56 / 108
探索
しおりを挟む
シエナとメリッサの準備が出来たのを見計らって、俺達は馬をそこら辺の木にくくりつけた後、早速周辺の捜索を始めた。
俺を先頭に、メリッサ、シエナの順で陣形を組む。後ろからモンスターが襲いかかってくる可能性もあるが……俺が後方も注意すればいいだけの話だからな。
しばらく歩いていると、ガサゴソという音が左前方から聞こえてきたので、足音を消して近づいてみる。ドラゴンではないだろうが……注意しておくにこしたことはないからな。
で、近づいて音の発生場所を覗いてみると……如何にも厳つそうなゴリラーがご飯を食べていた。
……なるほど。ゴリラみたいなモンスターだ。絵でしか見たことが無かったが……ゴリラのまんまじゃねえか。
ちなみに、モンスターと動物の見分け方は簡単で、モンスターはほぼ例外なく体の何処かが淡い光を放っている。そこで瞬時に見分けられるというわけである。
俺はシエナたちにジェスチャーを送って、後ろに下がれと指示する。
ゆっくりゆっくり離れていって……
パキッ! ドスン!
「きゃあですわ!」
後ろを一瞬振り返ると、メリッサが尻もちをついていた。
……おっと、こいつはまずい。ゴリラーが俺達の存在に気がついたようで咆哮を上げながらドラミングをし始めたぞ。
ちなみにゴリラーの討伐難易度は『中難易度』。ドラゴンが近くにいるかもしれないから戦闘行為は出来るだけしたくなかったんだが……致し方ない。こいつ相手だとシエナ達が逃げ切れないだろうし。
ドラミングをしながら俺達に襲いかかろうとしていたゴリラーに向かって、時間がなかったのでユニークスキルは使わずに左手を向け……魔術を唱える。
「《フリーズ》!」
この魔術は、目標のモンスターなどを凍らせるもので、一般的には足止めとして使用されるものだ。
俺もそのつもりで使ったのだが……この魔術を食らったゴリラーは一瞬で全身が凍ってしまい、動かなくなってしまった。
というか、ユニークスキルなしでこの威力とは……
「……これは予想外だな。でもラッキー! ってことで……フンッ!」
力いっぱい拳を握ると……凍ったゴリラーが粉々に粉砕されて……おっとこいつはマズイ。絵面がトンデモナイことになってしまって、モザイクが必要だ。
「おい、お前達! これは見ちゃ……あー、がっつり見ちゃってましたか~」
後ろを振り返って目をゴリラーだったものに向けないようにと言おうとしたのだが……彼女たちは思いっきりその光景を見ており、涙目になっていた。
吐かないだけ凄いと思うが……流石に刺激が強すぎたよな。
俺は、ゴリラーの毛を適当にむしり取った後、シエナ達のメンタルケアにしばらく時間を割いた。
「よし。じゃあ、探索を続けるぞ!」
「は、はい……」
「……次からはもう少し刺激の少ないやり方でお願いしますわ……」
少々元気がない彼女たちを引き連れて、探索を再開する。
刺激が少ないやり方というか、『フリーズ』だって本来はあんな威力でないんだけどな。このローラが凄いんだろう。
ちなみに、今の俺の魔力量はマックスの八割くらいと言ったところだ。魔術を馬車の時にかなり連発してのこれだから、ローラの欠点は俺にとって欠点とは言えない感じだな。
手袋や魔力量のことを考えて歩いていると……ウサッギを三匹いるのを見つけた。
ジャスチャーを送り、俺達は茂みに隠れる。
(実はな。うっかり食料を積むのを忘れてしまって、水しか備蓄がないんだよ。というわけで、食料を現地調達しなければいけないんだが……ウサッギを今日のご飯にしようと思う)
テヘッ、という顔をするとメリッサがジト目で俺のことを見てきた。シエナは真顔である。
シエナ、お前……いつものニコニコ笑顔はどうしたんだ!? お前がご飯大好きっ子なのは分かるが、その真顔はいけませんよ! 俺の心が削れていくから!
土下座をして謝った後、メリッサにウサッギを狩ってもらうことにする。
キャロラインのお店で彼女の魔術を見た後は、色々準備が忙しくて他の魔術を使ってもらうタイミングが無かったからな。ドラゴンに会う前に実力の確認と、勘を取り戻してもらわないと。
俺とシエナはメリッサの後ろに下がり、彼女がどういう風にウサッギ狩るのかを見守る。
メリッサは茂みから少しだけ頭を出してウサッギに狙いを定めた後……魔術を起動した。
(「《バインド》!」)
すると、シュルシュルと虚空から縄が出てきて……ウサッギ達を一瞬で捕縛する。
……いい腕だな。ここまでスムーズに縄を操れる人は中々いないぞ。
メリッサはさらに、地面に落ちていた数個の小石を右手で持って……違う魔術を唱える。
(「《スローイング》!」)
瞬間。メリッサが持っていた小石が勝手に浮き上がり……ウサッギに向かって勝手に飛んでいった。
コココンッ! とリズムよくウサッギの頭に小石が当たって、モンスターが息絶える。
これは綺麗な討伐方法だな。流血は一切なし。遠距離からの攻撃だから怪我を負うリスクも少ない。で、おまけに武器は何処にでもある小石と。
俺は立ち上がってメリッサに賞賛を送る。
「半年のブランクがあるとは思えないくらいの腕じゃないか。凄いぞメリッサ! 俺だと確実に流血沙汰は避けられないのに、ここまできれいに倒すとは」
「……あ、ありがとう……ございます……」
メリッサは褒められ慣れていないのか、敬語モードになりながら顔を真っ赤にする。
可愛いな、おい。
絶命したウサッギの血抜きをした後、背中に背負っていた荷物に収納して……再びドラゴンの捜索を開始した。
俺を先頭に、メリッサ、シエナの順で陣形を組む。後ろからモンスターが襲いかかってくる可能性もあるが……俺が後方も注意すればいいだけの話だからな。
しばらく歩いていると、ガサゴソという音が左前方から聞こえてきたので、足音を消して近づいてみる。ドラゴンではないだろうが……注意しておくにこしたことはないからな。
で、近づいて音の発生場所を覗いてみると……如何にも厳つそうなゴリラーがご飯を食べていた。
……なるほど。ゴリラみたいなモンスターだ。絵でしか見たことが無かったが……ゴリラのまんまじゃねえか。
ちなみに、モンスターと動物の見分け方は簡単で、モンスターはほぼ例外なく体の何処かが淡い光を放っている。そこで瞬時に見分けられるというわけである。
俺はシエナたちにジェスチャーを送って、後ろに下がれと指示する。
ゆっくりゆっくり離れていって……
パキッ! ドスン!
「きゃあですわ!」
後ろを一瞬振り返ると、メリッサが尻もちをついていた。
……おっと、こいつはまずい。ゴリラーが俺達の存在に気がついたようで咆哮を上げながらドラミングをし始めたぞ。
ちなみにゴリラーの討伐難易度は『中難易度』。ドラゴンが近くにいるかもしれないから戦闘行為は出来るだけしたくなかったんだが……致し方ない。こいつ相手だとシエナ達が逃げ切れないだろうし。
ドラミングをしながら俺達に襲いかかろうとしていたゴリラーに向かって、時間がなかったのでユニークスキルは使わずに左手を向け……魔術を唱える。
「《フリーズ》!」
この魔術は、目標のモンスターなどを凍らせるもので、一般的には足止めとして使用されるものだ。
俺もそのつもりで使ったのだが……この魔術を食らったゴリラーは一瞬で全身が凍ってしまい、動かなくなってしまった。
というか、ユニークスキルなしでこの威力とは……
「……これは予想外だな。でもラッキー! ってことで……フンッ!」
力いっぱい拳を握ると……凍ったゴリラーが粉々に粉砕されて……おっとこいつはマズイ。絵面がトンデモナイことになってしまって、モザイクが必要だ。
「おい、お前達! これは見ちゃ……あー、がっつり見ちゃってましたか~」
後ろを振り返って目をゴリラーだったものに向けないようにと言おうとしたのだが……彼女たちは思いっきりその光景を見ており、涙目になっていた。
吐かないだけ凄いと思うが……流石に刺激が強すぎたよな。
俺は、ゴリラーの毛を適当にむしり取った後、シエナ達のメンタルケアにしばらく時間を割いた。
「よし。じゃあ、探索を続けるぞ!」
「は、はい……」
「……次からはもう少し刺激の少ないやり方でお願いしますわ……」
少々元気がない彼女たちを引き連れて、探索を再開する。
刺激が少ないやり方というか、『フリーズ』だって本来はあんな威力でないんだけどな。このローラが凄いんだろう。
ちなみに、今の俺の魔力量はマックスの八割くらいと言ったところだ。魔術を馬車の時にかなり連発してのこれだから、ローラの欠点は俺にとって欠点とは言えない感じだな。
手袋や魔力量のことを考えて歩いていると……ウサッギを三匹いるのを見つけた。
ジャスチャーを送り、俺達は茂みに隠れる。
(実はな。うっかり食料を積むのを忘れてしまって、水しか備蓄がないんだよ。というわけで、食料を現地調達しなければいけないんだが……ウサッギを今日のご飯にしようと思う)
テヘッ、という顔をするとメリッサがジト目で俺のことを見てきた。シエナは真顔である。
シエナ、お前……いつものニコニコ笑顔はどうしたんだ!? お前がご飯大好きっ子なのは分かるが、その真顔はいけませんよ! 俺の心が削れていくから!
土下座をして謝った後、メリッサにウサッギを狩ってもらうことにする。
キャロラインのお店で彼女の魔術を見た後は、色々準備が忙しくて他の魔術を使ってもらうタイミングが無かったからな。ドラゴンに会う前に実力の確認と、勘を取り戻してもらわないと。
俺とシエナはメリッサの後ろに下がり、彼女がどういう風にウサッギ狩るのかを見守る。
メリッサは茂みから少しだけ頭を出してウサッギに狙いを定めた後……魔術を起動した。
(「《バインド》!」)
すると、シュルシュルと虚空から縄が出てきて……ウサッギ達を一瞬で捕縛する。
……いい腕だな。ここまでスムーズに縄を操れる人は中々いないぞ。
メリッサはさらに、地面に落ちていた数個の小石を右手で持って……違う魔術を唱える。
(「《スローイング》!」)
瞬間。メリッサが持っていた小石が勝手に浮き上がり……ウサッギに向かって勝手に飛んでいった。
コココンッ! とリズムよくウサッギの頭に小石が当たって、モンスターが息絶える。
これは綺麗な討伐方法だな。流血は一切なし。遠距離からの攻撃だから怪我を負うリスクも少ない。で、おまけに武器は何処にでもある小石と。
俺は立ち上がってメリッサに賞賛を送る。
「半年のブランクがあるとは思えないくらいの腕じゃないか。凄いぞメリッサ! 俺だと確実に流血沙汰は避けられないのに、ここまできれいに倒すとは」
「……あ、ありがとう……ございます……」
メリッサは褒められ慣れていないのか、敬語モードになりながら顔を真っ赤にする。
可愛いな、おい。
絶命したウサッギの血抜きをした後、背中に背負っていた荷物に収納して……再びドラゴンの捜索を開始した。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる