ある日、私の頭に耳が生えました

巻乃

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獅子国編

白炎の計画と白光1

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 我がミュンを皇妃にする計画を立案したものの、不安があったので相談をしようとして王族専用の牢へ行ったのだが、白角はいなかった。

 白角のいた牢のある部屋の片付けをしていた者がいたので、ここにいた者が何処へ行ったのかを聞いてみたのだが、「お屋敷で幽閉される決定がされた事だけしか聞いていません。」と、にべもなく答えて、片付けに戻ってしまった。

 仕方なく屋敷へ戻ったと言う白角の屋敷へ、皇帝である我からの使いを出したのだが、

「宰相も辞して王城からも引退致しましたし、屋敷で静かに余生を過ごそうと思っております。一昨日、離婚された揚句に処刑までされた娘の葬儀を済ませたばかりです。そぉっとしておいて欲しい心境でいます。今は何も考えられません。」と、使いに出した者がそう返事をされたと帰ってきただけであった。

 たしかに、赤雪と離婚したからしゅうとでもなくなったし、宰相を辞したから宰相でもない。白角が元臣下であった事だけになった。

 …赤雪が離婚された後に処刑もされて、その遺体が帰って来て葬儀をしたばかりなのか。

 それなら、我の新しい妃を迎える計画には賛同してくれないだろう。
 白角は新たな妃となるミュンに関係する相談をしにくい相手だったのかと今更ながら、気付いたのだった。

 それなら、子供である白星を呼んで相談しようとしたが、「父である皇帝がする仕事を皇太子である私がこなしていますので、余裕はありません。むしろ、私の方が父上に仕事でのご相談をしながら、皇帝の仕事を進めたい位です。」と、仕事を理由に断られてしまった。

 いつも相談出来ていた白獅子様は旅に出ておられるし、次代様は国を守る仕事以外は相談出来ないと前もって言われている。我は今、誰にも相談が出来ない事に気付いたのであった。

 ミュンも密偵や探索にけている者を使い、探しているのに一向に見つからないでいる。まさに、八方ふさがりで、どうにも出来ぬのだ。

 はぁーと大きな溜め息をついて、白炎はもう一度、考え始めた。

 新しくミュンを皇妃にする計画をし直して、我が自分で動けばよいのではないかと。
 計画を自分が動いて実行すれば、ミュンを見つけるのに他人任せにしないで済むし、ヤキモキしないで済むのではないか。

 仕事は白星がしているし、国も皇帝である我が抜け出しても、相手にしないと騒ぐ様な妻もいないし、問題はない筈だ。

 他人が捜すから、他人任せだから、ミュンが見付からないのだと、計画を始めから練り直していった。

 その皇帝の様子を見ている白光が、呆れたように呟いた。

『困るっすよね~。炎はまた計画を練り直しているんですか。ふぅ。おいらは暇じゃないって言っているのに。』

 どこからともなく白光に女神の声が響いてくる。

『そんな苦労性の白光に朗報だ。白輝が仕事をサボってばかりだからな、特別待遇で白光に弟子をつけようと思ってな。名を白洸と言う。白光の後に白獅子になる者だ。』

『ひかり兄貴、宜しくです。』

 おお~!!女神さまからのご褒美だ~!!白輝様がいない今、仕事を教えながら仕込むのにも丁度良い!!

『おいらが白洸よりも先に白獅子になる、次代の白獅子なんっすよ。仕事を教えるから、分かんないとこはすぐ聞くっすよ!』

『はい!ひかり兄貴!』

 白輝は白獅子で赤い目、白光は白獅子で黄色い目、白洸は白獅子で緑色の目であったな。たしか、日本では信号と言うモノと同じ目の色であるな。しばらくは3人態勢で獅子国をになってもらおうかと、女神は考えていた。

『女神さま~!!ありがとうございます!!』

『よいよい。白輝が仕事をし無さ過ぎであるのは誰から見ても明白であった。3人で仲良くするのだぞ。』と、女神さまが去って行った。

 おいらは女神さまに感謝をしつつ、仕事を教える前に白洸の部屋になる場所へ案内をした。

『聖獣の住む家は、一般市民が住む家と同じに見える様に偽装した、大きな家をその国の首都に女神さまから与えられているんすよ。机上の空論よりも、見て聞く事や経験が物を言うっすね。

 中は異次元空間に繋がっているので、部屋を好きな様に改造出来るのが良い点です。

 まずは、仕事を始める明日以降に備えて、部屋の中を想像して作って、上役であるおいらに見せるとこから始めるのが良いと思っているっす。部屋が出来たら、おいらを呼ぶんすよ!』

 白洸に説明をしてから、仕事に戻ったおいらであった。聖獣としての仕事をしながら、皇帝の様子を見ているっす。

 炎は執務室の机の上に頭を乗せて、考え込んでいるようっすね。

 2、3日が過ぎ、白洸の部屋が出来たと呼ばれたのと、炎が「計画出来た!」と叫んだのが一緒だった事に不安を感じた白光であったが、白洸の部屋を見て、「独創的だな」と何とか褒めてから、女神に送る炎の計画の報告書を作ったのだった。
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