32 / 37
第二章 不穏な影
これこそが人類の神秘ですわね
しおりを挟む
一つの山場を乗り越えた私はそっと息を吐きました。
なんとかなる自信はありませんでしたがなんとかなってしまったので次の山場に備えて対応するしかありませんね。
きっとそろそろ都合よく現れてくると思いますので…
ーガチャっー
「久し振りでは無いかルーティーン!!!」
「お・お久しぶりでございますジョゼフ王太子殿下…」
「ああっ!!息災であったか?」
「はい、お陰様で…」
「そうかそうか!!相変わらず私の次に美しいなっ!!これからは家族だからなっ!!仲良く行こうじゃ無いか!!」
「あ・はい…後、私の名前はルーティーンではなくルーティです…」
「ん?そうだったか?あっはっはっはー!!!」
うわぁ…来ましたわね…来なくていいから早くお帰りにならないかしら?
私が意地でも王太子妃になりたくない原因の一人。
ジョゼフ・フォン・ファンタン王太子殿下ですわ。
私の本来なら最初の婚約者になる筈だった人物です…
こんなお馬鹿っぽい喋り方しかしませんが長子な為、王太子になった出来損ないのお調子者です。
見た目は両陛下との良い所を上手く取り入れた為、アンティークドールの様な儚げで可憐な美女と見まごう美しい美丈夫です。
性別は男性ですがその麗しい見た目の為、男女共にモテますの。
ですが、残念な事に自分以外興味の無い救いようの無いナルシスト。
そして、幼い頃から交流は有りましたがいつも名前を間違われ「私の方が美しい!!」と言われます。
別に顔が負けたようが正直どうでも良いのですが顔が良ければ全て良しと考えるダメ人間なので「顔が美しい私が言う事が全て正しい」とか仰るので私がいつも正論を言っても聞いてくださらず、「そんな恥ずかしがらなくても良いんだよ!!僕の次に君は美しいんだから」と訳わからない屁理屈を言われ、いつも小馬鹿にされていたので殺意しか感じませんでした。
いつか魔法が使える事をおおやけに出来たらコイツを魔法で凍らせてやる…と思って居たほどに嫌いです。
スパニッシュ公爵家の令嬢である私は転生者なので当時は魔力は無いが4歳児ながら聡明と評価されていた為、婚約者候補に挙げられていましたわ…
悍ましい事実ですが…
何故私の婚約者候補に上がった殿方は悉くナルシストなのでしょうか?
男運が無さすぎて泣けてきますわ…
この男と結婚なんてしたら人生がまた詰む…と4歳ながら悟った私は執務室にあった山の様に積み上がった釣書の内の一枚を引き抜き「この方とお会いしたいわ!!」とお父様に伝えてお会いした人がルードヴィッヒ様でした…
嗚呼、運の無い哀れな人生リターンズですわ…
その後、マイスタン公爵とゴルダナ夫人にゴリ押しされたお父様が私とルードヴィッヒ様の婚約が決まりましたわ。
王太子がダメならと第二王子、第三王子も候補に挙げられましたが既に婚約が決まったので無かったことになりましたわ。
でも、当時はまだ王太子殿下よりもマシでしょうと思いましたが会ってお話しして見てましたがそこまで変わらない事実に男運の無さに絶望しました。
でも、まだ公爵令息の方が王族よりも婚約破棄し易そうでしたのでそのまま継続して例の作戦を実行しましたわ。
ある意味あの時の私の判断は正しかった…
しかし、まぁ、久し振りにお会いしましたジョゼフ王太子殿下は本当にお変わり無く相変わらず気持ちが悪い事…
王家入りしましたし、王太子殿下も無事私では無い令嬢と婚約しましたので私に回ってくる事は無くなったので油断は出来ませんが安心して居ますわ。
はあ…しかし、本当に鬱陶しい男ですわ…
何故、こんなお馬鹿とロティお兄様が兄弟なのか未だに不思議です。
これこそが人類の神秘ですわね?
なんとかなる自信はありませんでしたがなんとかなってしまったので次の山場に備えて対応するしかありませんね。
きっとそろそろ都合よく現れてくると思いますので…
ーガチャっー
「久し振りでは無いかルーティーン!!!」
「お・お久しぶりでございますジョゼフ王太子殿下…」
「ああっ!!息災であったか?」
「はい、お陰様で…」
「そうかそうか!!相変わらず私の次に美しいなっ!!これからは家族だからなっ!!仲良く行こうじゃ無いか!!」
「あ・はい…後、私の名前はルーティーンではなくルーティです…」
「ん?そうだったか?あっはっはっはー!!!」
うわぁ…来ましたわね…来なくていいから早くお帰りにならないかしら?
私が意地でも王太子妃になりたくない原因の一人。
ジョゼフ・フォン・ファンタン王太子殿下ですわ。
私の本来なら最初の婚約者になる筈だった人物です…
こんなお馬鹿っぽい喋り方しかしませんが長子な為、王太子になった出来損ないのお調子者です。
見た目は両陛下との良い所を上手く取り入れた為、アンティークドールの様な儚げで可憐な美女と見まごう美しい美丈夫です。
性別は男性ですがその麗しい見た目の為、男女共にモテますの。
ですが、残念な事に自分以外興味の無い救いようの無いナルシスト。
そして、幼い頃から交流は有りましたがいつも名前を間違われ「私の方が美しい!!」と言われます。
別に顔が負けたようが正直どうでも良いのですが顔が良ければ全て良しと考えるダメ人間なので「顔が美しい私が言う事が全て正しい」とか仰るので私がいつも正論を言っても聞いてくださらず、「そんな恥ずかしがらなくても良いんだよ!!僕の次に君は美しいんだから」と訳わからない屁理屈を言われ、いつも小馬鹿にされていたので殺意しか感じませんでした。
いつか魔法が使える事をおおやけに出来たらコイツを魔法で凍らせてやる…と思って居たほどに嫌いです。
スパニッシュ公爵家の令嬢である私は転生者なので当時は魔力は無いが4歳児ながら聡明と評価されていた為、婚約者候補に挙げられていましたわ…
悍ましい事実ですが…
何故私の婚約者候補に上がった殿方は悉くナルシストなのでしょうか?
男運が無さすぎて泣けてきますわ…
この男と結婚なんてしたら人生がまた詰む…と4歳ながら悟った私は執務室にあった山の様に積み上がった釣書の内の一枚を引き抜き「この方とお会いしたいわ!!」とお父様に伝えてお会いした人がルードヴィッヒ様でした…
嗚呼、運の無い哀れな人生リターンズですわ…
その後、マイスタン公爵とゴルダナ夫人にゴリ押しされたお父様が私とルードヴィッヒ様の婚約が決まりましたわ。
王太子がダメならと第二王子、第三王子も候補に挙げられましたが既に婚約が決まったので無かったことになりましたわ。
でも、当時はまだ王太子殿下よりもマシでしょうと思いましたが会ってお話しして見てましたがそこまで変わらない事実に男運の無さに絶望しました。
でも、まだ公爵令息の方が王族よりも婚約破棄し易そうでしたのでそのまま継続して例の作戦を実行しましたわ。
ある意味あの時の私の判断は正しかった…
しかし、まぁ、久し振りにお会いしましたジョゼフ王太子殿下は本当にお変わり無く相変わらず気持ちが悪い事…
王家入りしましたし、王太子殿下も無事私では無い令嬢と婚約しましたので私に回ってくる事は無くなったので油断は出来ませんが安心して居ますわ。
はあ…しかし、本当に鬱陶しい男ですわ…
何故、こんなお馬鹿とロティお兄様が兄弟なのか未だに不思議です。
これこそが人類の神秘ですわね?
0
あなたにおすすめの小説
婚約破棄を申し入れたのは、父です ― 王子様、あなたの企みはお見通しです!
みかぼう。
恋愛
公爵令嬢クラリッサ・エインズワースは、王太子ルーファスの婚約者。
幼い日に「共に国を守ろう」と誓い合ったはずの彼は、
いま、別の令嬢マリアンヌに微笑んでいた。
そして――年末の舞踏会の夜。
「――この婚約、我らエインズワース家の名において、破棄させていただきます!」
エインズワース公爵が力強く宣言した瞬間、
王国の均衡は揺らぎ始める。
誇りを捨てず、誠実を貫く娘。
政の闇に挑む父。
陰謀を暴かんと手を伸ばす宰相の子。
そして――再び立ち上がる若き王女。
――沈黙は逃げではなく、力の証。
公爵令嬢の誇りが、王国の未来を変える。
――荘厳で静謐な政略ロマンス。
(本作品は小説家になろうにも掲載中です)
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
追放令嬢、辺境王国で無双して王宮を揺るがす
yukataka
ファンタジー
王国随一の名門ハーランド公爵家の令嬢エリシアは、第一王子の婚約者でありながら、王宮の陰謀により突然追放される。濡れ衣を着せられ、全てを奪われた彼女は極寒の辺境国家ノルディアへと流される。しかしエリシアには秘密があった――前世の記憶と現代日本の経営知識を持つ転生者だったのだ。荒廃した辺境で、彼女は持ち前の戦略眼と人心掌握術で奇跡の復興を成し遂げる。やがて彼女の手腕は王国全土を震撼させ、自らを追放した者たちに復讐の刃を向ける。だが辺境王ルシアンとの運命的な出会いが、彼女の心に新たな感情を芽生えさせていく。これは、理不尽に奪われた女性が、知略と情熱で世界を変える物語――。
婚約破棄するから結婚しようと言われても『俺』は男だし婚約破棄を告げてる相手は兄だしあなたの婚約者は姉なんですが?腹抱えて爆笑していですか?
ラットピア
ファンタジー
「レナスティア・フィオネス!今日この場で!貴様との婚約破棄を宣言する!」
よく通る声によりそう告げられた瞬間その場は凍りついたように静寂が支配した
「そして、ここにいるアナスティアと私は婚約する!」
続いて言われたことにどよめきが広がる
「王太子殿下、、いきなり何を?」
とうのレナスティアと呼ばれた者とアナスティアは震えていた、、、。
彼女、、いや彼らを支配したのは歓喜でも怯えでもなく、、
腹筋が攣るのではないかとゆうほどの笑いであった
兄「王太子殿下、言う相手を間違えておりますよw、、んん、失礼」
姉「何ふざけたことを抜かしてらっしゃるの?コイツ、、あ、失礼、つい本音が、、」
弟「腹割れるまで爆笑していい?、、だめ?」
はてさて、王太子にこんなふうに発言できるこの三人は一体誰だろうね☺️
一話完結、後日談の希望があれば書きます。まぁBL要素が入るかもなので別シリーズになる可能性大ですが、、
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
よかった、わたくしは貴女みたいに美人じゃなくて
碧井 汐桜香
ファンタジー
美しくないが優秀な第一王子妃に嫌味ばかり言う国王。
美しい王妃と王子たちが守るものの、国の最高権力者だから咎めることはできない。
第二王子が美しい妃を嫁に迎えると、国王は第二王子妃を娘のように甘やかし、第二王子妃は第一王子妃を蔑むのだった。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる