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★マナト、一人で使う(4)
しおりを挟むその夜はオモチャの使用感をぜひ詳しく教えてもらおうと、マナトにはいくつかローターを試してもらった。
「これは? 好きかな?」
「あっ……、恥ずかしいよ、ユウイチさん……。いやっ……」
「なるほど、大好き、か……」
ぶるぶる震えるローターで乳首とアナルを責められ続けたマナトの目はすっかり潤んでしまっている。悲しいことがあって今にも涙が零れ落ちそう、というわけではなくて、完全に欲情しきった目だった。
表面に突起のついたローターは特にマナトのお気に入りらしく「ほら」とその手に握らせると、ローションでぬるぬるになった乳首に自らローターを当てて、「ユウイチさん、見ないで」と顔を赤らめる。
普段はキチンと指でほぐしている場所も、今日はローターで周辺を丁寧にじっくりと刺激してやると、マナトの体は受け入れるための準備が少しずつ整っていった。
「入っちゃう。ダメ、ナカはダメ」と口では抵抗しながらも、あてがったピンク色の小さなローターをアッサリと飲み込んでしまう。気持ちいい、とすすり泣くような声で喘いだ後、「本物が欲しいよ」と可愛くせがまれた。
腹を擦ってやりながら、コード付きのローターを体内から取り出してやると、「入れるの?」とマナトがもじもじしながらも、どこか甘えた声で尋ねてくる。
「こっちも触ってごらん。オナニーしてる姿をもっと見せて……」
「いや……やだあ……」
恥ずかしがって躊躇っていたのは一瞬だった。利き手を性器へ導いて自分で扱くように促すと、マナトはそれをアッサリと受け入れた。手を激しく上下させて、もう片方の手では乳首にローターをぐりぐりと押し付ける。
電話で自慰中の可愛い声も聞かせてもらっていたうえに、何度もしつこく質問して、「ユウイチさんとの通話が終わった後も、ムラムラしていたから一人でした」「その次の日も上手く寝付けなくて、オモチャを使った」という答えも引き出せている。
けれど、やはり可愛いその姿をこの目で直接拝めるのは堪らない。普段自分が使っているベッドで全裸のマナトが自慰にふける姿は何者にも代えがたい価値がある。
ローターが当たっていない方の乳首を指で摘まむとマナトの体が小さく跳ねた。
「マナトは一人でする時は何をオカズにしていたのかな」
「んっ……、ダメ、内緒……」
「そんな事言わないで……、何を思ってたくさん抜いたのかな? ん?」
「ああっ……、だめっ、やだよお……」
てっきり「ユウイチさんとの、セックス」という答えが返ってくるかと思っていたのに、言えない、とマナトは頑なだった。
自身を慰める右手をそっと掴んで焦らしても、耳や首筋をペロペロ舐めてより感じさせても、敏感になった体を時々ぴくぴくと震わせながら「教えられない」と言うばかり。快楽に流されやすいマナトがここまで頑張るのは珍しい。
マナトが女性の柔らかい肉体に興奮していたとしてもそれは自然なことなのだから、全く気にならない。それどころか興奮する。必死で隠されれば隠されるほど、マナトが夢中で自分の体に手を伸ばしてしまうようなオカズとは? と俄然気になった。
自分でも卑怯な手段だとはわかっていたが、最終的には「ご褒美をあげるから」でマナトを惑わせることに成功した。
硬い尻の左右のふくらみに勃起したぺニスをひたひたと当てて「上手に言えたら、これでたっぷり気持ちよくなれるよ」と告げると、マナトがごくりと喉を鳴らしたのがわかった。
「ぎゅっと抱きしめられながら、ナカもいっぱいになったらきっと気持ちいいよ」
「ん……」
「……キスをしながら気持ちいい所をとんとんしようか。どうする? 欲しくない?」
「ほしい……」
