入れたいのに入れたいのに入れたいのに「ピュルッ」と出てしまう「元ショタ勇者」の物語

人外倫理

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第二部

ポチタロウと、創造主の提案(中)

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 目を開けると、目の前に慣れ親しんだ、学習机が見えた。右手側には、スーが椅子に腰掛けたままで(毛布をかぶって)目を閉じているのが見えた。



 学習椅子から立ち上がって、振り返ると、ネオリスがこちらに目を向けた。(ネオリスの毛布はずり落ちかけていた)目は向けたけど、何も言わなかった。何か言いたそうにはしたけれども、そのまま、うつむいてしまった。



 それを見て、また少し、申し訳ない気持ちが沸いてきた。でも(死体の山、死体の山)と頭の中で繰り返しながら、僕は、そんな気持ちを打ち消そうとした。



■■■■■■
□□□□□□


ポチタロウと、創造主の提案(中)


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□□□□□□



ー スーの授業がいつ始まるのか? ー



 これがわかったので、段取りが立てやすくなった。時間的余裕もできた。



 その時間の間に、僕は僕で、なるべくサラの空間で過ごして(時間の流れが10分の1になった場所で)いろいろと整えておくつもりでいた。スーの授業の3時間目が始まるまでに、僕にできることをもう少しだけ(あまり深刻にならずに)やっておこうと考えた。



 たぶんスーは、授業の大枠を見直して、計画を立ててみて、時間がかかると判断したのだ。それで先に僕に、連絡を入れてくれたのだ。



 魔王討伐の旅の最中も、旅が終わった後も、僕らは午後9時には寝るようにしていた。その「10分前」ってこともあって、スーは連絡してきてくれたのだろう。そう推測した。



 (おそらく)スーがそうしたように、僕も何かしら、サラの空間でのこれからの行動に対して、計画を練ってみるつもりでいた。



 その前にまず、現実世界で「やっておこうと思ったこと」と「試してみたいこと」があった。



 やっておこうと思ったのは「スーを布団に寝かせること」で、試してみたかったのは「タブレットで、(現実世界からも)サラと話せないか?」だった。



 今のままではスーの体は、12時間もの間、座った状態のままになる。そのまま放っておいたら、体に疲労的なものが溜まりそうな気がした。



 スーは僕の為に一生懸命で、自分の体のことを考えないんじゃないか? そんな気もした。僕は頭の中で「防御ガン無視」のスーの戦闘シーンを思い出していた。



 ネオリスについても、そのままにはしておけないと思った。



 いくら「常識をすっとばしたい」と思っても、やっぱり年配の方は敬うべきな気がした。同じように寝具は用意してあげて、寝かせた状態で、ロープでグルグル巻きにすることを考えていた。



 少なくとも、現実世界に戻ってくるまでは、そう考えていた。



 でも、ネオリスを見てからは、考えに迷いが生じていた。どうしても「ネオリスに対して感じた申し訳なさ」を、払拭することができなかった。グルグル巻きにするのは、少しためらわれた。



(優先順だ、ポチタロウ・・・)



 そう自分に言い聞かせながら、一旦、ネオリスのことは保留した。



ーーーーーー



 次に僕は(サラに借りている)タブレットを操作して「遠くトーク」を立ち上げた。「コンタクト」からサラを選んで、ビデオ通話のアイコンをタップした。



 現実世界に戻る前に、サラの連絡先は、聞いて登録してあった。「僕が現実世界にいる間に、サラがタブレットを操れるのかどうか?」これも確認してあった。



 僕が現実世界にいる間、基本的にサラは「僕の目を通して」この世界を見ているらしい。でも、魔王討伐中の緊迫した場面では「水を飲んだ」とサラは言っていた。そこから推測して「サラは僕の目を通して見ることを、オフにもできるんじゃないか?」と考えたのだ。



 結論として、その予測は間違ってなかった。サラは自分の意思で「僕の目を通して外を見る」か「8畳ほどの空間で行動するか?」選べるらしい。



 僕が連絡を入れることも、事前にサラに告げておいたので、すぐさまサラとつながった。



「サラ、聞こえる?」



 僕は画面越しに見えるサラに、そう呼びかけた。ほんの少し、首を傾げてみた。



「はぐ! ・・・あ、あぁ。ちゃんと聞こえてるぜ? そっちはどうだ、ポチ公?」



 (一瞬「はぐ」っと言いながらも)サラから返答があった。



「うん、僕も聞こえてるよ」



 ・・・と応えながらも僕は、音量を少しだけ上げた。



「なら良かった・・・。ってか、こんな方法もあったのかよ! なんで、俺様はこんな便利なもんを・・・」



 ・・・と、ここからしばらく、サラが悪態をいていたので、ここらへんは割愛させてもらいたいと思う。



 とにかくまあ・・・。



 こうして僕は、サラと「念話を使わずに、現実世界でもやり取りできること」を確認した。


 
・・・
・・・
・・・。



 もちろん、念話の方が便利なのはわかっていた。でも「タブレットで連絡を取れる」のを確認したのには2つの意図があった。



 一つは節約の為だ。



 先述したとおり、一度サラと「念話」で会話のやり取りする度に、サラの精霊ポイントは500ポイント減ってしまう。(サラの為のポイントなのに、僕から話しかけても、サラのポイントが減ってしまう)



 糸目を排除して、創造主であるネオリスを無力化した後で、サラのポイントは300万ポイントを超えたらしい。それでも節約できるならば、それに越したことはない。



 ネオリスの持っている「創作クリエイトポイント」よりも、「精霊ポイント」はさらに上位次元のポイントらしい。そんなすごいものを、無碍むげに使ってはいけない気がした。それに、精霊ポイントは、あくまでサラのポイントなのだ。



 もう一つの意図は、タブレットの使用範囲の確認だった。



ー もしタブレットが「現実世界」と、「サラの空間」の間で使えるのであれば、他の大精霊(見習い)とも、コンタクトを取れるんじゃないか? ー



 スーからタブレットで連絡があった時に、僕はそう思いついていた。



 実際に試してみて、タブレットでサラと連絡が取れた。



 ということは、これで、シルやノムや(あまり気が進まないけれども)ディネとだって、連絡先を教えてもらえば、顔を見ながら会話をすることができる。



 自治区に残してきた僕の仲間達は、今、ノムが用意してくれたタブレットを持っているらしい。なので、こっちにも連絡をとることが可能だろう。



 スーが「タブレットで連絡をしてきてくれたこと」がきっかけで、こうしてまた、出来ることが増えた。



・・・
・・・
・・・。



 だからといって、僕が、さっそく「タブレットを使って誰かに連絡したか?」といえば、それはしなかった。



 自重した。



 ・・・いろいろと、自重した。



ーーーーーー



 正直にお伝えしておくと「シルが見てみたい」って気持ちはあった。



 舌っ足らずで可愛かったし、性格も素直でいい子な感じがした。独特の少し間延びした感じでしゃべるのを聞いているだけで、ほんわかして癒やされた気分になった。



 糸目がネオリスに頼んで、大精霊(見習い)も可愛い子で揃えたらしいので「顔もきっと可愛いだろう」そう、予測できた。



 でも、顔を見てしまったら「僕」のエッチな部分(あえてポチンコフとは書かない)が、また暴走を始めるような気がした。



 さすがに襲いかかったりはしないとは思うけど(というより、タブレットごしではそんなことはできないけど)、速効で好きになっちゃって、また「大好きです!」とか言い始めるんじゃないかと思った><。



 特にシルの場合は、声を聞いただけで「ゴビの海原」に放り込まれたように感じたのだ。「姿を見たらヤバい」・・・そう思った。



 なのでこれをまず、自重した。



 サファに宿っている水の大精霊(見習い)のディネ。この子も(別の意味で)気になった。



 サラによるとそんなに悪い子ではないらしいんだけれども、話した時の印象は悪かった。実際に顔を見ながら話をしてみて(弁解があるなら、それを聞いた上で)「小一時間くらい問い詰めたい」・・・なんて思いがちょっとあった。




 でもさすがの僕も、少しは学習していた。



 「小一時間くらい問い詰めたい」・・・なんて思ったところで、僕がそれをできた試しなんてないのだ><。今やるべきことではないとも思ったし、これも自重した。



ー 他の仲間達(ワフルやリリやサファ)に連絡がとってみたい。 ー



 これも思ったけど、これも自重した。



ー スーの授業をちゃんと聞く。 ー



 これをしっかりと実践して→ネオリスの今後の処遇も決めて→それから自治区へ帰る。そうしたいと思った。



ー 王座にたどりつくまでが、魔王討伐。 ー



 魔王討伐の際にそう決めた時と似た感じで、「家にたどりつくまでが遠足」的な感じで、そう思った。



ーーーーーー



ー 糸目がネオリスに頼んで、大精霊(見習い)も可愛い子で揃えた。 ー



 シルのことを考えた時に、僕はこれを思い出した。思い出したことで、ネオリスに聞いてみたいことが一つ増えた。



 サラや他の大精霊(見習い)が使える高次のAI、キュウロクによると、今、僕がいるこの世界よりも、さらには、ネオリスのいる創造者クリエイターの世界よりも、大精霊の世界の方が高次元らしい。



 でも、糸目の話や、ネオリスの話を聞いた感じでは「大精霊の世界」と「ネオリスの世界」の間で、何かのやり取りはできていたハズだった。



 実際にネオリス自身も「創作クリエイトポイント」と「精霊ポイント」を交換できると言っていた。(「精霊ポイント」の方がレートが高いけど、交換可能だと言っていた)



 ネオリスの世界と、大精霊の世界にどんなつながりがあるのか? どうやってやり取りをしていたのか?



 僕は、ここらへんについてを、何も知らないことに気づいた。これがわかれば、サラのところにたどりつくきっかけになるかもしれない。そう思い当たった。



 なので、これもネオリスに聞いてみようと思った。



・精霊界? とクリエイターの世界の関係性についてもネオリスに聞いてみる。



 僕は、メモしてあった「ネオリスに聞いてみたいこと」の一覧に、こう付け足した。



 付け足しただけで、実際にネオリスに聞くのは後回しにした。「スーの授業を聞く」前に「スーをベッドに寝かせること」これを今の最優先事項にした。



 ほんの少しだけ僕は、脱線しなくなった。



ーーーーーー



 ここから先については、細かく描写していると、キリがないので、少しだけ駆け足で、割愛しながらお伝えさせてもらいたいと思う。



 まず僕は、タブレットのアラームをAM8時にセットした。教室を改装して、スーが寝れる状態にするつもりでいたので、スーの授業が始まる前に、部屋を元の状態に戻す時間を確保する為にそうした。



 タブレットをサラと通話状態にして、ハンズフリーにした。(音量をさらに、もう少し上げた)サラと話しながら、学習机や椅子を再度、サラの空間へと持って行った。逆にサラには「寝具」を用意してもらうことにした。



 もちろん、スーが寝る為のものだ。



 魔王討伐の報酬として「ふかふかベッド」を要求したスーを思い出して、一瞬「最高級のベッドを用意するべきかな?」って思った。(実際に、自治区のスーの部屋に置いてあるベッドは「王宮か!?」ってツッコミたくなるくらいの高級品だ)でも、サラのポイントを大量に消費するだろうから、それはやめておいた。



 代わりに「サラの次元」の「マットレス」を用意してもらった。僕が元いた世界の物を買うよりは、そっちの方が安くて良いものが買えそうだったからだ。枕や敷き布団のカバーも「サラの次元のもの」で、用意してもらった。現実世界で、それらを整えた。



 かけておいた毛布と一緒に、スーをお姫様だっこで持ち上げて、マットレスに寝かせた。毛布も整えて、一旦作業を終えた。



 部屋を改装しまくっているうちに、自分が演劇の舞台転換でもしているんじゃないかと思えてきた。大道具さんになった気がしてきた。



(僕は大道具さんでもなくて、ポチタロウだ・・・)



 何故か自分にそう言い聞かせた。



・・・
・・・
・・・。



 ここまでを終えて、目を閉じたスーを見ながら、僕はまた、一つのことが気になりだした。長い時間、同じ姿勢でいると「床ずれ」なるものが起こることを思い出した。



 一瞬どうするか迷ったけど「3時間おきに、こっちの世界へ戻ってきて、スーの体勢を少し変える」そう思いついたので、これを実行することにした。



 ネオリスを「ヒモでグルグル巻きにするか?」は、まだ決めかねていたので、先に僕は別の用件を済ませてしまうことにした。



 僕は(黒板の後ろでまだモゾモゾ動いていた)エクに声をかけてみた。



「ねぇ、エク? エクは寝なくても大丈夫なの?」



ー ・・・ピタッ。 ー



 一瞬、間があって、エクの動きが止まった。(エクの不器用さを思い出しながら「アンドロイドなのに、マルチタスクも苦手なのかな?」なんてことを考えた)



「あっし、自動で充電できるので、大丈夫でヤンス! 作業ももうすぐ、終わるでヤンス!」



 一瞬後、エクから大きな声で、こんな返答があった。



(たぶんまた「手動」で充電するんだろうな・・・)



 僕はそう思った。



 「自動で修復する」と言いながら「手動で軟膏を塗りつけた」エクのことを思い出しながら、そう思った。



 とりあえずエクのことは、エクにまかせておくことにした。黒板もそのまま残しておくことにした。



「無理はしないでね」



 スーの時と同じように、僕はエクに、それだけ追加で伝えた。



「わかったでヤンス!」



 部屋に反響しながら、エクの元気な声が返ってきた。



ーーーーーー



ー ネオリスをグルグル巻きにするかどうかを決める。 ー 



 現実世界でやっておくことは、残すところはこれだけになった。一旦保留した、これに着手する時間がやってきた。着手する気力も沸いてきた。



ー 簡単なことから解決していけば、難しいことにも着手できるようになる ー



 なんだかこんな教えを聞いたことがあったのも思い出した。



(グルグル巻くか、巻かないか?)



 一人で考えていてもよくわからなかったし、もしサラに聞いたら(結構容赦なく)「全力で縛り付けておけ!」って言われそうな気がしたので、僕は、ネオリス本人に、直接聞いてみることにした。



(巻いてもいいですか?)と。



 正直、とんでもない質問だとは、自分でもわかっていた。(ちょっとローゼンメ○デンぽいこともわかっていた)



 でも「僕のファン」なネオリスならばひょっとしたら、縛り付けることもご褒美になるんじゃないか? そんな一縷の望みに期待した。スーの体勢を変える際に、同じようにネオリスの体勢も変えることで、手を打ってもらえないか? そう考えた。



 それを引き受けてもらえるとは、正直あんまり思っていなかった。



ー ひょっとしたら、ひょっとするかな? ー



 こんな感じで、ネオリスが僕を、大魔王にしようとした時にそうしたように「とりあえず聞くだけ聞いてみよう」・・・そんな心持ちだった。



 僕は、椅子に座ってうつむいて佇んでいる、ネオリスの方へ足を運んだ。ネオリスが(また)顔を上げた。僕はネオリスに声をかけた。



「ネオリスさん・・・?」
「はい、なんでしょうか、ポチタロウさん?」



 (前にも聞いたことのある感じで)ネオリスが応えた。


 
「申し訳なくも思いますが、今から明日の朝9時まで、ネオリスさんをベッドで寝かせた状態で、拘束させてもらおうと思います」



 「巻いてもいいですか?」は、さすがにどうかと思ったので、僕は言葉を選びながらネオリスにそう告げた。特になんの反応も返ってこなかったので、言葉を続けた。



「3時間置きくらいに、と・・・えーっと。体の位置を少しずらすくらいのことはさせてもらいますので・・・。それでなんとか我慢していただけないでしょうか?」



 「床ずれ」という言葉を、使いかけて言い換えながら、僕はネオリスにそうお願いした。ご年配の方に「床ずれ」という単語を使うのは、なんだか「老人介護」的で失礼な気がした。



「ワタシはそれでも別に構いませんが・・・。それならポチタロウさんに、ワタシから一つ、ご提案があります」



 ネオリスはこう答えた。



 (構わないんだ!?)



 僕は(頭の中で)そうツッコんだ。



 ダメ元で聞いてみたら、大丈夫だった・・・。



 僕はそれに気を取られてしまった><。



 (いつものごとく)ネオリスが言った言葉の、後半部分については、ほとんど頭に入っていなかった><。


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