ユニークスキルのせいでモテない俺は、酔っ払った勢いで奴隷を買いました。

練太郎

文字の大きさ
71 / 108

鋼の意思

しおりを挟む
 で、用は済んだので寝ようとしたのだが……グイッとメリッサが俺の服を引っ張ってくる。
 ……?

「いや、もうするべきことは終わったと言うか、これ以上俺から言うことは無いんだが?」

 しかし、黙ったままメリッサは不満げに首を横に振る。
 何を求めていると言うんだ?
 分からずに頭を捻っていると……彼女は瞳を閉じて……唇を少しだけ俺の方に突き出してきた。
 ……ほう。なるほどなるほど。
 シエナの方を見てみると……親指を立ててグッジョブと無言で言ってきていた。
 ……なるほどー。オッケーだということですな? では遠慮なく……
 俺は少しずつ近づいていって……彼女とは二度目のキスをする。
 いつもどおり、ついばむようなキスで終わるんだろうと思っていたのだが……メリッサの長い耳がいきなりビビンッ! と立ったかと思えば……俺の頭を逃がさんとばかりに鷲掴みにしてきて……彼女自ら舌を入れてきた。

「ン゛ン゛ン゛ン゛!」(痛い! 頭が痛い!)
 
 口を塞がれているので声が出せず、呻くことしか出来ない。
 いや、こいつマジで力加減がおかしいって! 頭が割れる! 頭が割れるから! 
 というか、そんな頭を押さえつけなくても求めてきたらやってあげるって!

 たっぷり五分ほど地獄を味わった後、メリッサはようやく頭を離してくれて、ぷはぁ! と息継ぎをする。

「し、しちゃいましたわ……ついにエリックと大人なキッスをしちゃいましたわ! うふ、うふふふふ……これが……エリックの味……」

 イッている目をしながらなにやら怖いことを言ってくる。
 ……ようやく解放された……というか、俺の頭から血が出ているんですが、それに関しては何か一言無いんですかね?
 彼女に小言を言いたいのは山々だったのだが、喜んでいる? ことには間違いなかったので、今回ばかりは何も言わないでおくことにした。
 ……まあ、次回も同じことをしたらお叱りだがな。


 で、今度こそやることはやったので寝ようと思い、布団の中へと入る。シエナとメリッサは着ていたネグリジェを何故か脱ぎ捨て、左右に分かれて彼女たちも布団の中に入ってきた。
 ……今日は暑い日だっけ? それでも全裸はいけないと思うんだけど。まあ……いいか。

「よし、じゃあロウソクの火を消すぞ?」
「はい、お願いします」
「な、なるほど……暗闇の中でするというわけですわね」

 ……え? なにをするの? いや、なんとなく見当はついたが……明日の早朝、この街を出るんだぞ……? まあ、気のせいだろう。こういうのは気にしないのに限る。
 というわけで、ロウソクに息を吹きかけて……火を消す。
 瞬間。部屋は暗闇に包まれて……月の光だけが俺達を照らし出した。
 
「じゃあ、おやすみー」

 そう言って俺は目を閉じる。
 ここは先手必勝だ。俺が寝てしまえば彼女たちも諦めて寝てくれるだろう。
 いや、シても良いのだが……明日絶対しんどくなるし……。別にシたくないわけじゃないんだよ? むしろシたいけど……
 そんなことを心のなかで考えていると、体内時計で十分が経過した。
 そろそろ諦めてくれたかな? と思ってちらりとまずはメリッサを見てみると……彼女と目線が合った。
 メリッサは……発情した顔をしており、かつ獲物を狙っている目をしていた。
 (……これ、俺が寝静まったら絶対襲ってくるな……)
 未来を予知して若干怖くなったので、安心するために今度はシエナの方をちらっと薄目で見てみると……彼女とも目が合った。
 シエナの方はというと、メリッサと違って発情したような感じはなく、ただただ俺を見てきているようだったのだが……目が合って数瞬後、彼女はたまに見せる妖艶な表情をしてきて……えー、なになに……『え・っ・ち・し・ま・せ・ん・か?』と無音声でそう言ってきているようです。
 …………エリック、お前はここで流されてはいけない。お前はここでブレーキを踏まなければいけないんだ。明日のことを考えて、S級の冒険者としてここは『ヤラん!』と言わなきゃ駄目なんだ!
 俺は鋼の意思を持ってシエナから目線を外し、目を再び閉じる。
 俺はなんと言われてもシない。絶対にシない! これは決定事項だ! 覆ることなんてありえない! 俺はそんなにチョロくないぞ!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...