ある日、私の頭に耳が生えました

巻乃

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異界渡り(ワーオランドーラ国)編

観光、甘味、のんびり1

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 滞在が延びたし、せっかくなので観光する事にしました。加奈さんの作家デビューに向けての現地取材も兼ねていますけど。まぁ、ルー家からも王城からも護衛が付いているので、問題ないでしょう。

 王城からの護衛は使者であったマシロ殿と、宰相補佐のロック殿でした。ルー家からは影と呼ばれている方達だとか。忍者か!と思ったけど、黙っていました。

 宰相補佐のロック殿は王様の幼馴染で、王様とジャンヌ様がくっついて良かったと、しみじみ実感がこもった声で話しています。ヘタレ具合が凄かったので、周りも色々と沢山、振り回されて苦労したのでしょう。

 つい、「話が、話だけに人には言えない中、色々と大変なご苦労があったのでしょうね。」と言ってしまったら、ロック殿からお茶をしましょうとの提案がありました。

 マミさん(加奈さん)と私はお茶の美味しいお店の半個室で、延々とそのヘタレ話、ヘタレに対しての愚痴を聞かせられたのでしたが。私はゲッソリしましたが、マミさん(加奈さん)が取材がはかどるわ!と、嬉々としていました。

 もう、ロックさんの話はマミさん(加奈さん)に任せてと思い、マミさん(加奈さん)が聞き入って話して、相槌を打っています。ロックさんも何だか満足そうです。

 私は、マシロさんと、ケーキやパフェを(事前に問題ないかマミさん(加奈さん)に聞いてみたら、問題ないと言われたので)半分に分けながら、食べています。マシロさんが甘党だったので、食べながらの感想や、甘い物の話で楽しく話せています。

 ただ、マシロさんが和菓子を食べた事がないと聞いて、俄然がぜん、私のやる気に火が点きました!

 お茶の美味しいお店から出て、町の中をあちこち案内され、色々な店も巡って歩き回りました。

 その中で、和菓子の材料を見つけたので欲しいと言うと、ロックさんが買ってくれて、マシロさんが荷物を腕輪へ仕舞って行きました。私は買った物を自分の100円ショップで買って持っていたメモ帳に書き出していき、買い忘れがないかと見直したので、作りたい物の一通りの材料が揃えられました。

 緑茶は私の荷物に入っているし、バターや栗の甘露煮まで買えたし、砂糖は厨房にあるから使えると聞いたので、ウキウキ気分で滞在しているル-家へ戻りました。

 私が厨房の隅を貸して欲しいと家令のヤイバさんに頼むと、予備で小さな厨房があるので、そこを貸してくれる事になりました。護衛であるマシロさんとロックさんと、マミさん(加奈さん)も一緒に案内されました。

 自分のブレスレットから、エプロンを出して身に着け、手を洗い、必要な物を出して並べます。そうして、マミさん(加奈さん)の魔法で手伝ってもらい、餡と白餡を作りながら、栗の甘露煮を真ん中に入れた栗バターまんじゅうを作りました。餡が出来てからは、苺大福と、マミさん(加奈さん)からミカン缶詰を貰ったので、ミカン大福を作りました。

 マミさん(加奈さん)の魔法の手助けで、時間短縮も出来、工程も楽になったので、魔法様々です。

 出来上がったら、一部をマミさん(加奈さん)に状態維持魔法を教えてもらいながら、魔法をかけてから、ブレスレットの中へしまいました。

 さぁ、試食ですよ!甘党のマシロさんの感想が楽しみです。緑茶を淹れて、それぞれを同じ種類ごとに、分かり易くお皿に並べました。4人で食べ始めます。

 うん、まぁまぁの出来かな。マミさん(加奈さん)が沢山食べるだろうってミカン大福は多めに作りましたけど、マミさん(加奈さん)が苺大福の酸味が味覚に合ったのでしょう、ミカン大福と交互に食べています。合間に緑茶を淹れてますが、マシロさんもマミさん(加奈さん)に負けず、モリモリと食べてます。

 おや?ロックさんは栗バターまんじゅうを気に入ったのでしょうか、緑茶を飲みながら、幾つか食べてます。

「凄いですね。公爵令嬢でも、お菓子が作れるだなんて。」マシロさんが褒めてくれました。
「ええ、まぁ。異界渡りで滞在していた国では自分で作っていましたので。」

 そんな感じで言ってみた。チラッと見たマミさん(加奈さん)が頷いていたから、大丈夫だろう。

「それにしても、美味しいです。明日はこのお礼に町を案内しますので、明日も作りたい物があったら、材料を買って、ここで食べましょう。」

 えーと、明日もロックさんは何かを食べられるから、材料代持ちで食べ物を期待していると?マミさん(加奈さん)を見ると、こちらを見て言った。

「ミサの作った物が食べたいのなら、材料代を持って頂けるのと、町の案内と護衛を頼みますわ。ねぇ、ミサ。」
「ええ、マミさん(加奈さん)が言うのなら、いいですよ。」
「わ-い!ありがとうございます。明日は甘味でなくとも構いませんよー!ねー、ロック様。」
「ま、まあな。この食べないで他の皿にしてあるのは、何でしょうか。」
「ジャンヌ様に差し上げようかと思っていました。甘い物は疲れたりすると美味しいので、どうかなって思って。」

「ミサは気が利くわね。甘い物を食べると、動くための栄養補給も出来るし、良い提案だわ。」
 マミさん(加奈さん)の後押しも来たので、安心した。

「ジャンヌ嬢が喜びましょう。私が、直接手渡しをしてきます。」
「そうですね。ロック殿なら、信用もあるでしょうし、同じ物を食べているので、安心でしょう。ね、ミサ、ロック殿に届けてもらいましょ。」
「私達は行けないので、お願いします。」

 そう言って、頭を下げると、一瞬だけ驚いた顔をしたけれども、ニコニコ顔で引き受けてくれました。

「このお茶も色が綺麗だし、スッキリするから一緒に差し入れたらどうかな?」と、マシロさんが言ってくれたので、まんじゅうに2種類の大福、お茶も持って、ロックさんがジャンヌ嬢と王様の寝室へ差し入れに行きました。

 残った3人で明日は何を食べたいのかと話しながら、ロックさんが戻って来るのを待ちました。そうして、1時間くらい経った頃、ロックさんが戻って来ました。

「ジャンヌ嬢は、大変喜んでいました。明日も待っていますとの伝言がありました。」
「…良かったー。」
「王からは、ジャンヌの笑顔が見れたので、感謝する。変わっていたが、美味であったとの言葉です。」
「じゃあ、ロック様も座って、明日食べたい物のイメージを話して下さいね。栗バターまんじゅうも別にとってありますから、どうぞ。お茶も新しく淹れますね。」

 洗い物をしながら、4人で話して、のんびりしました。明日も観光と買い物出来るので、楽しみですね。
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