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二度目の奴隷市場
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「それで、これからどうするのですか?」
事前報酬を受け取り、ミラさんと別れてギルドから出てきた後、シエナが俺に質問をしてきた。
「早速奴隷市場に行って、いい人がいないか見てこようと思う。ただ……シエナは別についてこなくていいぞ。いい思い出がないところだろうし、俺一人でーー」
「いえ。私も付いていきたいです。確かに怖い思いもしましたが、何かをされたわけでもありませんし。それよりもエリック様がどのような方を選ぶのか気になりますから」
「……まあ、それなら別にいいが……」
何故かやる気を感じられるシエナを連れて、俺は奴隷市場へと向かった。
「ここが奴隷市場か……場所は知っていたし、シエナを買った時にここに来たはずなんだが……あの時はひどい酔い方をしていたから記憶がないんだよな……だから、初めて来るような感覚だ」
「私もあの時はあまり周りを見る余裕がなかったので、新鮮な感じです」
二人でほえー、という顔をしながら奴隷市場の中へと入る。
市場の入口からは大きな一本道が続いており、道の両端には露店が所狭しと並んでいた。
どこの露店の奴隷商人も『いい奴隷が手に入りましたよ~!』と言いながら客寄せをしている。
……俺としては、奴隷を売っているところは立派な建物の中だと思っていたのだが、少し違ったようだ。
俺とシエナが物珍しそうに歩きながら辺りをキョロキョロとしていると、ある一人の奴隷商人が俺に声を掛けてきた。
「あんた、エリックさんか?」
「……そうだが……それがどうした?」
何かが頭に引っかかっていたのだが、それを思い出せずにいると……話しかけてきた奴隷商人がいきなり大声をあげた。
「おいみんな! 金貨三千枚を叩いたエリックさんがいらっしゃったぞ!」
……そうだ! 鑑定師のダニエルさんが、俺の噂を言ってたじゃないか! 完全に忘れてた!
しかし時既に遅し。一人の奴隷商人の声を聞いて他の奴隷商人たちが俺に群がってきた。
「エリックさん! ウチの店にいい娘が入りまして! 近くなので一度見に来てくれませんか?」
「俺のところは、そこよりも上玉のいい女が手に入ったんだ。エリックさん、是非俺の店に!」
「馬鹿野郎! エリックさんは最高級の娘しか買わねぇんだよ! 貴様らのところはせいぜい高級レベルだろうが! エリックさん、ワシのところに来てくれ。最高級の娘が丁度来たばかりなんだ」
すごい。野郎ばかりだけど俺、モテモテじゃね?
しかし、シエナが人の波に溺れかけていたので彼らを静止させる。
「おい! シエナが苦しがってるだろ! 一旦落ち着いてくれ!」
すると、俺に押しかけて騒がしかった商人たちが一気に後ろに下がって落ち着きを取り戻してくれた。
いや、熟練の冒険者たちを集めてもここまで綺麗に行動が揃うことないんだが…とんでもない奴らだな。
しかし、皆が一歩引いて黙ってくれたのはいい機会だ。今日の俺の目的を伝えて、条件に見合う人を彼らに見繕ってもらおう。
「今日は、腕の立つ奴隷を俺のパーティーに入れたいと思って来たんだ。少し込み入った事情があって、即戦力になる人が欲しい。誰か、その条件にあった人を紹介できるか?」
しかし、皆はうーん、と唸るだけだ。
しばらくの沈黙の後。最初に声を掛けてきた奴隷商人が口を開いた。
「エリックさん。それは中々に難しい話ですよ。確かに俺達は元冒険者の奴隷も仕入れてはいますが……エリックさんみたいなS級ランクの人に見合うような娘は……」
「いや、別に女性に限定しなくてもいいんだが」
「エリックさん。前回、この奴隷市場に来た時に、大声で俺達に言ったこと覚えてないんですか? 『女性の奴隷が欲しい! 男はいらん! とにかく女性の奴隷が欲しいから、いい娘を俺に紹介してくれ!』って」
……覚えてないなぁ……そんなこと言ってたのかなぁ……
「まあ、言ってたのかも知れないが、それは前回の話だ。今回は別に男でもいい。それでもいないのか?」
「……残念ながらいないですね。そもそも即戦力になる人なら大抵は奴隷にならずに、自分で冒険者稼業しますし」
ぐうの音も出ない正論だった。
……それだったら仕方ない。なんとか街の冒険者に掛け合ってクエストに同行してもらうように土下座をするか……
そう思って帰ろうとした時、シエナが話を振ってきた。
「私が売られていたお店で、元冒険者という方が隣で同じく売られていたのを見ました。もしかしたら、今もいるかも知れません。行ってみませんか?」
「シエナさん。確かにあの娘は即戦力になるでしょうけど……止めておいたほうが……」
先ほどとは違う奴隷商人が忠告をしてくるが、俺はそのお店に寄ってみることにした。
この男の言い方から察するにまだ売られているはずだし、見るだけならタダだしな。
「シエナ言っていた店に試しに行ってみることにする。仕事を邪魔して申し訳ない。みんなありがとう」
