ある日、私の頭に耳が生えました

巻乃

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虎の国、小国群編

ロートと先王様との茶飲み

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 わいは気が進まないながら、先王様との世間話をする為にと言い訳をして作ってもらった、ユーイお嬢はん手作りお菓子、肉まんじゅうと餡まんじゅうを持って、先王様の居る応接室へ入っていった。

 王太后様は何故か応接間内には、いらっしゃらなかった。これは、わいを気遣ってくれはったんだろうと思ったんや。

 緊張しいしい、先王様へ差し入れのお菓子を渡すと、先王様自ら、菓子を並べて、茶を淹れてくれはりましたー!

「んで、ロート、いや、ローエンド元第2王子殿、我が国は過ごし易い国であろう?」

 元々、わいの身元はバレているんやろなと予想していたからか、驚きはしなかったけど、知ってはって黙っていてくれはったんやと、理解したわ。ま、王族のそれも将来は国母になる女神さまの愛し子や。その専属警護になるんやから、わいの事も徹底的に調べたんやろな。

「ええ。居心地が良くて、母とした約束を破ってまでも、ずっと滞在したくてなりませんでしたわ。」

「苛烈な母上で、大変であろう?約束も私がローエンド殿の身元保証人だからと言えば、破った事にはならないだろうし、な。この先もずっとナーオ・ロウ国にいてくれていいんだよ。」

 知らず知らずのうちに、緊張が出ていたようで、気ぃが抜けましたー。お母はんとの約束を守れた事に安堵したわいは、先王様に、お母はんと知り合いなのかと聞いてみたんや。

「あー、うー、私が妻と結婚して子がなかなか出来ない時にな、臣下どもに無理やりに薦められて、側妃候補と言われて、形だけの見合いをした相手のうちの一人だった。

 見合いはもちろん、妻を責められないように私へ批判の矛先が向くようにする為の、形だけの見合いなのだと、見合い相手全員には、見合いの席で、それぞれに説明したんだが、な、貴殿の母上だけが、私に夜討ち朝駆けで私専用の寝所へ夜這いをかけてくるので、ほとほと困ってしまったんだ。

 そこで、貴殿の父上殿に引き取ってもらったのだ。「そなたの番の彼女が熾烈で、見せかけの見合いだと言う理由に納得出来ないと言って、私に夜這いをするので、連れ帰ってくれ」とな。

「真っ直ぐ過ぎて、折れやしないかと心配になるが、大事にするので、安心を。」と言って、国へ帰ってからは音沙汰がなかったんだがね。

 ローエンド殿がユーイの専属になったので、私から貴殿の父君へその報告をする書簡を出したっきりで、返信もなかったんだが…。

 だから、諸々の事情もあるのだろうと、ローエンド殿を向かわせようとしたのだ。」

 先王様と両親にそんな話があったとは、わいも知らんかったわ…。

 それにしても、お母はん、相変わらず、過激やわ…!わいが事情を聞きに行くんは、外に事情が漏れないようにするという先王様の計らいなんやね。そっか。

「わいも知らん事でしたんで、ビックリしましたわ。わいが話を聞くんは事情が事情だったら、外へ漏れんようにする為でっしゃろ。おおきに。わいの家族に配慮していただき、ありがとうございます。

 明日から3日間、古巣で情報収集してから両親の所へ向かいますんで。」

 わいがそう言うと、嬉しそうに頷いてくれはった。

 先王様とのお茶会の中で、第3国が理由は不明だが、裏で糸を引いている可能性が高いのだとわざわざ匂わせてくれたんで、わいも新たにお礼を言っておきましたん。

 その夜、ユーイお嬢はんには、「しばらく足止めされるようなんで、明日から何日かの里帰りをしてきますわ。先王様がわいに許可してくれたんで。」と告げてから、翌朝、多少の変装をして、懐かしい祖国の城下をうろつくことにした。

 わいの居なくなった直後から、今までの間の情報収集をしなくてはならんですわ!まずは、わいの好物を食べながら、聞き耳をたてようか。

「おっちゃんー!ずんだロール1つと温かい紅茶や!」「あいよー!」

 国を出奔するまで贔屓にしていた店で、茶を飲む事にしたん。久々やー!テンションも上がるわー!
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