ある日、私の頭に耳が生えました

巻乃

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虎の国、小国群編

偵察後の話し合い

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 わいとリヨウはんが偵察による朝帰りをし、仮眠をして腹ごしらえをした後の正午過ぎ、ナーオ・ロウ国の一行による魔馬車内での話し合いと言う名の報告会と検討が行われたんですわ。

「えー、昨夜の偵察についての報告を簡単に先王様と王太子様へ、私、リヨウから大雑把な報告をしてあります。

 私からの報告の後に、ロートからの報告、そののちに、今後の検討をしたいと思います。

 私とロートでまず最初に向かったのは南にあった陣で……。」

 まずは偵察した事の報告をリヨウはんからした後に、わいの順番になるんやろと思ってはいたけど、事情が不明なままやし、検討するには情報が不足してはるし、内容に納得出来ひんやろし、この話し合いでは結論も出ないやろな。

「……と言う事で推測し、それまで挙げていた理由からも分かる通りに、草原の南にあった陣は第1王子と第5王子の陣との結論を出しました。こちらに都合良く、陣が南北に分かれていたので、ロートには北にあった陣へ向かってもらいました。」

 ん?ああ、リヨウはんがわいの脇腹を肘でつついてはるわ。わいの順番が来たんやな。

「リヨウはんが南での偵察をしていたので、わいは北にある陣へ向かいました。そちらにいたのはこの国の情報に遭あった第3、第4、第6王子の陣でした。

 王子達の陣の横に、大きく派手なテントが2つ程ありました。

 そちらも偵察しましたら、そこには王弟である、頭も身分も相当軽いと噂のあるお2人が、側近だろう者達がお気に入りを呼べと叫んでいた後に現れた年若い3人のメイドに「いつもしているのだから、そろそろ慣れろ」と言って、身体を触るという嫌な表情をして我慢していたメイド達に、堂々とセクハラをしていました。」

「…変わっておらんか。で、その王弟に王と王妃、王子達が従わざるを得ない何かしらの弱みを握られているとみるが、昨夜の偵察だけでは事情は分からないだろう、な…。」

 先王様は、鋭いなぁ。わいの報告の内容だけで、そこまで言えるんやもんな。

「そこでじゃ、私から事情を探りやすくする為に、ロートを王の居る城の中へ潜入させようと思っている。詳細は「待って下さい!ロートは私の部下になります!行くなら私が!」いいや、リヨウでは潜入にはならん。他国への多大な干渉になる恐れがある。」

 うわわー!先王様がわいを見て、ニッカリと笑ってはるわ!なんなんや?!もしかして、わいの身元がバレてはる?!

「ロートは小国群の出身だと以前に見た身分証明の中にあったのでな。何も知らないリヨウよりは潜入しやすいだろうと思うて、な。

 私のわがままでロートを動かした事にしてくれ。でないと国へ帰ってから、リヨウの父に色々と口を出されるだろうて。な、ショウも黙っていないで、私を助けてくれないか?ここの流儀を知らないリヨウよりも、小国群出身のロートの方が土地勘もあるだろうし、知人からのつてもあるだろう?」

 あ、あかん!蛇に睨まれた蛙の気持ちや!動けへん!先王様、どこまでわいの事、知ってはるんや?!

 …後でこそっと話をしに行かんとならんやろ!わいの前の身分がバレてはったら、それを黙っていて欲しいんやと。

 でないと、この居心地の良くなった職場を離れなくてはならんのや!こればっかりは、わいとお母はんとの守るべき約束やからなぁ…。はぁ。

 先王様の話を聞いたリヨウはんは、
「ご命令に従います。ですが、親父殿の俺へ向かう筈だった矛先を先王様が収めていただけるのでしたら、俺に異存はありません。

 …親父の怒り除けに先王様、ご協力お願いしまーす。」と言って、俺は短い休暇をゲット!したぞ!と、喜んではった。

 リヨウはんらしいわ。イッチェンはんも苦笑いしてはるだけでしたわ。

「ロートに任せるのはいいのですが、ユーイの臨時護衛をリヨウにします。」と、若干、元気のない王太子はんが言った。

「ユーイ様の臨時!食いもんもゲットだぜ!」と言って、小躍りするリヨウはん。

 あ、あかんわ。ユーイお嬢はんの所に来る有象無象は、リヨウはんにとったら、肩慣らしにしかならないやろな。休暇とは言い得て妙やな。それに、ユーイお嬢はんが作る美味い間食や夜食付きになるのは、リヨウはんにとって、幸せなんやろうな。

 ユーイお嬢はんに冷たくされている王太子はんが萎れてはる。笑っちゃマズいんは理解しているんやけど、笑ってしまいそうになるわ。

 それらを眺めながら、ニコニコと読めない笑顔を浮かべている先王様とイッチェンはん。こわー。

 その後は細々した事を話して決めて解散となり、通常業務へと、皆さん戻って行きはりました。

 わいは、ユーイお嬢はんの作ったもんを差し入れするていを装って、先王様との話し合いにおもむかねばならないんやなぁ、はぁ。気ぃが重いわぁ。
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