284 / 416
【19】通今博古~寮を守るは先輩の義務
いろんな寮のおはなし
しおりを挟む
寮の出展もしなければならないが、御門寮は全員が地球部に関わっているので、それとコラボしていた。
三年の山縣は、映像研究部で、栄人は地球部ではなく経済研究部で売り上げの関係に、高杉と久坂、幾久は舞台に出演、児玉は効果音で裏方参加。
「そっか、全員地球部の舞台のほうになっちゃうから、そこまでできないのか」
幾久の言葉に久坂が頷いた。
「そういうこと。うちは人数が最小だし、出来ることも限られているからね」
「ぼちぼち一年どもも、寮の運営については考えんといけん時期じゃのう」
高杉が言うと、御堀が挙手した。
「むしろ、どういった運営をすればいいのか教えて頂きたいです」
「よう言うた。と褒めたいところじゃが」
「御堀は御門寮に食い込むつもりだね?」
久坂が言うと御堀が頷く。
「勿論です。でないといつ追い出されるか」
「え?誉追い出すとかあるわけないじゃん」
リフォームまでしたのに、と驚く幾久だったが、御堀は首を横に振った。
「甘い。甘いよ幾。先輩達はそういう人じゃないよ」
すると横で聞いていた児玉が座を正した。
「お、俺も是非、伺いたいです」
二人の態度に久坂と高杉が笑った。
「よし、そこまで言うなら持って来ちゃろう」
高杉が立ち上がると、どこかへ行き、そして大きな分厚いリングファイルをいくつも抱えて戻ってきた。
それだけで幾久には嫌な予感しかしない。
「うわー、見る前なのにもう見たくないよ」
「幾、しっかりして。見ないと追い出されちゃうよ」
「うわーん、タマ、誉が脅すよー」
児玉に泣きつくも、児玉は言った。
「諦めろ、ここはきちんとやっておかないと後々俺たちが困ることになるんだ」
「その通りじゃの」
高杉が言い、ファイルを広げた。
「これが寮の運営費、予算、その外もろもろじゃ」
御堀は早速興味深そうにファイルを覗き込んだ。
「庭の維持費が凄いですね」
「そうじゃ。なにせ山そのものと言ってもいいくらいじゃからの」
幾久達が学校から早く帰るときなんかは、時々庭師のおじさんやおじいさんと挨拶をすることはあったし、夏にスズメバチが巣を作ったときなんかも退治してくれた。
「そっか。御門寮ってそもそもが山の中にあるもんなあ」
時折、意味不明な動物の糞らしきものも落ちていたりする。
栄人が言うには、鹿じゃないか?と言っているがさすがにそこまではない(と、信じたい)。
「寮自体はそこまで突出した維持費はないですね」
御堀がファイルを見ながら言うと、高杉も頷く。
「改築されたからの。外見は確かに日本家屋じゃが、中身はほぼ、普通の家と変わりない。人数も今年は少なかったし、これといって問題を起こす生徒もおらん。ちゅうことは、その分維持費がかからん、ちゅうことじゃ。報国寮なんかは人数が桁違いじゃから、維持費やなんやら、相当らしいぞ」
「そりゃそうでしょうね」
報国院のほぼ半分の生徒が千鳥であって、その千鳥の殆どが所属しているのが報国寮だ。
敷地内も相当広いし、傍から見たらアパート群があるようにしか見えない。
おまけに自前の畑まで持っているのだから。
「報国寮はうらやましくないけど、めーちゃんがいるのはいいよな」
めーちゃんとは、報国寮の敷地内にある畑で飼われているヤギの名前だ。
メスで、実際の持ち主は商店街にある八木のパン屋の主人だ。
八木は報国院出身で、よしひろと社会人プロレスのグループをやっていて、栄人もバイトで世話になっているし、御門寮にもよく差し入れをくれる。
報国院で売られているパンも、八木のパン屋が出展している。
報国寮は敷地内に道路があり、そこは生活道路として開放されていて、めーちゃんは地域のアイドルになっている
