93 / 108
傷心
しおりを挟む
「ただいまー」
「ただいまです!」
俺とソフィアは二人揃って家の中へと上がる。
何食わぬ顔でソフィアが『ただいま』と言っているのが若干おかしいとは思ったが……まあ、細かいことはどうでもいいか。
台所へと行くと……ミラさん達がせっせと料理を作っているところだった。
「……あら、ソフィア。結構遅かったのね。地図の情報を送るのにそんなに時間がかかったの?」
「いえ、それ自体はすぐに終わりました。ただ、その後エリックさんをずっとおちょくっていたので!」
「……ああ、そこの変態と話をしていたのね。で、そこの変態さんは何用かしら?」
「…………いや、ここ、その変態さんの家なんですが」
「あら、そうだったかしら? ここはシエナさんとメリッサ、それとスズナさんの家じゃないの?」
「……まあ、あながち間違いじゃないですけどね。俺的にもこの家の所有者は誰でも良いって感じですし」
彼女たちが『このお家欲しいです!』とか言ってきたら『おう、持ってけ持ってけ!』とかいう感じで渡すつもりではあるからな。
俺はここから話を広げようとしたのだが……ミラさんは『ふーん、まあどうでもいいけど』とか言って料理を作る作業に戻ってしまった。反応が冷たすぎて泣きそう。
俺は心を癒やすために、ミラさんと同じく料理をしていたシエナとスズナに声を掛ける。
「なあ。なんでさっき二人共俺のことを無視して帰ったの? パーティーリーダーが投げ飛ばされてお外で待っていたのになんで来てくれなかったの? ねえなんで? なんで?」
俺は少し重い女性、みたいな雰囲気を出す。
さあ、これなら反応を返してきてくれるだろう。先ほどみたいに心配そうな顔をするだけで声を掛けないなんて許さんぞ。
どっちが先に口を開くんだ? どっちが先に俺に――
「エリックさんだったら別に殴られたり蹴られたりされるのは慣れているから、『まあ大丈夫だろう』みたいな感じになったんじゃないですか?」
未だに俺の隣にいたソフィアが誰よりも早く口を開いてきた。
「……ふむ。俺はお前には聞いていないんだが?」
「いえ、お二人の気持ちを代弁したつもりだったのですが」
「なるほど。で、二人はどうなんだ? そうなのか?」
「……そう……ですね……」
「まあ、壁に開いた穴からエリックのことは見えとったし、なんか余裕そうな顔しとったからなぁ……あと、そんなことよりも呪いについて話したかったし……」
「ほう。なるほど」
……なんか期待した答えじゃなかった……。
いや、俺の呪いについて考えてくれているのは嬉しいんだが……目の前で何かを期待したような顔で待っていた俺のことも気にかけてくれ。
◇
「えー、ではギルド長の私から一言。シエナさんとメリッサさん。緊急クエストお疲れ様。これから色々と忙しくはなっていくと思うけど、お互いがんばりましょう。それと、スズナさん。ようこそアルメルドへ。何かあったら私に何でも相談してちょうだいね。はい、では乾杯!」
『かんぱーい!』
ミラさんの挨拶が終わり、パーティーが始まった。今回は人数が多いということで居間にテーブルをたくさん置いての立食形式だ。まあ、こっちのほうがパーティーって感じがして好きではある。
シエナは開始早々小皿に料理をとってもぐもぐと食べ始めている。なんともまあ幸せな顔で食べるもんだ。
俺も料理を早速食べようと思ったのだが……端っこでいじけていたメリッサを先にどうにかすることにした。
どうやらメリッサは最初ミラさん達と料理をしていたのだが、どれもこれも丸焦げにするし、野菜もろくに切ることが出来ないということで戦力外通告を出されたらしい。
忙しいときにメリッサみたいな人がいると邪魔だからなぁ……。いや、まあ……努力は認めてあげたいんだが……。
俺は居間の隅っこで体育座りをしていたメリッサの隣に座る。
「……料理は食べないのか?」
「……まだいいですの……」
「そうか」
せっかくメリッサの帰還祝いも兼ねているパーティーなんだから早く立ち直って参加してもらいたいところではあるな。
「料理、駄目だったのか?」
「……頑張ったんですの。けど……駄目でしたわ……」
「皆、お前の努力と気合は認めてるはずだぞ」
「……エリックに……わたくしの手料理を食べてもらいたかったですの……」
はぁ、とメリッサがため息をつく。
……なるほど。戦力外通告を受けたらかいじけているんじゃなくて、俺に手料理を振る舞えないことにダメージを受けてここでうずくまっていたのか。
そういうことなら、彼女の励まし方は分かるぞ。今から料理を作らせてあげればいいだけの話だ。
台所はもう空いているし、いくらミスっても問題はない。俺が付きっきりで教えればある程度上手くいくだろう。
そうと決まれば早速実行だな!
俺は立ち上がり、メリッサの手を引く。
「メリッサ。今から台所に行って料理を作るぞ」
「えっ……? で、でも……また失敗するかもしれ――」
「――四の五の言わずに行くぞ! ほら、立て! あと失敗したらそれも食べてやるから安心しろ。それと……同じく料理が苦手な人が隣にいたほうが気も紛れるかもしれないな。……おいソフィア! お前今から料理を作れ!」
俺は楽しそうに一升瓶をラッパ飲みしていたソフィアに声を掛ける。
あいつは全く料理が出来ない奴だ。というか、記憶にある限りあいつが料理をしているところを見たことがない。あと、自分でも『私の手料理は人を殺しかねないレベルで不味いですよ』とか公言してたし。
ソフィアはチュポンと一升瓶を口から離して……ニヤニヤとしながら俺とシエナの元へと来る。
「……エリックさ~ん、まさか私の手料理が食べたいんですかぁ~? もう……とんだ変態さんですね!」
「意味が分からん。まあ、そういう理由でいいから俺達と一緒に台所へ行くぞ。ほら、一升瓶はそこに置いてけ。酒飲みながら料理するバカが何処に居るんだよ」
「え、エリック……わ、わたくし本当に焦がしますわよ? それか生焼けですわよ? や、やっぱり止めておいた方が……」
「俺が見といてやるから安心しろ。てか心配しすぎだ。料理はもっと気楽に楽しくするもんだ。肩の力を抜け」
「おおー! エリックさんが優しい! 私には何かないんですか? そういう優しい言葉はないんですか?」
「……酒臭い。あと、わざと服装を乱れさせるな。もし今日全裸になったらお前出禁だからな」
「んな!?」
心配そうな顔をするメリッサと脱ぎ芸が封印されて不満そうなソフィアを引き連れて、俺達は台所へと向かう。
パーティー中だが……まあ、時間はたっぷりあるし大丈夫だろう。シエナとスズナも『頑張って!』みたいな目を向けてきていたし。まあ、ミラさんは……なぜか憤怒の形相で手に持っていたフォークをへし折っていたけど。今日のミラさんの心は本当に読めないな。
「ただいまです!」
俺とソフィアは二人揃って家の中へと上がる。
何食わぬ顔でソフィアが『ただいま』と言っているのが若干おかしいとは思ったが……まあ、細かいことはどうでもいいか。
台所へと行くと……ミラさん達がせっせと料理を作っているところだった。
「……あら、ソフィア。結構遅かったのね。地図の情報を送るのにそんなに時間がかかったの?」
「いえ、それ自体はすぐに終わりました。ただ、その後エリックさんをずっとおちょくっていたので!」
「……ああ、そこの変態と話をしていたのね。で、そこの変態さんは何用かしら?」
「…………いや、ここ、その変態さんの家なんですが」
「あら、そうだったかしら? ここはシエナさんとメリッサ、それとスズナさんの家じゃないの?」
「……まあ、あながち間違いじゃないですけどね。俺的にもこの家の所有者は誰でも良いって感じですし」
彼女たちが『このお家欲しいです!』とか言ってきたら『おう、持ってけ持ってけ!』とかいう感じで渡すつもりではあるからな。
俺はここから話を広げようとしたのだが……ミラさんは『ふーん、まあどうでもいいけど』とか言って料理を作る作業に戻ってしまった。反応が冷たすぎて泣きそう。
俺は心を癒やすために、ミラさんと同じく料理をしていたシエナとスズナに声を掛ける。
「なあ。なんでさっき二人共俺のことを無視して帰ったの? パーティーリーダーが投げ飛ばされてお外で待っていたのになんで来てくれなかったの? ねえなんで? なんで?」
俺は少し重い女性、みたいな雰囲気を出す。
さあ、これなら反応を返してきてくれるだろう。先ほどみたいに心配そうな顔をするだけで声を掛けないなんて許さんぞ。
どっちが先に口を開くんだ? どっちが先に俺に――
「エリックさんだったら別に殴られたり蹴られたりされるのは慣れているから、『まあ大丈夫だろう』みたいな感じになったんじゃないですか?」
未だに俺の隣にいたソフィアが誰よりも早く口を開いてきた。
「……ふむ。俺はお前には聞いていないんだが?」
「いえ、お二人の気持ちを代弁したつもりだったのですが」
「なるほど。で、二人はどうなんだ? そうなのか?」
「……そう……ですね……」
「まあ、壁に開いた穴からエリックのことは見えとったし、なんか余裕そうな顔しとったからなぁ……あと、そんなことよりも呪いについて話したかったし……」
「ほう。なるほど」
……なんか期待した答えじゃなかった……。
いや、俺の呪いについて考えてくれているのは嬉しいんだが……目の前で何かを期待したような顔で待っていた俺のことも気にかけてくれ。
◇
「えー、ではギルド長の私から一言。シエナさんとメリッサさん。緊急クエストお疲れ様。これから色々と忙しくはなっていくと思うけど、お互いがんばりましょう。それと、スズナさん。ようこそアルメルドへ。何かあったら私に何でも相談してちょうだいね。はい、では乾杯!」
『かんぱーい!』
ミラさんの挨拶が終わり、パーティーが始まった。今回は人数が多いということで居間にテーブルをたくさん置いての立食形式だ。まあ、こっちのほうがパーティーって感じがして好きではある。
シエナは開始早々小皿に料理をとってもぐもぐと食べ始めている。なんともまあ幸せな顔で食べるもんだ。
俺も料理を早速食べようと思ったのだが……端っこでいじけていたメリッサを先にどうにかすることにした。
どうやらメリッサは最初ミラさん達と料理をしていたのだが、どれもこれも丸焦げにするし、野菜もろくに切ることが出来ないということで戦力外通告を出されたらしい。
忙しいときにメリッサみたいな人がいると邪魔だからなぁ……。いや、まあ……努力は認めてあげたいんだが……。
俺は居間の隅っこで体育座りをしていたメリッサの隣に座る。
「……料理は食べないのか?」
「……まだいいですの……」
「そうか」
せっかくメリッサの帰還祝いも兼ねているパーティーなんだから早く立ち直って参加してもらいたいところではあるな。
「料理、駄目だったのか?」
「……頑張ったんですの。けど……駄目でしたわ……」
「皆、お前の努力と気合は認めてるはずだぞ」
「……エリックに……わたくしの手料理を食べてもらいたかったですの……」
はぁ、とメリッサがため息をつく。
……なるほど。戦力外通告を受けたらかいじけているんじゃなくて、俺に手料理を振る舞えないことにダメージを受けてここでうずくまっていたのか。
そういうことなら、彼女の励まし方は分かるぞ。今から料理を作らせてあげればいいだけの話だ。
台所はもう空いているし、いくらミスっても問題はない。俺が付きっきりで教えればある程度上手くいくだろう。
そうと決まれば早速実行だな!
俺は立ち上がり、メリッサの手を引く。
「メリッサ。今から台所に行って料理を作るぞ」
「えっ……? で、でも……また失敗するかもしれ――」
「――四の五の言わずに行くぞ! ほら、立て! あと失敗したらそれも食べてやるから安心しろ。それと……同じく料理が苦手な人が隣にいたほうが気も紛れるかもしれないな。……おいソフィア! お前今から料理を作れ!」
俺は楽しそうに一升瓶をラッパ飲みしていたソフィアに声を掛ける。
あいつは全く料理が出来ない奴だ。というか、記憶にある限りあいつが料理をしているところを見たことがない。あと、自分でも『私の手料理は人を殺しかねないレベルで不味いですよ』とか公言してたし。
ソフィアはチュポンと一升瓶を口から離して……ニヤニヤとしながら俺とシエナの元へと来る。
「……エリックさ~ん、まさか私の手料理が食べたいんですかぁ~? もう……とんだ変態さんですね!」
「意味が分からん。まあ、そういう理由でいいから俺達と一緒に台所へ行くぞ。ほら、一升瓶はそこに置いてけ。酒飲みながら料理するバカが何処に居るんだよ」
「え、エリック……わ、わたくし本当に焦がしますわよ? それか生焼けですわよ? や、やっぱり止めておいた方が……」
「俺が見といてやるから安心しろ。てか心配しすぎだ。料理はもっと気楽に楽しくするもんだ。肩の力を抜け」
「おおー! エリックさんが優しい! 私には何かないんですか? そういう優しい言葉はないんですか?」
「……酒臭い。あと、わざと服装を乱れさせるな。もし今日全裸になったらお前出禁だからな」
「んな!?」
心配そうな顔をするメリッサと脱ぎ芸が封印されて不満そうなソフィアを引き連れて、俺達は台所へと向かう。
パーティー中だが……まあ、時間はたっぷりあるし大丈夫だろう。シエナとスズナも『頑張って!』みたいな目を向けてきていたし。まあ、ミラさんは……なぜか憤怒の形相で手に持っていたフォークをへし折っていたけど。今日のミラさんの心は本当に読めないな。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる