ある日、私の頭に耳が生えました

巻乃

文字の大きさ
89 / 207
獅子国編

白虹の留学4

しおりを挟む
 身に覚えのない父から私へ、義母から白虹への荷物だったが、互いに部屋へ持っていってから、中身を見た。

 父さん、荷物の中身が閨用品各種とはどういう意味ですか。溜め息をついて、箱の中身を見ると、手紙が入っていた。

『青水仙へ

 番とはキッカケがあれば、お互いを好きになっている事に気付くんだよ。私と会った時に、誰かを慕う息子が見れたから、もしやと思ってね。

 カーナさんの時は、あちらからカーナさんの番が見付かるまでの期間限定の婚約を頼まれて、外務上、断れなかったんだ。そのせいで、青水仙には辛い思いをさせたね、申し訳なかった。

 兄妹でないのは知っていたが、あえて、知らない振りであおってみたんだよ。お前の出自は本当だがね。私も、自分より上の皇妃には逆らえなかったので、仕方なくお相手をしていたんだ。

 だが、息子であるお前を愛している。だから、慣れない芝居までしたんだ、青水仙も自分の本当の気持に気付いただろう?

 青水仙の義母である妻も、夜伽用の下着と夜着を白虹さんへ送ったと聞いたよ。仲良く使ってくれ。                          父より』

 は?!よ、夜伽用の下着!夜着!と青水仙が混乱している間、白虹も混乱していた。

 荷物を青水仙から受け取ったばかりの頃の白虹は、

「青水仙さんの母上様から荷物が私宛に来るだなんて思っても見なかったわ。」と部屋に荷物を持って入っていった。

 荷物を開けると、一番上に手紙が置いてあったので、何かしらの意図があるのではと手紙を最初に読んでみた。

『白虹様へ

 お久しぶりです。小さい頃はよく遊びに来られていたのですが、近年はお会いできなくなって寂しい限りでしたわ。

 青水仙からあの子の出自をお聞きになったと思います。カーナ様との婚約は向こうからの外交上、断れない話であり、カーナ様の本当の番が現れるまでの仮の婚約でありました。

 宰相様と今は失脚したカーナ様の父親との思惑があって、カーナ様との婚約破棄後に起きた暴行犯の一味疑いを掛けられた青水仙は、宰相の良い駒にされました。青水仙は何もしていない事は、皇帝と私達と白角、ナーオ・ロウ宰相とリンクス陛下が知っています。

 こちらにいる限り、白虹様も青水仙も幸せになれないと思ったので、私と夫の人脈を使い、いかにも皇帝の邪魔になるので追い出したと言う体裁を調えました。

 年齢固定注射を管轄しているのは私達の一族ですのに、細工なんてさせませんわ。

 白星様が皇帝になったらば、家の後継ぎとして、青水仙と白虹様の結婚した2人を迎える準備をしていますので、安心して戻られて下さいませね。

 荷物は、夜伽用の下着と夜着ですの。活用して下さいませ。素直な女性は男性にとって、可愛いものですのよ。勇気を出して下さいな。青水仙を今後もお願い致します。                            未来の母より。』

 荷物は丁寧に包装してあった。見ると、薄ピンクの可愛らしいレースや小花が付いた下着の上下と、色違いで3種類あった。薄いペパーミント色と、白色と、黒色だった。

 夜着は、下着に合わせた色とデザインだったが、何故かスケスケでした…。

 私が小さい頃から誰を好きかバレていたのね。隠していたから、他の人にはバレていないんだけれど、どうしましょう。

 青水仙の荷物が何だったのか気になった私が、聞きに行こうとしたら、自室のドアを叩く音がしましたのよ。

「はい、どうかしました?」

「あー、えー、と、母からは何が来たんでしょうか?」

 私と同様に、中身をご存じでないのでしょうか?

「私の着る服ですわ。」
「…服ですか。着るのでしょうか。」

 これを着るのは寝室でないと!

「!…相手の方が了承するなら、着るつもりですのよ。」
「…そうですか。そのお相手はどなたでしょう?」

 どうこたえるのが正解なの?分からないわ!こうなったら、素直に告げてしまうわ!破れかぶれよ!

「あ、青水仙さんがお相手して下さるなら、着たいですわね。」

 ガタガタタッ。何の音かしら?

「わ、私ですか…。よ、喜んで。明日の夜にでも着た所を見せて下さいますか?」

 勇気も出さなければ!普通の服でないけれど、青水仙は知らないのだし、夜の寝室で見せればいいのよ!

「あ、明日の夜ですね、分かりましたわ。試験休みと祭日が重なるので、明日から10日間、学校はお休みですの。」

 これで、番休暇と同じだけの休みになるのですもの、告白の覚悟も決めないと!青水仙のお相手がまだいないうちに、私から迫るのですわ!

「分かりました。休みを十分活用出来る様に、買い物は日中に済ませておきます。」

 青水仙は白虹の部屋の前から遠ざかって、自室へ入ると、ベッドに座り込んだ。

「服って答えていたけれど、中身を見ていないのか?それとも、中を見て?」

 どうなるか分からないが、明日から白虹が休みなのは確かだ。買わなくてはいけない物をリストにして、ネットで買える物は明日の午後すぐに手配を済ませた。リストのネットで買い物が済んだ物に二重線をひいて消す。残りは明日の午前中に買い物を済ませよう。

 私が告白する前に、カーナとの事を話しておかなければならない。必要になるか分からないが、幾つかリストへ書き込んだ。

 決戦は明日だ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

黒の神官と夜のお世話役

苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

【完結】平凡な魔法使いですが、国一番の騎士に溺愛されています

空月
ファンタジー
この世界には『善い魔法使い』と『悪い魔法使い』がいる。 『悪い魔法使い』の根絶を掲げるシュターメイア王国の魔法使いフィオラ・クローチェは、ある日魔法の暴発で幼少時の姿になってしまう。こんな姿では仕事もできない――というわけで有給休暇を得たフィオラだったが、一番の友人を自称するルカ=セト騎士団長に、何故かなにくれとなく世話をされることに。 「……おまえがこんなに子ども好きだとは思わなかった」 「いや、俺は子どもが好きなんじゃないよ。君が好きだから、子どもの君もかわいく思うし好きなだけだ」 そんなことを大真面目に言う国一番の騎士に溺愛される、平々凡々な魔法使いのフィオラが、元の姿に戻るまでと、それから。 ◆三部完結しました。お付き合いありがとうございました。(2024/4/4)

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...