皆に頭を下げた後、シエナに先導してもらって件の店へと向かった。
事前報酬を受け取り、ミラさんと別れてギルドから出てきた後、シエナが俺に質問をしてきた。
「早速奴隷市場に行って、いい人がいないか見てこようと思う。ただ……シエナは別についてこなくていいぞ。いい思い出がないところだろうし、俺一人でーー」
「いえ。私も付いていきたいです。確かに怖い思いもしましたが、何かをされたわけでもありませんし。それよりもエリック様がどのような方を選ぶのか気になりますから」
「……まあ、それなら別にいいが……」
何故かやる気を感じられるシエナを連れて、俺は奴隷市場へと向かった。
「ここが奴隷市場か……場所は知っていたし、シエナを買った時にここに来たはずなんだが……あの時はひどい酔い方をしていたから記憶がないんだよな……だから、初めて来るような感覚だ」
「私もあの時はあまり周りを見る余裕がなかったので、新鮮な感じです」
二人でほえー、という顔をしながら奴隷市場の中へと入る。
市場の入口からは大きな一本道が続いており、道の両端には露店が所狭しと並んでいた。
どこの露店の奴隷商人も『いい奴隷が手に入りましたよ~!』と言いながら客寄せをしている。
……俺としては、奴隷を売っているところは立派な建物の中だと思っていたのだが、少し違ったようだ。
俺とシエナが物珍しそうに歩きながら辺りをキョロキョロとしていると、ある一人の奴隷商人が俺に声を掛けてきた。
「あんた、エリックさんか?」
「……そうだが……それがどうした?」
何かが頭に引っかかっていたのだが、それを思い出せずにいると……話しかけてきた奴隷商人がいきなり大声をあげた。
「おいみんな! 金貨三千枚を叩いたエリックさんがいらっしゃったぞ!」
……そうだ! 鑑定師のダニエルさんが、俺の噂を言ってたじゃないか! 完全に忘れてた!
しかし時既に遅し。一人の奴隷商人の声を聞いて他の奴隷商人たちが俺に群がってきた。
「エリックさん! ウチの店にいい娘が入りまして! 近くなので一度見に来てくれませんか?」
「俺のところは、そこよりも上玉のいい女が手に入ったんだ。エリックさん、是非俺の店に!」
「馬鹿野郎! エリックさんは最高級の娘しか買わねぇんだよ! 貴様らのところはせいぜい高級レベルだろうが! エリックさん、ワシのところに来てくれ。最高級の娘が丁度来たばかりなんだ」
すごい。野郎ばかりだけど俺、モテモテじゃね?
しかし、シエナが人の波に溺れかけていたので彼らを静止させる。
「おい! シエナが苦しがってるだろ! 一旦落ち着いてくれ!」
すると、俺に押しかけて騒がしかった商人たちが一気に後ろに下がって落ち着きを取り戻してくれた。
いや、熟練の冒険者たちを集めてもここまで綺麗に行動が揃うことないんだが…とんでもない奴らだな。
しかし、皆が一歩引いて黙ってくれたのはいい機会だ。今日の俺の目的を伝えて、条件に見合う人を彼らに見繕ってもらおう。
「今日は、腕の立つ奴隷を俺のパーティーに入れたいと思って来たんだ。少し込み入った事情があって、即戦力になる人が欲しい。誰か、その条件にあった人を紹介できるか?」
しかし、皆はうーん、と唸るだけだ。
しばらくの沈黙の後。最初に声を掛けてきた奴隷商人が口を開いた。
「エリックさん。それは中々に難しい話ですよ。確かに俺達は元冒険者の奴隷も仕入れてはいますが……エリックさんみたいなS級ランクの人に見合うような娘は……」
「いや、別に女性に限定しなくてもいいんだが」
「エリックさん。前回、この奴隷市場に来た時に、大声で俺達に言ったこと覚えてないんですか? 『女性の奴隷が欲しい! 男はいらん! とにかく女性の奴隷が欲しいから、いい娘を俺に紹介してくれ!』って」
……覚えてないなぁ……そんなこと言ってたのかなぁ……
「まあ、言ってたのかも知れないが、それは前回の話だ。今回は別に男でもいい。それでもいないのか?」
「……残念ながらいないですね。そもそも即戦力になる人なら大抵は奴隷にならずに、自分で冒険者稼業しますし」
ぐうの音も出ない正論だった。
……それだったら仕方ない。なんとか街の冒険者に掛け合ってクエストに同行してもらうように土下座をするか……
そう思って帰ろうとした時、シエナが話を振ってきた。
「私が売られていたお店で、元冒険者という方が隣で同じく売られていたのを見ました。もしかしたら、今もいるかも知れません。行ってみませんか?」
「シエナさん。確かにあの娘は即戦力になるでしょうけど……止めておいたほうが……」
先ほどとは違う奴隷商人が忠告をしてくるが、俺はそのお店に寄ってみることにした。
この男の言い方から察するにまだ売られているはずだし、見るだけならタダだしな。
「シエナ言っていた店に試しに行ってみることにする。仕事を邪魔して申し訳ない。みんなありがとう」
皆に頭を下げた後、シエナに先導してもらって件の店へと向かった。
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