「報国寮の生徒は問題をおこしそうになっても、『めーちゃんを肉にするぞ』と言えば静かになるそうじゃから、あれは必要なものじゃろうの」
「それはひどい。冗談でもやめてあげてほしい」
幾久が言うと、高杉は笑った。
「本当にするわけはないがの、報国寮はちょっと油断すると無法地帯になるから牽制にはなるじゃろう」
「他の寮でもペットを飼ったこととか、あるんですか?」
御堀が尋ねると、栄人が頷いた。
「実際飼ってるところあるよ。敬業寮、実は犬が居るし。飼ってるのは管理人さんだけど、寮のペットみたいなものだし」
「そういやそんな話、鳩のときにちょっと聞いた覚えがある」
伊藤が居てくれたおかげで、幾久は誰も知り合いがいなくても情報には困らなかった。
自分が報国院に残るかどうかを悩んでいたので、そこまで真剣に話を聞いていなかったが、確か同じクラスに敬業の子がいて、犬が居る、みたいな話は聞いたことがあった。
「御門寮はペットいらないじゃん。どうせいろいろ動物居るんだし」
栄人が言うので幾久が体を震わせた。
「やめてくださいよ、トイレに行ったら鹿がこっち見てたとか嫌っすよ」
「そこは幽霊じゃないのかよ」
児玉が突っ込むと幾久が言った。
「うちの怪奇現象の百パーセントはトッキー先輩が原因なんで」
「それもそうだ」
栄人が頷くと、皆、どっと笑った。
「でも御門寮って、確かに廃寮にならないの、不思議なくらいですね」
ずっとファイルを眺めている御堀が言った。
高杉が答える。
「そりゃ、ここは保存するためにあえて寮にしちょる、という感じじゃからの。恭王寮も似たようなもんじゃ」
「恭王寮もお洒落っすよね!」
幾久も初めて見たときは、びっくりしたものだ。
レンガ造りを基調として、モダンなお屋敷風で、レストランか、お洒落な歴史のあるホテルかというくらいだ。
「御門寮も恭王寮も、歴史のある建築物だからね。残すならコストがかかるし」
久坂の言葉に高杉が頷く。
「報国院の卒業生は、寮に思い入れのある連中も多いから、寮出身の連中が寮に寄付をするのは珍しくはない。それにしばらくウチは大丈夫じゃろ。エエ金づるがおることじゃしの」
「金づる?」
幾久が首を傾げると、久坂が言った。
「グラスエッジ」
「ああ!」
確かにいまをときめくモンスターバンドのグラスエッジなら、そういったことは簡単にできるだろう。
「確かにあの先輩らなら、御門寮になんかあったらすぐなんかしてくれそう」
五月、騒がしくはあったけれど、御門寮への愛は本物だったし、つい先日も十一月に泊まって行ったばっかりだ。
そのお金に困っていない先輩達が身震いするほどには、校舎の貸し出し料は高かったらしいが。
「だから御門寮は運営については心配なし。それより、こうして生徒が寮の運営に目を光らせてないと」
久坂が言うと御堀が頷く。
「経済研究部でもそれは言われました。過去、凄い不正があったそうですね」
「そうそう。例の長井先輩のおじいちゃんが関わってて、マスコミでも騒ぎになっちゃって凄かったらしいね」
同じ部活の栄人も頷く。
「それ以来、特に御門寮や桜柳寮、恭王寮や朶寮っていう、自治権を持った寮は寮の運営にも生徒が目を光らせているってわけ。だからおれがこの寮でしょ?」
栄人が言うと、幾久は首をかしげた。
「なんでっすか?」
すると栄人が答えた。
「経済研究部だから。各寮には、かならず最低一人は経済研究部の部員を配置してるはず」
「そうなんだ!」
幾久が驚くと御堀も頷く。
「そう。だから僕も移れたってところがあるんだよね」
栄人が卒業してしまうと、経済研究部に入っているメンバーがいなくなる。
御堀がいなければ、次の学年で誰か経済研究部に所属している子を誘うしかない。
「もし、誰もいなかったらどうなるんすか?」
一人くらいならなんとかなりそうだが、それでも部活を辞めてしまったり、寮を移ると問題もありそうだが。
すると栄人が言った。
「ご心配なく。その場合は寮から経済研究部に依頼をいただいて、必要な代金をいただければ帳簿のチェックをいたしますー」
「ウワー、お金だ、お金の亡者だ」
さすが報国院、金についてはしっかりしている。
「どの寮もそれが嫌だから、誰か入った人をスカウトしたり、誰か経済研究部に入れよ!となるわけ」
久坂が説明し、幾久は頷いた。
「それで桜柳寮は誉を出せたのか。タッキー経済研究部だもんね」
幾久が言うと御堀が頷く。
「そう。桜柳寮としては、タッキーが居るし、人材も豊富だから僕一人がいなくてもちっとも問題はないんだよね。ただ、首席がいなくなっちゃっただけで」
児玉も頷く。
「それ。それやっぱ、桜柳寮はキツイよな。鳳揃いなのに三年の首席は雪ちゃん先輩、二年はハル先輩か瑞祥先輩、一年は誉だろ?一人も首席がいないもんな」
「それもあって、ちょっとギスギスしてるのが朶(えだ)寮なんだよね。あそこは鳳と鷹の巣窟だからプライドも高いし」
朶寮は入江三兄弟が所属していた寮だ。兄弟でいま残っているのは三年、一年の入江だけだ。
「でもなんかうまくいってるんすよね?恭王寮は」
「そう。雪ちゃんいればそんなもんだよ。むしろ、もめたほうがおかしかったくらい」
久坂が言うと児玉が身を小さくした。
「なんか面目ないっす」
自分のせいで雪充に迷惑がかかったと思うと、やっぱり児玉は気になってしまう。
「だったらこれを理解しちゃれ。御門寮を出て行く前に、必死にまとめたのは雪じゃぞ」
高杉が言うと幾久が驚いてくいついた。
「え?これ雪ちゃん先輩が作ったんスか?!」
「そうじゃ」
「そうだよ」
「そう」
高杉、栄人、久坂が頷く。
「えー!だったら早く言ってくださいよ!それならオレ、頑張って理解するのに!」
「見る前から見たくない、ちゅうたじゃろうが」
高杉は呆れてため息をつく。
三年の山縣は、映像研究部で、栄人は地球部ではなく経済研究部で売り上げの関係に、高杉と久坂、幾久は舞台に出演、児玉は効果音で裏方参加。
「そっか、全員地球部の舞台のほうになっちゃうから、そこまでできないのか」
幾久の言葉に久坂が頷いた。
「そういうこと。うちは人数が最小だし、出来ることも限られているからね」
「ぼちぼち一年どもも、寮の運営については考えんといけん時期じゃのう」
高杉が言うと、御堀が挙手した。
「むしろ、どういった運営をすればいいのか教えて頂きたいです」
「よう言うた。と褒めたいところじゃが」
「御堀は御門寮に食い込むつもりだね?」
久坂が言うと御堀が頷く。
「勿論です。でないといつ追い出されるか」
「え?誉追い出すとかあるわけないじゃん」
リフォームまでしたのに、と驚く幾久だったが、御堀は首を横に振った。
「甘い。甘いよ幾。先輩達はそういう人じゃないよ」
すると横で聞いていた児玉が座を正した。
「お、俺も是非、伺いたいです」
二人の態度に久坂と高杉が笑った。
「よし、そこまで言うなら持って来ちゃろう」
高杉が立ち上がると、どこかへ行き、そして大きな分厚いリングファイルをいくつも抱えて戻ってきた。
それだけで幾久には嫌な予感しかしない。
「うわー、見る前なのにもう見たくないよ」
「幾、しっかりして。見ないと追い出されちゃうよ」
「うわーん、タマ、誉が脅すよー」
児玉に泣きつくも、児玉は言った。
「諦めろ、ここはきちんとやっておかないと後々俺たちが困ることになるんだ」
「その通りじゃの」
高杉が言い、ファイルを広げた。
「これが寮の運営費、予算、その外もろもろじゃ」
御堀は早速興味深そうにファイルを覗き込んだ。
「庭の維持費が凄いですね」
「そうじゃ。なにせ山そのものと言ってもいいくらいじゃからの」
幾久達が学校から早く帰るときなんかは、時々庭師のおじさんやおじいさんと挨拶をすることはあったし、夏にスズメバチが巣を作ったときなんかも退治してくれた。
「そっか。御門寮ってそもそもが山の中にあるもんなあ」
時折、意味不明な動物の糞らしきものも落ちていたりする。
栄人が言うには、鹿じゃないか?と言っているがさすがにそこまではない(と、信じたい)。
「寮自体はそこまで突出した維持費はないですね」
御堀がファイルを見ながら言うと、高杉も頷く。
「改築されたからの。外見は確かに日本家屋じゃが、中身はほぼ、普通の家と変わりない。人数も今年は少なかったし、これといって問題を起こす生徒もおらん。ちゅうことは、その分維持費がかからん、ちゅうことじゃ。報国寮なんかは人数が桁違いじゃから、維持費やなんやら、相当らしいぞ」
「そりゃそうでしょうね」
報国院のほぼ半分の生徒が千鳥であって、その千鳥の殆どが所属しているのが報国寮だ。
敷地内も相当広いし、傍から見たらアパート群があるようにしか見えない。
おまけに自前の畑まで持っているのだから。
「報国寮はうらやましくないけど、めーちゃんがいるのはいいよな」
めーちゃんとは、報国寮の敷地内にある畑で飼われているヤギの名前だ。
メスで、実際の持ち主は商店街にある八木のパン屋の主人だ。
八木は報国院出身で、よしひろと社会人プロレスのグループをやっていて、栄人もバイトで世話になっているし、御門寮にもよく差し入れをくれる。
報国院で売られているパンも、八木のパン屋が出展している。
報国寮は敷地内に道路があり、そこは生活道路として開放されていて、めーちゃんは地域のアイドルになっている
「報国寮の生徒は問題をおこしそうになっても、『めーちゃんを肉にするぞ』と言えば静かになるそうじゃから、あれは必要なものじゃろうの」
「それはひどい。冗談でもやめてあげてほしい」
幾久が言うと、高杉は笑った。
「本当にするわけはないがの、報国寮はちょっと油断すると無法地帯になるから牽制にはなるじゃろう」
「他の寮でもペットを飼ったこととか、あるんですか?」
御堀が尋ねると、栄人が頷いた。
「実際飼ってるところあるよ。敬業寮、実は犬が居るし。飼ってるのは管理人さんだけど、寮のペットみたいなものだし」
「そういやそんな話、鳩のときにちょっと聞いた覚えがある」
伊藤が居てくれたおかげで、幾久は誰も知り合いがいなくても情報には困らなかった。
自分が報国院に残るかどうかを悩んでいたので、そこまで真剣に話を聞いていなかったが、確か同じクラスに敬業の子がいて、犬が居る、みたいな話は聞いたことがあった。
「御門寮はペットいらないじゃん。どうせいろいろ動物居るんだし」
栄人が言うので幾久が体を震わせた。
「やめてくださいよ、トイレに行ったら鹿がこっち見てたとか嫌っすよ」
「そこは幽霊じゃないのかよ」
児玉が突っ込むと幾久が言った。
「うちの怪奇現象の百パーセントはトッキー先輩が原因なんで」
「それもそうだ」
栄人が頷くと、皆、どっと笑った。
「でも御門寮って、確かに廃寮にならないの、不思議なくらいですね」
ずっとファイルを眺めている御堀が言った。
高杉が答える。
「そりゃ、ここは保存するためにあえて寮にしちょる、という感じじゃからの。恭王寮も似たようなもんじゃ」
「恭王寮もお洒落っすよね!」
幾久も初めて見たときは、びっくりしたものだ。
レンガ造りを基調として、モダンなお屋敷風で、レストランか、お洒落な歴史のあるホテルかというくらいだ。
「御門寮も恭王寮も、歴史のある建築物だからね。残すならコストがかかるし」
久坂の言葉に高杉が頷く。
「報国院の卒業生は、寮に思い入れのある連中も多いから、寮出身の連中が寮に寄付をするのは珍しくはない。それにしばらくウチは大丈夫じゃろ。エエ金づるがおることじゃしの」
「金づる?」
幾久が首を傾げると、久坂が言った。
「グラスエッジ」
「ああ!」
確かにいまをときめくモンスターバンドのグラスエッジなら、そういったことは簡単にできるだろう。
「確かにあの先輩らなら、御門寮になんかあったらすぐなんかしてくれそう」
五月、騒がしくはあったけれど、御門寮への愛は本物だったし、つい先日も十一月に泊まって行ったばっかりだ。
そのお金に困っていない先輩達が身震いするほどには、校舎の貸し出し料は高かったらしいが。
「だから御門寮は運営については心配なし。それより、こうして生徒が寮の運営に目を光らせてないと」
久坂が言うと御堀が頷く。
「経済研究部でもそれは言われました。過去、凄い不正があったそうですね」
「そうそう。例の長井先輩のおじいちゃんが関わってて、マスコミでも騒ぎになっちゃって凄かったらしいね」
同じ部活の栄人も頷く。
「それ以来、特に御門寮や桜柳寮、恭王寮や朶寮っていう、自治権を持った寮は寮の運営にも生徒が目を光らせているってわけ。だからおれがこの寮でしょ?」
栄人が言うと、幾久は首をかしげた。
「なんでっすか?」
すると栄人が答えた。
「経済研究部だから。各寮には、かならず最低一人は経済研究部の部員を配置してるはず」
「そうなんだ!」
幾久が驚くと御堀も頷く。
「そう。だから僕も移れたってところがあるんだよね」
栄人が卒業してしまうと、経済研究部に入っているメンバーがいなくなる。
御堀がいなければ、次の学年で誰か経済研究部に所属している子を誘うしかない。
「もし、誰もいなかったらどうなるんすか?」
一人くらいならなんとかなりそうだが、それでも部活を辞めてしまったり、寮を移ると問題もありそうだが。
すると栄人が言った。
「ご心配なく。その場合は寮から経済研究部に依頼をいただいて、必要な代金をいただければ帳簿のチェックをいたしますー」
「ウワー、お金だ、お金の亡者だ」
さすが報国院、金についてはしっかりしている。
「どの寮もそれが嫌だから、誰か入った人をスカウトしたり、誰か経済研究部に入れよ!となるわけ」
久坂が説明し、幾久は頷いた。
「それで桜柳寮は誉を出せたのか。タッキー経済研究部だもんね」
幾久が言うと御堀が頷く。
「そう。桜柳寮としては、タッキーが居るし、人材も豊富だから僕一人がいなくてもちっとも問題はないんだよね。ただ、首席がいなくなっちゃっただけで」
児玉も頷く。
「それ。それやっぱ、桜柳寮はキツイよな。鳳揃いなのに三年の首席は雪ちゃん先輩、二年はハル先輩か瑞祥先輩、一年は誉だろ?一人も首席がいないもんな」
「それもあって、ちょっとギスギスしてるのが朶(えだ)寮なんだよね。あそこは鳳と鷹の巣窟だからプライドも高いし」
朶寮は入江三兄弟が所属していた寮だ。兄弟でいま残っているのは三年、一年の入江だけだ。
「でもなんかうまくいってるんすよね?恭王寮は」
「そう。雪ちゃんいればそんなもんだよ。むしろ、もめたほうがおかしかったくらい」
久坂が言うと児玉が身を小さくした。
「なんか面目ないっす」
自分のせいで雪充に迷惑がかかったと思うと、やっぱり児玉は気になってしまう。
「だったらこれを理解しちゃれ。御門寮を出て行く前に、必死にまとめたのは雪じゃぞ」
高杉が言うと幾久が驚いてくいついた。
「え?これ雪ちゃん先輩が作ったんスか?!」
「そうじゃ」
「そうだよ」
「そう」
高杉、栄人、久坂が頷く。
「えー!だったら早く言ってくださいよ!それならオレ、頑張って理解するのに!」
「見る前から見たくない、ちゅうたじゃろうが」
高杉は呆れてため息をつく。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる