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ウインティア王国編
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俺たちの結婚式は大聖堂で各国の王族や代表の前で厳かに行われた。
エリーが純白の花嫁衣裳を纏い登場した時にはあちらこちらから感嘆の溜め息が聞こえた。
誓いの言葉の後のキス。
頬を染めて恥ずかしがるエリー。
本当ならこんな可愛い妻を誰にも見せずにこのまま寝室に連れ込みたいところだが、あと数時間の辛抱だ。
パレードでも国民が俺とエリーの結婚を祝い祝福してくれた。
この後は結婚披露パーティーだ。
衣装を変えて招待客に挨拶していくが、美しさもだが何よりも注目を集めたのはエリーが流暢な言葉で各国の要人と話す姿だった。
挨拶も終わり俺たちが退場しようとしたその時、下品な声が聞こえてきた。
「ルフラン様~この後~2人きりになりませんか~?」
甘えた声で俺の名を呼びながら、俺の服の裾を引っ張り上目遣いで見上げてくるこの女は先程挨拶をした小国の王太子の婚約者だと紹介された女だ。
だが、王太子は冷たい視線をこの女に向けていたな。
政略結婚か・・・
それにしてもなんだコイツは?
隣に新婦のエリーがいるのが見えないのか?
俺の手はエリーの腰に回しているんだぞ?
条件反射で手を振りほどいたが、今度は涙目で「わたくしの運命の人はルフラン様ですのに・・・」などとほざく。
はあ?お前には婚約者がいるだろう?
媚びるように身体に手を伸ばされて、また条件反射で避けてしまった。
俺の一番嫌いなタイプの女だ。
「酷いわ!」
酷いのはお前の頭だ!
コイツのでかい声のせいで周りに人が集まって来たではないか。
「今日俺たちが結婚したのを知っていて、俺を誘っているのか?」
「誘うだなんて・・・わたくしはただルフラン様に運命を感じてしまったのです」
礼儀も何もなっていないこんな女が小国とはいえ、王太子の婚約者だと?
「マリーダやめろ!」
人混みをかき分けながらそう発したのはこの女の婚約者だ。
「王太子夫妻申し訳ございません」
可哀想に下げなくてもいい頭をこんな女を連れてきたばかりに同情してしまう。
まともそうに見えるが、こんな女を婚約者に選んだ時点で終わったな。
それは、このパーティーに参加している要人達も思ったことだろう。
「もう我慢ならんマリーダ、お前とは婚約破棄だ!」
当然そうなるよな。
周りも頷いているもんな。
「構いませんわ!わたくしはルフラン様に嫁ぎますもの」
「ふふふっ面白い方ですのね」
あ!エリーが怒っている。
そりゃあそうだよな。
「でも残念ですわね。ルフランが愛しているのは私だけですのよ?ね?ルフィ?」
俺を流し目で見るエリーにドキッとした。
こんな妖艶なエリー初めて見た。
若い男たちが見惚れて顔を赤くしている。
「ああ、俺はエリーしか愛せない。他には誰もいらない」
わざと見せ付けるようにエリーを抱き寄せた。
周りからもヒソヒソと小声が聞こえてくる。"結婚したばかりの相手を誘うなんて""恥知らず""下品"等。まあ、誰だってそう思うよな。
「このような祝いの席での数々の無礼をお許し下さい」
まだ頭を下げる王太子も不憫だな。
「お顔をお上げになってキース王太子殿下」
エリーダメだ!
その慈愛の微笑みは人を惹きつけるんだ!
だが、キース王太子は顔色を変えなかった。
俺は彼に対する評価を上げた。
「ここで問題を起こしたことは残念ですが、これで貴方も彼女から解放されますね。ここにいる皆様が証人になってくれますよ」
!!
「知って?」
「ええ、私はウォルシュ家の娘ですから」
なんの事だか分からないが、キース王太子は何かしらの理由であの女と婚約させられていたんだな。
さすが世界をまたかける大商会だ。
他国の情報も手に入れていたとはね。
あの女はガルとグレイとザックに囲まれながら退場したが、なぜか喜んでいた。
結局あの女は顔が良ければ誰でもいいんだな・・・
騒動も収まりパーティーも再開されると俺たちは退場した。
「キース王太子はね、彼女に嵌められて無理矢理婚約者にされたの。彼女の純潔を奪ったと言いがかりを付けられてね」
なるほどね。
薬でも盛られたのだろう。
キース王太子の婚約破棄がスムーズに進むように、帰りには今日の出来事を書いた抗議分を持たせることにしよう。
それよりも、この後は待ちに待った初夜だ。
王太子宮に近づくにつれエリーも緊張してきたようだ。
大丈夫だ。俺に任せてくれ。
「エリー愛している」
「・・・私も愛しているわ。寝室で待っていてね」
王太子妃の部屋に送りメイドにエリーを任せた。
俺の部屋にも、エリーの部屋にもベットは用意させているが、俺たちの部屋の間にある寝室のベットしか使うつもりは無い!
