【 完結 】どうぞ二人の愛を貫いてください。悪役令嬢の私は一抜けしますね。

kana

文字の大きさ
26 / 36

26

残酷な描写があります。
苦手な方は読み飛ばして下さい。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



もう、何度目だろう。

彼女は毎日ここに来る訳ではなく、少し痛みがマシになる頃になると現れ暴力を振るう。
それは5回。それが彼女のルールらしい。
毎回しどこかしらを殴るか蹴るかだ。
殴られ蹴られた場所は痛み熱を持っている。腫れているのが分かる。そのせいで私が発熱していようが彼女はお構い無しだ。

「フンッ、まだまだよ。コレでも手加減しているのよ?」

「⋯⋯」

口の中も切れて最近は痛くてロクに食事も摂れていない。
本当はとっくに心は折れている。
抵抗なんてする気力もない。
でも、泣き顔だけは見せない。命乞いだってするつもりは無い。
までイスト公爵家の令嬢として生きてきた矜持だけは捨てたりしない。

「もっと抵抗してわたくしを楽しませなさい。じゃないと殺すわよ?」

実際、彼女は遠くない未来で私を殺すだろう。






「アハハッ綺麗な顔も今では化け物のようね」

でしょうね。

「また来るわ」

今日も何とか生きている。
でも、身体は限界だって悲鳴をあげている。
あと何回耐えられるだろうか⋯⋯




これだけ時間が経っていたら、もう私は死んだことにされているかもしれない⋯⋯
いいえ、まだ諦めたらダメよ。
お父様だって、お母様だって、お兄様だって今も必死に探してくれているはずだ。

⋯⋯本当に?

ダメ!疑ってはダメ。
必ず見つけてくれる。
必ず助けに来てくれる。






今もそう信じている。
でも身体がもういうことを聞かないの。

「あ~あ、このももう限界ね」

「どうするんだ」

のように川に投げ捨てればいいわ。でも今回はそこにある滝にから落とすわ。そうすれば死体が上がってもこの傷も川底で打ちつけたと誤魔化せるわ」

そっか⋯⋯やっと解放されるんだ。


「メイジェーンありがとう。あなたの犠牲のおかげで暫くは暴力行為を抑えられるわ」

異常だ。
さっきの会話から今までにも私以外の犠牲者がいたことは間違いない。

「トドメを刺さなくていいのか?」

「いいわよ。どうせ死ぬもの。岩肌に何度も身体を打ちつけ水の中で苦しみながら死ねばいいのよ」

思い通りになんかならない。
絶対、生きてやる。
生き抜いて同じ目に遭わせてやる。

「そうそう、最後だから教えてあげる。お義父様とお義母様の面倒はわたくしがちゃんと見るから安心してね」

え?

「レオクリフ様もね、今日やっと『君に支えて欲しい』って『弱い私を見せられるのはだけだよ』って抱きしめて言ってくれたのよ!だから貴女はもうイスト公爵家では用無しになったの」

コリーナ?
コリーナって言った?
私の友達の?
嘘!私の知っているコリーナ嬢とは顔が全然違う!それに彼女は優しい子よ。こんな酷いことなんてしないわ!
⋯⋯否定しようとしても、この声は彼女のものだ。

「顔なんてね化粧でどうとでもなるのよ?」

化粧?

「貴女を騙すのは簡単だったわ。ちょっと庇っただけですっかりわたくしを信用して、友達にするなんて馬鹿な子。貴女が居なくなってからは、毎日公爵家に通って皆さんをわたくしがずっと支えていたのよ。おかけで公爵家の皆んなに信用されて大事にされているの。コレでわたくしは全てを手に入れたのよ。美しい夫も、公爵夫人の地位も!贅沢な生活も!アハハハハッ」

⋯⋯最悪だ。
私が馬鹿だったんだ。
私が騙されて家に彼女を引き入れしまったんだ。
コリーナ嬢を⋯⋯友達だと思っていたのに⋯⋯信じていたのに⋯⋯悔しい、悔しくて頭がどうにかなってしまいそうだ。

「さあ、話は終わりよ。全て話してあげたんだから思い残すこともないでしょう?ザイフォン運んでちょうだい」

なんでザイフォンは彼女の言いなりなの?
コリーナに弱みでも握られているの?
こんなのおかしいって分かっているでしょう?

抵抗する気力もなくザイフォンに担ぎ上げられた。
痛みに顔が歪む。その歪めてしまった顔すら痛い。この身体はどこに触れても痛まないところは無い。

「そうそうもう1つの教えてあげるわ。エルザを唆したのはよ。馬鹿で扱いやすかったわ」

最低だ。
あの子も大概な性格だったけれどコリーナは比べ物にならないぐらい性悪だ。

絶対に諦めない。必ず生きて復讐してやる。
許さない。絶対に許さない。
後悔させてやる。
たとえ死んでも許さない。


大丈夫。私の家族は馬鹿じゃない。
あのお兄様が他人に弱音を吐くわけがない。
私の失踪の原因を掴んだからこそコリーナに弱音を吐いたフリをしてみせただけだ。
絶対そうだ。
きっとそこまで来ている。

