え?聖女って、女性がなるものだよね? ~期間限定異世界救済プロジェクト~

月夜野レオン

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第二部  復興編

11.決定

「まさか源流まで辿れって言わないよな?」 

「まさか、言わん」 

俺の引き攣った顔に、スザールが笑う。 

「ただ、もう少し先まで見てみないか?」 

「それは別にいいけど…」 

ガルデーンから離れていく方向を調べることに意味があるのか? 

でも、スザールは考えなしに言うヤツじゃないから、何かあるんだろう。 

「じゃあ辿ってみるか」 

まずは候補地から少し離れた所から、水の流れを辿りだした。 

後ろから兵士達がゾロゾロと付いてきている。 

これ、傍から見たら変な行列じゃね? 

まあいいか。 

「………んん?」 

しばらく行くと、水の流れがゆっくりとカーブしだした。 

ちょうどガルデーンの縁の外側に沿って曲がってきている。 

それは別にいい。 

いや、離れないのはいいんだが、それよりも。 

「浅くなってきてる…?」 

さっきの位置よりも、水源の深さが少し浅くなってきていた。 

「…これは」 

だんだんと進むスピードが無意識に早くなってきた。 

これって、これって…… 

「おっ、おいアキラ!どうした…」 

いきなり走り出したから、後ろでザウスが驚いてるけど、それどころじゃない。 

これくらいのカーブだろうと当たりをつけて、ダッシュして進む。 

500メートル行ってサーチすると、更に浅い。 

「うお~!」 

嬉しくなって更にダッシュする。 

500メートルダッシュを繰り返すこと6回くらい。 

「やった!ここならバッチリだ!」 

よっしゃー!と拳を振り上げで叫んだ。 

「…何が……よっしゃーなんだ?」 

ぜいぜいしながらついて来たザウスに、俺ははたと我に返った。 

あ、馬で来れば良かったんだな。 

「悪い、ザウス。スザールの勘が当たったんだ」 

「当たったか?」 

ちゃっかり馬にのって悠々と追いついてきたスザールに、俺はニカッと笑った。 

「ここなら10メートルの浅さだ。ここに建てよう!」 

「10メートル!そんなに浅いのか?」 

ザウスも兵士達も驚いている。 

だよなー、地下水脈も流れる深さが変わってる所だってある筈だもんな。 

しかも、まさかそれがガルデーンの外側に沿ってあるとは思わなかったわ。 

ガルデーンの領地内に限定して探していたから、見つからなかったんだ。 

「やるなぁスザール、さすが年の功……いてっ」 

「おっさんじゃねえわ!」 

うっかり口が滑って、また頭を叩かれた。 

グーは痛いぞ! 

とにかく、この場所で決定だ。 

ライド王子達にも知らせて、すぐに計画を進め立てよう。 

 

宿に戻ってライド王子達を領主の館から呼び、アデル達も教会から呼んでくる。 

「アキラ、水脈が見つかったと聞いたぞ!早かったな」 

「おう、ラッキーが重なったんだけどな。今回はスザールの功績が大きい」 

「おお、そうなのか。ありがとうズサール、貴殿がいてくれて助かった」 

俺の説明にライド王子が感激して、スザールをキラキラの目で見ている。 

「私は少し助言しただけですので」 

謙遜も上手いな、さすが……やめとこう。 

「予想よりも浅かったので、聖女計画を見直した方がいいですな」 

ザウスが宿に戻ってくる途中で俺達が考案した計画を、ライド王子とアデルに説明した。 

「うん、その方が時間の節約にもなるな」 

領主への説明と説得は私が責任を持ってやろう、とライド王子が力強く頷いた。 

明日決行する為に、ライド王子とリネルはすぐに領主の元へ向かう。 

「んじゃ、他の所の分担を決めよう」 

アデルは侍女と部屋に戻って、聖女の衣装やメイクの準備に入る。 

スザールには聖女の舞台に最適な場所を探してもらう。 

警備の配置も決めてくると言って、ザウスもそれに同行していった。 

俺は兵士達と畑に向かい、加速を使って野菜や麦の種を大量に準備した。 

聖女の奇蹟の決行は明日の早朝だ。 
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