ある日、私の頭に耳が生えました

巻乃

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ナーオ・ロウ国編Ⅱ

ショウ王太子は考える

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 グレイルは私よりも年上だが、波長が合う相手で、白花と入籍したので、私の義兄弟となった。

 正確に言うと、私より白花の方が年上だが、王位継承権の都合で私の方が義兄になっているのだ。だから、グレイルは義弟になったのだが、グレイルの方が年上なので、義兄の方があっているようで。
 でも、番との閨の経験は私の方が上なので、義弟の様な相談をされるので、義兄弟と思っている。

 白花との性生活で疑問が出来ると、私の所へ相談してくるのだ。ユーイも白花からその手の相談をされているようだけれど、私には話さないでいる。

 それでいいと私自身が思っている。その方がユーイとの楽しみが増えるってものだし。

 この前もグレイルから、白花のナイトウェアの相談をされたのだけど、その夜に、白花の方からベビードールを着た姿で恥じらって可愛かったとその翌日にグレイルに惚気られたっけ。

 それも、ユーイからの入れ知恵だろうと思ったけれど、その夜は私もユーイのスケスケネグリジェ姿に、やられたので、こちらも惚気ておいた。お互い、番が可愛いいし、最高だと締めくくったっけ。あれは有意義だったなぁ。

 そう言えば、ロートから報告があった大きいネズミ達はラーン・ビット国から貴族女性の内偵をしようとした者達だった訳だけど、紛らわしい事をしないで欲しかった…。

 それも、第3王子の肉食女子が苦手になった発端になった件と、暗がりで既成事実を作ろうとした女性達の件とその後の後始末まで詳細に書いてあったので、困ってしまった。

 第3王子のトラウマ気味の事情の暴露なんぞされたら、親身にならざるを得ないではないか。

 その上、「『紳士目録~男性専科~』の記事を読んで、ナーオ・ロウ国のユーイ様と白花様の事を書いてあった記事に触発され、女性が苦手気味な第3王子がナーオ・ロウ国の女性に、女性に興味を示したのです。肉食でなく、見合いにも消極的な見合い相手を紹介して欲しいのです。どうか、どうか、宜しくお願いします。」との、ある意味嘆願書の様な要望を書いた書簡を王太子である二人の王子の署名が連名でされていた。

 ラーン・ビット国の王からも、「(意訳)親バカだが、第3王子の希望をかなえて欲しい。頼みます。」みたいな書簡が一緒に王太子である私宛にと、届いたのである。

 そして、その書簡を運んで来た事を内密にはしていたが、ラーン・ビット国から我が国へ視察に訪れたのだと言う、正式な使者だった。

 ラーン・ビット国の王からの書簡が届いた事もあり、このナーオ・ロウ国の王である父上に、話をしたのだった。カッツェ宰相もその事情を父上と聞いていたが、手伝いは出来ないと言われた。

 白花が、今回発売された『紳士目録~男性専科~』に載った事による件と、前号に私とユーイが掲載された件が合わさって、前回よりも規模が大きなお見合いさせてくれと言う他国の貴族からの釣り書きが多く届いたそうだ。

 これから、その釣り書きも大量になりそうな事と、やっかみやら、ひやかし、悪意のある書簡も多く届き始めたそうなので、通常業務の他に、そちらの対応にも追われるので、余裕が無いのが理由だとせつめいされたのだった。

 だが、イッチェンを通常業務の他に、その見合い相手を探させるメインに据えるので、ご容赦下さいと言われたので、宰相に無理をさせるつもりはないよと返事をしたら、父上が「見合いはキッカケだが、自分に必要な相手が見付かれば早く決まるから。」と、何とも言えないコメントを頂いた。

 父上、父上は見合いを何度しても、その相手が見付からないと断っているのでしょう。説得力がないです。と、思っていたのだが、カッツェ宰相に、「陛下は再々婚なのに、理想が高過ぎます。」と、ピシャリと言い切られていた。

 宰相も、父上の見合い相手を選んで、その見合いを調ととのえている立場だから、父上には厳しくするのだと笑いそうになったが、なんとかこらえたのだった。

 今、その内密の使者達は、表向きには、我が国の視察をしに来たって事になっているので、外相である大臣とその部下達に国内のあちこちを案内されているのだけれど、夜には見合い相手の精査に付き合うと言う昼も夜も仕事づくめである。

 ある意味、ブラック企業と同じではないかと思うが、他国の事情ゆえ、私もイッチェンも、だんまりを決め込んでいる。

 こちらも通常業務をしながら、見合い相手に相応しい者を日中は選考しているので、イッチェンも私も忙しくなっている。

 私もユーイが婚約者でなければ、同じ様な目に遭ったのかもしれないと、その第3王子に同情してしまったからか、少しでもその力になれるようにと思って、通常業務の他に任されたこの件を頑張っている。

 グレイルにこの件を話したら、グレイルの方にも内密で書簡が届いていて、その使者が滞在していると言っていた。

 ラーン・ビット国は、ブラックなのだろうか?と言う疑問が浮かんだが、グレイルも同じ様に感じたのだろう、困った様な顔をしていたが、その件には一切触れないでいるので、こちらもその件については黙っている。

 我が国と同じ様なネコ科であるグレイルの国の貴族女性で、見合いには積極的でなく、男性には肉食でない女性を選考しているのだと、グレイルも言っていた。

 ついでに、王太子である2人も双子以上で女性が2人以上の貴族女性の情報を教えて欲しいとも書いてあったそうだが、こちらにはそのむねは書いてなかったと言うと、国々のバランスを考慮して書かなかったんだろうと、グレイルは笑って言った。

 ラーン・ビット国の王太子である双子の番も見つけたいのだが、未だ見付かっていないのだと。双子の王太子が産まれた時に神託でそう告げられているから、それが番になる女性だと探しているそうだ。

 私が「番が見付かったから、気楽でいられるんだけど、見付からなかったら、必死に探すんだろうな…。」と言うと、グレイルも頷いていた。

「番がとうとい。」とグレイルが呟いていた。

 つがい、最高と今夜も最後にグレイルが叫んでいた。私も負けずに、「つがい、最高!」と叫び返すのが、2人で話す際の別れの合言葉になっている。

 …何やってんだろう、な、私達。でも、番は最高だ。そこは譲らない。
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