8 / 17
妻の非公開日記⑤〜人というものはここまですれ違えるのか〜
しおりを挟む令和二年 八月三十一日 月曜日
今日は恐ろしいことを聞いた。思い出すだけでも身の毛のよだつ発言だった。「すみません,もう少し長いものを履かないとスカートからパンツ見えてますよ」と駅のエスカレーターで中年のおじさんにかつて言われたときのように鳥肌が立った。
月曜日の食卓は幸せだ。比較的見たいテレビ番組が見られるし,晩御飯の片づけが早く済む。あとの六日間は最悪だ。プロ野球が開幕するとほとんど毎日ご飯を食べながらだらだらだらだら野球中継を見てお酒を飲んでいる。別にプロ野球が嫌いではないからそれはそれで良いのだが,何が腹立つって食卓に解説者がいることだ。テレビでプロの解説者が語っている。別にあんなもの無くてもいいと思うのだが旦那は偉そうにいちいち今のプレーがどうだとか審判が辛口だとか論評している。甲子園を目指して高校野球に打ち込んでいたとか偉そうに言っているが,一回戦負けの弱小高出身が何を言っているのか。自分のことは棚に上げていっちょ前に語るのだから言うのはタダとはこの男のためにある言葉なのだろうと思う。
先発ピッチャーが制球に苦しんでストライクがなかなか取れないでいる。ドが付くほどの素人の私でもわかることをねちねちと語る夫が,例のピッチャーがホームランを打たれたとたんに頭を抱えて「ほら言わんこっちゃない。苦しい状況を作っておいて置きに行くからや! だから大学でのほほんとしていたやつはあかんねん」と訳の分からない御託を並べたのに堪忍袋の緒が切れてテレビのチャンネルを変えてやった。その時は何も言わなかった旦那が今日になって「途中で見たくなくなるのはわかるけど,明日からはどれだけピッチャーが打ち込まれても放送終了時間がくるまでは最後まで応援してほしい」などと言い出した時にはあきれてものも言えなかった。この男は私がピッチャーが打たれたことに腹を立ててチャンネルを変えたと思っていたのだ。
男に人は解説者ぶってめんどくさいとはよく聞く話だが,うちの旦那はそこら辺の男とは一味も二味も違うのだ。ほんとうにどうしようもない。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる