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俺、シエナの防具を買います! その1
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服は買ったので、次に俺は防具屋に向かうことにした。
理由は一つ。それは、冒険者になるんだったら防具が必要になるからというものだ。
今日は行かないが、明日朝早めにギルドに行ってシエナが冒険者になるための手続きをしようと考えている。
今日行かない理由? ユニークスキルを鑑定してくれる鑑定師が今日は居ないから。以上である。
防具屋に向かっている途中。
「あの! さっきはタイミングを逃してしまって言えなかったのですが、私にこんなに綺麗な服を買ってくださって……それにあんなに高かったのに……本当にありがとうございます!」
シエナが立ち止まって綺麗なお辞儀をしてお礼を言ってきた。
「シエナが喜んでくれるなら値段が高いとかそういうのは些細なことだ。ほら、周りの人達の視線も集めているし、さっさと次のお店に行くぞ!」
シエナの手を取り急いでこの場から離脱する。
俺に手を取られていや顔をするかな、と思っていたのだが、後ろをちらりと見るとシエナは嬉しそうな顔をしていた。
走っていたらあっという間に防具屋に到着した。
いつまでも手を握っているのも駄目だろうな、と思ったので手を離し店内に入ると……
「やあ、エリック! 今日は……っと、もしかしてそちらのお嬢さんの防具を探しに来たのかい?」
如何にも気さくそうな青年が俺に声をかけてきた。
彼の名前はカイル。若いのに防具を作る腕は街一番のすごい人だ。
「話が早くて助かる。シエナの防具を見繕ってほしいんだ。ジョブは……」
そう言えばシエナに何のジョブになりたいか聞いていないことに気がつく。
防具はその人のジョブによって結構変わったりする。
前衛職である剣士であれば重装備、後衛職である弓使いやヒーラーであれば動きやすい軽装備という感じで。
まあ、このジョブというのは自分で好きに決められるので問題はないのだが……シエナは一体何のジョブになりたいと言うのだろうか?
「シエナ。何のジョブになりたい?」
「えーっと……どういうものがあるのでしょうか?」
……そういえばシエナにはそういう知識が無いんだった。
いつもしっかりしているから、こういうことが頭からスッポ抜けるんだよなぁ……気をつけなければ。
「そうだな……前衛職で言えば大きく分けると剣士、騎士。まあこの二つの違いはほとんどない。強いて言えば盾役に向いているのが騎士って感じかな。後衛職だったら、弓使いとか、ヒーラー、つまりは体力を回復してくれる人の事な? まあ、それくらいかな、人気どころで言うと。あとは前衛後衛両方ともいける魔術師とか、そんな感じ。ただ、選んだけどやっぱり合わないわってなってもすぐにジョブチェンジは出来るから、そこまで深く考えずに面白そうって思ったやつで良いと思うぞ」
シエナが『なるほど……』と言いながら真剣な顔で聞いてくれる。
すごい端折っているし、説明も適当だったし、本当に初心者に教える態度か? って思われそうではあるが……一気に言ったら流石のシエナでも理解できないだろうしな。
しばらく彼女は考えていたが、
「では、ヒーラーというジョブにします!」
と俺に伝えてきた。
……ほう。それはそれは……
「なんでそれを選んだんだ?」
「エリック様のお怪我を何時でもどこでも治せると思ったからです!」
『頑張ります!』という顔をしながら理由を述べてくる。
……これは嬉しい誤算だな。
前衛と後衛であれば、シエナには後衛職を選んでほしかったし、後衛職であれば体力回復や怪我を治してくれるヒーラーをしてほしいとは思っていたのだ。
いくら『S級ランク』といえども、まだまだ弱い俺は結構な頻度で怪我をしている。
まあ、怪我といっても擦り傷とか、ひどくても打撲くらいなのだが、ヒーラーがいると戦闘時に心強い。
「期待しているぞ、シエナ!」
「はい!」
俺はシエナの肩をポンポンと叩く。
この行為には特に意味はないが、なんというか任せた! とか期待しているぞ! というときはこういうことするじゃん?
「というわけだけだから、この店で出せる一番いいヒーラー用の防具を頼む」
束の間のスキンシップ(肩ポンポン)を楽しんだ後。にこやかな顔で俺たちを見ていたカイルに注文をする。
「了解! ちょっと時間がかかるから店内でも見て回って時間を潰していてくれ」
そういって彼はキビキビと店の奥へと消えていった。
おそらく十分はかかるだろうから、他に必要なものがないか見てみるか。
というわけで、シエナと一緒に店に展示されている防具などを見て回ることにした。
「あの……駆け出しの冒険者になる私にそんなに良いものなんて……もったいないと思うのですが……」
膝に付けるサポーターみたいなものを見ていると、シエナが話を切り出してきた。
まあ何も知らなかったらそう言いたくなる気持ちもわかる。
だが、それは間違った認識だ。時間つぶしにもなるしシエナに冒険者の心得を教えておこう。
「シエナ。これは先輩冒険者である俺からのアドバイスだ。駆け出しだからといって防具や武器を妥協してはいけない。まあ、冒険者に成り立ての時はお金が手元にないから妥協しなくちゃいけない状況になってしまうんだが……シエナの場合はお金を持っている俺がいる。妥協をする必要性がない」
一息おき、説明を続ける。
「モンスターは駆け出し、熟練冒険者関係なしに襲ってくる。まあ、強いモンスターが出てくる箇所はある程度分かっているが……イレギュラーだって勿論ある。そういう事態に遭遇して毎年少なくない駆け出し冒険者や熟練の冒険者がクエスト中に亡くなっているんだ。シエナ、俺たちも例外ではない。であるならば、自分の命を守ることに直結する武器や防具はお金があるのであれば絶対に妥協してはいけないんだ」
「……なるほど……すみません。知識が無い私が口を挟んでしまって……」
「いや、疑問に感じたことは何でも聞いて学んでいくのが一番いいんだ。よく分からないけど他人に聞くのはちょっと……と思って一人で勝手に判断すると大変なことになりかねないしな。これからも遠慮せずに聞いてきてくれよ?」
「はい!」
シエナが元気な声で返事をしてくれた。
うんうん! 頭がいいから教えるのも楽でいいな。
言ったことは全て吸収してくれるし、これは成長が楽しみだ。
理由は一つ。それは、冒険者になるんだったら防具が必要になるからというものだ。
今日は行かないが、明日朝早めにギルドに行ってシエナが冒険者になるための手続きをしようと考えている。
今日行かない理由? ユニークスキルを鑑定してくれる鑑定師が今日は居ないから。以上である。
防具屋に向かっている途中。
「あの! さっきはタイミングを逃してしまって言えなかったのですが、私にこんなに綺麗な服を買ってくださって……それにあんなに高かったのに……本当にありがとうございます!」
シエナが立ち止まって綺麗なお辞儀をしてお礼を言ってきた。
「シエナが喜んでくれるなら値段が高いとかそういうのは些細なことだ。ほら、周りの人達の視線も集めているし、さっさと次のお店に行くぞ!」
シエナの手を取り急いでこの場から離脱する。
俺に手を取られていや顔をするかな、と思っていたのだが、後ろをちらりと見るとシエナは嬉しそうな顔をしていた。
走っていたらあっという間に防具屋に到着した。
いつまでも手を握っているのも駄目だろうな、と思ったので手を離し店内に入ると……
「やあ、エリック! 今日は……っと、もしかしてそちらのお嬢さんの防具を探しに来たのかい?」
如何にも気さくそうな青年が俺に声をかけてきた。
彼の名前はカイル。若いのに防具を作る腕は街一番のすごい人だ。
「話が早くて助かる。シエナの防具を見繕ってほしいんだ。ジョブは……」
そう言えばシエナに何のジョブになりたいか聞いていないことに気がつく。
防具はその人のジョブによって結構変わったりする。
前衛職である剣士であれば重装備、後衛職である弓使いやヒーラーであれば動きやすい軽装備という感じで。
まあ、このジョブというのは自分で好きに決められるので問題はないのだが……シエナは一体何のジョブになりたいと言うのだろうか?
「シエナ。何のジョブになりたい?」
「えーっと……どういうものがあるのでしょうか?」
……そういえばシエナにはそういう知識が無いんだった。
いつもしっかりしているから、こういうことが頭からスッポ抜けるんだよなぁ……気をつけなければ。
「そうだな……前衛職で言えば大きく分けると剣士、騎士。まあこの二つの違いはほとんどない。強いて言えば盾役に向いているのが騎士って感じかな。後衛職だったら、弓使いとか、ヒーラー、つまりは体力を回復してくれる人の事な? まあ、それくらいかな、人気どころで言うと。あとは前衛後衛両方ともいける魔術師とか、そんな感じ。ただ、選んだけどやっぱり合わないわってなってもすぐにジョブチェンジは出来るから、そこまで深く考えずに面白そうって思ったやつで良いと思うぞ」
シエナが『なるほど……』と言いながら真剣な顔で聞いてくれる。
すごい端折っているし、説明も適当だったし、本当に初心者に教える態度か? って思われそうではあるが……一気に言ったら流石のシエナでも理解できないだろうしな。
しばらく彼女は考えていたが、
「では、ヒーラーというジョブにします!」
と俺に伝えてきた。
……ほう。それはそれは……
「なんでそれを選んだんだ?」
「エリック様のお怪我を何時でもどこでも治せると思ったからです!」
『頑張ります!』という顔をしながら理由を述べてくる。
……これは嬉しい誤算だな。
前衛と後衛であれば、シエナには後衛職を選んでほしかったし、後衛職であれば体力回復や怪我を治してくれるヒーラーをしてほしいとは思っていたのだ。
いくら『S級ランク』といえども、まだまだ弱い俺は結構な頻度で怪我をしている。
まあ、怪我といっても擦り傷とか、ひどくても打撲くらいなのだが、ヒーラーがいると戦闘時に心強い。
「期待しているぞ、シエナ!」
「はい!」
俺はシエナの肩をポンポンと叩く。
この行為には特に意味はないが、なんというか任せた! とか期待しているぞ! というときはこういうことするじゃん?
「というわけだけだから、この店で出せる一番いいヒーラー用の防具を頼む」
束の間のスキンシップ(肩ポンポン)を楽しんだ後。にこやかな顔で俺たちを見ていたカイルに注文をする。
「了解! ちょっと時間がかかるから店内でも見て回って時間を潰していてくれ」
そういって彼はキビキビと店の奥へと消えていった。
おそらく十分はかかるだろうから、他に必要なものがないか見てみるか。
というわけで、シエナと一緒に店に展示されている防具などを見て回ることにした。
「あの……駆け出しの冒険者になる私にそんなに良いものなんて……もったいないと思うのですが……」
膝に付けるサポーターみたいなものを見ていると、シエナが話を切り出してきた。
まあ何も知らなかったらそう言いたくなる気持ちもわかる。
だが、それは間違った認識だ。時間つぶしにもなるしシエナに冒険者の心得を教えておこう。
「シエナ。これは先輩冒険者である俺からのアドバイスだ。駆け出しだからといって防具や武器を妥協してはいけない。まあ、冒険者に成り立ての時はお金が手元にないから妥協しなくちゃいけない状況になってしまうんだが……シエナの場合はお金を持っている俺がいる。妥協をする必要性がない」
一息おき、説明を続ける。
「モンスターは駆け出し、熟練冒険者関係なしに襲ってくる。まあ、強いモンスターが出てくる箇所はある程度分かっているが……イレギュラーだって勿論ある。そういう事態に遭遇して毎年少なくない駆け出し冒険者や熟練の冒険者がクエスト中に亡くなっているんだ。シエナ、俺たちも例外ではない。であるならば、自分の命を守ることに直結する武器や防具はお金があるのであれば絶対に妥協してはいけないんだ」
「……なるほど……すみません。知識が無い私が口を挟んでしまって……」
「いや、疑問に感じたことは何でも聞いて学んでいくのが一番いいんだ。よく分からないけど他人に聞くのはちょっと……と思って一人で勝手に判断すると大変なことになりかねないしな。これからも遠慮せずに聞いてきてくれよ?」
「はい!」
シエナが元気な声で返事をしてくれた。
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言ったことは全て吸収してくれるし、これは成長が楽しみだ。
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