ある日、私の頭に耳が生えました

巻乃

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日本編

再び、病院の日です

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 火曜日になったので、再び、病院に行きました。

 祥さんや陽太郎さんは、一郎さんの診察室で私が戻るのを待つそうですが、私は、一郎さんの案内で、産婦人科に案内してくれる事を聞き、一郎さんに付いて歩いています。

 案内の途中で「一郎先生、おはようございまーす。」と声をかけた女性の看護師を最初に、看護師の皆さんからも次々と朝の挨拶を受ける一郎さん。

「先生ー、新しい彼女ですかー?」

 甘えたような高い声で、男の人に話す女性の声が聞こえました。ん?と思って、声のした方を見たら…。

 可愛い仕草を意図的に作って、ナチュラルメイクに見せたばっちりな化粧、くねくねしながら話す、私の苦手なタイプの女性が立っていました。ああ、男性の前と女性の前では態度を使い分ける感じの人ですねーーと。

 その女性に話しかけられた一郎さんが、私について答えていました。

「違うよ、従兄の婚約者で良いとこのお嬢さんだから、結婚前の検診に来たんだよ。」

「なーんだ、つまんないのー。こんなのだったら勝てると思ったのにー。」

 つまんなくって、悪かったですね。勝てるって馬鹿にされるような不細工でもないし、普通だと思いますけど!
 初対面の女性相手にも、こんな態度をとる人じゃ…。一郎さんが祥さんや陽太郎さんに会わせないように配慮したのでしょうか。

「君こそ、ここで油を売っていていいのかな?事務は朝から忙しいんじゃないの?」

「私は、カルテを回収しているだけなんでー、仕事はしてますよー。」
「私も仕事中なんで、ね。失礼。」

 心なしか、早足の一郎さん。この場所から離れたいって気持ちが分かるような気がする。あの女性からはイヤな雰囲気が思いっきりするし。私も気力を削られたし…。

「…ああいう計算高くて、悪意ある女性は、嫌な感じとクサい臭いが凄くしていてね、凄く苦手なんですよ。だから、必要最低限しか話したくないので、いつもはさり気なくクサい臭いがした時点で迂回するんですが、今日は避けれませんでした。」

「…ニオイは分かりませんけど、イヤな雰囲気が思いっきりして、一緒に居たくなかったです…。」

「結衣子さんは、同性、つまり、同じ女性だからそれで済んでいるのでしょう。分かり易く言えば、女性でも鳥肌がたって、近付きたくない男性がいる、生理的に受け付けない男性にあたるのが、私にとっては、さっきの女性なんですよ。」

「分かり易い例えをありがとうございます。納得しましたし、私も、あの女性には気を付けます。」
「そうした方がいい。」

 一郎さんが産婦人科の受付に着くと、そこにいた看護師さんへ話しかけていた。
「先週、加奈先生で朝一番に予約した渡辺結衣子さんを連れて来たから。加奈先生は今日も、いつもの3番診察室だったっけ?」
「加奈先生はいつもの3番診察室です。一郎先生が来たら、待っていると伝えてくれって言われています。」
「ありがとう。ちょっとだけ話をしたら、私も予約の患者さんの所へ行くからさ。」

 一郎さんが3番診察室のドアをノックして、「どうぞー。」と言われて、ドアを開けて中に入ったので、私も入りました。

「おはようございます。はじめまして。今日の担当の渡辺加奈です。」

「加奈、こちらは祥のあの婚約者で、結婚する事が決まっている渡辺結衣子さんだ。先週、固定注射を受けたんだが、その前日に祥が色々無茶して具合が悪かったようで。ブライダルチェックも兼ねて、体調を診てくれ、頼む。」

「祥さんがねぇ、色々と無茶したんか…。」

「立っているのもやっとに見えた。」
「結衣子さん、隣の部屋の診察台で内診します。内診の用意をして下さい。」
「はい。隣の部屋ですね。」
「佳子さん、隣の診察台に案内して。初めての診察なので、どうしたらいいか説明してあげて。」

 私は、看護師さんに隣の部屋の診察台に案内されて、診察台にのる際の説明と恰好の説明をされた。
 説明通りに下着を脱いで、椅子に座ると、自動で診察しやすい様に椅子が動いて診察台へ変化、内診をするのに適した格好になっていました。

