ある日、私の頭に耳が生えました

巻乃

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異界渡り(ワーオランドーラ国)編

どんなお土産にしようかな1

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 トイレに行った筈のマミさん(加奈さん)が廊下側から戻って来たので、「部屋の外のトイレに行ってたんですか?」と聞いたら、「ええ、ちょっと気分転換にね…。(バレてないわよね。)」と答えたので、「そういうものなんですね。」と返しました。トイレは何処でも変わりないと思うんだけどな。

 メイドさんが淹れたお茶を飲んで護衛の2人を待ちます。30分位した頃に、護衛の2人がやって来ました。

「お待たせしました。マミ様、ミサ様。」
「マミ様、ミサ様、おはようございます。ロック殿と話をしまして、ワーオランドーラの名産品のオパールを中心にして、各所を回る事にしてみましたが、いかがでしょう。」

 マシロさんがロックさんと話し合って決めた提案に反対するつもりは元からないので、

「ね、マミさん(加奈さん)は、異論はないですか?」と私が聞くと、
「今日はミサの決めた通りで構わないわ。」んじゃ、大丈夫だね。
「私のワガママですが、今日は宜しくお願いします。」マシロさんとも身長差があるから、どうしても下から上を見てしまう。マシロさんにも、案内を宜しくと頼めて良かったーーー。

「…!!…。はい!ロック殿と2人、今日も護衛と案内と荷物持ちも頑張りますので!どうかご安心下さい!」

 元気なマシロさんにもOKだと後押しされたので、元気が出ます!今日も4人で出掛ける為に、ルー家の馬車に乗ってから、お店まで送ってもらいました。…あ、ジャンヌ様は今日も王様と寝室で、仲良しだそうです…。王様と王家の為にも、後継ぎ作りが最重要だそうです。…ジャンヌ様って、体力あるんだ、な…。凄ーっ。

 馬車から降りたら、装飾品店の前でした。まずは、オパールを扱っているお店へ案内したんだそうです。

 マミさん(加奈さん)の目がキラキラ輝いてますね。えーと、宝石が好きなんでしょうか…。私、装飾品は綺麗で素敵だと思うんだけど、自分に付けても似合わないと思ってるし、この結婚指輪だけがあればいいので、あんまり興味はありません。お店の中に飾られている物をグルっと回って一通り見たら、他にする事がなかったです。

「宝石はあまりお好きではないですか?」

 ロックさんに聞かれて、ああ、気を遣わせちゃったかな、と思った。ここは正直に言っておこう。

「いいえ、綺麗だと思いますが、今まで生活していて全く縁がなかったし、似合わないのは自分で分かっているので、何だか気後れしてしまうんですよ。」
「…では、その指輪は?」
「指輪みたいな装飾品を買ったのも、装飾店へ入ったのも、お恥ずかしいですが、まだ向こうでも1回だけなんです。今日ここでお店に入ったのが、2回目です、ね。」
「…そうですか。お土産だと、男性用の装飾品もありますが、そちらを先に見ますか?」
「そうですね、男性用を見てみたいです。」
「ここは王室御用達ですから、国へ帰ってからでの支払いが出来、貴族なら融通が利きます。その点は大丈夫ですので、金額を気にせず、気に入った物を選んで下さい。」

 じゃあ、日本円を換金した後でもいいなら、気にしないで選べるんだ!

「はい!そうします!」ニコニコが止まらない!でも、嬉しいな!
「店員に案内と説明を頼みましょう。」
「お願いします!」

 祥さんと、まだ見ぬ父親の分と兄弟がいたら困るから、兄でも弟でも使えそうな物。護衛のロックさんとマシロさんにもね!陽太郎さんとその婚約者さんにも選びたいな。母親はどんな人なんだろう。姉や妹がいるかも!そうすると、手持ちの日本円で、何人分が買えるかな。足りなかったら、どうしよう。



 なんだ、この女性は。貴族の女性は男性が買って当たり前の、金額なんて気にしないんじゃないのか?

「…(小声で。)喜び過ぎて、漏れてる魔力で思考が周りにだだ漏れてる。…っきしょう、可愛い過ぎるんだよ。」ったく、王じゃあるまいし、こっちで14、5才の成人前の女性に何で動揺してるんだっちゅーの。仕事だ、仕事。
「(大きめの声で。)んん!男性用の案内と説明を1人頼む!」
「はい。承りました。どちらのお嬢様でしょう。」

 ロックも何度か王城からの使いで見掛けている、使いである自分に案内や説明をしていた店舗責任者の男が来たのだと認識した。その男に尋ねられたのだ。

 男の方でも、ロックが王の幼馴染でもあり、宰相補佐であると知っている。そのロックが丁寧に接して話している女性ならば、位の高い者である筈だとの当たりをつけて、店舗責任者である男は尋ねてくるだろう事も。

「あちらの女性は、王妃に結婚を承諾させた猫耳の国の例の噂の、婚約者のいる方の公爵家ご令嬢だ。」

 遠回しでなく直接的に、連れている女性への気遣いを頼んでおく。これで、店もいつもより丁寧になるだろう。

「それはそれは。とても良いお客様をご案内頂きまして、ありがとうございます。」

 店員の後ろに花が咲いたような良い笑顔をしている。ま、猫耳の国との商売への太いパイプや足掛かりになるだろうからな。

「信用第一で行け。いいな。」
「勿論でございます。私共もあの国への販売促進を今まで以上にしたいと考えていましたもので。その国の高貴な方にご案内出来る好機を得たのです。(この機会を逃さないよう)キチンとした物をご案内致します。」

 今、本音がチラリと透けて見えていたぞ、ワザとでなければ、この店員には宰相補佐は出来ないな。いや、ワザとこちらを油断させる為に透かして見せたのか。食えない奴め。

「お二方は王妃になられるジャンヌ様の、損得のない純粋なご友人達だ。もう御一方おひとかたは、将来の宰相と名高い宰相補佐のご夫人だからな。」

 店舗責任者である男性の目がギラリと光った。

「はい。王妃様の大切なご友人ですね。お二方への案内と説明には、確かな目と仕事上、責任ある者を付けさせて頂きます。」
「では、頼む。」


 私は、未だに男性用の装飾品を選ぶのに悩んでいた。見ただけでは分からないからだ。

 「どうしよう…。」根本的に、装飾品を選ぶ基準が分からない。そんな機会が今まで生きてきて、全く縁がなかったから。あまりキョロキョロしては、淑女らしくないし…と考えていたら、ロックさんが「どうしました?」と聞いてくれました。

 聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥!と思い、聞いてみた。

「今まで、こういった物を選ぶ機会がなかったので、選ぶ基準が分からなくて…。」
「今日で装飾品を目にするのが2回目だとお聞きしたので、案内と説明が出来る店員を連れて来ました。」

 笑顔が屈託なく、緊張しないで何でも聞けそうな、柔らかい感じがする40代位の男性の店員さんをロックさんが連れて来てました。

「お嬢様は、どなたに渡すお積もりでしょうか?渡す相手に似合いそうとか、お嬢様の中でのイメージに合う物をお相手の方に選んで、お渡しすれば良いのではないかと思います。渡す相手の年代や仕事によっても、適した物がございます。私はそのお手伝いをさせて頂きたく、ご案内とご説明を致します。どんな小さな事でも疑問があれば、遠慮なくお聞きくださいませ。それが私共の仕事でございます。」

「では、両親と兄弟と番の方へ、それとお世話になった方々へと、選んで渡したいのです。」ドキドキ。

「ではまず、番の方へ渡すのでしたら、チョーカーやネックレス、ブレスレットをお2人で揃えた物を送るのが妥当だと思われます。男性でしたら、他にはカフスやマント止め、剣のつかに填め込む物等、女性でしたら、お嬢様が身に着けているブローチや、イヤリング等、ドレスや衣装の色に合わせて、どこにでも何にでも使える様、選んでおけば大丈夫かと思われます。」

 へぇー、色々あるんだ。両親にはお揃いの物を渡したいな。兄弟にも、だよね。陽太郎さんとその婚約者と、お世話になったロックさんやマシロさんにも、だしなー。後払いって言っても、1500万円の、手持ちで足りるかな?(異世界での通貨価値を結衣子はまだ知りません。)自分にも祥さんとお揃いで買うから、どうしようかなー。

「黒い物はありますか?」
「ございます。ブラックオパールです。キラキラと光を屈折して輝くのを遊色効果といいまして、黒い色を持つ方々には人気がございます。」
「赤い物も?」
「赤っぽい色の物を総じてファイアーオパールと言いまして、遊色効果のあるモノと無いモノがございます。」
「これは?」

 ショーウィンドウに並んでいる物を指さして、聞いてみた。色の付いた宝石の中に、オパールのキラキラした物が入っている物だ。

「そちらは、ボルダーオパールと言いまして、岩石の一部分をオパールに含んでいる物です。遊色効果もあって、綺麗に輝きます。」

「では、まず、ブラックオパールとボルダーオパールのブレスレットを見せてもらえますか?」
「では、店内をご覧になって宝石の特徴を充分見て頂きましたので、別室でゆっくりお選びできるよう、ご案内致します。」

 店員さんの案内で、別室へ行くと、マミさん(加奈さん)とマシロさんが店員さん3人が宝石を並べているテーブルの側のソファーに座っていて、装飾品を見て、どれにするか選んでいる最中のようでした。
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