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オーギュスト王国編
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えっと⋯⋯暇なのかな?
うん、暇なんだよね?
突然馬車が止まっても、襲われている音も雰囲気もなかったからねそんな気はしたんだよ。
「おかえり。皆んな元気だったかい?」
失礼にもノックもなくドアを開けたのは、見慣れた金髪にロイヤルブルーの瞳のクロイツ殿下だった。相変わらず胡散臭そうな笑顔だ。
そっとリズベットが席を立ち向かい側に移動するものだから、馬車に乗り込んできたクロイツ殿下は当たり前のように私の隣に座った。
「そう言えばお前たちにはまだ婚約者がいなかったな?いい人は出来たか?」
「ん~リリーシア姉様とギリアン殿下に婚約話があったよ~」
「ミカエル⋯⋯それはもう話はついているわ」
「⋯⋯へぇ」
こんな話を聞かせたら『振られたのか』ってクロイツ殿下にまた揶揄われるからやめてよ。
⋯⋯あれ?何も言ってこない。
いつもなら笑い飛ばすか、馬鹿にするのにと思いクロイツ殿下の方を向くと、笑顔だけど目が笑っていないような⋯⋯てか怖い。
「わたくしも残念ですがそのような方には巡り会っておりませんわ」
この雰囲気を変えてくれてありがとうリズベット!
「わ、わたしもです」
「⋯⋯俺は⋯いません」
ほら~マリエルとレイも怖かっているじゃない。
「だからね~僕がリリーシア姉様の婚約者に立候補したんだ~でも速攻でお断りされちゃった~えへへっ」
ミカエルは⋯⋯通常通りね。もう、アンタは黙っていなさい。
「それでさ~ギリアンのせいでリリーシア姉様なんて女の子たちから意地悪されたんだよ~」
ミカエル!それを言うな~!
「⋯⋯へぇ、それは解決したのか?」
ん?クロイツ殿下がレイに視線を向けた?
「うん!ミラドール公爵がね!」
「⋯⋯」
「でね!今ではリリーシア姉様なんて悪役令嬢って呼ばれてて、皆から恐れられているんだよ~」
もうイヤ!馬車から引きずり下ろそうかしら?
「ぷっ」
このクロイツ殿下の『ぷっ』久しぶりに聞いたけれど何度聞いてもイラッとくるわね。
「悪役令嬢だって?」
「そうだよ~」
「ぷっこんなに可愛いのにな~」って、ニヤリと意地悪そうな顔で頭を撫でてきた。
うぐぐ⋯⋯これよこの顔!ムカつくけれど懐かしさすら感じてしまう。
クロイツ殿下は今も私を子供扱いするのだ。
「相変わらず殿下とリリーシア姉様は仲がいいよね~僕ヤキモチをやいちゃうよ~」
本当に黙ってて!
マジでミカエルの口を縫いつけちゃおうかしら?
「俺はコイツがオムツをしている頃から面倒を見てやっているからな」
「んなわけないでしょ!クロイツ殿下と初めて会ったのは私が4歳の時よ!とっくにオムツは取れていたわ!」
リズベット?マリエル?なに笑っているのよ。
レイ?顔を背けても肩がプルプルしているわよ。
この休暇中に何度クロイツ殿下に付き合わされるんだろう?と思うとため息が出ちゃう。
こんな感じのクロイツ殿下だけれど嫌いにはなれないんだよね。
うん、暇なんだよね?
突然馬車が止まっても、襲われている音も雰囲気もなかったからねそんな気はしたんだよ。
「おかえり。皆んな元気だったかい?」
失礼にもノックもなくドアを開けたのは、見慣れた金髪にロイヤルブルーの瞳のクロイツ殿下だった。相変わらず胡散臭そうな笑顔だ。
そっとリズベットが席を立ち向かい側に移動するものだから、馬車に乗り込んできたクロイツ殿下は当たり前のように私の隣に座った。
「そう言えばお前たちにはまだ婚約者がいなかったな?いい人は出来たか?」
「ん~リリーシア姉様とギリアン殿下に婚約話があったよ~」
「ミカエル⋯⋯それはもう話はついているわ」
「⋯⋯へぇ」
こんな話を聞かせたら『振られたのか』ってクロイツ殿下にまた揶揄われるからやめてよ。
⋯⋯あれ?何も言ってこない。
いつもなら笑い飛ばすか、馬鹿にするのにと思いクロイツ殿下の方を向くと、笑顔だけど目が笑っていないような⋯⋯てか怖い。
「わたくしも残念ですがそのような方には巡り会っておりませんわ」
この雰囲気を変えてくれてありがとうリズベット!
「わ、わたしもです」
「⋯⋯俺は⋯いません」
ほら~マリエルとレイも怖かっているじゃない。
「だからね~僕がリリーシア姉様の婚約者に立候補したんだ~でも速攻でお断りされちゃった~えへへっ」
ミカエルは⋯⋯通常通りね。もう、アンタは黙っていなさい。
「それでさ~ギリアンのせいでリリーシア姉様なんて女の子たちから意地悪されたんだよ~」
ミカエル!それを言うな~!
「⋯⋯へぇ、それは解決したのか?」
ん?クロイツ殿下がレイに視線を向けた?
「うん!ミラドール公爵がね!」
「⋯⋯」
「でね!今ではリリーシア姉様なんて悪役令嬢って呼ばれてて、皆から恐れられているんだよ~」
もうイヤ!馬車から引きずり下ろそうかしら?
「ぷっ」
このクロイツ殿下の『ぷっ』久しぶりに聞いたけれど何度聞いてもイラッとくるわね。
「悪役令嬢だって?」
「そうだよ~」
「ぷっこんなに可愛いのにな~」って、ニヤリと意地悪そうな顔で頭を撫でてきた。
うぐぐ⋯⋯これよこの顔!ムカつくけれど懐かしさすら感じてしまう。
クロイツ殿下は今も私を子供扱いするのだ。
「相変わらず殿下とリリーシア姉様は仲がいいよね~僕ヤキモチをやいちゃうよ~」
本当に黙ってて!
マジでミカエルの口を縫いつけちゃおうかしら?
「俺はコイツがオムツをしている頃から面倒を見てやっているからな」
「んなわけないでしょ!クロイツ殿下と初めて会ったのは私が4歳の時よ!とっくにオムツは取れていたわ!」
リズベット?マリエル?なに笑っているのよ。
レイ?顔を背けても肩がプルプルしているわよ。
この休暇中に何度クロイツ殿下に付き合わされるんだろう?と思うとため息が出ちゃう。
こんな感じのクロイツ殿下だけれど嫌いにはなれないんだよね。
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