「ひゃあ…。」思わず声が出てしまいしたが、恥ずかしい。早く診察台から降りたい。結婚を控えてる私でも恥ずかしくて嫌なのに、10代だったら、なおさら嫌だろうなとか現実逃避をして、加奈先生を待ちました。


 結衣子さんが隣の部屋に言ったので、加奈に話す。

「(小声で)月曜朝から火曜朝まで初心者相手に、本国の薬も何も無しにコトに及んで、2箱使い切ったと聞いた…。」

「(小声で)…それは、結衣子さんが大変だったでしょうに。」

「(小声で)祥は艶々で幸せそうだったが、結衣子さんは今にも倒れそうだった。」

「(小声で)で、禁欲は?」

「(小声で)もちろん今日の内診まで禁欲を言いつけた。本国の薬も日曜まで飲ませていた筈。」

「(小声で)祥ボンはいちの診察室にて結衣子さんを待っているという事ね。」

「ああ、陽太郎と一緒に待っている。」

「そうね、昨日からの夜勤で、今日は家に帰る予定だったし。元々、結衣子さんの後は予約を入れてないから、結衣子さんを連れて行くついでに、盛った小僧達に説教しに行くわ。」

「頼む。女性の立場で言ってくれないと、色ボケ祥には響かないんだ。陽も祥を羨ましがるだけで、本国へ帰ったら暴走しそうだし、2人まとめて説教を頼む。」

「坊主2人にはしっかり説教をしましょうか。一の診察室の隣の処置室で、たーっぷり説教するつもりになったわ。」
「じゃ、先に自分の診察室に戻ってるよ。」

 …なんて会話がされていた事を隣の部屋にいた私は知らずに、診察台の上で、加奈先生が来るのを待っていました。内診する格好が恥ずかし過ぎる!降りたいー。

 子宮がん検診では、チクッと痛いですが大丈夫ですよ。組織検査に回すのでサンプルをとりますと説明がありました。筋腫がないかとか、子供を産むのに大丈夫なのかとかを内診し終わって、診察台が動いて椅子になった所で降りました。

 隣の診察室へ衣服を身に着けて戻ると加奈先生から説明がありました。

「子宮がん検診で、組織検査をしたので、チクッと痛かったでしょう。2、3日は出血があるから、大人しくしていてね。
 日曜まで、一郎先生から貰った薬を帰ってからすぐ飲んで、禁欲してね。思っていたよりも、擦過傷と、膜に大きな傷があったから、用心の為にもお願いね。」

「はい。日曜まで薬を飲んで、禁欲するんですね。」

「私から祥太郎とこれから婚約者に気を付けないといけない陽太郎の2人に長ーく女性の身体についての説明をしますからねー、これから一緒に診察室まで行きましょう。」

 診察室まで雑談をして歩いて、診察室へ着きました。

 予防注射の追加を打ってから、一郎さんから、加奈先生が一郎さんの番で一緒に暮らしている、実は祥さんの従兄にあたるのが一郎さんなのだと話を聞きました。
 加奈先生からも、私の傷が酷かったので、日曜まで薬を飲むのと禁欲だと説明をされた祥さんが、意気消沈してました。

 加奈先生は隣の処置室へ祥さんと陽太郎さんを連れて、女性の身体の長ーい説明をしに行きました。私は2人が戻って来るまで、一郎さんと色々な話をしながら、用意されていたお菓子とペットボトルのお茶を飲んで待ちました。

 2時間後、達成感で艶々な加奈先生と、顔色を悪くした2人が処置室から出てきました。

 そのまま、私達3人は待合室で一郎さんと加奈先生じゃなくって、加奈さんを(加奈さんに先生って呼ばずに、加奈って呼んで欲しいといわれたので。)待っていました。

 そうして、5人でタクシーに乗り、ファミレスで昼食を食べてから帰りました。私は帰って直ぐ薬を飲みました。
ーーーーーーーーーー
 話に出て来ている名前、場所、名称などは架空のモノとして扱って下さい。宜しくお願いします。
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