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あのあとすぐにアランとレイが応接室に入ってきた。
「エリーまたそんな格好をしてダメじゃないか。お客様がいるんだよ。」
「お客様ってルフランでしょ?これから長い付き合いになるんだから本来の私を最初から見せるべきだわ」
「そうだぞ、アラン。エリーはそのままでいいんだ。」
「ありがとう。ルフラン」
「ルフランがそれでいいのなら何も言わないよ」
「わたしもルフランって呼んでいいかしら?私のことはレイと呼んで」
レイ、淑女モードはやめたのね。
「ああレイ」
その時メイドが昼食の用意が出来たと呼びに来た。
「先に食事を済ませようか」
4人で食事をしていると平民のはずのルフランが綺麗な所作で食べていることに気づいた。
もしかして言えないだけで本当は高貴な生まれなのかも?
誰も何も言わないから聞かない方がいいよね。
食事が終わると庭園が一望できるテラスに移動した。
「レイあの転んだ子の名前って分かる?」
「言ってなかったわね。ティンドウ男爵家のミーシャ嬢よ」
「ミーシャ嬢ね、分かっているだろけどアラン気をつけてね。」
「僕は一途だからね。余所見なんてしないよ」
アランてば、それとなくレイにアピールするんだから。
ほら、レイが赤くなってるじゃない。
「お、俺も一途だぞ」
いや、ルフランには聞いてないわよ?
「そうなんだ。ルフランは好きな人がいるんだね。頑張ってね。」
なぜか彼が落ち込んだように見える。
そして、アランとレイは彼を哀れんだ目で見ている。
ルフランの好きな子をアランとレイは知っているのか?
いやいやそれはないな。
「第三王子のクラスは分かる?」
「ミーシャ嬢と同じCクラスよ」
やっぱりアホ頭だったのね!
「それは王族としてどうなんだ?」
平民のルフランにも心配される王子って・・
「昔から彼は変わらないわ。嫌いなことから逃げてばかりだったの。王子教育からも剣術や体術指導からもね。それは今も変わっていないわ」
「レイは第三王子の婚約者なの」
「それは残念としか言えないな」
「それも今だけだよ」
アランの滅多に見せない黒い笑顔だ。
それよりルフランいるけど大丈夫なの?
「それは何よりだ、なんなら俺も手を貸すぞ」
おいおい!何を言い出すんだルフラン!
2人で頷きあってどうするの!
「僕はレイと話があるから庭園を散歩してくるよ。エリー、ルフランのこと頼んだよ」
「ええ任せて。行ってらっしゃい」
「あの2人は思い合っているのか・・」
隠してもしょうがないわね。
「そうなの。出会った瞬間から惹かれあっていたわ」
「そうだったのか。そ、そのエリーは好きなヤツは・・いないのか?」
「そんな人今までいたことなかったわね。私はウインティア王国では邸から出なかったし、友達もいなかったの。アトラニア王国に来てからもアランがずっと側にいてくれたからね。レイが初めての友達なの」
「気になるヤツとかもいないのか?」
随分聞いてくるわね。
「いないわね。でもルフランのことは気になるわ!」
「え?」
「だってもう友達でしょ?違うの?」
「あ、ああ、そっちか。そうだな友達だ。エリーには俺のことをもっと知ってもらいたいよ」
「ええ、私のこともルフランに知って欲しいわ。」
2人目の友達ゲット~!
「またここにも遊びに来てくれたら嬉しいわ」
「ああ、いつでも誘ってくれ」
ルフランの口の端が上がってる。
「一応聞くけどルフランに婚約者はいないの?」
「いないよ」
「それなら誰にも気兼ねなく仲良くできるわね」
「そうしてくれると俺も嬉しい」
また、口の端が上がってる。
「ルフランと出会えてよかった」
聞こえないような小さな声が自然と口からこぼれた。
その声がルフランに聞こえているなんて知らなかったの。
彼の顔が赤くなっていたことも。
メガネで見えない目が潤んでいたことも。
その頃のアランとレイ
「ルフランがエリーに会うために留学までしてくるなんてね。彼は本当に一途みたいね」
「そうだね。でも、彼がいるとヒロイン対策の話がしにくくなるね。」
「ウインティア王国のゲームのことは伏せて、アトラニア王国のゲームの話しだけをルフランにするのはどうかしら?まだこっちのヒロインが転生者かそうでないかの見極めは出来てないけど、ルフランなら何かあってもエリーを守れる人だわ」
「もう少し様子を見ようか。あの子バカみたいだからすぐにボロを出すと思うんだ。それに、アホ頭もあの子に落とされるんでしょ?その時がチャンスだよ。」
「めっ!アラン最近言葉が悪くなってきたわよ!」
「いいねそれ!レイ~もう一回怒って!」
こんなアランをエリーも知らないんじゃないかしら。
わたしだけに見せてくれるアランの姿が愛おしい。
「レイとエリーに何か仕掛けて来ない限り暫く放っておこう」
「ひと月もすれば向こうで"異世界転移"してきたヒロインがエリーとルフランそれに僕のいない学園でどうしているかもゾルティー殿下から報告が来ると思うんだ。」
そうね。
向こうのヒロインのことも気になるわね。
エリーを陥れるような人間だもの。
他の誰かを自分の為に悪役令嬢に仕立てるぐらいはやりそうね。
こっちのヒロインがゲーム通りの行動をするなら避けることは簡単だわ。
もし転生者なら誰を選ぶのかしら?
