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ウインティア王国編
105
「彼女は今も自分が次期王妃になると信じているようですよ」
ここまでくるとその執念が怖すぎだろ。
「それから研究者によると、"お母様、乙女ゲーム、転生者"と途切れ途切れにその言葉を繰り返し言っているそうです」
乙女ゲーム?転生者だと?
なんでアイツがその言葉を知っているんだ?
アイツも転生者だったのか?
いや、母親が転生者だったのか?
「「乙女ゲームと転生者の意味が分からないのですが・・・」」
ああ、お前たちはそこまでは知らないからな。
転移者は過去にも何人かいたと文献には残っているからそれは知っているだろうが、転生者と乙女ゲームは分からないだろうな。
出来れば最後の時まで会いたくはなかったが、一度セルティ嬢には会った方がいいかもしれない。
それにアランとレイの意見も聞きたい。
今日はさすがに無理だろうが、少しでも早く相談しないと取り返しがつかなくなりそうな予感がする。
マイを投獄して終わったはずじゃなかったのか?
またエリーが危険にさらされたりしないよな?
「今日はここまでにしよう。お前たちも支度しないと結婚披露パーティーに遅れるぞ」
退室するゾルティーを呼び止め「あとで」と
言えばそれだけで伝わったようだ。
俺もパーティーの衣装に着替えエリーの待つ部屋へと向かう。
頭にはさっきの報告が何度も繰り返される。
"お母様、乙女ゲーム、転生者"
お母様はセルティ公爵夫人のことだろうが、乙女ゲームは、レイが言っていたこの世界のことで間違いないだろう。
なら転生者は?
乙女ゲームを知るエリーとレイの他にもいるとしら?
ソイツは今まで何をしていたんだ?
その転生者のゲームでの役割は?
まだ、レイの知らない何かがあるのか?
今考えても何も分からない。
やはり、申し訳ないが今日のパーティーでアランとレイに聞いてしまった方がいい。
エリーにもその時に伝えればいいだろう。
あの話を聞いてから心臓をギュッと鷲掴みされているような、胸騒ぎがするんだ。
すごく嫌な予感がする・・・
俺は何事もなかったかのような顔を作りエリーの待つ部屋の扉をノックする。
中からは「どうぞ」とエリーの穏やかな声が聞こえた。
それまでの胸の澱みがぶっ飛んだ。
!!
やはり、エリーは女神だったのか?
まるで後光が差してるかのように輝いて見える。
「エリー!綺麗だ!」
抱きしめようと手を広げた俺を鋭く睨むエリーを見て俺の頭に警報が鳴った。
・・・危なかった。
「ふふふっ私の教育も無駄じゃなかったわね」
「「「流石です!ウォルシュ侯爵令嬢」」」
メイド達が羨望の眼差しでエリーを見つめているが何が流石なんだ?
それよりも確かにとてもドレスが似合っているが、気になるのは胸元だ。
上から見下ろすと谷間が見えるのだが・・・
「エリー・・・その、胸元が開きすぎじゃないか?」
俺が見る分にはいいんだ。
俺は既にエリーの夫のつもりだからな!
だが!エリーの陶器のような白い肌を他の奴には見せたくない!
「そんなことないよ。普通よりも控え目なんですって」
誰がそんなことを言ったんだ!
「似合ってない?」
不安そうに俺を見上げるエリーを見たら許すしかないだろ。
「すごく似合っているよ。エリーに似合わないドレスなどないから安心しろ」
「よかった」
ニコリと笑う俺の嫁が可愛い!
「じゃあ行くか」
公の場ではエスコートするが、俺たちは基本いつも手を繋ぐようにしている。
隣で歩くエリーを見たつもりが、胸の谷間に釘付けになってしまった。
何度か無意識でエリーの胸を触ってしまったことがあるが、なんとも言えない柔らかさだった。
あと2週間待てば、触ってもエリーに拳骨されなくなるんだよな。
それどころか直接肌に触れることも見ることも出来るんだよな。
想像するだけでニヤけてしまう。
ダメだ!気を引き締めろ!
今は妄想している場合じゃない!
アランとレイの結婚披露パーティー会場にはたくさんの招待客で溢れかえっていた。
俺たちが登場すると招待客たちが道を譲り、アランとレイの所まで真っ直ぐ道が開かれた。
アランとレイの幸せそうな笑顔で迎えられエリーがレイと話している間にアランにだけに聞こえるように『こんな時に申し訳ない。とても大事な話がある。2人の意見が聞きたい。今日は無理でも遅くても明後日には話し合いたい』と告げると、何かを察したアランの顔付きが変わった。
『分かった明日の夜に伺うよ』アランの返事に少しだけ胸の重しが軽くなった気がした。
アランとレイが途中退場するまで2人を除くいつものメンバーで楽しい時間を過ごした。
今日はエリーは王宮の客室に泊まることになっている。
いつも使っている客室はエリー専用に用意したエリーの為の部屋だ。
今日はさすがに弟と親友の初夜の日に同じ家に居るのは照れくさいのだろう。
エリーを部屋まで送りおやすみのキスをしてから俺の執務室でゾルティーを待った。
「兄上お待たせしました」
「明日の夜アランとレイを呼んでいる。嫌な予感が拭えないんだ」
「私もですよ。あのセルティ嬢から"乙女ゲーム"や"転生者"などの言葉が出るなんて彼女が転生者でもない限り有り得ませんからね」
「ああ、明日はガル、グレイ、ザックも別室で待機させといてくれ」
俺が何を言いたいのか分かったのかゾルティーは頷いて部屋を出て行った。
ここまでくるとその執念が怖すぎだろ。
「それから研究者によると、"お母様、乙女ゲーム、転生者"と途切れ途切れにその言葉を繰り返し言っているそうです」
乙女ゲーム?転生者だと?
なんでアイツがその言葉を知っているんだ?
アイツも転生者だったのか?
いや、母親が転生者だったのか?
「「乙女ゲームと転生者の意味が分からないのですが・・・」」
ああ、お前たちはそこまでは知らないからな。
転移者は過去にも何人かいたと文献には残っているからそれは知っているだろうが、転生者と乙女ゲームは分からないだろうな。
出来れば最後の時まで会いたくはなかったが、一度セルティ嬢には会った方がいいかもしれない。
それにアランとレイの意見も聞きたい。
今日はさすがに無理だろうが、少しでも早く相談しないと取り返しがつかなくなりそうな予感がする。
マイを投獄して終わったはずじゃなかったのか?
またエリーが危険にさらされたりしないよな?
「今日はここまでにしよう。お前たちも支度しないと結婚披露パーティーに遅れるぞ」
退室するゾルティーを呼び止め「あとで」と
言えばそれだけで伝わったようだ。
俺もパーティーの衣装に着替えエリーの待つ部屋へと向かう。
頭にはさっきの報告が何度も繰り返される。
"お母様、乙女ゲーム、転生者"
お母様はセルティ公爵夫人のことだろうが、乙女ゲームは、レイが言っていたこの世界のことで間違いないだろう。
なら転生者は?
乙女ゲームを知るエリーとレイの他にもいるとしら?
ソイツは今まで何をしていたんだ?
その転生者のゲームでの役割は?
まだ、レイの知らない何かがあるのか?
今考えても何も分からない。
やはり、申し訳ないが今日のパーティーでアランとレイに聞いてしまった方がいい。
エリーにもその時に伝えればいいだろう。
あの話を聞いてから心臓をギュッと鷲掴みされているような、胸騒ぎがするんだ。
すごく嫌な予感がする・・・
俺は何事もなかったかのような顔を作りエリーの待つ部屋の扉をノックする。
中からは「どうぞ」とエリーの穏やかな声が聞こえた。
それまでの胸の澱みがぶっ飛んだ。
!!
やはり、エリーは女神だったのか?
まるで後光が差してるかのように輝いて見える。
「エリー!綺麗だ!」
抱きしめようと手を広げた俺を鋭く睨むエリーを見て俺の頭に警報が鳴った。
・・・危なかった。
「ふふふっ私の教育も無駄じゃなかったわね」
「「「流石です!ウォルシュ侯爵令嬢」」」
メイド達が羨望の眼差しでエリーを見つめているが何が流石なんだ?
それよりも確かにとてもドレスが似合っているが、気になるのは胸元だ。
上から見下ろすと谷間が見えるのだが・・・
「エリー・・・その、胸元が開きすぎじゃないか?」
俺が見る分にはいいんだ。
俺は既にエリーの夫のつもりだからな!
だが!エリーの陶器のような白い肌を他の奴には見せたくない!
「そんなことないよ。普通よりも控え目なんですって」
誰がそんなことを言ったんだ!
「似合ってない?」
不安そうに俺を見上げるエリーを見たら許すしかないだろ。
「すごく似合っているよ。エリーに似合わないドレスなどないから安心しろ」
「よかった」
ニコリと笑う俺の嫁が可愛い!
「じゃあ行くか」
公の場ではエスコートするが、俺たちは基本いつも手を繋ぐようにしている。
隣で歩くエリーを見たつもりが、胸の谷間に釘付けになってしまった。
何度か無意識でエリーの胸を触ってしまったことがあるが、なんとも言えない柔らかさだった。
あと2週間待てば、触ってもエリーに拳骨されなくなるんだよな。
それどころか直接肌に触れることも見ることも出来るんだよな。
想像するだけでニヤけてしまう。
ダメだ!気を引き締めろ!
今は妄想している場合じゃない!
アランとレイの結婚披露パーティー会場にはたくさんの招待客で溢れかえっていた。
俺たちが登場すると招待客たちが道を譲り、アランとレイの所まで真っ直ぐ道が開かれた。
アランとレイの幸せそうな笑顔で迎えられエリーがレイと話している間にアランにだけに聞こえるように『こんな時に申し訳ない。とても大事な話がある。2人の意見が聞きたい。今日は無理でも遅くても明後日には話し合いたい』と告げると、何かを察したアランの顔付きが変わった。
『分かった明日の夜に伺うよ』アランの返事に少しだけ胸の重しが軽くなった気がした。
アランとレイが途中退場するまで2人を除くいつものメンバーで楽しい時間を過ごした。
今日はエリーは王宮の客室に泊まることになっている。
いつも使っている客室はエリー専用に用意したエリーの為の部屋だ。
今日はさすがに弟と親友の初夜の日に同じ家に居るのは照れくさいのだろう。
エリーを部屋まで送りおやすみのキスをしてから俺の執務室でゾルティーを待った。
「兄上お待たせしました」
「明日の夜アランとレイを呼んでいる。嫌な予感が拭えないんだ」
「私もですよ。あのセルティ嬢から"乙女ゲーム"や"転生者"などの言葉が出るなんて彼女が転生者でもない限り有り得ませんからね」
「ああ、明日はガル、グレイ、ザックも別室で待機させといてくれ」
俺が何を言いたいのか分かったのかゾルティーは頷いて部屋を出て行った。
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