185 / 207
虎の国、小国群編
偵察任務と2人
しおりを挟む
南側にあった陣は、リヨウとロートが様子を窺っていると、第1王子と第5王子の居る陣だと分かった。
何故なら、滞在している小国が渡してくれた王家の情報にあった、第1王子と第5王子の名を呼んで、報告する兵の複数の声が聞こえてきたからだ。
さてさて、そうすると、北にある陣は残りの王子がいるのだろうな。リヨウはそう考え、二手に分かれて探ることにした。
ロートに合図をすると北の陣の方へ向かったので、俺は南の陣を引き続き見張る事にした。
前もって、大体の動きを打ち合わせて、幾つか予想出来る事をあげ、どう対処をするのかを決めていたからだ。さて、俺も出来るだけ小さくなって、見つかりにくくして移動しようか。
えいっと気合を入れて、子猫よりも小さめの大きさになり、気配を更に消した。
俺は、ショウや先王様の前で見せた子猫の大きさになれるのが、王家にも知られている俺の出来る最小のサイズだと思われている。
が、実は違う。
俺が最小になれるサイズは、人の手のひらに乗れるまでのサイズなのだ。これは俺と親父しか知らない俺の秘密なんだよな。ま、王家にも他にも教える気は全くない。
秘密を知る人数が増えるほど、不測の事態が起こった時に、俺が生き延びれる可能性が低くなるからだ。
番である妻にも一生、この事を教えるつもりはない。俺しか出来ない仕事に、俺が活用するのだから。
まぁ、子供達の中から誰か一人だけがこの能力を引き継ぐのだろう。俺や親父しか知らない、家の後継ぎにしか受け継がれない体質、いや、能力なのだ。俺の子ならば、多少はこの能力を継いでいるので、後継ぎ以外はせいぜい出来ても、成猫までの大きさにしかなれないからだ。
まぁ、万が一、後継ぎが不測の事態により、亡くなってしまった場合は我が家としてもメンツがあるので、色々と起こるだろう点を考慮して、成猫の大きさまでにしかなれないと王家には知らせてあるのだけどな。
本家の者だけしか大小の大きさへの変化は出来ないので、本家の俺達家族に何かあれば、俺の家は消滅するだけだろうけど。
傍系には伝えられていないあれこれもあるので、新たに同じ家名を起こした傍系が同じ名乗っても、別物だと言う事なのだが。
それはともかく、ロートは俺と移動していたが、そのロートと別行動になったから、俺も、この小さいサイズになれたのだ。んー、久々の能力開放だなー。
仕事、仕事っと。…ええと、ふむふむ。…なるほど、な。
仕事に勤しんでいるリヨウと別行動を始めたロートは、北にある陣を目指して走りながら、その内心では呆れて嘆いていた。
あないに言い聞かせて出奔したんに、なんでこんな短期間で、わいとした約束を破ってしまったんや。これは、もう王子の中の誰かが王にならなきゃダメだって事やな。
誰の性根が腐って、この国の中で酷いニオイを巻き散らしてんのやろか?わいが継承権を捨て、国を出て、争いの種を消した筈やのになぁ。
お母はんは馬鹿な事しまへんやろし、あの狸クソ親父は何もせえへんで、高みの見物しかしないやろし、兄貴は王太子やから、王になるのも決まっとる。
すぐ下の弟あたりが意地汚い叔父貴共に利用されたんやろう。
だとすると、第3王子と第4王子と第6王子がまとまって、北にある陣にいるのだろうなぁ。あ、叔父貴共もいるかもしれないわ。見栄だけは一人前やし。見栄以外は未だに半人前で、王子達より出来ないまんまやろな。
叔父貴共には会いたくないわ。どうしたらええんやろ。様子見しながら決めまひょか。
あー、ここが、わいの生まれ育った国って王太子はんやユーイお嬢はん達にはバレてはいないやろうけど、気ぃが重いわ。何故、この時期にこないな事をしたのかの予想が、わいでも出来ひんわ。
王家がらみで何かが起こったんやとしか、予想出来ひん。
どないしましょーぉ。
お母はんにも接触せな、な。王家で起こった事柄や事情は外部に漏れんように秘されているやろうしなぁ。
…ああ、面倒やぁなぁー。普通に通過するだけやって直前までわいも皆も思っていたんやろけどなぁ。
…ほんに面倒事を起こしはって!!わいののんびり魔馬車旅を返して欲しいわ…!わいの旅路を壊したんは誰やろか?このまま何もなしになんて済ませへんわ…。覚悟しとれよぉ…!