私は助け出される。

生きる気力が湧いてきた。

ほらね。大勢の足音が聞こえる。
ずっと閉ざされた空間に居たからか、耳がとっても良くなったのよ。

「メイ!」

久しぶりのお兄様の声だ。

「メイ!どこだ!」

カイ、私はここよ。

心配かけてごめんね。



さあ、今度はあなたの番よ。
怯えなさい。
自分のしたことに責任を取りなさい。
言い逃れはさせないわよ。
生き証人の私が居るのだから⋯⋯

安心したのか、温かい腕に包まれた感覚がしたからか意識が遠のいていく⋯⋯
ああ、これで帰れる⋯⋯やっとゆっくり眠れる⋯⋯





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


次話は視点が変わります。

あなたにおすすめの小説

文句を言わない婚約者は、俺の愛する幼馴染みを許していなかった【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
幼馴染を優先しても、婚約者アウローラは何も言わない。だから、これからも幼馴染みとイチャイチャできる── 侯爵令息トリスタンは、そんな甘い幻想を信じていた。 だが婿入りした瞬間、彼の“軽んじた態度”はすべて清算される。 アウローラは冷徹に、トリスタンの傲慢と欲望を1つずつ暴き、労働と屈辱を与える。 そして最後に残ったのは、誰にも必要とされない現実だけ。 「どうして……俺は、こんなにも愚かだったんだ」 これは愛を勘違いし、身分を過信し、自分の価値を見誤った男の終焉を描くダークドラマ。 ⚠️ 本作は AI の生成した文章を一部に使っています。過激ざまぁタグあります。 4/1「エステルに対する殺意」の内容を一部変更しました。

願いの代償

らがまふぃん
恋愛
誰も彼もが軽視する。婚約者に家族までも。 公爵家に生まれ、王太子の婚約者となっても、誰からも認められることのないメルナーゼ・カーマイン。 唐突に思う。 どうして頑張っているのか。 どうして生きていたいのか。 もう、いいのではないだろうか。 メルナーゼが生を諦めたとき、世界の運命が決まった。 *ご都合主義です。わかりづらいなどありましたらすみません。笑って読んでくださいませ。本編15話で完結です。番外編を数話、気まぐれに投稿します。よろしくお願いいたします。 ※ありがたいことにHOTランキング入りいたしました。たくさんの方の目に触れる機会に感謝です。本編は終了しましたが、番外編も投稿予定ですので、気長にお付き合いくださると嬉しいです。たくさんのお気に入り登録、しおり、エール、いいねをありがとうございます。R7.1/31 *らがまふぃん活動三周年周年記念として、R7.11/4に一話お届けいたします。楽しく活動させていただき、ありがとうございます。

【完結】え、別れましょう?

須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」 「は?え?別れましょう?」 何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。  ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?  だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。   ※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。 ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。

王命を忘れた恋

須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』  そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。  強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?  そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。

私を裏切った不倫夫に「どなたですか?」と微笑むまで 〜没落令嬢の復讐劇〜

恋せよ恋
恋愛
「早くあんな女と別れて、可愛い子と一緒になりたいよ」 不倫中の夫が笑う声を聞き、絶望の中で事故に遭うジェシカ。 結婚五年目に授かったお腹の子を失った彼女は、 「記憶を失ったフリ」で夫と地獄の婚家を捨てることを決意。 元男爵令嬢の薄幸ヒロインは、修道院で静かに時を過ごす。 独り身領主の三歳の男の子に懐かれ、なぜか領主まで登場! 無実の罪をなすりつけ、私を使い潰した報いを受けなさい。 記憶喪失を装った没落令嬢による、「ざまぁ」が幕を開ける! ※本作品には、馬車事故による流産の描写が含まれます。  苦手な方はご注意ください。主人公が絶対に幸せになる  物語ですので、安心してお読みいただければ幸いです。 🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。 🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。 🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。 🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。 🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!

冤罪から逃れるために全てを捨てた。

四折 柊
恋愛
王太子の婚約者だったオリビアは冤罪をかけられ捕縛されそうになり全てを捨てて家族と逃げた。そして以前留学していた国の恩師を頼り、新しい名前と身分を手に入れ幸せに過ごす。1年が過ぎ今が幸せだからこそ思い出してしまう。捨ててきた国や自分を陥れた人達が今どうしているのかを。(視点が何度も変わります)

あなたへの想いを終わりにします

四折 柊
恋愛
 シエナは王太子アドリアンの婚約者として体の弱い彼を支えてきた。だがある日彼は視察先で倒れそこで男爵令嬢に看病される。彼女の献身的な看病で医者に見放されていた病が治りアドリアンは健康を手に入れた。男爵令嬢は殿下を治癒した聖女と呼ばれ王城に招かれることになった。いつしかアドリアンは男爵令嬢に夢中になり彼女を正妃に迎えたいと言い出す。男爵令嬢では妃としての能力に問題がある。だからシエナには側室として彼女を支えてほしいと言われた。シエナは今までの献身と恋心を踏み躙られた絶望で彼らの目の前で自身の胸を短剣で刺した…………。(全13話)

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。