうに言われたけど、こうやってハッキリものを言われるのは嬉しい。さっきみたいにゆっくり挿入してから、そのままルイの身体に覆い被さるようにして、全身を密着させた。
「この方が楽じゃない?」
「うん……さっきよりはずっと楽かも……」
「動いても大丈夫そう?」
「うん」
ルイの足を閉じた状態にすると締まりが良くなるし、腰を前後に振るとお尻の柔らかい部分も感じられて、それだけで意識が飛びそうなくらい気持ちよかった。
寝ていられるから楽な体位ではあるんだろうけど、うつ伏せのままだと、乳首もペニスも触ってやれない。どうしよう、と迷っていると、突かれるたびにペニスがシーツに擦れるためか、ルイもさっきよりもずっと気持ちよさそうだった。
「は、あっ、ルイ、触ってないのに、気持ちいいの……?」
「ちがっ……、だって、かってに、こすれて……あっ! だめ、だめ、いや、あっ、あっ」
激しく突けば突くほど、ルイの性器へ与えられる刺激も強くなるようだった。抵抗することも出来ず、投げ出された両手が何度もシーツを握っては離してを繰り返している。
「だめ、もう、いく……あっ! だめ、ベッド汚れる……」
「汚しなよ。そのまま、出したら気持ちいいよ」
「いやだ……! んんっ! だめだって……あ、あ……いや、いやだ」
そのまま射精するようにどれだけ促しても、頑なにそれを拒まれた。仕方ないから、「じゃあ、これに出したら?」と脱いでそのままになっていた俺の下着を渡すと、ルイはそれがなんなのかはろくに確認もせずに身体の下へ無理に捩じ込んだ。
「キスしよう、顔こっちに向けて……」
「ん……」
もう体力がほとんど残っていないのか、ルイは口を薄く開けているのがやっとのようだった。それでも差し出すように、ほんの少し舌を伸ばしてくるのが健気で、夢中になってそれを吸った。ルイが自分で擦りつけるようにしてカクカクと腰を動かしている。見たことがないくらい乱れていた。
「もっとして、ヒカル、お願い」と懇願されて、さっき慎重に挿入したのはなんだったんだろうと思うくらい乱暴に突いた。先にイったルイにぎゅうぎゅう締めつけられて、そのまま俺も射精してしまった。もっと長く楽しみたかったけど、我慢が出来なかった。
◇◆◇
シャワー、一緒に浴びる? と提案したら意外にも素直に頷かれた。絶対に断ってくるだろうと思ったのに、なんだか妙にしおらしくて、様子がいつもと違うから心配になる。
「どうしたの? 疲れた? どこか痛いの?」
「あの……」
一人でシャワーに行けないほど、どこか痛むんだろうかと思い、返事を待たないで布団を捲ろうとすると「駄目だっ!」と激しく抵抗された。なんなんだ、と訝しんでいると、モゾモゾと布団で身体を隠しながらようやく起き上がった。
「ヒカルのパンツを汚してしまったから……」
「ああ……。べつに、いいよ。渡したの俺だし。そんなにいっぱい出てないでしょ?」
「……それが、思った以上にたくさん出て、恥ずかしくて……」
「へえ……。どのくらい出たの? 見せて」
見せられない、とルイが微かに首を振ると、髪の毛先が揺れてその隙間から真っ赤になった耳が覗いた。……精液を見せるどころか、さっき飲ませた相手に何をここまでモジモジしているんだろう、と不思議で仕方がなかった。
「見せてよ」
「嫌だ」
「俺の下着だよね?」
自分でも卑怯だとは思いながらも、こう言えばルイが絶対に渡さざるを得ないだろうということを指摘した。諦めたような表情でしぶしぶ差し出すだけでなく、肝心な部分が見えないように丁寧に二つに折った状態にしているのが、すごくいじらしい。
フロントのカルバン・クラインのロゴを見ても、わりと最近買ったということしか思い出せないくらいの、べつに何枚も持ってるうちの一枚でしかない。自分が普段履いている黒のローライズボクサーに白く濁った液がべったりと付着していた。恋人の下着に射精したうえに、それを謝罪しないといけないことが、恥ずかしくて悔しくて堪らなかったのか、珍しいことにルイはなんだか泣きそうになっている。
その表情を凝視しながら自分が身につけていた下着に、脈打つようにしてルイが射精した、という事実を噛みしめていると自分の頬にどんどん熱が集まって紅潮しているのがわかった。
「……なんか、今日一番興奮したかも」
「え?」
「……もう一回しようよ、いいよね?」
「さっき、これから風呂に入ろうって言ってただろ!」
「じゃあ、お風呂でしようよ」
「……でも、風呂でしたことないし」
「ルイは何もしなくていいから。ね、大丈夫だからさ」
下着を汚した負い目があるからなかのか、「わかった」とルイはしぶしぶバスルームに着いてきた。その後は、立ったまま後ろからルイのことを抱いた。よっぽど俺の下着に射精したことがショックだったのか、いつもよりもずっと大人しくて従順だった。「ごめんなさい」と謝った後、「中に出して」とまで言われて、ルイが疲れていなければ何回でも出来そうだった。
◇◆◇
綺麗になった身体でベッドに横になっていると、聞かれてもいないのに自分から「気持ちよかった」とルイが口にした。
「ほんと? 嬉しい」
「久しぶりにしたら、こんなに気持ちいいんだな。ビックリした」
「……ラーメンと一緒?」
「へ?」
「……ルイは足りた?」
「足りてないけど、今日はもう無理……」
また明日、と照れたように言われたのが嬉しくて、くたっとした部屋着を着ているルイを抱き寄せた。
「ルイがいなくて寂しかった……」
「うん……。ヒカル、待っててくれてありがとう」
眠いのか、ぼやーっとした顔だけど真っ直ぐ俺の目を見てルイはそう言った。待っている間、最低なこともしたし、留守番の出来としては褒められたものではなかったのに、やっぱりルイは優しい。
「あと少しでヒカルは働き始めるし、本当に別々のとこに行くのは初めてだから変な感じがする……」
「うん……」
幼稚園からずっと一緒だったし、自分だけが先に就職するなんて考えてもいなかった。けれど、こうやって一緒に暮らせている。片思いをしていた頃は、ルイにいつか女が出来て離ればなれになる日が来ることにずっと怯えていたのに。
「ルイ、大好き……」
「俺も」
本当は大好き以外に言わないといけないことがあるような気はしていたけど、布団にくるまってぬくぬくと幸せそうにくつろいでいるルイを見ていると胸が潰れそうになるくらい苦しくて、それしか言葉が出てこなかった。ルイを見ていてこれほどまでに辛いと思うようなことは今まで無かった。ルイは「何?」と不思議そうな表情を浮かべている。
「可愛い顔をしてるな、って思って」
「そんなことヒカルにしか言われたことない」
「本当に? ルイが聞いてないだけじゃなくて?」
「本当だよ……だって、ヒカルといるとみんな『ヒカル君ってかっこいい、綺麗』って俺に言うし……。女はいつもヒカルへの用事でしか俺に話しかけないし。本当に好きなら彼女がいるかくらい、自分で聞け! って言ったら、早川サイテーってすげー文句言われた」
女の扱いが下手なことに自分でウケているのか、クスクス笑いながらそう言った。
「ごめん、ヒカルもう眠い……」
「おやすみ」
「うん……」
閉じられた目元にちゅっとキスをすると、もう一度だけ目を開けて、ふっと微笑みかけてくれた。
本当は今日会った瞬間に、ルイの目がすごく腫れていることに気がついていた。後で顔がどうなるかなんて全く気にせずに目の前の相手に泣いてるところを見られないように、必死でゴシゴシと乱暴に擦ったんだってすぐにわかった。
もしかしたら、大勢の友達に囲まれて嬉しくて寂しくて涙を流したのかもしれない。けれど、人前で泣くのを嫌がるルイの性格を考えると、誰か本当に心を許せる大切な人の側で堰を切ったように泣いたんじゃないかという気がした。
なんで? どうして、俺の側では泣かないの? どうして俺じゃ駄目なの? と聞きたい気持ちを今だって俺は必死で堪えている。ルイのことで気がついていないふりをするのは耐えがたい苦痛だった。それでも我慢した。誰の側で泣いたのかなんて聞かなくても何となくわかっている。ルイが初めて俺と付き合っていることを打ち明けた、オーストラリアで一緒に過ごしていた女だってことぐらい。
別れの悲しみだけじゃなく、いろいろな感情が溢れて泣いたんだろう。俺と付き合っているということを誰にも言えずに、どんなに傷つけられても一人でずっと耐えていた時の分の涙まで流したんじゃないかという気がしていた。だから、俺はルイに何も言えるわけがなかった。……本当に悔しいけど、きっとルイには、男と付き合っていても大丈夫、と肯定してくれるあの女が必要だった。
「自分のことをゲイだと思ったことあるか?」とルイに聞かれたことがあった。なんだか気になって、あの後も何度か、どうしてそんなことを俺に聞くのか尋ねたけど、「べつに気になっただけ」とかそんな理由でずっとはぐらかされている。
一度だけ、「ヒカルは強いな。俺は…ずっと人にどう思われるか気にしている」と言われた。それに対して否定も肯定もしなかったけど、本当のところは、強い、と言うよりも思考が停止している、の方が正しい。ルイを好きだと思った中学生の頃からもうずっと同じ所で立ち止まったままだ。もちろん、男なのに男が好きだということは蔑みや好奇の対象になることは知っていた。けれども、それがなんだ、そんなことで諦めてたまるか、どんな手でも使ってやる、と思わないと、ルイの側になんか辛くていられなかった。
