ある日、私の頭に耳が生えました

巻乃

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ナーオ・ロウ国編Ⅰ

聖動物様とユーイ

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 お土産を渡し終えた私の懸念は、銀行へ行けなかった事と、カーナさんに借りたお金を返せていない事、料理が出来ていない事だったのですが。

 ショウさんに相談したらですね、銀行の方が王城へ毎日出入りしている事を教えてくれました。

 その元締めである金融大臣が王城へ勤めているので、声をかければ必要な人を連れて来てくれるそうです。
 ショウさんから私の事を聞いたのでしょう、私の所へ銀行の本店長と言う方が訪ねて来てくれました。

 私の持っていた日本円の1,700万から、ワーオランドーラで買ったお土産100万を引いた残りの1,600万のうちの、1,200万円分を預ける事にしました。全部預けるのが不安だったので、400万円だけは手元に残しておきました。

 危なっかしいとショウさんに言われた私。その隣にはショウさんが笑顔でいたので、心強かったです。

 銀行の人も、両替出来る日本円が大量に手に入って助かったようです。「助かります。ありがとうございます。」と、何度も頭を下げられましたから。

 カーナさんにお金を借りた話をして、借りたままで使わなかったので、ショウさんからイッチェンさん経由でカーナさんへお金を返せました。「ありがとうございました。」って言葉と手紙を添えて。

 それと、私が料理を作りたいって希望も、ショウさんが王太后様へ相談してくれたんだそうです。

 王城の隣にある王太后様の住んでいる離宮の中に、何代か前の王妃が使っていた厨房があって、そこを改装して使える様にしてくれる話がまとまったそうです。今は、既に改装中と聞きました。

 楽しみが出来たのと懸念がなくなったので、王妃教育がツラくても頑張れますよ!

 そうそう、王太后様とお茶を飲んでいる所へ、ミュン様がバルバドス様に連れられて挨拶へ来られました。

 2人でいる所を見たら、新婚さんカップルってすぐ分かる程、ベッタリ甘々でしたけど。バルバドス様は王太后様へ一言だけ挨拶をしたら、仕事へ向かわれましたけど。

「それで、今日は結婚後の挨拶に来たのね。」

 王太后様もニコニコ笑顔です。

「はい、王太后様。」ミュン様も笑顔が素敵です。
「お幸せそうですね。」と、私もニコニコしてしまいました。

「それで、私がミュンを呼んだのはね、白獅子が黒大猫様を探して旅に出たとの連絡が来た事と、デア・プロミシオンの森を獅子国が返還してきて、我が国の物だと言うのを各国へ通達した事。

 これで赤雪皇妃を廃妃して、ミュンを皇妃に据える準備を整え、ミュンを手に入れる為にと白炎が動き出したと伝えたかったのよ。」

「分かっておりますわ。バルもその事で王城へ来たんですから。」

「女神さまの提案なんだけどね、ミュン、あなた改名しなさいな。」急に何を言ってるんですか?王太后様。

「改名?」ミュン様も驚いていますよ。

「バルだってあなたを呼ぶのに「ミュン」って呼んでいないんでしょう?」

「ええ、ミュンって言う名の王妃がいたのですから、そのままの名前ではバルも呼んでいません。」

「ミュゼリ、ミュズリ、ミュレイン、かしら。「ミュンなんとか」だと、皇帝にバレるよりもご近所に元王妃だってバレるわね。いっそ、「リュンなんとか」…、それも王や皇帝に執着される原因になるわね。」

「では、ミーファで。ミィって呼んでますので。」
「バル!」

「話し合いと言うより、事実確認だけでしたので。」
「では、ミーファで。この改名届けを書いて。バルバドスの妻が再婚を機に改名したって事になるわ。」

「それで、王太后様、大猫様は?」バルバドス様が聞くと、

「白獅子が旅に出たって聞いた途端にね、女神さまの所へ逃げて行ったのよ。まだ子猫の弟子の黒大猫様を置いて。」

「しばらく、ユーイに子猫の黒大猫様を預かってもらおうかと思って、呼んだの。白獅子のせいで、私まで動く羽目になったのよ。」

「あの、話が分からないんですが。」
「ごめんなさいね。この前、聖動物様の話をしたでしょう。白獅子が我が国の聖動物様の黒大猫様に執着している話もしたから覚えているわね。

 その白獅子がね、何百年振りかで旅に出たって報告があったの。
 黒大猫様をストーカー並みに追いかけまわして嫌われているって、周りからも何百回も言われているのに信じていないのよ。それを恥ずかしがっていると変換して、黒大猫様を探す旅に出たの。

 黒大猫様は女神さまの所へ逃げたんだけど、次代の聖動物様である弟子の黒大猫様がまだ子猫なのよ。
 私も動かないと何が起きるか分からないから、次代の聖動物様を預かって欲しいの。

 聖動物様は国内に居てもらわないと災害や天災が起きるから、ユーイに預かって欲しいのよ。頼めるかしら?」

「いいんですか?」子猫を?
「ええ。次代様たっての希望なの。次代様、いいんですよね?」
「んにゃあ。」

 どこからか猫の声がしたと思ったら、私の膝の上に子猫がいました。にゃんとかわゆい!はわわ~!

『んにゃあ。(よろしく)』
「わ、私こそ、宜しくお願いします。」
『んにゃにゃんにゃあ。(あたいは「黒百合」クーちゃんと呼んで。)』

「ユーイは次代様に気に入られているようね。」王太后様が言うと、
「ええ。」とバルバドス様も答えます。
「クー様、私、ミーファになりましたのよ。バルと結婚して王城から出ましたわ。」ミーファ様が言うと、

『うにゃにゃん。ぐぅにゃにゃにゃ。(知ってる、腹に子がいるぞ。祝いにバル以外から見える外見を変えてやろう。)』

 驚いている皆様に代わって聞いてみた。

「クー様、ミ-ファ様のお腹に何人の子がいるのでしょう?」と私が聞くと、

『ぐーにゃ!うにゃにゃんにゃ。(クーちゃんと呼ぶの!4人。次代の騎士達。)』

「ユーイ、次代様のお世話は王太子とあなただけにしてね。メイドには触れさせないで。」
「はい、王太后様。クーちゃん、私、頑張ります。」

「次代様の祝いでミーファの見かけが変わっているから、バルも気を付けて。聖動物様からだから、周りに根回ししなくてもミーファだって認識をするわ。」

「「ありがとうございます。」」

「あなた達も4人の子持ちになるのだからね。安静が大事よ。今後はバルだけの報告でいいわ。」

「はっ!」バルバドス様が騎士の正式な礼で答えた。

「お幸せに。」と私が言うと、
「一気に4人の子持ちになったわ。」ミュン様、改め、ミーファ様が微笑んで、バルバドス様と退出していった。

「ユーイ、基本的に聖動物様はご自分で何でもお出来になるの。何を食べても大丈夫よ。
 でもね、寂しがり屋だから、話したり毛を調えたりとか、一緒に眠るとかして欲しいの。人型にもなれるけど、基本は動物の姿でいるのよ。
 次代様はあなたが気に入ってしまって、ね、側に行きたいって言われていたのよ。次代様はまだ900才で、1,000才を超えないと成猫の姿にはなれないの。

 相手にして欲しい時だけ、あなたや王太子の前に現れるから。ショウにもそう説明をしておいて欲しいのよ。」

 王太后様の話を聞いて、その理由が分かったので、「分かりました。」と答えました。

 これは部屋に戻ったら、またノートへ書き込まないとならないです。子猫のクーちゃんは凄ーく可愛いですけど!
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