ある日、私の頭に耳が生えました

巻乃

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異界渡り(ワーオランドーラ国)編

滞在延長中

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 滞在延長は、最初に届いたお詫びの密書の後に、追加で届いたお詫びの密書の内容にあった獅子国から白虹皇女と青水仙が異界渡りをするまでの3日間、もしもの事をワーオランドーラとナーオ・ロウの両国で考慮した上で、実現したのだと一兄から聞いていた。

 最初の密書には、『ワーオランドーラの王の仕掛けた術式を改変して、ごめんね。その改変した宰相と青水仙がまだ何かしそうだから気を付けてね。こっちも色々と忙しいから、またお手紙します(意訳)。』だった。その頃には、術式を国の方で解読していたので、獅子国の介入と改悪した内容を知っていたが、自分の国の膿くらい自分で始末を付けろ!!と叫びたかった。私の番と一兄の番を巻き込んでおいて、何が気を付けてね。なんだ!

 追加で届いた密書には、『宰相の白角は幽閉したし、白虹と青水仙を異界渡りさせて国には戻さない措置を取るから許してね。あと3日で出すから、青水仙の最後っ屁には気を付けて。今回は、王太子の婚約者を巻き込んで、力まで使わせちゃった、てへ、ごめん。でも、婚約者が大丈夫そうだったから怒らないでいてね。赤湖皇女が宰相の白角に殺される前に捕えたかったんで、今回の事を活用しちゃったの。そうそう、赤湖皇女はね、本当は白星って言う皇太子なの。もう少ししたら、皇太子の儀をするからお偉いさんが儀式に来てね。国の威信もあるから、さぁ。』と言う我が国ナーオ・ロウを舐めてる様なモノだったそうだ。一兄から聞いていて、腹の底から沸々と獅子国には腹が立っていた。

 父である王も官僚も、今回の事で、元々、ふざけたり舐めてる様な態度でこちらへ接触していた国、獅子国との付き合いをどうするかを改めて考え直す時期だと言っていたそうだが。巻き込まれた方は堪ったもんじゃない。

 元はと言えば、獅子国宰相の白角がユーイの祖母になる女を獅子国と通じていた一族から差し向けて、ユーイの祖父を篭絡した祖母が獅子国の言いなりに、ユーイを日本へ連れ出した事を国の上層部は知っている。そのユーイが無事に帰国出来たら、獅子国との付き合いをどうするか今一度考えると王は言っていたのだ。ユーイを人質にされては我が国も一切の手が出せないからだが。ユーイを獅子国の駒扱いをして、結果、獅子国の良い様に使った事が許せない。

 次世代としては、ワーオランドーラの王とは付き合ってもいいと判断したが、獅子国とは国同士の付き合いをする気はない。自分達が私達よりも上だとおごっている国と付き合っても、何の利益もない。

 ワーオランドーラの王との話し合いで、ワーオランドーラの王の悪い噂を流していたのは獅子国の差し金で、我が国がワーオランドーラと仲良くされると獅子国としては色々とマズかった事も発覚したのだ。

 ワーオランドーラの王も、獅子国との付き合いを改めようと内密ではあるが確約してくれたのだ。その悪い噂のせいで、番との長年の誤解を生んで、今回の術式の改悪もあっただけに、私の番の過去の誘拐に関わっていた事も、番を再び、駒にされた事にも代わりに憤ってくれて、私の気持ちも分かってくれたようだ。何より、番同士がただの友人になっていたのも大きな要因だろう。

 その大事な番へヤキモチを妬き過ぎて、暴走してしまった。番を手に入れたから、側に入れない日々がツラかった。そうして、その大事な番を傷付けた。一兄も青水仙絡みで暴走してたのを昨夜は語ってくれた。

 それから寝て起きたら、朝だった。当たり前の事だけど、朝食後に3人で謝罪に言ったが、2人共、具合が悪くてまだ寝ているとメイドから聞かされた。

 メイドを信用していない訳じゃないが、そおっと部屋の中を覗くと、2人共、まだ寝ていた。よくよくメイドの話を聞くと、2人は昨夜から熱が出て、うなされていたので、侍医を呼んで薬を飲ませたら、やっと朝方に眠ったんです。と聞かされた。

「一兄も祥も発熱する程、無茶させたんだな。」
「面目ない…。」
「医者なのに、番をいたわっていなかった…。」

 2人して、朝から落ち込んでしまった。が、滞在しているから出来る事の一つ、ワーオランドーラの役人と茶屋を検証しに行った。そこには、宰相補佐のロック殿が居た。

「おはようございます。皆様。護衛はマシロ殿と私の部下で一番優秀な者がついていますので、ご安心を。」
「おはよう。」

 自分の声も表情も硬くなっている。

「おはようございます。何でも屋は扱き使われますよね。」一兄は親しみやすく話題をふっている。
「ええ、同感です。宰相補佐は何でも屋ですね。」
「おはようございます。私は2人の護衛です。」陽は護衛に徹する様だ。

「茶屋で働いていた者の身元を洗いました。全員、獅子国出身だったが、ワーオランドーラで暮らしていた者だったので、調べるのは早く出来ました。」
「で、何か出ましたか。」
「何にも裏がない一般人だったようです。魔法の痕跡もなく、怪しい者との接触もなく、普通に従業員募集の張り紙や広告を見て応募して面接を受けていました。」
「後の事まで考えて、青水仙は動いていたのか。」
「あいつはズルいですからね。最初から痕跡を残さないようにしていたんでしょう。」
「あいつなら、そうするな。」
「で、ロック殿には青水仙とのどんな因縁が?」
「それは後程お話し致します。まずは、検証を致しましょう。」

 茶屋は営業していなかった。「従業員が研修期間に入る為、臨時休業致します。」との張り紙をしてあった。

「これなら、人の出入りがあっても茶屋には影響がないし、変な噂もたたないな。」一兄が感心していた。
「ええまぁ、宰相の采配ですけども。」
「それで、魔法の痕跡は?」
「これと言った痕跡はありませんでしたが、ナーオ・ロウの方にしか分からない事があると思いましたので、今日は検証にお付き合い頂いて、助かりました。こちらで、一通りの事は調べ終わっていますので。すぐにでも店の営業再開をしたいと従業員から言われ、客のご令嬢やご夫人からの早期に再開をとの要望が来ていまして、困っていたんですよ。」

 馬車が停まり、降りてから4人で店の中へ入っていった。
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