ただ、ルイは何か悩んでいるようだったし、もしかしたら俺に言っていないだけで「お前はゲイか?」と聞かれて、不快で怖い思いをしたのかもしれなかった。どんなにしつこく聞いても、このことについては何にも教えてくれないから全部推測か想像することしか出来なかったけど、ここで初めて、俺と付き合っていることでルイが嫌な目に合う、という問題に直面することになった。
それからは、ルイの気持ちに少しでも寄り添おうと思って、試験勉強の合間を縫って本を読んだり、ネットで調べたりする日々が始まった。それらしきウェブサイトを見ていても「僕はリバよりのウケで、バニラです」と、何を言われているのかさっぱりわからなくて、言葉の意味を調べるところから始まった。一つ覚えてもまたわからない言葉が出てきて、戻ってはまた調べてを繰り返した。
いろいろな人がいた。
男とセックスはしたいけど特定のパートナーを持ちたくない人、挿入されるのが苦手でハグとキスだけで満足する人、ゲイだけどセックスレスの奥さんがいて、でもちゃんと奥さんを愛している人、ゲイであることのカミングアウトを推奨する人、ゲイの自分のことを放っておいて欲しいと思っている人……。
ずっとずっとルイの悩んでいそうなこととその答えを探し続けているけれど、なかなか見つからない。
ルイもひょっとしたら、今日は見つからなかったけど明日はきっと見つかる、と思いながら、何度も何度も自分の求める何かをずっと前から一人で探し続けていたのかもしれない。だから、簡単に諦めることは出来なかった。
「ウケをやってるからって、『女っぽい』と言われるなんて冗談じゃない。なんで男女のセックスの価値観をゲイのセックスに持ってくる? 挿入する・されるだけで括られたくない」
百人以上の言葉の中から、ようやく近いものが見つかったような気がした。ルイが「挿入される方は、女役って言うらしい」と言っていたのを思い出したからだ。
ルイはべつに女と間違えられるような容姿はしていない。どこからどう見ても男だ。顔だけなら俺の方がずっと女っぽい。けれど、考えてみれば、俺とルイが付き合っていることについて、ルイの方がウケだと知れば間違いなくそういう目で見る奴もいる、ということだった。「ああ、やっぱり」と納得出来るまで、ルイの仕草や話し方をジッと観察して、少しでも女っぽいと思える部分を探そうとするだろう。
セックスの趣向や方法なんて、人間のほんの一部分でしかないのに、他の人間と違うことをしていると、それがその人の本質を占める大部分のように思われてしまう。
恐ろしいのが、家族や友達からでさえ、そう誤解されるかもしれないことだった。どれだけそれがルイにとって苦痛か理解すると同時に……自分自身も、ルイを「抱いている」ということで自尊心を保っている部分もあったし、ルイがそういう偏見に悩んでいるなんて考えたこともなかった。結局、ルイを一人で悩ませていたのは俺だ、とようやく理解した。
ルイを心から可愛いと思っている。ずっと大好きで、二人で一緒にいられるなら、他には誰も必要なかった。……両親でさえも失ったって構わなかった。
ただ、ルイにも同じようにしろ、なんて言えるはずがなかった。ルイの両親もきっとルイのことをすごく可愛いと思っているに違いないからだ。さっき、電話をしていた時に「お母さん」と切なく呼んでいた声が頭から離れない。
きっと、この先ルイは俺といる限り両親にあらゆることについて、説明しないといけない時が来る。どうして彼女を作らないのか、結婚しないのか、子供を欲しがらないのか……。普通じゃないと思われるかもしれないし、失望されるかもしれなかった。
そして、俺はひどく憎まれるだろうから、出来ればずっと二人だけで隠れるようにしていたい。けれど、ルイはきっとそれを望まないだろう。全てを打ち明けるその時が来たとしたら、今度こそ一人にさせるわけにはいかなかった。
「ルイが大好き、ずっと一緒にいて」だけでは、もう押し通せなくなるくらい、俺もルイも成長してしまった。社会に出たら、ルイが言っていたように、きっと理不尽な思いもするし、苦労もする。ずっと一緒にいて、じゃなく、ずっと一緒にいられるように自分で何とかしないといけなかった。みっともなくても、人の手を借りてでも、もっと強くて賢くて、ルイの気持ちをわかるような人間にならないといけない。
ルイがいないと生きていけないなんて言っている場合じゃなかった。
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