ある日、私の頭に耳が生えました

巻乃

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異界渡り(ワーオランドーラ国)編

どんなお土産にしようかな2

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 同じ部屋の中でも、マミさん(加奈さん)とマシロさんが座っていたのとは違うソファーセットに私とロックさんが案内され、座るようにと勧められました。

 チラリと見れば、ティーセットをワゴンで用意してあったけど、いつお茶が出るんだろうって私の顔に出ていたんだろうな、「装飾品を汚さない様にと配慮されていますので、お茶は土産を選んでからです。選び終わって待っている間に茶が出されますので。ご理解頂けましたでしょうか。」ロックさんにまたまた気を遣わせちゃいました…。多分これは、あっちの世界でも接触しない様にしていた事柄で、私自身で見て来なかった事の一部なんだろう。ああ、私自身も知らない事が多過ぎる。逃げていてはダメなんだ…。なんて、考えてしまった。

 その間にも、目の前のソファーテーブル?っていうか、テーブルには、次々とブラックオパールやボルダーオパールを使った男性用と女性用が並んで入っているブレスレットの箱が並べられていきます。

 今は考えるのよりも、お土産を選ぶ方が優先しなくては!と、考えるのを後回しにした私は、目の前の装飾品を眺めていきました。よく見ると、色々と目移りしちゃいます。

 どれにしようかと結構、迷ったり悩んだりしてから、お土産を決めました。

 祥さんと私のは、ブラックオパールで黒から濃い灰色に見える遊色効果のある宝石がメインの、それに幾つかのクリスタルオパールをあしらった金色のブレスレット。両親用にはボルダーオパールを使った銀色のブレスレットに決めました。

 コッソリと、「お兄様とお姉様に差し上げるのは、どれにしますか?」とロックさんが小声で言ってくれたので、「あ!!私には兄と姉がいるんだと教えてくれたんですね!ありがとうございます。」と、心の中で言ってから、
「ロック様、兄だとどのあたりが無難でしょうか?」と、気を遣わない様にして教えてくれたのを察して、お礼を言わずに聞いてみました。

「カフスだと幾つあっても邪魔になりませんし、服に合わせて変えるので、数があっても大丈夫ですし、使い易いと思います。」

 兄様には、ホワイトオパールのゴールドで囲んであるカフスボタンを、姉には、ファイヤーオパールで赤みの強いモノとゴールドで出来ているイヤリングを選びました。

 陽太郎さんとまだ見ぬ婚約者さんには、ファイヤーオパールでオレンジ色の色味の強いモノをあしらった金色のブレスレットを揃いで選んで、選び残っているロックさんとマシロさんには、どれを選ぼうかと悩んでいました。

 何気なくもう一度、並べられたモノを見ていると、ブラックオパールで青色に見える遊色効果のある宝石と、緑色に見える遊色効果のある宝石で作られた、どっちもシルバーで囲んであるカフスボタンを見つけました。

 2人にはそれに決めてから、何となく、ブラックオパールで青色に見える遊色効果のある宝石と、緑色に見える遊色効果のある宝石で出来た、どっちもゴールドで囲んであるカフスボタンを予備で買っておかないとならない気がして、選んでました。

 ファイヤーオパールでオレンジ色の色味の強いモノで出来ている金色のイヤリングと黄色味の強いモノで出来ている金色のイヤリングも、こちらも予備で買っておかないとならない気がして、選びました。

 でも、なんで?!予備で買うのを決めたんだろう?!自分でも理解出来ないけど、買わなくちゃ!!と焦ってしまった。変な感じ…。

 でも、装飾品を選んだから分かった事がある。私の中では、猫の目イコール金色またはゴールド(金)のイメージでした。ここはオパールでネコ科をイメージしないとならないし。キャッツアイやメノウがない、オパール専門店なんだから。

 選び終わったし、店員さんに支払金額と支払い方を相談しよう。ロックさんが後払いでもいいって言っていたけど、確実ではないし。お茶の支度をしている店員さんに、まずは聞いてみた。

「あの、支払いは後からでも大丈夫だと伺っていたのですが…。」
「(猫耳国の王家の後ろ盾のある公爵家ご令嬢ですし)お嬢様なら、後からでも大丈夫でございます。」
「支払いは、どの通貨ですか?」
「通貨とおっしゃいますと?」
「私、異界渡りの時に術式の事故に巻き込まれてしまい、ワーオランドーラへ着いてからは、ジャンヌ様の家にいたので、こちらの通貨を少量(マミさんに(加奈さん)に今朝借りたお金)しか持っていないのです。」
「それは大変難儀な異界渡りでございましたね。では、あちらでの通貨とは(猫耳の国ですし)日本でございますか。」
「ええ。それで、これらの代金は、いかほどになりますか?」

 は、払えなかったら、どうしよう…。

「日本の通貨は偽造がし難いと有名ですし、こちらでは価値があります。そうですね、日本の通貨で計算し直してまいりますので、お茶を飲んでお待ちくださいませ。」

 ん?お茶を淹れてくれた店員さんが、小走りで部屋から出て行った。小走りする必要ってあったの?

「(小声で。)ミサ様、日本円でのお支払いをするのですか?」

 あー、ロックさんに言われたちゃったか。でも、それしかないし。

「(つられて、小声で。)異界渡りの途中で巻き込まれて、こちらに来たもので、日本円しか持ってないんです。」

「(小声で。)こちらでは日本円が価値があって、こちらの通貨に換算すると、3倍の値になるんです。」

 へ?3倍?

「えーと、では店員さんが小走りして慌てて出ていったのは?」不思議だったから、素で聞いてみました。

「(小声で。)念のため、日本の通貨を判別できる者を急ぎ手配したのでしょう。時間が掛かります。」
「(小声で。)なんで、小声で話すんですか?」
「(小声で。)店員が何処で危険と繋がっているか予想出来ない為です。防犯上、日本円でのお支払いが出来るミサ様を守るために小声なのです。誘拐でもされたら、また国家間で収まった戦争のキッカケになります。」
「(小声で。)す、すみません。常識を知らないもので。大変なご迷惑をおかけして…。」

 やっちゃったーー!!ああ、もう!気を付けないと!あっちでの常識が、こっちと同じとは限らないんだって、何回反省すればいいのか…。赤字で重要事項とメモしとかなきゃ。はぁー、私の馬鹿っ!!

「では、ミサ様、気持ちを切り替えて、ゆっくりとお茶を致しましょう。」

 ああ、ロックさんにまたしても気を遣わせちゃったじゃないのー!私ったら!

「…はい。そうですね。」店員さんの用意したお茶を飲んでみた。…お、美味しい。

 はぁ、相変わらずネガティブな私だなー、もう少し考え方を直さないと!周りに気を遣わせちゃうしなー。マミさん(加奈さん)に相談しよう。うん、そうしよう。でもまずは、この美味しいお茶を飲めたし、自分の為に買おう。

「このお茶、美味しいですね。お茶もお土産にしたいです。」
「では、店員が戻ったら、私から茶の銘柄を聞いてみましょう。」
「ロック様に任せます。」

 1時間後、凄く機嫌の良い店員さんから支払いを求められたが、100万円で済みました。何故だか、幾つか小さな装飾品のオマケが付いていたけど。思っていた金額よりも少なかったし、何よりも手持ちのお金で支払いが出来たので、良かったです。はあ、緊張したけど、まずはお土産が買えて安心しましたーーー。
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