11 / 73
11
早いものでマシェリア王国に来てから半年が経とうとしている。
ガルシア公爵家は皆が優しくとても居心地がいい。
ユーリ兄様とアルト兄様とも仲良くやれている。
仲良くやれていると言うよりかは、本当の妹のように可愛がってもらっている。⋯⋯少し過保護過ぎるくらい構われている。それはお婆様と伯父様にも言えることだけどね。
だから、すっかり私もこの環境にも慣れて伸び伸びと過ごすことができている。
自分らしく生きると決めてから、少しずつ甘えることも出来るようになった。
そんなある日、子供たちを集めて王宮でお茶会が開かれることになった。
たぶん、クロイツ殿下の婚約者選びなのではないかと密かに思っていたりする。
まあ、招待された年齢は上は15歳から下は5歳らしいけれど、何故か4歳の私も招待された。
一応、12歳未満の令息令嬢は保護者の同伴が必須らしいけれど、ガルシア公爵家からはお婆様がユーリ兄様とアルト兄様、そして私の保護者として参加することになった。
ちなみに伯父様は仕事で不参加だ。
まだ友達の居ない私は少しだけ期待していたりする。
前回は人の顔色ばかり伺って本音で話せる人は1人も居なかったからね。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
そしてお茶会当日、私たちは馬車で王宮に向かっていた。
「「リリーシアは僕たちから離れないこと!」」
「あい」
「「もし、はぐれたら大きな声で僕たちを呼ぶんだよ」」
「あい」
「「それから⋯⋯」」
本当に過保護な兄様たちだよ。
ま、誰も気にかけてもらえなかった前回と比べるとこれが単純に嬉しかったりするんだよね。
「2人ともすっかりお兄様ね」
と、私たちのやり取りにお婆様は嬉しそうだ。
お?
いつもなら馬車が到着するなりクロイツ殿下に抱き上げられるのに今日は姿が見えない。
⋯⋯と、いうことは!
自分の足で歩けるってこと!
祝!初体験!いぇーい!
ユーリ兄様とアルト兄様に左右の手を繋がれ会場までは王宮侍女に案内された。
会場には既に大勢の子息や令嬢が集まっていた。
私たちの登場に視線が集まる。
どうしてだか足が止まる⋯⋯いえ、動かなくなった。
視線なら前回で嫌という程向けられてきた。
それも敵意や蔑みなどそんな嫌な視線を⋯⋯
大丈夫⋯⋯大丈夫よ。
ここにはべティーもギリアン殿下もいない。
敵だらけだった当時の学園の生徒もいない。
ここには私の敵はいないはずだ。
それに、お婆様、ユーリ兄様とアルト兄様が⋯⋯守ってくれる人が傍にいる。
大丈夫。そう自分に言い聞かせて一歩を踏み出した。気遣わしげに私を見ていた兄様たちに何でもないよ!と笑顔で伝えた。
案内されたのは王族席からもっとも近いテーブルだった。
暫くすると騒がしくなり王妃様とクロイツ殿下が登場してきた。
⋯⋯だ、誰?
優しそうな笑みを浮かべ、ザ・王子様がそこにはいた。
私には片方の口角を上げて意地悪な顔しか見せないクロイツ殿下が、令嬢たちの甲高い黄色い悲鳴にも笑顔で応えている。
本当に誰だよ。⋯⋯気持ち悪いな。
だって、目の奥が笑ってないよ。
ガルシア公爵家は皆が優しくとても居心地がいい。
ユーリ兄様とアルト兄様とも仲良くやれている。
仲良くやれていると言うよりかは、本当の妹のように可愛がってもらっている。⋯⋯少し過保護過ぎるくらい構われている。それはお婆様と伯父様にも言えることだけどね。
だから、すっかり私もこの環境にも慣れて伸び伸びと過ごすことができている。
自分らしく生きると決めてから、少しずつ甘えることも出来るようになった。
そんなある日、子供たちを集めて王宮でお茶会が開かれることになった。
たぶん、クロイツ殿下の婚約者選びなのではないかと密かに思っていたりする。
まあ、招待された年齢は上は15歳から下は5歳らしいけれど、何故か4歳の私も招待された。
一応、12歳未満の令息令嬢は保護者の同伴が必須らしいけれど、ガルシア公爵家からはお婆様がユーリ兄様とアルト兄様、そして私の保護者として参加することになった。
ちなみに伯父様は仕事で不参加だ。
まだ友達の居ない私は少しだけ期待していたりする。
前回は人の顔色ばかり伺って本音で話せる人は1人も居なかったからね。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
そしてお茶会当日、私たちは馬車で王宮に向かっていた。
「「リリーシアは僕たちから離れないこと!」」
「あい」
「「もし、はぐれたら大きな声で僕たちを呼ぶんだよ」」
「あい」
「「それから⋯⋯」」
本当に過保護な兄様たちだよ。
ま、誰も気にかけてもらえなかった前回と比べるとこれが単純に嬉しかったりするんだよね。
「2人ともすっかりお兄様ね」
と、私たちのやり取りにお婆様は嬉しそうだ。
お?
いつもなら馬車が到着するなりクロイツ殿下に抱き上げられるのに今日は姿が見えない。
⋯⋯と、いうことは!
自分の足で歩けるってこと!
祝!初体験!いぇーい!
ユーリ兄様とアルト兄様に左右の手を繋がれ会場までは王宮侍女に案内された。
会場には既に大勢の子息や令嬢が集まっていた。
私たちの登場に視線が集まる。
どうしてだか足が止まる⋯⋯いえ、動かなくなった。
視線なら前回で嫌という程向けられてきた。
それも敵意や蔑みなどそんな嫌な視線を⋯⋯
大丈夫⋯⋯大丈夫よ。
ここにはべティーもギリアン殿下もいない。
敵だらけだった当時の学園の生徒もいない。
ここには私の敵はいないはずだ。
それに、お婆様、ユーリ兄様とアルト兄様が⋯⋯守ってくれる人が傍にいる。
大丈夫。そう自分に言い聞かせて一歩を踏み出した。気遣わしげに私を見ていた兄様たちに何でもないよ!と笑顔で伝えた。
案内されたのは王族席からもっとも近いテーブルだった。
暫くすると騒がしくなり王妃様とクロイツ殿下が登場してきた。
⋯⋯だ、誰?
優しそうな笑みを浮かべ、ザ・王子様がそこにはいた。
私には片方の口角を上げて意地悪な顔しか見せないクロイツ殿下が、令嬢たちの甲高い黄色い悲鳴にも笑顔で応えている。
本当に誰だよ。⋯⋯気持ち悪いな。
だって、目の奥が笑ってないよ。
あなたにおすすめの小説
全てがどうでもよくなった私は理想郷へ旅立つ
霜月満月
恋愛
「ああ、やっぱりあなたはまたそうして私を責めるのね‥‥」
ジュリア・タリアヴィーニは公爵令嬢。そして、婚約者は自国の王太子。
でも私が殿下と結婚することはない。だってあなたは他の人を選んだのだもの。『前』と変わらず━━
これはとある能力を持つ一族に産まれた令嬢と自身に掛けられた封印に縛られる王太子の遠回りな物語。
※なろう様で投稿済みの作品です。
※画像はジュリアの婚約披露の時のイメージです。
いくら時が戻っても
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
大切な書類を忘れ家に取りに帰ったセディク。
庭では妻フェリシアが友人二人とお茶会をしていた。
思ってもいなかった妻の言葉を聞いた時、セディクは―――
短編予定。
救いなし予定。
ひたすらムカつくかもしれません。
嫌いな方は避けてください。
※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。
魔法のせいだから許して?
ましろ
恋愛
リーゼロッテの婚約者であるジークハルト王子の突然の心変わり。嫌悪を顕にした眼差し、口を開けば暴言、身に覚えの無い出来事までリーゼのせいにされる。リーゼは学園で孤立し、ジークハルトは美しい女性の手を取り愛おしそうに見つめながら愛を囁く。
どうしてこんなことに?それでもきっと今だけ……そう、自分に言い聞かせて耐えた。でも、そろそろ一年。もう終わらせたい、そう思っていたある日、リーゼは殿下に罵倒され頬を張られ怪我をした。
──もう無理。王妃様に頼み、なんとか婚約解消することができた。
しかしその後、彼の心変わりは魅了魔法のせいだと分かり……
魔法のせいなら許せる?
基本ご都合主義。ゆるゆる設定です。
婚約破棄をしてきた婚約者と私を嵌めた妹、そして助けてくれなかった人達に断罪を。
しげむろ ゆうき
恋愛
卒業パーティーで私は婚約者の第一王太子殿下に婚約破棄を言い渡される。
全て妹と、私を追い落としたい貴族に嵌められた所為である。
しかも、王妃も父親も助けてはくれない。
だから、私は……。
そんなにその方が気になるなら、どうぞずっと一緒にいて下さい。私は二度とあなたとは関わりませんので……。
しげむろ ゆうき
恋愛
男爵令嬢と仲良くする婚約者に、何度注意しても聞いてくれない
そして、ある日、婚約者のある言葉を聞き、私はつい言ってしまうのだった
全五話
※ホラー無し
あなたの隣に私は必要ですか?
らんか
恋愛
政略結婚にて、3年前より婚約し、学園卒業と共に嫁ぐ予定であったアリーシア。
しかし、諸事情により結婚式は延期され、次の結婚式の日取りさえなかなか決められない状況であった。
そんなアリーシアの婚約者ルートヴィッヒは、護衛対象である第三王女ミーアの傍を片時も離れようとしない。
月1回の婚約者同士のお茶会もすぐに切り上げてしまい、夜会へのエスコートすらしてもらった事がない。
そんな状況で、アリーシアは思う。
私はあなたの隣に必要でしょうか? あなたが求めているのは別の人ではないのでしょうかと。
愛は全てを解決しない
火野村志紀
恋愛
デセルバート男爵セザールは当主として重圧から逃れるために、愛する女性の手を取った。妻子や多くの使用人を残して。
それから十年後、セザールは自国に戻ってきた。高い地位に就いた彼は罪滅ぼしのため、妻子たちを援助しようと思ったのだ。
しかしデセルバート家は既に没落していた。
※なろう様にも投稿中。
初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―
望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」
【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。
そして、それに返したオリービアの一言は、
「あらあら、まぁ」
の六文字だった。
屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。
ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて……
※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。