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獅子国編
女神さまと今代の黒大猫
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話は何ヵ月か前に遡る。
獅子国の今代の聖獣である白輝が、今代の黒大猫に会いからと旅に出たいと騒いでいる最中なのだと、次代である白光から聞いたのだ。
それを今代の黒大猫にコッソリと教えたのだが。
いつもの黒大猫なら、女神である私の元へ逃げ込んで愚痴を溢してくるのだが、その日はいつもの黒大猫の態度と違って、私に向かってニッコリと笑い、「引退します。」と満開の笑顔で私に告げて来たのだった。
『黒大猫よ。引退してどうするのだ?白輝は何処でも付いて行きそうだぞ。』
「あたしの後の次代の黒百合ちゃんが、もう少しで子猫の姿から、成猫になる1,000才になります。
だから、先代様や先々代様のように引退します。」
『確かに、黒大猫は2,000才前後で殆どの者が何故かその位で引退をするが、そなたは引退をせず、このまま続けても良いのだぞ。』
「有り難いですが、逃げれるうちに逃げたいのです。
未来視の出来る黒百合ちゃんに視てもらったら、200年後に、あたしが嫌がっても死のうとしても、それを阻止された上、無理矢理、白輝の番にされてしまう姿が視えたそうなんです。
今ならまだ逃げれるし、未来も幾つか分岐して視えているそうなので、ここで逃げる事を選び、決めました。
だって白輝には、あたしは生理的嫌悪感を感じるから、ぜーったい嫌なんですよ。
白輝が近くに来るだけで、鳥肌ならぬ、猫肌がザワザワとして、寒気までするんですもん。」
『…そこまでか。それで、そなたの名を聞かせてくれぬか?
先代までの名は知っているが、今代は誰にもその名を明かさなかっただろう。
聖獣が引退する時の最後の願いを聞き届けるには、その名を知らなければ契約として願いを叶える事が出来ぬのだ。』
「女神さま、申し訳ありません。あたしは自分の名を明かすつもりはないです。不完全な契約でもいいので、最後の願いを叶えて頂けるように、お願い致します。」
『そこまでなのか。仕方ない。
では、そなたの最後の願いとは?』
「白輝には未来永劫出会わない様に、と、お願い致します。それに、あたしの行き先も誰にも明かさないで欲しいのです。」
『不完全だと、いつかどこかで出会う可能性が出てきてしまうが…。それでも良いのか?』
「ええ。
次、あれに出会ったら、あたしが聖獣になる前世で白輝に殺されたあたしの親や兄弟達の仇として、あいつを殺す覚悟も出来ていますもん。」
『なるほど。名を明かさないのはそのせいか。
では、違う世界を管轄している他の女神に頼んで、出来るだけ出会い難くしてやろう。』
「それでも出会ってしまったら、運命ですよね。あたしがあいつを殺すだけですもん。
それに、ね、女神さま。先代様に過去視して頂いた時に言われました、『白輝がおまえに執着するのは、お前だけを殺し損なったという未練を持っているから、お前が生まれかわっても、あやつは執着を恋と錯覚しているし、好きだと勘違いして、殺せなかったお前を追いかけて来るのだ。』って言われましたもん。
白輝に生まれかわる前は、その前々世の大量殺人をした人生で後悔していたのか、善人で生きてきたかもしれないけれど、あたしは絶対、許さない。
だから、あいつと番になる位なら、逃げてやる。その上で、あいつを殺す機会を狙うんだもん。」
『前々世か、生まれかわる前の生しか視ていなかった私のせいだな。済まない。』
「女神さまのせいではないって理解していますし、思ってますから。
あたし、この2,000年は幸せでした。
先代様には産まれてから1,000年と少し、沢山可愛がってもらえたし、あとの1,000年は、次代の可愛い黒百合ちゃんをいっぱい愛でれたし。幸せでしたよ。」
『分かった。そなたの望みを叶えよう。加護も向こうの女神に付けてもらえるようにとり図ろう。』
「ずっと女性に生まれ変わっていたって聞いたから、次からはいつでもあいつに対抗出来る男性でお願い致します。」
『白輝のストーカーで散々苦労させたから、サービスしておこう。』
「黒百合ちゃんには、お別れを既に言ってありますので、黒百合ちゃんに良い弟子をお願い致します。あたしが居なくなっても、寂しくならない様にってお願いします。これもサービスですか?」
『どの聖獣も引退する事を決めると、最後に弟子の事を心配をするのだ。』
「良かった…それがあたしの一番心配していた事でしたもん。」
『聖獣のそなたと引退する時の契約をするには、その準備に時間がかかるのだ。
そうだな、他の女神も忙しいから、1月位はかかると思う。その間は、私の元でゆっくりするが良い。
いつも通りに、私の所なら、白輝も手出しが出来ぬからな。』
今代の黒大猫が引退する事になり、色々と忙しかったのだが、そこにしつこく何度でも白輝が呼びかけて来るので、忙しいと断り、観光をしろと言ったのだ。
今代の黒大猫が引退して、転生の準備に入ってから1月後に、私の方で引き受けてくれそうな女神と話し合いをして、名を明かすことがなかった黒大猫は、違う世界に無事、男性として転生していった。
白輝と未来永劫、出会わない様に。と、女神である私の個人的な願いを込めておいたが。
黒大猫の引退の契約が終わるまで、色々と害を撒き散らしそうな白輝を、どこかで黒大猫の引退を聞きつけて邪魔をされても困るので、聖獣の村に入れるのは避けていたので、観光をする様に言っていたのだが、それも3ヵ月しか保たなかったのだな。
さぁて、私になり替わると、神になると言っていた私の子供の1人を消滅しなければならないな。
あの子の力を出来るだけ枯渇させて消滅させないと。他の子達には、私が白輝に容易に勝てたと見える様な勝負をしなくてはならない。
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それを今代の黒大猫にコッソリと教えたのだが。
いつもの黒大猫なら、女神である私の元へ逃げ込んで愚痴を溢してくるのだが、その日はいつもの黒大猫の態度と違って、私に向かってニッコリと笑い、「引退します。」と満開の笑顔で私に告げて来たのだった。
『黒大猫よ。引退してどうするのだ?白輝は何処でも付いて行きそうだぞ。』
「あたしの後の次代の黒百合ちゃんが、もう少しで子猫の姿から、成猫になる1,000才になります。
だから、先代様や先々代様のように引退します。」
『確かに、黒大猫は2,000才前後で殆どの者が何故かその位で引退をするが、そなたは引退をせず、このまま続けても良いのだぞ。』
「有り難いですが、逃げれるうちに逃げたいのです。
未来視の出来る黒百合ちゃんに視てもらったら、200年後に、あたしが嫌がっても死のうとしても、それを阻止された上、無理矢理、白輝の番にされてしまう姿が視えたそうなんです。
今ならまだ逃げれるし、未来も幾つか分岐して視えているそうなので、ここで逃げる事を選び、決めました。
だって白輝には、あたしは生理的嫌悪感を感じるから、ぜーったい嫌なんですよ。
白輝が近くに来るだけで、鳥肌ならぬ、猫肌がザワザワとして、寒気までするんですもん。」
『…そこまでか。それで、そなたの名を聞かせてくれぬか?
先代までの名は知っているが、今代は誰にもその名を明かさなかっただろう。
聖獣が引退する時の最後の願いを聞き届けるには、その名を知らなければ契約として願いを叶える事が出来ぬのだ。』
「女神さま、申し訳ありません。あたしは自分の名を明かすつもりはないです。不完全な契約でもいいので、最後の願いを叶えて頂けるように、お願い致します。」
『そこまでなのか。仕方ない。
では、そなたの最後の願いとは?』
「白輝には未来永劫出会わない様に、と、お願い致します。それに、あたしの行き先も誰にも明かさないで欲しいのです。」
『不完全だと、いつかどこかで出会う可能性が出てきてしまうが…。それでも良いのか?』
「ええ。
次、あれに出会ったら、あたしが聖獣になる前世で白輝に殺されたあたしの親や兄弟達の仇として、あいつを殺す覚悟も出来ていますもん。」
『なるほど。名を明かさないのはそのせいか。
では、違う世界を管轄している他の女神に頼んで、出来るだけ出会い難くしてやろう。』
「それでも出会ってしまったら、運命ですよね。あたしがあいつを殺すだけですもん。
それに、ね、女神さま。先代様に過去視して頂いた時に言われました、『白輝がおまえに執着するのは、お前だけを殺し損なったという未練を持っているから、お前が生まれかわっても、あやつは執着を恋と錯覚しているし、好きだと勘違いして、殺せなかったお前を追いかけて来るのだ。』って言われましたもん。
白輝に生まれかわる前は、その前々世の大量殺人をした人生で後悔していたのか、善人で生きてきたかもしれないけれど、あたしは絶対、許さない。
だから、あいつと番になる位なら、逃げてやる。その上で、あいつを殺す機会を狙うんだもん。」
『前々世か、生まれかわる前の生しか視ていなかった私のせいだな。済まない。』
「女神さまのせいではないって理解していますし、思ってますから。
あたし、この2,000年は幸せでした。
先代様には産まれてから1,000年と少し、沢山可愛がってもらえたし、あとの1,000年は、次代の可愛い黒百合ちゃんをいっぱい愛でれたし。幸せでしたよ。」
『分かった。そなたの望みを叶えよう。加護も向こうの女神に付けてもらえるようにとり図ろう。』
「ずっと女性に生まれ変わっていたって聞いたから、次からはいつでもあいつに対抗出来る男性でお願い致します。」
『白輝のストーカーで散々苦労させたから、サービスしておこう。』
「黒百合ちゃんには、お別れを既に言ってありますので、黒百合ちゃんに良い弟子をお願い致します。あたしが居なくなっても、寂しくならない様にってお願いします。これもサービスですか?」
『どの聖獣も引退する事を決めると、最後に弟子の事を心配をするのだ。』
「良かった…それがあたしの一番心配していた事でしたもん。」
『聖獣のそなたと引退する時の契約をするには、その準備に時間がかかるのだ。
そうだな、他の女神も忙しいから、1月位はかかると思う。その間は、私の元でゆっくりするが良い。
いつも通りに、私の所なら、白輝も手出しが出来ぬからな。』
今代の黒大猫が引退する事になり、色々と忙しかったのだが、そこにしつこく何度でも白輝が呼びかけて来るので、忙しいと断り、観光をしろと言ったのだ。
今代の黒大猫が引退して、転生の準備に入ってから1月後に、私の方で引き受けてくれそうな女神と話し合いをして、名を明かすことがなかった黒大猫は、違う世界に無事、男性として転生していった。
白輝と未来永劫、出会わない様に。と、女神である私の個人的な願いを込めておいたが。
黒大猫の引退の契約が終わるまで、色々と害を撒き散らしそうな白輝を、どこかで黒大猫の引退を聞きつけて邪魔をされても困るので、聖獣の村に入れるのは避けていたので、観光をする様に言っていたのだが、それも3ヵ月しか保たなかったのだな。
さぁて、私になり替わると、神になると言っていた私の子供の1人を消滅しなければならないな。
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