【完結】偽物令嬢と呼ばれても私が本物ですからね!

kana

文字の大きさ
13 / 58

13

しおりを挟む
順調にお友達が増え、授業内容にも不安もない楽しい学園生活。



私たち一学年では長期休暇が開けた秋に開かれる王宮でのデビュタントの話がどこへ行っても持ち切りだ。

今日も食堂でリアとエドとランチをしていても、周りからは誰にエスコートしてもらうか、どんなドレスを着るのかで盛り上がっている。

「ユティは誰にエスコートしてもらうの?」

「私はお父様よ」

実は私のエスコートを巡ってお父様とお兄様のどちらも引かず、結局チェスで勝ったお父様に決まったの。

4歳も年上のお兄様が本気で悔しがって、涙まで浮かべるのには引いてしまったわ。

「リアは?」

「・・・アルスト殿下よ」

第一王子のアルスト殿下?

「まあ!素敵!」

「リアは筆頭婚約者候補なんだ」

幼馴染だし公爵令嬢ですものね。

「違う!誰があんな腹黒と婚約なんてするものですか!」

腹黒?
リアがとっても嫌そうな顔になっているわ!

「お前はアルスト殿下の玩具みたいなものだからな」

「エド!・・・分かっているわよ!だから嫌いなのよ!」

過去に色々あったのでしょうね。

「で、エドは誰をエスコートするのよ」

ん?エドが苦虫を噛み潰したような顔になっているわね。

「・・・言いたくない」

声が小さくて聞こえないわ。

「っ!分かったわ!ブリジック侯爵令嬢ね!」

「リア、ブリジック侯爵令嬢って、お顔は知らないけれど2学年の方のことかしら?」

「さすがユティ!エドはブリジック侯爵令嬢が昔から苦手なのよ。彼女の母親とエドの母親が親友でね、お互いの家をよく行き来していたのよ」

なるほど。
チラリとエドを見ると、とってもイヤそうにしているわ。

「母上が勝手に決めたんだ!あれ程嫌だと言ったのにだ!」

「彼女エドが好き過ぎてやり過ぎたのよ」

「やり過ぎ?そんな生やさしいものじゃない!あの女は風邪で寝込んだ10歳の俺のベッドに下着姿で入ってきたんだぞ!思うように動けない俺はベタベタと身体中触られたんだ!思い出しても吐き気がする」

その時彼女もまだ11歳だよね?
確かに令嬢としては、はしたないわよね。
あら?今"俺"って言ったわよね?

「そもそも俺は昔からアイツが嫌いなんだよ!虫唾が走る」

好きでもない相手に、そんな事されたら嫌いになっちゃうのも仕方ないよね。
それなのにエスコートさせられるなんて、エドが可哀想だわ。

「仕方がないわね。エスコートの相手を交代できるかアルスト殿下に聞いてみるわ」

「頼む!リアが行く時に俺も一緒に頼みに行く!」

う~んエド必死ね。
いつもは冷静沈着な彼なのに、言葉遣いまで変わっているわ。
これが本来の彼なのかもしれないわね。

まあ、デビュタントは3ヶ月も先だし今から動けば大丈夫かも?

しおりを挟む
感想 101

あなたにおすすめの小説

【完結】もう結構ですわ!

綾雅(りょうが)今月は2冊出版!
恋愛
 どこぞの物語のように、夜会で婚約破棄を告げられる。結構ですわ、お受けしますと返答し、私シャルリーヌ・リン・ル・フォールは微笑み返した。  愚かな王子を擁するヴァロワ王家は、あっという間に追い詰められていく。逆に、ル・フォール公国は独立し、豊かさを享受し始めた。シャルリーヌは、豊かな国と愛する人、両方を手に入れられるのか!  ハッピーエンド確定 【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/11/29……完結 2024/09/12……小説家になろう 異世界日間連載 7位 恋愛日間連載 11位 2024/09/12……エブリスタ、恋愛ファンタジー 1位 2024/09/12……カクヨム恋愛日間 4位、週間 65位 2024/09/12……アルファポリス、女性向けHOT 42位 2024/09/11……連載開始

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

なぜ、虐げてはいけないのですか?

