喜んで婚約破棄しますわ-婚約破棄して自由に生きたいと思います。邪魔する奴は悪魔ですらぶっ殺しますわよ-

はるぽんず

文字の大きさ
24 / 37
第二章 不穏な影

悪魔だろうとぶっ殺して差し上げますわ

しおりを挟む
のんびりお話ししている時間はありませんでしたわ。
完璧に油断していました。
まだ視覚出来る範囲にはいらっしゃいませんが気配だけは数え切れないほどあります。
恐らく一気に攻める為に距離を取って獲物である私達の馬車を狙っているのでしょう。
いくら結界が張れるからと言ってこれだけのタイガーファングが近付くと御者やお馬さんが怯えてしまい、到着が遅れてしまいますわ。

「第二王子様、現在この馬車半径1キロにタイガーファングの群れに囲まれて居ますわ」
「なんだと?それは面倒だな…結界で対処出来ないレベルなのか?」
「いえ、この馬車には既に結界も不可視化の魔法をかけていますので今襲われても結界にぶつかるだけですので問題は無いと思いますが…この私の不可視化の魔法を探知してしまうとは、もしかしたらタイガーファングだけでは無いのかもしれませんね」
「それはタイガーファングを使って意図的に誰かが狙っていると言いたいのか?」
「ええ、そうですわ」

二つのパターンがあり、タイガーファング自体が私の不可視化を見破る探知魔法かスキルを持っていて私達を狙っているか、
誰かがタイガーファングを操り私達を狙っているか。
前者のパターンは低い。
理由はタイガーファングは魔法を得意としない魔獣で探知魔法をあれだけの量のタイガーファングが覚えているとは思えないし、スキルも同じくですわ。
スキルなら数匹は持っているかも知れませんが今回はおおよそ1000匹ぐらいに囲まれているのですもの流石に全匹持っている事は無いですわ。

でも、明らかに全員スキルを持っているのでは無いかと思ってしまうほど綺麗に馬車は囲まれて居ますわ。
それが操られていると思ってしまう理由です。
馬車をまだ襲わないのはまだボスからの指示が無いから襲わないのではないでしょうか?
野性のタイガーファングならもう既に襲っていてもおかしくなさそうですけれどまだ襲われてないからそう言う事なのかと思います。

まあ、自主的だろうと操られていようとこの数で襲われたら結界があるけど溜まったものではありませんけどね。

さて、どうしたものか。
不可視化を見破られても結界があるのでタイガーファングが1000匹襲ってこようと結界はビクともしないのですが、馬車が血生臭い匂いになって王宮に向かうのは臭いのでとても嫌ですわ。

と言うことは私のやる事は一つですわね。

私は馬車の扉を素早く開けて馬車の上に飛び乗り、魔法の準備を始めましたわ。


「お嬢様!!!何をなさるおつもりですか!?馬車の上は危険ですので降りてください!!!」
「お、おい!!そうだぞ、ルーティー!!危ないから降りて来い!!お前が怪我をしないか心配だ!!」
「二人共私はだいじょーぶですわー少し魔法をかけるだけですのでー」
「お前の魔法が優れているのは知っているが危ない真似は辞めてくれ!!!結界だけでも回避可能なら無理しなくてもいいじゃ無いか!?タイガーファングが来たら私が対処するからルーティーは無理しないでくれ!!」
「あらー第二王子様ともあろうお方がそんなに日和るとは思いませんでしたわー私は大丈夫ですので残党が出た場合の対処をお願いしますわー」

さぁ、魔法の準備が出来ましたわ。
最近開発したばかりの魔法だから少しドキドキしますが、きっと大丈夫でしょう!!

–トゥルーデス–

私が魔法を唱えた瞬間、周りに居たタイガーファングの大群の叫び声が聞こえ、生命反応が無くなりました。
どうやら成功した様ですわね。
トゥルーデスはその身体に触れる事なく敵を死に至らしめる魔法です。
原理は闇の霧を発生させ、闇の霧で辺りの酸素を取り除きそのまま呼吸出来なくなり敵を殺してしまいます。
元々は真空を作る方法を研究する過程で産まれた魔法ですがなかなかの効果を発揮してくれましたわ。
王宮に着いたら研究ノートに記載しなくては…
魔法を使用して、再び探知魔法を掛けても生体反応が確認出来ませんでしたので恐らく全員やれたでしょう。
再び馬車に戻り、中に居る二人に説明しました。

結界を張り続けていた屋敷から出てしまったので、もしかしたら今後この様に誰かに狙われる事が増えるかも知れませんわね…

例の悪魔にバレてしまいましたかしら?
まぁ…

その時は…


「悪魔だろうとぶっ殺して差し上げますわ」


****



此処は打って変わって静かな森の中。
小さな小屋に一人の男性が佇む。

『くっくく…流石はルーティー…こんな事じゃ相手にもしてくれないか…』

『でも、そうこなくちゃ困るよ…』

『あぁ、愛しのルーティー…早く会いたいなぁ…』

『会ったらいっぱいいっぱい…殺し合おうね?』
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

よかった、わたくしは貴女みたいに美人じゃなくて

碧井 汐桜香
ファンタジー
美しくないが優秀な第一王子妃に嫌味ばかり言う国王。 美しい王妃と王子たちが守るものの、国の最高権力者だから咎めることはできない。 第二王子が美しい妃を嫁に迎えると、国王は第二王子妃を娘のように甘やかし、第二王子妃は第一王子妃を蔑むのだった。

【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜

Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。

婚約破棄するから結婚しようと言われても『俺』は男だし婚約破棄を告げてる相手は兄だしあなたの婚約者は姉なんですが?腹抱えて爆笑していですか?

ラットピア
ファンタジー
「レナスティア・フィオネス!今日この場で!貴様との婚約破棄を宣言する!」 よく通る声によりそう告げられた瞬間その場は凍りついたように静寂が支配した 「そして、ここにいるアナスティアと私は婚約する!」 続いて言われたことにどよめきが広がる 「王太子殿下、、いきなり何を?」 とうのレナスティアと呼ばれた者とアナスティアは震えていた、、、。 彼女、、いや彼らを支配したのは歓喜でも怯えでもなく、、 腹筋が攣るのではないかとゆうほどの笑いであった 兄「王太子殿下、言う相手を間違えておりますよw、、んん、失礼」 姉「何ふざけたことを抜かしてらっしゃるの?コイツ、、あ、失礼、つい本音が、、」 弟「腹割れるまで爆笑していい?、、だめ?」 はてさて、王太子にこんなふうに発言できるこの三人は一体誰だろうね☺️ 一話完結、後日談の希望があれば書きます。まぁBL要素が入るかもなので別シリーズになる可能性大ですが、、

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

もう私、好きなようにさせていただきますね? 〜とりあえず、元婚約者はコテンパン〜

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「婚約破棄ですね、はいどうぞ」 婚約者から、婚約破棄を言い渡されたので、そういう対応を致しました。 もう面倒だし、食い下がる事も辞めたのですが、まぁ家族が許してくれたから全ては大団円ですね。 ……え? いまさら何ですか? 殿下。 そんな虫のいいお話に、まさか私が「はい分かりました」と頷くとは思っていませんよね? もう私の、使い潰されるだけの生活からは解放されたのです。 だって私はもう貴方の婚約者ではありませんから。 これはそうやって、自らが得た自由の為に戦う令嬢の物語。 ※本作はそれぞれ違うタイプのざまぁをお届けする、『野菜の夏休みざまぁ』作品、4作の内の1作です。    他作品は検索画面で『野菜の夏休みざまぁ』と打つとヒット致します。

婚約破棄をご一緒に!

あんど もあ
ファンタジー
王立学園の卒業パーティで、男爵令嬢を伴った王子が公爵令嬢に婚約破棄を宣言した。理由は、公爵令嬢が男爵令嬢をいじめたから。公爵令嬢は言い返す。 「他の人の事もいじめましたわ」 「へ?」

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

悪役令嬢の父は売られた喧嘩は徹底的に買うことにした

まるまる⭐️
ファンタジー
【第5回ファンタジーカップにおきまして痛快大逆転賞を頂戴いたしました。応援頂き、本当にありがとうございました】「アルテミス! 其方の様な性根の腐った女はこの私に相応しくない!! よって其方との婚約は、今、この場を持って破棄する!!」 王立学園の卒業生達を祝うための祝賀パーティー。娘の晴れ姿を1目見ようと久しぶりに王都に赴いたワシは、公衆の面前で王太子に婚約破棄される愛する娘の姿を見て愕然とした。 大事な娘を守ろうと飛び出したワシは、王太子と対峙するうちに、この婚約破棄の裏に隠れた黒幕の存在に気が付く。 おのれ。ワシの可愛いアルテミスちゃんの今までの血の滲む様な努力を台無しにしおって……。 ワシの怒りに火がついた。 ところが反撃しようとその黒幕を探るうち、その奥には陰謀と更なる黒幕の存在が……。 乗り掛かった船。ここでやめては男が廃る。売られた喧嘩は徹底的に買おうではないか!! ※※ ファンタジーカップ、折角のお祭りです。遅ればせながら参加してみます。

処理中です...