レイの疲れた顔を見て密かにアランのことを鬼畜だと思っていたが、俺もそうだったと気付くのは・・・。
エリーが純白の花嫁衣裳を纏い登場した時にはあちらこちらから感嘆の溜め息が聞こえた。
誓いの言葉の後のキス。
頬を染めて恥ずかしがるエリー。
本当ならこんな可愛い妻を誰にも見せずにこのまま寝室に連れ込みたいところだが、あと数時間の辛抱だ。
パレードでも国民が俺とエリーの結婚を祝い祝福してくれた。
この後は結婚披露パーティーだ。
衣装を変えて招待客に挨拶していくが、美しさもだが何よりも注目を集めたのはエリーが流暢な言葉で各国の要人と話す姿だった。
挨拶も終わり俺たちが退場しようとしたその時、下品な声が聞こえてきた。
「ルフラン様~この後~2人きりになりませんか~?」
甘えた声で俺の名を呼びながら、俺の服の裾を引っ張り上目遣いで見上げてくるこの女は先程挨拶をした小国の王太子の婚約者だと紹介された女だ。
だが、王太子は冷たい視線をこの女に向けていたな。
政略結婚か・・・
それにしてもなんだコイツは?
隣に新婦のエリーがいるのが見えないのか?
俺の手はエリーの腰に回しているんだぞ?
条件反射で手を振りほどいたが、今度は涙目で「わたくしの運命の人はルフラン様ですのに・・・」などとほざく。
はあ?お前には婚約者がいるだろう?
媚びるように身体に手を伸ばされて、また条件反射で避けてしまった。
俺の一番嫌いなタイプの女だ。
「酷いわ!」
酷いのはお前の頭だ!
コイツのでかい声のせいで周りに人が集まって来たではないか。
「今日俺たちが結婚したのを知っていて、俺を誘っているのか?」
「誘うだなんて・・・わたくしはただルフラン様に運命を感じてしまったのです」
礼儀も何もなっていないこんな女が小国とはいえ、王太子の婚約者だと?
「マリーダやめろ!」
人混みをかき分けながらそう発したのはこの女の婚約者だ。
「王太子夫妻申し訳ございません」
可哀想に下げなくてもいい頭をこんな女を連れてきたばかりに同情してしまう。
まともそうに見えるが、こんな女を婚約者に選んだ時点で終わったな。
それは、このパーティーに参加している要人達も思ったことだろう。
「もう我慢ならんマリーダ、お前とは婚約破棄だ!」
当然そうなるよな。
周りも頷いているもんな。
「構いませんわ!わたくしはルフラン様に嫁ぎますもの」
「ふふふっ面白い方ですのね」
あ!エリーが怒っている。
そりゃあそうだよな。
「でも残念ですわね。ルフランが愛しているのは私だけですのよ?ね?ルフィ?」
俺を流し目で見るエリーにドキッとした。
こんな妖艶なエリー初めて見た。
若い男たちが見惚れて顔を赤くしている。
「ああ、俺はエリーしか愛せない。他には誰もいらない」
わざと見せ付けるようにエリーを抱き寄せた。
周りからもヒソヒソと小声が聞こえてくる。"結婚したばかりの相手を誘うなんて""恥知らず""下品"等。まあ、誰だってそう思うよな。
「このような祝いの席での数々の無礼をお許し下さい」
まだ頭を下げる王太子も不憫だな。
「お顔をお上げになってキース王太子殿下」
エリーダメだ!
その慈愛の微笑みは人を惹きつけるんだ!
だが、キース王太子は顔色を変えなかった。
俺は彼に対する評価を上げた。
「ここで問題を起こしたことは残念ですが、これで貴方も彼女から解放されますね。ここにいる皆様が証人になってくれますよ」
!!
「知って?」
「ええ、私はウォルシュ家の娘ですから」
なんの事だか分からないが、キース王太子は何かしらの理由であの女と婚約させられていたんだな。
さすが世界をまたかける大商会だ。
他国の情報も手に入れていたとはね。
あの女はガルとグレイとザックに囲まれながら退場したが、なぜか喜んでいた。
結局あの女は顔が良ければ誰でもいいんだな・・・
騒動も収まりパーティーも再開されると俺たちは退場した。
「キース王太子はね、彼女に嵌められて無理矢理婚約者にされたの。彼女の純潔を奪ったと言いがかりを付けられてね」
なるほどね。
薬でも盛られたのだろう。
キース王太子の婚約破棄がスムーズに進むように、帰りには今日の出来事を書いた抗議分を持たせることにしよう。
それよりも、この後は待ちに待った初夜だ。
王太子宮に近づくにつれエリーも緊張してきたようだ。
大丈夫だ。俺に任せてくれ。
「エリー愛している」
「・・・私も愛しているわ。寝室で待っていてね」
王太子妃の部屋に送りメイドにエリーを任せた。
俺の部屋にも、エリーの部屋にもベットは用意させているが、俺たちの部屋の間にある寝室のベットしか使うつもりは無い!
レイの疲れた顔を見て密かにアランのことを鬼畜だと思っていたが、俺もそうだったと気付くのは・・・。
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