ロートの方も色々と込み入った事情もあるようで…。
その日の偵察を終えたリヨウとロートが、ナーオ・ロウ国の一行のいる魔馬車前に戻ったのは、翌日の朝日が昇る前だった。
何故なら、滞在している小国が渡してくれた王家の情報にあった、第1王子と第5王子の名を呼んで、報告する兵の複数の声が聞こえてきたからだ。
さてさて、そうすると、北にある陣は残りの王子がいるのだろうな。リヨウはそう考え、二手に分かれて探ることにした。
ロートに合図をすると北の陣の方へ向かったので、俺は南の陣を引き続き見張る事にした。
前もって、大体の動きを打ち合わせて、幾つか予想出来る事をあげ、どう対処をするのかを決めていたからだ。さて、俺も出来るだけ小さくなって、見つかりにくくして移動しようか。
えいっと気合を入れて、子猫よりも小さめの大きさになり、気配を更に消した。
俺は、ショウや先王様の前で見せた子猫の大きさになれるのが、王家にも知られている俺の出来る最小のサイズだと思われている。
が、実は違う。
俺が最小になれるサイズは、人の手のひらに乗れるまでのサイズなのだ。これは俺と親父しか知らない俺の秘密なんだよな。ま、王家にも他にも教える気は全くない。
秘密を知る人数が増えるほど、不測の事態が起こった時に、俺が生き延びれる可能性が低くなるからだ。
番である妻にも一生、この事を教えるつもりはない。俺しか出来ない仕事に、俺が活用するのだから。
まぁ、子供達の中から誰か一人だけがこの能力を引き継ぐのだろう。俺や親父しか知らない、家の後継ぎにしか受け継がれない体質、いや、能力なのだ。俺の子ならば、多少はこの能力を継いでいるので、後継ぎ以外はせいぜい出来ても、成猫までの大きさにしかなれないからだ。
まぁ、万が一、後継ぎが不測の事態により、亡くなってしまった場合は我が家としてもメンツがあるので、色々と起こるだろう点を考慮して、成猫の大きさまでにしかなれないと王家には知らせてあるのだけどな。
本家の者だけしか大小の大きさへの変化は出来ないので、本家の俺達家族に何かあれば、俺の家は消滅するだけだろうけど。
傍系には伝えられていないあれこれもあるので、新たに同じ家名を起こした傍系が同じ名乗っても、別物だと言う事なのだが。
それはともかく、ロートは俺と移動していたが、そのロートと別行動になったから、俺も、この小さいサイズになれたのだ。んー、久々の能力開放だなー。
仕事、仕事っと。…ええと、ふむふむ。…なるほど、な。
仕事に勤しんでいるリヨウと別行動を始めたロートは、北にある陣を目指して走りながら、その内心では呆れて嘆いていた。
あないに言い聞かせて出奔したんに、なんでこんな短期間で、わいとした約束を破ってしまったんや。これは、もう王子の中の誰かが王にならなきゃダメだって事やな。
誰の性根が腐って、この国の中で酷いニオイを巻き散らしてんのやろか?わいが継承権を捨て、国を出て、争いの種を消した筈やのになぁ。
お母はんは馬鹿な事しまへんやろし、あの狸クソ親父は何もせえへんで、高みの見物しかしないやろし、兄貴は王太子やから、王になるのも決まっとる。
すぐ下の弟あたりが意地汚い叔父貴共に利用されたんやろう。
だとすると、第3王子と第4王子と第6王子がまとまって、北にある陣にいるのだろうなぁ。あ、叔父貴共もいるかもしれないわ。見栄だけは一人前やし。見栄以外は未だに半人前で、王子達より出来ないまんまやろな。
叔父貴共には会いたくないわ。どうしたらええんやろ。様子見しながら決めまひょか。
あー、ここが、わいの生まれ育った国って王太子はんやユーイお嬢はん達にはバレてはいないやろうけど、気ぃが重いわ。何故、この時期にこないな事をしたのかの予想が、わいでも出来ひんわ。
王家がらみで何かが起こったんやとしか、予想出来ひん。
どないしましょーぉ。
お母はんにも接触せな、な。王家で起こった事柄や事情は外部に漏れんように秘されているやろうしなぁ。
…ああ、面倒やぁなぁー。普通に通過するだけやって直前までわいも皆も思っていたんやろけどなぁ。
…ほんに面倒事を起こしはって!!わいののんびり魔馬車旅を返して欲しいわ…!わいの旅路を壊したんは誰やろか?このまま何もなしになんて済ませへんわ…。覚悟しとれよぉ…!
ロートの方も色々と込み入った事情もあるようで…。
その日の偵察を終えたリヨウとロートが、ナーオ・ロウ国の一行のいる魔馬車前に戻ったのは、翌日の朝日が昇る前だった。
0
あなたにおすすめの小説
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
【完結】平凡な魔法使いですが、国一番の騎士に溺愛されています
空月
ファンタジー
この世界には『善い魔法使い』と『悪い魔法使い』がいる。
『悪い魔法使い』の根絶を掲げるシュターメイア王国の魔法使いフィオラ・クローチェは、ある日魔法の暴発で幼少時の姿になってしまう。こんな姿では仕事もできない――というわけで有給休暇を得たフィオラだったが、一番の友人を自称するルカ=セト騎士団長に、何故かなにくれとなく世話をされることに。
「……おまえがこんなに子ども好きだとは思わなかった」
「いや、俺は子どもが好きなんじゃないよ。君が好きだから、子どもの君もかわいく思うし好きなだけだ」
そんなことを大真面目に言う国一番の騎士に溺愛される、平々凡々な魔法使いのフィオラが、元の姿に戻るまでと、それから。
◆三部完結しました。お付き合いありがとうございました。(2024/4/4)
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる