ある日、私の頭に耳が生えました

巻乃

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異界渡り(ワーオランドーラ国)編

その後とその話し合い

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 馬車がルー家に着いた。ロック殿は宰相殿をルー家に呼んで、王と3人で対策をするそうだ。私達は国へ報告をすると伝えてから、部屋に戻った。

 ユーイとカーナさんの様子を一兄に見に行かせて、私は陽と話していた。

「青水仙って、獅子のクセに蛇みたいに執念深くて、ひねくれてるんだな。切っていて、気分が悪かったよ。」
「陽、剣を見せてくれ。」

 剣は何ともなかったが、陽が怠そうにしている。魔法で陽の身体を探る。何か手から手首に移動するモノが見えた。
「一兄!!戻って来い!!」

 一兄が魔法で呼んだのに気付いて、走って戻って来た。

「剣は何もなかった。だが、陽が怠そうにしていたから気になってみたら、剣を持つ手から手首に移動するモノが、何だか分からないが、あったのが見えた。何かがヘンだ。急いで診てくれ。」
「分かった。祥は、ロック殿へ知らせてくれ。手遅れになる前に。」
「ああ、行ってくる。」

 私が走って屋敷内を探したら、怠そうにしていたロック殿が宰相と歩いていた所を見つけた。

「ロック殿!剣と身体を魔法で見せて下さい。私達の護衛に異変が起きたんです。」
「え。」
「ロック殿も護衛と同じ事をしていた。一刻も猶予はありません。」

 宰相も察したようだ。ロック殿の剣を見せてもらう。剣は何ともなかった。ロック殿を視た。手から手首に移動しているモノが見えた。宰相も視た様で、「王太子殿と一緒に行け!」と言ってくれた。

 ロック殿を連れて走って部屋へ戻ると、陽の手首から取り出されたモノを一兄が封じていた。

「ロック殿も急いで!そこのベッドへ横になって!時間がありません!」

 一兄の声に従い、ロック殿が横になった。一兄が睡眠魔法をかける。視線を感じて見ると、閉めそこなった扉口に宰相がいた。

「立ち合いと証人になって下さい。すぐ入って!時間がない!!」一兄が叫ぶ。

 宰相がすぐ入って来て、私達がいるベッドの反対側へ行った。

「摘出しないと、殺されてしまう。時間がない。説明は後だ!宰相、いいですね!」
「死ぬよりは良い。構わない。やってくれ。」

 一兄は手首から魔法のメスで皮膚を切っていった。中から真っ黒と白が混じった石を取り出す。止血をすると、もう片方の手首にも同じようにしていった。両手首から取り出して、取り出したモノを封じていく。その後に、治癒魔法で手首の切った後を治していった。そうして睡眠魔法を一兄が解いた。

 その間に、ワーオランドーラの王のクロード殿が部屋に来たのだ。

 クロード殿と宰相とロック殿、私と一兄と陽での茶屋での話をしていった。

 まずは店に入ってすぐ手近にあったイス全部に、一定以上の魔力値がある者を獅子国へ転移する様に術式が仕掛けられていたが、その前に調べに来た者が使っていて何もなかった事。

 青水仙と言う人物が好きそうなやり方で、店を再開したら、魔力の高いご夫人やご令嬢が獅子国で、ワーオランドーラの人質になっていただろうと。

 もしかすると、ジャンヌ嬢がこの店に来て買い物ついでに座ったら、獅子国での人質になっていただろう。その位魔力値の高い者だけを狙っていた。獅子国も知っていて、今後、活用出来そうだとワザと放置していたんだと思うとの見解も話した。

 王族でないと分からない仕掛けがしてあった事から、多分、獅子国の皇帝や王太子が絡んでいると思うとも話した。

「店自体を調べる為に普通は店を転移させると考えます。でも、青水仙を知っている者としては、何を仕掛けているか分からないと思いました。転移させ徹底的に調べたら困るので、証拠が残らない様に何かを仕掛けてある筈だと思い、店の中を調べていきました。」と一兄が言った。
 
「王族しか分からないモノを私が、宰相補佐が高位の魔力の者しか分からないモノを探り、陽とロック殿が切っていったんですよ。店の中の茶を視たら、口が軽くなる自白で使われる薬草を全部の茶に混ぜてあったのですが、ね。」と話すと宰相が溜め息をついた。

「私が顧客名簿や売り上げ記録を店から回収致しました。あの店で買った茶を回収しないとマズいですから。他国のお客様がいた場合は王太子様へ真っ先にご連絡いたしますと約束しました。従業員全員に何もないと報告をされていましたが、もう一度、従業員全員が洗脳されていないかどうかを調べないとなりません。」ロック殿が述べた。

 魔法剣で刃こぼれしなかったが、護衛とロック殿が嘆く程、切って切って切りまくった事を告げると、王が溜め息をはいた。

「最後に、店の土台を支える柱の根元に、「転移や解体をしたら、店ごと爆発して吹き飛ぶ術式」が彫ってあり、一人では見つけられなく、高位の魔力保持者が2人いないと見つけられないモノだろうと結論付けました。試しに、護衛とロック殿が同時に探ったら、その彫り込んだ術式が見れたようです。」と私が言ったら、クロード殿が私に詫びて来た。

「蜜月の私に気を遣って頂き、申し訳ない。ロックが死ななくて済んだのも有難く思っています。あの石は獅子国皇家の者だけが相手を甚振いたぶって、最後には死に至らす時に使うモノです。」

 宰相と一兄が頷いた。宰相も一兄も知っていますから。という事か。

 陽とロック殿は顔色が若干、青くなっていた。知らぬ間にもうすぐ死ぬ所だったのだから。

「彫り込んだ術式の件は私が決断する事である。そちらにも口封じで石が使われているだろうと予測して、万全の態勢で取り組もう。蜜月でも、緊急な事だからな。」

「店には誰一人入らせない様に魔法で封鎖しておきましたので。」とロック殿が言うと、「当然だな。」と宰相が言っていた。

 宰相が「我が息子の命を救って頂き、感謝しかありません。ありがとうございました。」と頭を下げられた。

 ロック殿にも「知らずに殺される所でした。助けて頂き、感謝致します。」と頭を下げられました。

「何か新しく見つかったり、何かしたら、王太子殿へロックを通じて報告するので、ゆっくりして頂きたい。では失礼する。」とクロード王が宰相とロック殿を連れて部屋から出ていった。これから話し合いでもするのだろう。

 一兄と陽を呼んで、「内密ではなしがある。」と切り出した。

 今まで、日本の技術をナーオ・ロウで活用している技術を自分達の考えた物だと平然と真似している獅子国。こちらを下に見ている事と、嘗めた態度を改めない事。王妃の魔法を使えるユーイを国から引き剥がして我が国の混乱を招いて属国としようとしていた事。青水仙とカーナさんの婚約にまつわる事件。それに今回の事で発覚した事実、我が国が獅子国とは付き合うメリットが一つもない。デメリットだらけなのだ。父も長年のらりくらりと誤魔化していたが、いい加減、決断するだろう。しなかったら、私が主導で決断する。その材料が揃ったのだからと話した。

「ただあの父が何故今まで決断しなかったのか、探る必要があるかもしれないんだ。私に何かあっても中断しない様に、2人に話さねばと思って、話したんだ。」と言った。

「そうですね、何か裏がありそうです。宰相も付き合いをやめる様に何度も進言していると愚痴を言っていましたから。宰相にも内密に話しておきます。」
「んー、何かありそうだな、証拠はないが、大きなモノがありそうだな。俺も知らずに獅子国の皇家に殺される所だったから、やってやるよ。」
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