100万ドルの夜景より

月夜野レオン

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プロローグ

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喧騒とネオンに包まれる、歓楽街の一角。
長身の青年は屋上へと続くドアを開けて広いテラスに出ると、端の方にあるソファにゆったりと腰かけて寛ぐ女性の元に歩を進めた。
「マージ、来たぜ」
「ああ、早かったね」
穏やかな笑みを浮かべて青年を見つめるマージと呼ばれた年配の女性は、白髪が鮮やかなネオンに照らされて不思議な雰囲気をまとってる。
「アンタの読みは絶対に外れないからな。聞かないと命取りになる」
向かいのソファに座り足を組んだ青年は、少し目を細めて口の端を引き上げた。
横の手摺りの下から歓楽街の喧騒が4階のここまで風と共に吹き上がってくる。
「直接来るのは久しぶりじゃないか。しばらく見ない間に、あのヘイロンが随分と落ち着いたもんだ」
「そのあだ名はいい加減忘れてくれよ。もう三十代だぜ、バカをやってたあの頃とは違う」
げんなりした様子の青年に、マージは楽しそうにクスクスと笑う。
「仕事も順調みたいで、なによりだね」
「ああ、充実してる」
あとは理想の恋人と巡り合えれば何も文句ないんだがと苦笑する青年にマージは優しい眼差しを注ぐ。
「出来過ぎる男のパートナーは、簡単には務まらないからねぇ。でも、そんなアンタに朗報だよ」
運命のパートナーと出会える、とサラリと予言され、青年はしばらく固まった。
「……マジか。今回のはそれか」
「そうさ、嬉しいだろう?いつもはロクでもない事ばかりだったからね」
「まあ……確かに」
今までの予言を思い出して天を仰いだ青年は、視線を戻すと真顔でマージを見つめた。
「俺の理想にかなってるのか?」
「恋人になったら、私にも会わせておくれ。ロンジュに」
じわじわと実感がこみ上げてきた青年の口の端が上がる。
「……もちろんだ」
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