碧井 汐桜香
恋愛
男爵令嬢を虐げた罪で、婚約者である第一王子に投獄された公爵令嬢。 処刑前日の彼女の獄中記。 そして、それぞれ関係者目線のお話

虐げられてる私のざまあ記録、ご覧になりますか?

リオール
恋愛
両親に虐げられ 姉に虐げられ 妹に虐げられ そして婚約者にも虐げられ 公爵家が次女、ミレナは何をされてもいつも微笑んでいた。 虐げられてるのに、ひたすら耐えて笑みを絶やさない。 それをいいことに、彼女に近しい者は彼女を虐げ続けていた。 けれど彼らは知らない、誰も知らない。 彼女の笑顔の裏に隠された、彼女が抱える闇を── そして今日も、彼女はひっそりと。 ざまあするのです。 そんな彼女の虐げざまあ記録……お読みになりますか? ===== シリアスダークかと思わせて、そうではありません。虐げシーンはダークですが、ざまあシーンは……まあハチャメチャです。軽いのから重いのまで、スッキリ(?)ざまあ。 細かいことはあまり気にせずお読み下さい。 多分ハッピーエンド。 多分主人公だけはハッピーエンド。 あとは……

王太子に婚約破棄されてから一年、今更何の用ですか?

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しいます。 ゴードン公爵家の長女ノヴァは、辺境の冒険者街で薬屋を開業していた。ちょうど一年前、婚約者だった王太子が平民娘相手に恋の熱病にかかり、婚約を破棄されてしまっていた。王太子の恋愛問題が王位継承問題に発展するくらいの大問題となり、平民娘に負けて社交界に残れないほどの大恥をかかされ、理不尽にも公爵家を追放されてしまったのだ。ようやく傷心が癒えたノヴァのところに、やつれた王太子が現れた。

自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのはあなたですよね?

長岡更紗
恋愛
庶民聖女の私をいじめてくる、貴族聖女のニコレット。 王子の婚約者を決める舞踏会に出ると、 「卑しい庶民聖女ね。王子妃になりたいがためにそのドレスも盗んできたそうじゃないの」 あることないこと言われて、我慢の限界! 絶対にあなたなんかに王子様は渡さない! これは一生懸命生きる人が報われ、悪さをする人は報いを受ける、勧善懲悪のシンデレラストーリー! *旧タイトルは『灰かぶり聖女は冷徹王子のお気に入り 〜自業自得って言葉、知ってますか? 私をいじめていたのは公爵令嬢、あなたですよ〜』です。 *小説家になろうでも掲載しています。

【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」 「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」 いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。 「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と…… 私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。 「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」 「はい、お父様、お母様」 「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」 「……はい」 「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」 「はい、わかりました」 パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、 兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。 誰も私の言葉を聞いてくれない。 誰も私を見てくれない。 そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。 ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。 「……なんか、馬鹿みたいだわ!」 もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる! ふるゆわ設定です。 ※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい! ※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇‍♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ! 追加文 番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

【完結】キズモノになった私と婚約破棄ですか?別に構いませんがあなたが大丈夫ですか?

なか
恋愛
「キズモノのお前とは婚約破棄する」 顔にできた顔の傷も治らぬうちに第二王子のアルベルト様にそう宣告される 大きな傷跡は残るだろう キズモノのとなった私はもう要らないようだ そして彼が持ち出した条件は婚約破棄しても身体を寄越せと下卑た笑いで告げるのだ そんな彼を殴りつけたのはとある人物だった このキズの謎を知ったとき アルベルト王子は永遠に後悔する事となる 永遠の後悔と 永遠の愛が生まれた日の物語

処理中です...