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ナーオ・ロウ国編Ⅱ
出来ちゃったらしい、俺…父親になるんだな
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そんな中、リヨウが文字通り、浮かれて鼻歌を歌いながら、実際に、魔法で足元が浮いたままで、王太子である私の執務室へ、今朝も出勤してきた。
鼻歌を歌い、文字通りに浮かれているリヨウが言うには、「俺、父親になったかもしれない。出来ちゃったみたい♪ふふふ。」と言うと、執務室内でクルクル回って、訳の分からない踊りを踊り始めた。
「リヨウ、嬉しい気持ちは分かるが、公私の区別は付けろ。」と、イッチェンが言っても、「はぁーい!」と答えて、踊っている。
顔は締まりがなく、にやけてダレ切った表情のままだ。結婚式を10日後に控えているリヨウにとっては、二重の喜びなのだろう。どうにもならない。
困ったものだとイッチェンを見ると、こちらも家族で撮った写真をデレデレしながら眺めている。
畜生!!私だって結婚したいし、子供を孕ませたいわ!でも、王太子と言う立場で身動き出来ないんだっちゅーの!!
やさぐれたまま、昼食を一緒に摂ったユーイに愚痴ると、「私も欲しいな…。」と呟いたので、昼食後の運動を人払いを済ませた居間で、2人で張り切ったのは仕方がない。必要だったから、仕方がない。
昼食後のご機嫌な私を見たリヨウに、イッチェンが爆弾を落とした。
「安定期になるまで、交尾禁止だからな。忘れるな。」と。
「え?え?」
混乱したままのリヨウに追い打ちがかけられた。
「母体の健やかな健康を守る為にも、安定期になっても深くし過ぎるなよ。産後は最低1月、交尾出来ないからな。それ以降は、嫁と話して、相談しながら、だぞ。」と。
「そ、そんな…。」
「なーに言ってんだ?産まれて来る子の父親になるんだろ。しっかりしろ。腹の中にいる我が子を守るんだよ。
お前は騎士なんだろ。」
リヨウがハッとして、イッチェンを見る。イッチェンもニヤリとリヨウを見た。
イッチェンにそう言われた後は、今朝や午前中の様な浮いたままで業務をしていた姿はなく、いつも通りのリヨウだった。
イッチェンにリヨウがいつも通りに戻った事を聞いても、笑って答えてくれなかったが。
「ショウも子が出来たら分かるさ。」と笑われただけだった。これ以上聞いても、もう答えてくれないだろう事を知っているので、夜にまたユーイへ愚痴を言ってしまった。
ユーイが言うには、「リヨウさんも父親として子供を守る覚悟を決めたんでしょう。だからこそ、いつも通りに戻ったのですね。」と、その答えをすんなりと出してしまった。
薄々は分かっていたのだが、まだ分かりたくはなかったので、分からない振りをしていた自分に自己嫌悪した。ユーイはそこが可愛くて好きです。なんて言ってくれたので、そこから朝方まで、張り切って頑張ってしまい、ユーイはその日、ベッドの住人となってしまった。反省…。私はまだ子を持つ覚悟が無いし、2人でいたいと思ったので、子供はまだ先でいいと考えた。
そうした日常を送る事、10日後、リヨウの結婚式が行われた。
結婚式で新郎新婦として立っていたリヨウは幸せ一杯に見えた。
リヨウの披露宴の最後に、新婦が妊婦である事を発表され、両家が二重の喜びに沸いていると伝えられて、披露宴が終わったのだった。
新郎控室にいたリヨウへ、イッチェンと私で祝いの言葉を告げると、
「俺、父親になるんだな…。って自覚したら、怖くなったのと同時にさ、嬉しくもあったんだ。好きな人と血を分け合った自分の子を産んでもらえるし、育てていけるし、何よりさ、子供に父親として、自分の姿を見せられるって、誇らしくてさ。
俺、自分の父の様な立派な姿を自分の子に見せれるように努力しようって思ったんだ。」
控室の扉のすぐ近くから、鼻をぐすっと、すする音が聞こえた。
「父上、そんな所で立ち聞きしないで、部屋の中へ入ってきたらどうです?」
「済まない。息子からそんな言葉が出て来るとは思わなかったのでね、不覚にも目に汗をかいたようだ。」
そう言って、リヨウの父である近衛騎士相談役であるラオウ殿が控室の中へ入って来たのだった。
「孫に、「爺様、強い!凄い!」って言わせるんだろ。まだまだ頑張れよ。」
「ちっ!言われなくても、分かっているわ!」
「孫だらけにして、身動き取れない様にしてやるからな。孫を騎士にする剣を教えてくれよ。だから、さ、ずっと元気に現役でいろよ、な。」
「い、言われなくても、そうするさ!っきしょう!汗が止まらないぜ!」
この親子は泣きながら、お互いに意地を張るのが笑えると思ったが、不覚にも視界がブレた。イッチェンを見ると、私と同じようになっていたようで、目元を袖で擦っていた。
リヨウとラオウ親子は抱き合って泣いていた。私達が涙ぐんだのはバレていない様だったので、新郎控室を出たら、リヨウの母に、新婦とその両親までもが、目元を赤くして泣き笑いしていた。
リヨウの母が頭を下げて、無言で挨拶をしたので、そのまま、イッチェンと王城に戻った。
ラーン・ビット国の第3王子の見合い相手と、その兄達の番の手掛かりになるかもしれない双子以上で女性が2人以上いる者をピックアップする作業を幸せな気分で行い、その日は幸せのおすそ分けをもらった気持ちで、ユーイに話をしてから、ユーイと2人でくっついて眠りについた。
鼻歌を歌い、文字通りに浮かれているリヨウが言うには、「俺、父親になったかもしれない。出来ちゃったみたい♪ふふふ。」と言うと、執務室内でクルクル回って、訳の分からない踊りを踊り始めた。
「リヨウ、嬉しい気持ちは分かるが、公私の区別は付けろ。」と、イッチェンが言っても、「はぁーい!」と答えて、踊っている。
顔は締まりがなく、にやけてダレ切った表情のままだ。結婚式を10日後に控えているリヨウにとっては、二重の喜びなのだろう。どうにもならない。
困ったものだとイッチェンを見ると、こちらも家族で撮った写真をデレデレしながら眺めている。
畜生!!私だって結婚したいし、子供を孕ませたいわ!でも、王太子と言う立場で身動き出来ないんだっちゅーの!!
