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資材屋
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「……なんというか、いたるところに銅像が立っていて……凄いですね……」
街を歩いていると、シエナが苦笑いをしながらそんなことを言ってくる。
いたるところに銅像……か。それもそうだが、その銅像が全員同じ顔というか人なんだよな。ポーズとか服装は違うが……
「大分自己主張が……もとい。人気のある人物なんだろう」
街の人に聞かれたら怪訝そうな顔をされるかもしれないので、俺も言葉をオブラートに包む。
(……この銅像の人物について知りたい気もするが……今は資材探しが先だな)
俺は思考を切り替え、しばらく街を歩いていたのだが……意外と早くに『資材屋』と書かれている看板を掲げている店を発見したので、さっそく中に入ってみることにする。
カランカラン……
「らっしゃい! この街随一のラインナップを誇る資材屋へようこそ! お? 見かけねぇ顔だな。格好からして他の街からの冒険者だな? 俺の店へと来るとは目がいい。そんなお前さんには会計時に全ての商品の値段を一割ずつ安くしてやる! だからいっぱい買ってくれ。ガハハハハ!」
店に入るなりすぐに身長は低いがガタイのいいおっさんに絡まれ、背中をバンバンと叩かれる。
……いい人なんだろうが、押しが強いな。
俺は『あははは』と愛想笑いをしてから……早速馬車を修理および補強するための資材を探す。
「エリックはどういうものを探しているんですの? わたしくしもお手伝いしますわ!」
メリッサが嬉しいことを言ってくる。シエナも首をコクコクとしてやる気モードだ。
正直、俺一人でも十分なんだが……せっかくだ。彼女たちにも手伝ってもらおう!
「じゃあそうだな……馬車の壁と床を補強したいから、それに相応しいものを探してきてくれ」
「壁と床の補強に相応しいもの……ですか……。分かりました。がんばって探してきますね!」
「ですわ!」
そう言うなりすぐさま二人は店内に散らばっていった。
注文が曖昧すぎる? わざと具体的に言わなかったんだよ。彼女たちが限られた情報の中、どういったものを探してくるのかちょっと見たくてな。まあ、ちゃんとしたものは俺がしっかり探すから大丈夫だ。
五分後。馬車の壁の補強に使えるような角材を見ていると……メリッサが俺の元へと戻ってきた。
「エリック! 壁の補強に使える最高のものを見つけてきましたわ!」
(……ほう。最高のものとな? それは楽しみだな)
で、メリッサの方を見てみると……何かの液体が入った容器を抱えていた。
……?
「おい、それはなんだ? 容器のラベルに『取り扱い注意』って書いているのが見えたが」
「これはありとあらゆる物の強度を十倍にしてくれるものらしいですわ! 補強にはもってこいのものじゃありませんこと?」
……なるほど。確かにもってこいのものだな。ただ……
「すっげぇ胡散臭いんだが。詐欺商品かなにかじゃないのか? ちょっとよく見せてくれ」
メリッサから怪しい容器を受け取り、後ろに書いてある説明を読んでみる。
「なになに……『このマジックハイパーDXは、あらゆる物質の強度を十倍にする魔法の商品です。』ほうほう。で……『注意事項としては、強度が十倍になる代わりにありとあらゆる衝撃に非常に弱くなります。また、この容器の中に入っている液体を塗った物体の近くで魔術を起動すると爆発するので注意してください』と」
……いや、こんなもん使いもんにならないじゃん。
衝撃に弱くなるとか、思いっきり馬車って揺れたりして振動するじゃん? そうじゃなくても、魔術を使ったら爆発するとか……
「却下だ。こんな危険で使いづらいもんは使えません! ほら、元のところにこれを戻してきなさい! で、何か良さそうなものがあったらまた見せにきてくれ」
「……はいですわ……」
ショボショボと歩きながらメリッサは店内へと消えていった。
……あ。『商品の説明はしっかり読んでから判断すること』っていうの忘れてたわ。まあ、いいか。次、来た時に注意しよう。
それから五分後。俺が床の補強に使えそうな鉄の板を見ていると……今度はシエナが俺の元へと戻ってきた。
「エリック様! 金色に光る塊が置いてありました!」
ほうほう。金色に光る塊とな? 補強材を持ってきてくれた……と思うんだが、そんなゴージャスそうなものを見つけてきたのか。どれどれ……
シエナの方に向き直り、彼女が抱えていたものを見る。
「どうですか? なんか凄そうじゃないですか? これなら馬車の補強にも使えそうですよ!」
「……シエナ。それは金塊だ。俺達が普段使っている金貨を集めて溶かして伸ばした棒だ」
『そうなのですか?』と純粋そうな顔で俺に聞き返してくる。まあ、見たことがないんだったら『何か凄そうだから使えそう!』と思うのも仕方ないのかもしれないな。でもなんで資材屋に金塊が? まあ、高くで売れはするだろうが。
「金は見た目はいいが、補強材には使えない。ちょっと力が加わるとすぐに変形してしまうんだよ。物体そのものに価値はあるが、今の俺達には必要のないものだ。ほら、代わりに金貨を十枚上げるから、金の延べ棒は戻してきなさい」
お財布代わりにしている袋から金貨を十枚取り出し……シエナに渡す。今月のお小遣いをまだあげていなかったしな。いいタイミングだったよ。
俺からお金を受け取ったシエナは……パァァ! と満面の笑みになり、『ありがとうございます!』と言ってスキップをしながら店内へと消えていった。
(そのお金で今度は何を買うんだろうか……?)
