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獅子国編
白炎の過去
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我が獅子国の皇帝になって、父は他の国へ移住していった。亡き母の遺骨と一緒に。
賢帝と言われた父であったが、後継ぎは我しかいなかった。だから、権力争いも血で血を洗う王族達の争いも起きなかったのだ。だからこそ、皇妃であったが、元々の身分が低かった母だけと公言していた父には批判がいかず、皇妃を亡き者にすれば、皇帝とて側妃や愛妾を迎えるだろうと思った貴族達の策略と鬱憤晴らしが母一人へ向かったのだろう。
母が2人目を身籠ったのが分かると、暗殺者が1桁だったものが、毎日2桁に跳ね上がり、その中の1人に殺されたのだ。母を殺した暗殺者を放った一族を根絶やしにした父は、母を失った日から毎日のように、皇帝を辞めたいと私に呟いていた。
皇帝を辞めたらどうするんでしょうか?と言う我からの問いには、母と静かに暮らしたいと答えて皇帝を続けていたのだが、その後の父は以前の様な覇気もなくなり、皇帝としての務めにも支障が出るようになった。
馬鹿な貴族達はそこで自分達が悪手を打った事に気付いたが、反省をしたからと言っても死んだ皇妃であった母が生き返って来る筈もなく、臣下である貴族達は王の出来なくなった仕事を自分達で片付けるべく、仕事に追われるようになった。
ある意味、貴族達が仕事に追われるのは自業自得だったが、堪え性のない貴族にしては、我が皇帝に即位するまで我慢をしていた。その我慢をしている間に、仕事が出来る様になったのだから、怪我の功名だろう。
父を反面教師にしたのと、白獅子様が我好みの女を精通後からどこに行けば会えるとか教えてくれるし、見つけて与えてくれるので、すっかり女の味を覚えてしまった。
父のようにはならないと思っていたので、貴族達の勧める女を側室や愛妾として迎えて、母の様に身分が低いと暗殺されるので、正妃である皇妃を力ある公爵家から迎える事に決めたのだった。
ここで私にとっての失敗が赤雪を皇妃として迎えた事なのだが。
赤雪の姉妹には真面目一辺倒な女もいたが、赤雪は、派手で見栄えのする小賢しく知恵のある女であったので、宰相の白角に勧められるまま、赤雪を皇妃として迎えてしまったのだった。
皇帝の我と結婚するのに、他の男と通じた女は必要ないと白角に言っておいたからだろうか、赤雪は結婚して私が手を付けるまでは処女であった。だが、結婚後、愛人を作って、我の子よりも愛人の子を最初に孕んだ事が許せなかった。
愛人と言っても、赤雪が皇妃としての地位で男に無理強いをした何回で出来たのだと聞いた時は、赤雪の馬鹿さ加減に目眩がした。
白角には我から、赤雪の所業を聞いた事と赤雪との離婚を告げたが、我の仕事の分も白角が請け負うし、赤雪の後始末もする、噂が漏れない様にもする、皇帝である白炎様には何も迷惑を掛けないので、1度だけ耐えて下さいと何度も懇願するので、宰相である白角のメンツもあるのだろうと仕方なく、様子見をする事にした。
宰相の白角が離宮で赤雪を静養扱いとし、妊娠を内密にして、産んだ子はその愛人の家の養子とした。
その後、後継ぎを産むまでは白角と我とで赤雪の愛人を持つ事を禁止したのだ。その間は白角と共同で、赤雪を見張っていたが、な。
貴族達から勧められた側室や愛称達には、権力争いの激化を避ける為、避妊薬を服用させるのが当たり前の慣習としたのだ。その事で我に側室へ子供を産ませるのが良いと、進言してくる貴族は何人もいたが、自分の娘や姪に皇帝の子供を産ませたかっただけなのが見て取れたので、適当に相槌を打っておき、うやむやにしておいた。
貴族の方も、皇帝へ何度も忠告に見せかけた自分達の要望を進言出来るとは思っていなかったようで、ま、底なしの馬鹿ではなかったようで、それ以上は何も言って来なかったので、そのままにしておいた。
我が赤雪に嫌気がさした時に夜会で出会った夫人は、自分の子が出来ぬ事を夫人のせいにする婚家と、その夫の両方に責められていた事に同情したのと、夫人が我好みであったので、何回か逢瀬をして避妊もせずに抱いただけだったのだが、子が出来たと告げられ、その夫人と我との間に生まれたのが白虹だった。
その夫人の名を忘れてしまった今では、多少、白虹に対する申し訳なさがあるが、夫人も子が出来なかったのは夫のせいだと婚家へ離婚を突き付けて、無事に悠々自適な生活が送れる様な和解金を手に入れたそうだ。その上、皇帝の子を産んだのを内緒にして、赤雪の子とするように暗躍した白角のおかげで、その契約金も手に入れて、一人で静かに生活して過ごしていると、定期的に報告が我の所へあるのだ。
内密とは言え、皇女の実の母なのだから、他国へ連れ去られない様な配慮をしなければならないので、な。
赤雪との間に、耳も全身も白い獅子の白星が産まれた時は、宰相の立場の白角も皇帝としての我も、性別を伏せて育てないと暗殺されると危惧したので、仮の名前と性別を女性と偽る事で乗り切ったのだった。
そうして、白星を赤湖として乳母を付け、ナーオ・ロウへ外交で出掛けた時、リュン王妃とその夫のリンクス王と出会ったのであった。
一目見て、リュンを我がものにしたいと思い、獅子国へ帰国するまで実力行使をしようと粘ったが、赤雪が我の邪魔をしてくるし、リンクスも宰相のカッツェも、騎士団長のバルバドスも邪魔をしてきて、国へ連れ帰れなかった。これが第二の失敗だった。
密偵がリュンの姉妹のミュンを見つけて来たが、顔は同じでも紛い物を掴まされたような気がして、食指が動かなかった。この時なら手に入れられたのに、手に入れなかったのが第三の失敗だった。
リュンが死んで、王妃代行をしていたミュンがリンクス王と再婚をして王妃になった時は後悔したのだ。白獅子様から、ミュン本来の性質と行動を教えられていたのでな。その後も、ミュンがリンクス王に相手にもされないのに愛人も作らず、王妃を務めあげる姿と、赤雪の皇妃として仕事をするが、愛人を作り放題な姿の対比で、大目に見る様にと言ってくる白角とは決別していたのだ。お前が勧めた赤雪は、どうしようもないと。
リュンの事で戦争を仕掛けた事で女神を怒らせたから、我は不能になったが、こっそりと白獅子様が1人だけなら相手が出来る様にして下さったので、赤雪を義務で抱き、赤雪で性欲を発散していたのだが。
ミュンも王太子が婚約者を迎えるまでは、王妃の義務を務めるだろうと思い、その時を待った。
賢帝と言われた父であったが、後継ぎは我しかいなかった。だから、権力争いも血で血を洗う王族達の争いも起きなかったのだ。だからこそ、皇妃であったが、元々の身分が低かった母だけと公言していた父には批判がいかず、皇妃を亡き者にすれば、皇帝とて側妃や愛妾を迎えるだろうと思った貴族達の策略と鬱憤晴らしが母一人へ向かったのだろう。
母が2人目を身籠ったのが分かると、暗殺者が1桁だったものが、毎日2桁に跳ね上がり、その中の1人に殺されたのだ。母を殺した暗殺者を放った一族を根絶やしにした父は、母を失った日から毎日のように、皇帝を辞めたいと私に呟いていた。
皇帝を辞めたらどうするんでしょうか?と言う我からの問いには、母と静かに暮らしたいと答えて皇帝を続けていたのだが、その後の父は以前の様な覇気もなくなり、皇帝としての務めにも支障が出るようになった。
馬鹿な貴族達はそこで自分達が悪手を打った事に気付いたが、反省をしたからと言っても死んだ皇妃であった母が生き返って来る筈もなく、臣下である貴族達は王の出来なくなった仕事を自分達で片付けるべく、仕事に追われるようになった。
ある意味、貴族達が仕事に追われるのは自業自得だったが、堪え性のない貴族にしては、我が皇帝に即位するまで我慢をしていた。その我慢をしている間に、仕事が出来る様になったのだから、怪我の功名だろう。
父を反面教師にしたのと、白獅子様が我好みの女を精通後からどこに行けば会えるとか教えてくれるし、見つけて与えてくれるので、すっかり女の味を覚えてしまった。
父のようにはならないと思っていたので、貴族達の勧める女を側室や愛妾として迎えて、母の様に身分が低いと暗殺されるので、正妃である皇妃を力ある公爵家から迎える事に決めたのだった。
ここで私にとっての失敗が赤雪を皇妃として迎えた事なのだが。
赤雪の姉妹には真面目一辺倒な女もいたが、赤雪は、派手で見栄えのする小賢しく知恵のある女であったので、宰相の白角に勧められるまま、赤雪を皇妃として迎えてしまったのだった。
皇帝の我と結婚するのに、他の男と通じた女は必要ないと白角に言っておいたからだろうか、赤雪は結婚して私が手を付けるまでは処女であった。だが、結婚後、愛人を作って、我の子よりも愛人の子を最初に孕んだ事が許せなかった。
愛人と言っても、赤雪が皇妃としての地位で男に無理強いをした何回で出来たのだと聞いた時は、赤雪の馬鹿さ加減に目眩がした。
白角には我から、赤雪の所業を聞いた事と赤雪との離婚を告げたが、我の仕事の分も白角が請け負うし、赤雪の後始末もする、噂が漏れない様にもする、皇帝である白炎様には何も迷惑を掛けないので、1度だけ耐えて下さいと何度も懇願するので、宰相である白角のメンツもあるのだろうと仕方なく、様子見をする事にした。
宰相の白角が離宮で赤雪を静養扱いとし、妊娠を内密にして、産んだ子はその愛人の家の養子とした。
その後、後継ぎを産むまでは白角と我とで赤雪の愛人を持つ事を禁止したのだ。その間は白角と共同で、赤雪を見張っていたが、な。
貴族達から勧められた側室や愛称達には、権力争いの激化を避ける為、避妊薬を服用させるのが当たり前の慣習としたのだ。その事で我に側室へ子供を産ませるのが良いと、進言してくる貴族は何人もいたが、自分の娘や姪に皇帝の子供を産ませたかっただけなのが見て取れたので、適当に相槌を打っておき、うやむやにしておいた。
貴族の方も、皇帝へ何度も忠告に見せかけた自分達の要望を進言出来るとは思っていなかったようで、ま、底なしの馬鹿ではなかったようで、それ以上は何も言って来なかったので、そのままにしておいた。
我が赤雪に嫌気がさした時に夜会で出会った夫人は、自分の子が出来ぬ事を夫人のせいにする婚家と、その夫の両方に責められていた事に同情したのと、夫人が我好みであったので、何回か逢瀬をして避妊もせずに抱いただけだったのだが、子が出来たと告げられ、その夫人と我との間に生まれたのが白虹だった。
その夫人の名を忘れてしまった今では、多少、白虹に対する申し訳なさがあるが、夫人も子が出来なかったのは夫のせいだと婚家へ離婚を突き付けて、無事に悠々自適な生活が送れる様な和解金を手に入れたそうだ。その上、皇帝の子を産んだのを内緒にして、赤雪の子とするように暗躍した白角のおかげで、その契約金も手に入れて、一人で静かに生活して過ごしていると、定期的に報告が我の所へあるのだ。
内密とは言え、皇女の実の母なのだから、他国へ連れ去られない様な配慮をしなければならないので、な。
赤雪との間に、耳も全身も白い獅子の白星が産まれた時は、宰相の立場の白角も皇帝としての我も、性別を伏せて育てないと暗殺されると危惧したので、仮の名前と性別を女性と偽る事で乗り切ったのだった。
そうして、白星を赤湖として乳母を付け、ナーオ・ロウへ外交で出掛けた時、リュン王妃とその夫のリンクス王と出会ったのであった。
一目見て、リュンを我がものにしたいと思い、獅子国へ帰国するまで実力行使をしようと粘ったが、赤雪が我の邪魔をしてくるし、リンクスも宰相のカッツェも、騎士団長のバルバドスも邪魔をしてきて、国へ連れ帰れなかった。これが第二の失敗だった。
密偵がリュンの姉妹のミュンを見つけて来たが、顔は同じでも紛い物を掴まされたような気がして、食指が動かなかった。この時なら手に入れられたのに、手に入れなかったのが第三の失敗だった。
リュンが死んで、王妃代行をしていたミュンがリンクス王と再婚をして王妃になった時は後悔したのだ。白獅子様から、ミュン本来の性質と行動を教えられていたのでな。その後も、ミュンがリンクス王に相手にもされないのに愛人も作らず、王妃を務めあげる姿と、赤雪の皇妃として仕事をするが、愛人を作り放題な姿の対比で、大目に見る様にと言ってくる白角とは決別していたのだ。お前が勧めた赤雪は、どうしようもないと。
リュンの事で戦争を仕掛けた事で女神を怒らせたから、我は不能になったが、こっそりと白獅子様が1人だけなら相手が出来る様にして下さったので、赤雪を義務で抱き、赤雪で性欲を発散していたのだが。
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