やさぐれたまま、昼食を一緒に摂ったユーイに愚痴ると、「私も欲しいな…。」と呟いたので、昼食後の運動を人払いを済ませた居間で、2人で張り切ったのは仕方がない。必要だったから、仕方がない。
昼食後のご機嫌な私を見たリヨウに、イッチェンが爆弾を落とした。
「安定期になるまで、交尾禁止だからな。忘れるな。」と。
「え?え?」
混乱したままのリヨウに追い打ちがかけられた。
「母体の健やかな健康を守る為にも、安定期になっても深くし過ぎるなよ。産後は最低1月、交尾出来ないからな。それ以降は、嫁と話して、相談しながら、だぞ。」と。
「そ、そんな…。」
「なーに言ってんだ?産まれて来る子の父親になるんだろ。しっかりしろ。腹の中にいる我が子を守るんだよ。
お前は騎士なんだろ。」
リヨウがハッとして、イッチェンを見る。イッチェンもニヤリとリヨウを見た。
イッチェンにそう言われた後は、今朝や午前中の様な浮いたままで業務をしていた姿はなく、いつも通りのリヨウだった。
イッチェンにリヨウがいつも通りに戻った事を聞いても、笑って答えてくれなかったが。
「ショウも子が出来たら分かるさ。」と笑われただけだった。これ以上聞いても、もう答えてくれないだろう事を知っているので、夜にまたユーイへ愚痴を言ってしまった。
ユーイが言うには、「リヨウさんも父親として子供を守る覚悟を決めたんでしょう。だからこそ、いつも通りに戻ったのですね。」と、その答えをすんなりと出してしまった。
薄々は分かっていたのだが、まだ分かりたくはなかったので、分からない振りをしていた自分に自己嫌悪した。ユーイはそこが可愛くて好きです。なんて言ってくれたので、そこから朝方まで、張り切って頑張ってしまい、ユーイはその日、ベッドの住人となってしまった。反省…。私はまだ子を持つ覚悟が無いし、2人でいたいと思ったので、子供はまだ先でいいと考えた。
そうした日常を送る事、10日後、リヨウの結婚式が行われた。
結婚式で新郎新婦として立っていたリヨウは幸せ一杯に見えた。
リヨウの披露宴の最後に、新婦が妊婦である事を発表され、両家が二重の喜びに沸いていると伝えられて、披露宴が終わったのだった。
新郎控室にいたリヨウへ、イッチェンと私で祝いの言葉を告げると、
「俺、父親になるんだな…。って自覚したら、怖くなったのと同時にさ、嬉しくもあったんだ。好きな人と血を分け合った自分の子を産んでもらえるし、育てていけるし、何よりさ、子供に父親として、自分の姿を見せられるって、誇らしくてさ。
俺、自分の父の様な立派な姿を自分の子に見せれるように努力しようって思ったんだ。」
控室の扉のすぐ近くから、鼻をぐすっと、すする音が聞こえた。
「父上、そんな所で立ち聞きしないで、部屋の中へ入ってきたらどうです?」
「済まない。息子からそんな言葉が出て来るとは思わなかったのでね、不覚にも目に汗をかいたようだ。」
そう言って、リヨウの父である近衛騎士相談役であるラオウ殿が控室の中へ入って来たのだった。
「孫に、「爺様、強い!凄い!」って言わせるんだろ。まだまだ頑張れよ。」
「ちっ!言われなくても、分かっているわ!」
「孫だらけにして、身動き取れない様にしてやるからな。孫を騎士にする剣を教えてくれよ。だから、さ、ずっと元気に現役でいろよ、な。」
「い、言われなくても、そうするさ!っきしょう!汗が止まらないぜ!」
この親子は泣きながら、お互いに意地を張るのが笑えると思ったが、不覚にも視界がブレた。イッチェンを見ると、私と同じようになっていたようで、目元を袖で擦っていた。
リヨウとラオウ親子は抱き合って泣いていた。私達が涙ぐんだのはバレていない様だったので、新郎控室を出たら、リヨウの母に、新婦とその両親までもが、目元を赤くして泣き笑いしていた。
リヨウの母が頭を下げて、無言で挨拶をしたので、そのまま、イッチェンと王城に戻った。
ラーン・ビット国の第3王子の見合い相手と、その兄達の番の手掛かりになるかもしれない双子以上で女性が2人以上いる者をピックアップする作業を幸せな気分で行い、その日は幸せのおすそ分けをもらった気持ちで、ユーイに話をしてから、ユーイと2人でくっついて眠りについた。
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