少し気にはなったが、またまた補強材選びに戻る。
街を歩いていると、シエナが苦笑いをしながらそんなことを言ってくる。
いたるところに銅像……か。それもそうだが、その銅像が全員同じ顔というか人なんだよな。ポーズとか服装は違うが……
「大分自己主張が……もとい。人気のある人物なんだろう」
街の人に聞かれたら怪訝そうな顔をされるかもしれないので、俺も言葉をオブラートに包む。
(……この銅像の人物について知りたい気もするが……今は資材探しが先だな)
俺は思考を切り替え、しばらく街を歩いていたのだが……意外と早くに『資材屋』と書かれている看板を掲げている店を発見したので、さっそく中に入ってみることにする。
カランカラン……
「らっしゃい! この街随一のラインナップを誇る資材屋へようこそ! お? 見かけねぇ顔だな。格好からして他の街からの冒険者だな? 俺の店へと来るとは目がいい。そんなお前さんには会計時に全ての商品の値段を一割ずつ安くしてやる! だからいっぱい買ってくれ。ガハハハハ!」
店に入るなりすぐに身長は低いがガタイのいいおっさんに絡まれ、背中をバンバンと叩かれる。
……いい人なんだろうが、押しが強いな。
俺は『あははは』と愛想笑いをしてから……早速馬車を修理および補強するための資材を探す。
「エリックはどういうものを探しているんですの? わたしくしもお手伝いしますわ!」
メリッサが嬉しいことを言ってくる。シエナも首をコクコクとしてやる気モードだ。
正直、俺一人でも十分なんだが……せっかくだ。彼女たちにも手伝ってもらおう!
「じゃあそうだな……馬車の壁と床を補強したいから、それに相応しいものを探してきてくれ」
「壁と床の補強に相応しいもの……ですか……。分かりました。がんばって探してきますね!」
「ですわ!」
そう言うなりすぐさま二人は店内に散らばっていった。
注文が曖昧すぎる? わざと具体的に言わなかったんだよ。彼女たちが限られた情報の中、どういったものを探してくるのかちょっと見たくてな。まあ、ちゃんとしたものは俺がしっかり探すから大丈夫だ。
五分後。馬車の壁の補強に使えるような角材を見ていると……メリッサが俺の元へと戻ってきた。
「エリック! 壁の補強に使える最高のものを見つけてきましたわ!」
(……ほう。最高のものとな? それは楽しみだな)
で、メリッサの方を見てみると……何かの液体が入った容器を抱えていた。
……?
「おい、それはなんだ? 容器のラベルに『取り扱い注意』って書いているのが見えたが」
「これはありとあらゆる物の強度を十倍にしてくれるものらしいですわ! 補強にはもってこいのものじゃありませんこと?」
……なるほど。確かにもってこいのものだな。ただ……
「すっげぇ胡散臭いんだが。詐欺商品かなにかじゃないのか? ちょっとよく見せてくれ」
メリッサから怪しい容器を受け取り、後ろに書いてある説明を読んでみる。
「なになに……『このマジックハイパーDXは、あらゆる物質の強度を十倍にする魔法の商品です。』ほうほう。で……『注意事項としては、強度が十倍になる代わりにありとあらゆる衝撃に非常に弱くなります。また、この容器の中に入っている液体を塗った物体の近くで魔術を起動すると爆発するので注意してください』と」
……いや、こんなもん使いもんにならないじゃん。
衝撃に弱くなるとか、思いっきり馬車って揺れたりして振動するじゃん? そうじゃなくても、魔術を使ったら爆発するとか……
「却下だ。こんな危険で使いづらいもんは使えません! ほら、元のところにこれを戻してきなさい! で、何か良さそうなものがあったらまた見せにきてくれ」
「……はいですわ……」
ショボショボと歩きながらメリッサは店内へと消えていった。
……あ。『商品の説明はしっかり読んでから判断すること』っていうの忘れてたわ。まあ、いいか。次、来た時に注意しよう。
それから五分後。俺が床の補強に使えそうな鉄の板を見ていると……今度はシエナが俺の元へと戻ってきた。
「エリック様! 金色に光る塊が置いてありました!」
ほうほう。金色に光る塊とな? 補強材を持ってきてくれた……と思うんだが、そんなゴージャスそうなものを見つけてきたのか。どれどれ……
シエナの方に向き直り、彼女が抱えていたものを見る。
「どうですか? なんか凄そうじゃないですか? これなら馬車の補強にも使えそうですよ!」
「……シエナ。それは金塊だ。俺達が普段使っている金貨を集めて溶かして伸ばした棒だ」
『そうなのですか?』と純粋そうな顔で俺に聞き返してくる。まあ、見たことがないんだったら『何か凄そうだから使えそう!』と思うのも仕方ないのかもしれないな。でもなんで資材屋に金塊が? まあ、高くで売れはするだろうが。
「金は見た目はいいが、補強材には使えない。ちょっと力が加わるとすぐに変形してしまうんだよ。物体そのものに価値はあるが、今の俺達には必要のないものだ。ほら、代わりに金貨を十枚上げるから、金の延べ棒は戻してきなさい」
お財布代わりにしている袋から金貨を十枚取り出し……シエナに渡す。今月のお小遣いをまだあげていなかったしな。いいタイミングだったよ。
俺からお金を受け取ったシエナは……パァァ! と満面の笑みになり、『ありがとうございます!』と言ってスキップをしながら店内へと消えていった。
(そのお金で今度は何を買うんだろうか……?)
少し気にはなったが、またまた補強材選びに戻る。
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