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「ハッ」バシッ  バッ  バッ

はぁはぁ前世ぶりの久しぶりの手合わせ、やっぱり兄は強いわ。

「今日はここまでだな」兄は軽く汗をかいている程度。

「しかし、ここまでやれるなんて凄いぞシア」褒められてもな~全然敵わなかったんだよね

「これなら何かあっても対応出来るだろうが無理はするなよ?」

まだ息が切れて返事もできないから頷く。

「さぁ朝食の前に汗を流そう」と手を引かれて邸に戻る。

朝食を食べたら登校だわ。

馬車に乗り込むなり兄が「シアの育った世界は剣技にしても、体術にしてもレベルの高い教育を学ばせるんだな」
「違うの。前にも言ったけど、身を守るために受けさせられた教育なの。実際誘拐されかけたこともあるからね」
わたくしが答えると兄の顔色が変わった「絶対に1人で出歩くのはダメだ!絶対にだ!」
いやいや兄よ、貴族の令嬢が1人で外出するわけないじゃん!
「大丈夫です。分かっていますわ」と安心させるために微笑む。


兄と別れたあと、またナタリー様がドヤ顔で現れた。

ハイハイ昨日の報告ね。

「おはようございます。アリシア様」
「おはようございます。」
「昨日のカイト様はとっても優しくエスコートして下さったの。楽しい時間を過ごせましたわ」
「そうですか、よかったですね。では失礼します。」

やっぱり報告だったわ。
何で態々わたくしに言いに来るのかしらね?
勝手にイチャイチャしてればいいのに。


一応ユリアとイザベラにも報告する。
2人も「彼女何がしたいのかしら?」と首を傾げる。わたくしも一緒に傾げる。


ちなみにこの王立学園は16歳~18歳までの全ての貴族の令息令嬢が通うの。
クラスは成績順にAクラス~Cクラスまである。
わたくしも兄もAクラスよ!

カイトも同じクラスね。
意外にもカイトは頭も良いし、顔もイケメンの部類には入るからモテるのよね。
次期公爵だしね!
ただ性格が残念なのよ、それでもいいとカイトに群がる令嬢は多いの。
まぁ選ばれれば公爵夫人の座を手に入れれるものね。

残念になるのはわたくし限定かもしれないけどね!
余程わたくしが気に入らないのよ。
幼い頃には何度泣かされて、何度兄と幼馴染みのジーク兄様に助けられたことか。
その頃から兄は素敵だったわね。
これからはカイトには塩対応でいくわ!

わたくし達の年代は婚約者の決まっていない令息令嬢は多い。

王家の王太子殿下20歳には他国の王女が嫁いで来るのは決定しているが、第2王子18歳、第3王子15歳には婚約者がいないからだ。

令息はともかく、令嬢たちは良縁を掴もうと頑張っているようね。

わたくしにも兄にも婚約者はいないけど、わたくし結婚願望がないのよね~
前世を思い出してからは特にね。
だってやりたい事が沢山あるもの。

父も兄もずっと公爵家にいることを望んでくれているし、前世でいう引きこもりも許してくれそうなの。
だから、親から結婚を強制されることがないから安心ね。




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