ある日、私の頭に耳が生えました

巻乃

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日本編

祥太郎、思案する、耐える?!

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 私と結衣子さんは親の決めた政略結婚の婚約者だ。

 でも、結衣子さんの祖父母に人質として連れ去られた結衣子さんには誰も手が出せなかった。だが、その祖父母が亡くなった様だと本国で報告を耳にした私は、すぐに日本へ向かった。日本へ向かう前に、あちこちへ手配をして、結衣子さんの両親にも会い、結衣子さんを連れ帰った暁には、正式に私を婚約者と発表すると契約したのだ。これで、私が結衣子さんを迎えに行く正式な使者となった。

 そうして調査をする事3ヵ月、結衣子さんの誕生日の翌日に部屋を訪ねたが、居留守を使われてしまった。どうやら、耳が生えた事にまだ気付いていない様だったし、様子を見て、困っている所に手を差し伸べようと思ったのだが。

 調査所から読み取れる事の幾つかの裏付けを、彼女本人から取らなければならない。彼女にどうやって話したら、私を信用してもらえるだろうかと策を巡らす。

 彼女の詳細な調査をしていくうちに見つかった問題点を片付けて行く。

 あの因業婆そぼが結衣子さんの祖父をあの手この手で陥落して後妻になってすぐ、結衣子さんの祖父を結衣子さんを人質にして日本へ行くようにそそのかしたのだ。結衣子さんの祖母が黒幕の1人であって、その後妻の一族の目標は、後妻が産んだ子供に祖父の財産を継がせて、結衣子さんのご両親を失脚させるつもりだったのだ。

 ここで日本を馬鹿にして本国から出ないし、日本についてよく知らない後妻の一族に計算違いが起こった。

 日本に来ると、私達は、産まれた国の元の年齢の2倍の年齢換算となるのだ。後妻は25才だったが、日本に来たら、子供の産めない50歳の熟年女性になったのだ。結衣子さんの祖父に至っては100歳越えだったが、日本では70才過ぎの立派な爺さんになった。まぁ、私達は寿命が200才位まであるので、100才過ぎの祖父はまだまだ若いうちだったんだが、そそのかされて日本へ行ったら、よぼよぼの爺さんになったんだ。気力が尽きたんだろうな。後妻であった祖母も、年齢に合った身体の不調に振り回されて、結衣子さんが日本で成人した頃、2人して寿命が尽きたようだ。

 結衣子さんには産まれた時から誘拐の危険があったので、結衣子さんの身体に傷や怪我によるものが出来ると、その両親には結衣子さんの居場所が分かるようになっていたので、身体的暴力を振るえずに、精神的に物理的に冷遇していたのだろうと予測がついた。だから、結衣子さんが怪我をしたりすると直ぐに引っ越していたんだと、引っ越しの多かった理由も予想がついた。

 会社での成績入れ替えも、詳細な調査をしていて見付かったものだ。結衣子さんに会って話しても、結衣子さんからは何も非が出て来なかったので、日本で弁護士をしていて、若手の采配をしている陽太郎に連絡したのだ。

 ただ、私が調査書からは読み取れなかったモノが一つ。結衣子さんと初めて会った時、私は、「この娘は私の番だ。」と理解した。絶対手に入れなければならない女性だと理解した。

 だから、耳が生えた理由を話す事と引き換えに、私の願いを一つだけ叶えてもらおうと約束したのだが。

 陽太郎に言ったのは、半分嘘だ。本当は、私を好きになって結婚して欲しいと願うつもりだ。

 …彼女の後の風呂に入っている今、クルものがある。彼女の耳を見ていると理性がひび割れていく。早く私の所に堕ちて来て欲しい。陽太郎も婚約者が番だと解ってからは、色々策を巡らしているようだが。

 理性が負けない様にと、仕方なく、何度か欲望を吐き出した後、バレない様に風呂掃除をしてから風呂を出た。布団を見ると、彼女は眠っているようだ。私の布団も彼女の隣に敷いてある。

 ちょっと、これ、理性が持たなかったらどうするんだって思う、布団の敷き方です。天国と地獄が一遍に来てます。ええと、本国に帰ったら、私は16才、彼女はまだ12,3才。でも日本なら、32歳と25才。頑張れ!私の理性!!両想いになってからの方が色々と良いんだぞ!!と自分に暗示をかける。

 彼女の可愛らしい耳が寝ているのにピョコピョコ動いて私を誘っているようで、ついつい撫でてしまった…。彼女の寝ながら嬉しそうな顔を見たら、鼻血が出てしまい困りました。だから、大人しく、鼻血を拭いて寝ましたよ。

 …すいません、目が覚めたら、結衣子さんをガッツリ抱きしめて寝ていたようです。目が覚めたら、結衣子さんの耳が視界一杯に見えたので、甘噛みしてしまいました。そうしたら、抱きしめて寝ていた自分に気付きました。

 結衣子さんが寝惚けていたのか、目を開けて誰に抱きしめられているのか確認したのでしょう、「祥さん。」と呟いて私の胸にすり寄り、そのまま腕を私の背中にまわしてまた眠ってしまいました。

 ああ、なんて幸せな生き地獄!!固まったままで、何回か結衣子さんの耳に甘噛みをしたり、嘗めたりしたりして、結衣子さんが起きるのを待っていました。
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