白雷のルシウス ~知識チートで最強への道を歩んでいたら、敵もチートだった~

がおがお

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新人対抗戦編

聖女

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 今日はエリーと研究ではなく、学園のSクラスに顔を出す予定だ。何せ白雷隊アルベドはまだたったの二人。深淵が何人いるのかは知らないが、戦力不足は否めないだろう。

「ルウ、Sクラスで勧誘するの?」

「そのつもりだけど、反対か?」

「いいえ、勧誘するならSクラスが手っ取り早いと思うわよ。けど……」

「何だよ? 何かあるなら言ってくれよな」

 気になるじゃないか。女の子ってよくあるよな。話しかけてやっぱやめた、みたいなの。気になるからそれなら最初から言いかけるんじゃないよ! と何度思ったことか。

「何かって程でもないんだけど、一人気になる子がいるのよ。Sクラスじゃないんだけど」

 エリーはちゃんと言ってくれるようだ。良かった、モヤモヤしたものを内に抱えずに済んだようだ。

「そうなのか? それならその子に会ってみよう」

「いいの?」

「他ならぬ副隊長エリーさんのおすすめだ。会わぬ選択肢などなかろう?」

「ありがとう……って何よその話し方? お爺さんみたいよ?」

 お爺さんとは失礼な。エリーと同じ十歳の可愛い可愛いアルビノ男子を捕まえて何を言うか。

「まっいいじゃないか。とりあえずその子のとこに行こうか」

「はいはい。そこ曲がったところのBクラスよ」

 Bとな。まぁこれから成長してもらうつもりだし、対深淵アビスで考えればSもBも変わらないから構わないんだけど、何か特別な才能でもあるんだろうか。

「アリス! ちょっと来てくれる?」

 お目当ての子はアリスというのか。とても良い名前じゃないか。俺は好きだぞ。アリスという響きはとても素晴らしいと思う。よくある名前で、短いんだけどなんか純真で美しいイメージの名前だ。

「エリー? どうしたの……ってヴァルトシュタイン様!?」

「様……?」

「アリス! 同級生のルシウスよ。様なんていらないからね?」

「そ、そんな……ヴァルトシュタイン様を呼び捨てなんて……」

「別に呼び捨てにしろなんて言ってないわよ……私はルウって呼んでるから同じでもいいし君付けでもいいし」

「え、え? いい……のかな?」

 何この子可愛いマジ天使。見惚れるような金色の髪に深い海のような蒼い瞳。この子は天使なんじゃないだろうか。いや、天使に違いない。きっと神が遣わした天使様なのだ。天使様に俺の部隊に入っていただけるかもしれないなんて天にも昇るような思いだ。

「もちろん! 俺のことはルウでもルウ君でも好きに呼んでよ。アリス様」

「なんでルウまで様付けしてんのよ!」

 天使様に様付けして何が悪い。

「ルウ……君 私のことはアリスって呼んでほしいな」

「是非ともそう呼ばせてもらうよ! アリス!」

 天使様にご許可をいただけるとはなんと光栄なことか。謹んでその慈愛の心を享受させていただきます。とまぁ冗談は置いておいて、エリーは綺麗系、アリスは可愛い系でもう完璧な布陣だな。これは俺のハーレムか? それにしても顔面偏差値の平均レベルが異常に高いこの異世界の中でこの二人は頭一つ二つは抜けてるな。

「な……何かな? ルウ君」

 はぅあ! 顔を赤らめながらルウ君なんて呟かれたら俺はもう死んでしまってもいいかもしれない。異世界万歳。

「ルウ……?」

 俺のおかしな挙動にエリーがお怒りだ。ごめんなさい。落ち着きます。

「悪い悪い。えっとな、アリスに少し話があるんだけど今いいか?」

「う、うん」

「俺の部隊に入ってくれないか?」

 アリスの驚いた表情がまた可愛い。この世界にカメラが無いのが悔やまれる。

「ほ……ほんとに? 私でいいの?」

「あなたでなければダメなんです」

「え?」

「ちょっとルウ?」

 なんだよちょっと敬語にならなきゃいけない流れだったんだよ。私でいいの? そんなのイエスかはいしか選択肢ないだろ!

「アリスがいいんだ」

アリスが赤面している。カメラ! カメラを持て!

「お、お願い……します」

「なんか早かったわね……まぁよろしくね、アリス」

「よろしくな。それじゃあ授業が終わったら俺の研究室まで来てくれるか?」

「うん。わかったよ」

これから楽しくなりそうだ。



「お邪魔します…」

「アリス! ようこそ! 対深淵の白雷隊アルベド本部へ!」

「深淵……? え?」

「もう! ルウは話ぶっ飛ばしすぎなのよ!」

 なんだよ。ちょっとくらいいいじゃないか。嘘言ってるわけじゃないんだし。

「ところでアリスは俺の部隊のこと知ってるの?」

「うん。エリーに聞いたから……」

 なるほど。確かに今この学園で知ってるのはエリーと学園長くらいか。

「アリスにしか言ってないわよ」

「ん? ああ、別にいいよ。エリーがいいと思った相手だろ。エリーのことは信頼してる」

「……もう! なんでそういうことサラッと言うかな……」

 何のことだ。分からん、別に鈍感系じゃないはずなんだが……

「それで、何の部隊かも聞いてる?」

「ううん、ルウ君の部隊だってことしか聞いてないよ」

「よし、じゃあそこからだな。俺の部隊の目的は……対深淵に備えた魔術師隊だ!」

深淵アビスって……あの?」

「あのが何を指してるか分からないけど、まぁ想像してるので合ってると思うぞ」

「そんなの…私にできるのかな……」

「大丈夫! 俺が手取り足取り教えるから!」

「ルウ。なんか響きがいやらしいんだけど」

「そ、そんなことないだろ! エリーにもしてるだろ?」

「まぁいいけど……」

 断じて卑猥な意味ではない。それにしてもアリスと会ってからテンションが上がりっぱなしだ。異世界にこれまでで一番感謝してるかもしれないくらいには。

「まっそういうこと。ちなみにアリスは何が得意なんだ?」

「えっと、聖魔法かな」

 聖魔法って確か使い手がかなり少ないんだよな。っていうか聖女! 正に神の御遣い。完璧すぎる。

「アリスはね、数少ない治癒魔法の使い手なの」

「それはいいな。 治癒魔術師はいくらいても困らないからな」

「いくらいてもって? 他にも治癒が使える人を誘ってるの?」

「ん? いや、俺も使えるから」

「はぁ!? ルウって聖魔術師だったの!? でも試験の時に雷の魔法だって教えてくれたじゃない!」

 エリーは何をそんなに驚いているんだろうか。それになんで今試験の時の話になるんだろう。

「そうだぞ? 治癒魔術も使えるってことだよ」

「……分かった。ルウについてはもう何でもありだと思うことにするわ」

「ルウ君すごい」

 素直な賛辞をありがとうアリス。ホントにいい子だなぁ……エリーもアリスも、俺の部隊に入ったからには絶対に死なせない。超強化して全員深淵になるくらいのつもりでやる。まぁ人族がいくら強くなったところで深淵は魔物につけられる括りだからなれないけどな。

「エリーもまだはじめたばっかだから、アリスもすぐ追いつくさ。これからよろしくな」

「よろしく。アリス、ルウ君」

 こうして無事に俺のハーレム……じゃなくて白雷隊アルベドのメンバーが三人に増えたのだった。
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