ゆっくりと胸を両方の手で撫でてやると、マナトが「ズルイ」と小さく首を横に振る。それでも、欲しい、という気持ちには抗えなかったのか「キス」という言葉にとろりとした顔を期待で輝かせ、薄く口を開くのが可愛い。
仰向けで寝たまま「ユウイチさん、したい」と脚を開くマナト。ローションでとろとろに濡れた割れ目に性器を擦り付けただけで、小さく声を漏らした。
「……マナトは何を思ってオナニーをしたのかな」
「んっ……」
「……参ったな。エッチすぎて、これじゃあすぐに入ってしまうな……」
「あ、ん……。ユウイチさん、もっとお……」
マナトの足首をそっと掴んで、俺の肩へ足をかけるよう促す。恥ずかしがらずにマナトは素直に従った。より深い場所で繋がれる格好だと理解しているのか「来て」と奥まで挿入されることをねだってくる。
一気に奥まで入れたい気持ちを堪えて、ほんの少し先を入れてすぐに抜くを何度も繰り返した。「んっ、んっ」と焦れったそうに喘ぐマナトの声を聞いていると、深々と挿入したい、という気持ちがむくむくと膨らんでいく。
とんとんと刺激してやると、ローターを受け入れたことですっかりほぐれたソコは、より深い場所まで誘うようにひくひくと反応した。
「ユウイチさん、奥まで入れてくれたら、教えてあげてもいいよ……?」
文章にするとしたら間違いなく言葉の終わりにはハートマークが付いていそうな甘えた言い方だった。今までだったら、すぐに根負けしてしまっていたマナトが、いつの間にか交渉する、という術を学んでしまっている。 可愛い顔と、エッチな体を持つマナトに「入れるのが先。そしたら教えてあげてもいい」と誘惑されて勝てるわけがなかった。
「ああっ……、気持ちいい……ユウイチさん、きもちいいよ……」
ずっぷりと挿入するだけで、こめかみを汗がつたっていく。マナトの体も汗で濡れてしまっていた。
うっとりと目を閉じながら「俺ね」とマナトが口を開いた。
「……俺、ユウイチさんじゃない人と、セックスしたのを思い出して、一人でいっぱいした……」
「……なんだって……?」
「ひ、一晩だけって約束だったけど、すごく、気持ちよくて……」
「い、いつ……? 誰と?」
あのマナトが? と信じられない思いで思考は完全に停止してしまっていた。「ユウイチさん、ビックリした? 冗談だよっ」とマナトが笑うのを待ったが、言葉は続かない。
代わりにマナトはより深い快感を求めて自分から腰を振るだけだった。
「どこで? いったいいつ……?」
「ゆ、ユウイチさんが、前、出張でいなかった時に……。ホテルで、俺……。お兄さんに、抱かれて……。あっ……、だめ、気持ちいい……」
「なんてことだ……」
「なんだ、この間の浮気プレイの事か」と頭ではわかっているのに、ほんの一瞬目の前の光景がチカチカと乱れた。
パンツを見せて欲しい、と拝み倒した時の「怖い。この人は変態なんだ」と怯えていた目。極小ビキニを身に付けて恥ずかしそうにしている表情。大好きな車のことを話す時の、興奮でどんどん加速していく口調。
目まぐるしく様々な瞬間のマナトの様子が脳裏を過った。これじゃあ、まるで走馬灯みたいじゃないか……、たとえ死ぬ直前でも、俺はマナトのことばっかりだな……。
そんなことを思いながら意識が遠退いていく。マナトと抱き合っているから、ギリギリ持ちこたえられているようなものだった。
そして、そうか、俺は、興奮しすぎて死にかけているのか、と冷静に自分の状態を把握しながら、体重をかけてマナトのナカへより深々と性器を挿入した。
「んっ、あっ……、待って、激しくされたら、俺……」
どんな事情でマナトは他の誰かに抱かれることを望むのだろう。忘れられずに思い出しては何度も自分を慰めるなんていったいどんな事をされたのか。……他の誰かに抱かれた、という事実を本人の口から聞かされただけで、身体中の血が熱くなっていくようだった。
「あっ、あっ……! 待って、激し……ユウイチさん、ダメ、ダメだってば……」
セックスが大好きで、甘え上手で、エッチなマナトの体。いつもニコニコと微笑んでいる可愛い唇にも、小さくて敏感な乳首も、それから……あらゆる場所を快楽に流されて「いいよ」と許してしまうような所が本当に可愛い。エッチすぎる。
「あっ、ああっ……! だめ、もういっちゃう、待ってえ、待ってよお……」
激しく荒っぽく突かれてもマナトは痛がるどころか、脚をぶるぶると震わせて何度も達していた。「ごめんなさい、ユウイチさん……。好き……大好き……」と涙を流すマナトの頬と唇に口づけた。なんだかいつも以上に深みのある味だと感じられた。
◆
「えーっ! さっきのって、浮気バレお仕置きプレイじゃなかったの……!? 俺、てっきりそうだと思って……」
「……それでいいよ。というか、マナトが嫌じゃなかったのなら何でもいい」
「……だって、俺だけ、お仕置きされてるみたいだって、すごく興奮してしまって……。違ったなら恥ずかしい……」
どうして俺はこんなにバカなんだろう、としょんぼりするマナトを抱き寄せた。
お仕置き、というよりは、ただただ「抱きたい」という欲求でマナトの体を貪るようにして味わった。これがいったいどういうプレイなのか気にしている余裕が無かった、と言った方が正しいのかもしれない。
何度も乱暴に抱かれて、「ごめんなさい……ユウイチさんだけです……」としくしく泣きながら体を震わせるマナトは全身をぐったりさせてナカだけで達していた。
「ユウイチさんいっつも優しいから、あんなふうに激しくされるとなんだか新鮮だった。また、したいなー……」
「……あれは理性を失って、余裕が無いだけだからダメだよ。プレイとかそういうのじゃない」
「それくらい興奮したってこと!?」
それってスゴイよね、と目を輝かせるマナトは無邪気で明るい。終わった後には、「スッキリした~気持ちよかったね……!」と涙を流していた時とは別人のように、元気に笑うマナトの姿に心底ホッとした。酷い事をしてしまった、と落ち込んでいた心が少しだけ軽くなっていく。
「俺、ユウイチさんとセックスするのが好き……。ユウイチさんといると、セックスが好きなのも、気持ちよくなりたいって思うことも、恥ずかしい事じゃないんだって思えるようになった。ありがとう……」
マナトは、「実家にいた頃は一人になれる場所も時間もほとんど無いのに、いつもそういう欲求を抱えている自分が本当に恥ずかしかった」とポツポツと話してくれた。成長して彼女が出来てからも、自分だけが回数をこなさないと満足出来ないことを付き合っている女性に打ち明けられずにいたのだと言う。
「ユウイチさん、優しいから……。いつも『大丈夫、恥ずかしくない』って言ってくれるでしょ? 俺、それがすごく嬉しい……」
「そんなこと……」
むしろ、俺の方がマナトにいろいろな事を受け入れてもらって、一生知ることが無かったであろう幸せを経験させてもらっているのに? と思うと上手く返事をすることが出来なかった。
「だから、もっといっぱいいろんなプレイをしようね。もっと、すっごい……いやらしいことを思い付いたら、俺、提案するね」
「……期待してる。マナトのためにたくさんオモチャを買って待ってる」
「うん……」
二人にとってセックスがすごく大切なものなのだと感じられるような、そんな夜だった。二人とも「浮気プレイの完成度を高めようと、ずっと『また、したい』と言い出せないでいた」ということがわかった時は、なんだ、と笑い合った。
マナトの気持ちはセックスの事に限らず、全部大切に思っている、と伝えるとマナトは「うん」と頷いた後、ほとんど喋らずにそのまま眠ってしまった。暑がりのマナトには寝苦しいだろうに、しがみつくようにして、くっついて離れようとしないで眠る様子は自分が大切にされていることにすっかり安心しているように見えた。
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