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妻の非公開日記④〜私は心が狭いのか〜
しおりを挟む令和二年 八月二十九日 土曜日
旦那がメモを取りながら動いている。何かしようとするのならありがたいけど,あの当てつけのようにメモをしてそれを行動に起こす,しかも前日に私が言ったことをあからさまにやるのだから気分が悪いったらしょうがない。第一,ガスを切ったり電気を点けたら消すことがなぜできないのか。脳みその作りにいささか問題があるのではないかと疑わざるを得ない。
たまにガスを切ったかと思うとこちらの様子を伺い満足気にしている。情けないと思いつつも「ありがとうね」というと鼻の穴を膨らませながら「まあ自分でつけたからね」などと言っている。幸せな男だ。
何かをして人をイラつかせる選手権が開催されれば後続に圧倒的な差をつけて優勝するであろう旦那の腹立たしさも記録に残さないとならない。そこにいるだけでイライラするのに,とにかくごそごそと動き回る。視界に入って動くその様はまるでゴキブリのようで,見えなければ何ともないのだが視界に入ったとたんに負の感情が掻き立てられる。
そんな状態だから,大したことがなくても怒りの感情をあらわにしてしまう。申し訳ないと思いつつも,旦那がイライラさせる性質を持っているのと同様に,わたしにもイラチの性質があるのだからこればっかりはどうしようもない。このイラチに油を注ぐ旦那の行動は,とにかくこちらの負の感情を察知する能力に長けているのだが,その雰囲気を感じ取るとたちまちに掃除機をかけたがることだ。何とかしてご機嫌を取ろう,いや,何かしとけばとりあえず機嫌がおさまるという嫌らしい下心が丸見えで腹立たしくてたまらない。書いてストレス発散しようと思ったが思い出すとむしゃくしゃしてきた。
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