わたしとアランの将来のため。
エリーの幸せのため。
その為なら、わたしは何だってやってみせるわ。
「エリーまたそんな格好をしてダメじゃないか。お客様がいるんだよ。」
「お客様ってルフランでしょ?これから長い付き合いになるんだから本来の私を最初から見せるべきだわ」
「そうだぞ、アラン。エリーはそのままでいいんだ。」
「ありがとう。ルフラン」
「ルフランがそれでいいのなら何も言わないよ」
「わたしもルフランって呼んでいいかしら?私のことはレイと呼んで」
レイ、淑女モードはやめたのね。
「ああレイ」
その時メイドが昼食の用意が出来たと呼びに来た。
「先に食事を済ませようか」
4人で食事をしていると平民のはずのルフランが綺麗な所作で食べていることに気づいた。
もしかして言えないだけで本当は高貴な生まれなのかも?
誰も何も言わないから聞かない方がいいよね。
食事が終わると庭園が一望できるテラスに移動した。
「レイあの転んだ子の名前って分かる?」
「言ってなかったわね。ティンドウ男爵家のミーシャ嬢よ」
「ミーシャ嬢ね、分かっているだろけどアラン気をつけてね。」
「僕は一途だからね。余所見なんてしないよ」
アランてば、それとなくレイにアピールするんだから。
ほら、レイが赤くなってるじゃない。
「お、俺も一途だぞ」
いや、ルフランには聞いてないわよ?
「そうなんだ。ルフランは好きな人がいるんだね。頑張ってね。」
なぜか彼が落ち込んだように見える。
そして、アランとレイは彼を哀れんだ目で見ている。
ルフランの好きな子をアランとレイは知っているのか?
いやいやそれはないな。
「第三王子のクラスは分かる?」
「ミーシャ嬢と同じCクラスよ」
やっぱりアホ頭だったのね!
「それは王族としてどうなんだ?」
平民のルフランにも心配される王子って・・
「昔から彼は変わらないわ。嫌いなことから逃げてばかりだったの。王子教育からも剣術や体術指導からもね。それは今も変わっていないわ」
「レイは第三王子の婚約者なの」
「それは残念としか言えないな」
「それも今だけだよ」
アランの滅多に見せない黒い笑顔だ。
それよりルフランいるけど大丈夫なの?
「それは何よりだ、なんなら俺も手を貸すぞ」
おいおい!何を言い出すんだルフラン!
2人で頷きあってどうするの!
「僕はレイと話があるから庭園を散歩してくるよ。エリー、ルフランのこと頼んだよ」
「ええ任せて。行ってらっしゃい」
「あの2人は思い合っているのか・・」
隠してもしょうがないわね。
「そうなの。出会った瞬間から惹かれあっていたわ」
「そうだったのか。そ、そのエリーは好きなヤツは・・いないのか?」
「そんな人今までいたことなかったわね。私はウインティア王国では邸から出なかったし、友達もいなかったの。アトラニア王国に来てからもアランがずっと側にいてくれたからね。レイが初めての友達なの」
「気になるヤツとかもいないのか?」
随分聞いてくるわね。
「いないわね。でもルフランのことは気になるわ!」
「え?」
「だってもう友達でしょ?違うの?」
「あ、ああ、そっちか。そうだな友達だ。エリーには俺のことをもっと知ってもらいたいよ」
「ええ、私のこともルフランに知って欲しいわ。」
2人目の友達ゲット~!
「またここにも遊びに来てくれたら嬉しいわ」
「ああ、いつでも誘ってくれ」
ルフランの口の端が上がってる。
「一応聞くけどルフランに婚約者はいないの?」
「いないよ」
「それなら誰にも気兼ねなく仲良くできるわね」
「そうしてくれると俺も嬉しい」
また、口の端が上がってる。
「ルフランと出会えてよかった」
聞こえないような小さな声が自然と口からこぼれた。
その声がルフランに聞こえているなんて知らなかったの。
彼の顔が赤くなっていたことも。
メガネで見えない目が潤んでいたことも。
その頃のアランとレイ
「ルフランがエリーに会うために留学までしてくるなんてね。彼は本当に一途みたいね」
「そうだね。でも、彼がいるとヒロイン対策の話がしにくくなるね。」
「ウインティア王国のゲームのことは伏せて、アトラニア王国のゲームの話しだけをルフランにするのはどうかしら?まだこっちのヒロインが転生者かそうでないかの見極めは出来てないけど、ルフランなら何かあってもエリーを守れる人だわ」
「もう少し様子を見ようか。あの子バカみたいだからすぐにボロを出すと思うんだ。それに、アホ頭もあの子に落とされるんでしょ?その時がチャンスだよ。」
「めっ!アラン最近言葉が悪くなってきたわよ!」
「いいねそれ!レイ~もう一回怒って!」
こんなアランをエリーも知らないんじゃないかしら。
わたしだけに見せてくれるアランの姿が愛おしい。
「レイとエリーに何か仕掛けて来ない限り暫く放っておこう」
「ひと月もすれば向こうで"異世界転移"してきたヒロインがエリーとルフランそれに僕のいない学園でどうしているかもゾルティー殿下から報告が来ると思うんだ。」
そうね。
向こうのヒロインのことも気になるわね。
エリーを陥れるような人間だもの。
他の誰かを自分の為に悪役令嬢に仕立てるぐらいはやりそうね。
こっちのヒロインがゲーム通りの行動をするなら避けることは簡単だわ。
もし転生者なら誰を選ぶのかしら?
わたしとアランの将来のため。
エリーの幸せのため。
その為なら、わたしは何だってやってみせるわ。
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