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残酷な描写があります。
苦手な方は読み飛ばして下さい。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
もう、何度目だろう。
彼女は毎日ここに来る訳ではなく、少し痛みがマシになる頃になると現れ暴力を振るう。
それは5回。それが彼女のルールらしい。
毎回しどこかしらを殴るか蹴るかだ。
殴られ蹴られた場所は痛み熱を持っている。腫れているのが分かる。そのせいで私が発熱していようが彼女はお構い無しだ。
「フンッ、まだまだよ。コレでも手加減しているのよ?」
「⋯⋯」
口の中も切れて最近は痛くてロクに食事も摂れていない。
本当はとっくに心は折れている。
抵抗なんてする気力もない。
でも、泣き顔だけは見せない。命乞いだってするつもりは無い。
最後の時までイスト公爵家の令嬢として生きてきた矜持だけは捨てたりしない。
「もっと抵抗してわたくしを楽しませなさい。じゃないと殺すわよ?」
実際、彼女は遠くない未来で私を殺すだろう。
「アハハッ綺麗な顔も今では化け物のようね」
でしょうね。
「また来るわ」
今日も何とか生きている。
でも、身体は限界だって悲鳴をあげている。
あと何回耐えられるだろうか⋯⋯
これだけ時間が経っていたら、もう私は死んだことにされているかもしれない⋯⋯
いいえ、まだ諦めたらダメよ。
お父様だって、お母様だって、お兄様だって今も必死に探してくれているはずだ。
⋯⋯本当に?
ダメ!疑ってはダメ。
必ず見つけてくれる。
必ず助けに来てくれる。
今もそう信じている。
でも身体がもういうことを聞かないの。
「あ~あ、この玩具ももう限界ね」
「どうするんだ」
「いつものように川に投げ捨てればいいわ。でも今回はそこにある滝にから落とすわ。そうすれば死体が上がってもこの傷も川底で打ちつけたと誤魔化せるわ」
そっか⋯⋯やっと解放されるんだ。
「メイジェーンありがとう。あなたの犠牲のおかげで暫くは暴力行為を抑えられるわ」
異常だ。
さっきの会話から今までにも私以外の犠牲者がいたことは間違いない。
「トドメを刺さなくていいのか?」
「いいわよ。どうせ死ぬもの。岩肌に何度も身体を打ちつけ水の中で苦しみながら死ねばいいのよ」
思い通りになんかならない。
絶対、生きてやる。
生き抜いて同じ目に遭わせてやる。
「そうそう、最後だから教えてあげる。お義父様とお義母様の面倒はわたくしがちゃんと見るから安心してね」
え?
「レオクリフ様もね、今日やっと『君に支えて欲しい』って『弱い私を見せられるのはコリーナだけだよ』って抱きしめて言ってくれたのよ!だから貴女はもうイスト公爵家では用無しになったの」
コリーナ?
コリーナって言った?
私の友達の?
嘘!私の知っているコリーナ嬢とは顔が全然違う!それに彼女は優しい子よ。こんな酷いことなんてしないわ!
⋯⋯否定しようとしても、この声は彼女のものだ。
「顔なんてね化粧でどうとでもなるのよ?」
化粧?
「貴女を騙すのは簡単だったわ。ちょっと庇っただけですっかりわたくしを信用して、友達にするなんて馬鹿な子。貴女が居なくなってからは、毎日公爵家に通って皆さんをわたくしがずっと支えていたのよ。おかけで公爵家の皆んなに信用されて大事にされているの。コレでわたくしは全てを手に入れたのよ。美しい夫も、公爵夫人の地位も!贅沢な生活も!アハハハハッ」
⋯⋯最悪だ。
私が馬鹿だったんだ。
私が騙されて家に彼女を引き入れしまったんだ。
コリーナ嬢を⋯⋯友達だと思っていたのに⋯⋯信じていたのに⋯⋯悔しい、悔しくて頭がどうにかなってしまいそうだ。
「さあ、話は終わりよ。全て話してあげたんだから思い残すこともないでしょう?ザイフォン運んでちょうだい」
なんでザイフォンは彼女の言いなりなの?
コリーナに弱みでも握られているの?
こんなのおかしいって分かっているでしょう?
抵抗する気力もなくザイフォンに担ぎ上げられた。
痛みに顔が歪む。その歪めてしまった顔すら痛い。この身体はどこに触れても痛まないところは無い。
「そうそうもう1つの教えてあげるわ。エルザを唆したのはわたくしよ。馬鹿で扱いやすかったわ」
最低だ。
あの子も大概な性格だったけれどコリーナは比べ物にならないぐらい性悪だ。
絶対に諦めない。必ず生きて復讐してやる。
許さない。絶対に許さない。
後悔させてやる。
たとえ死んでも許さない。
大丈夫。私の家族は馬鹿じゃない。
あのお兄様が他人に弱音を吐くわけがない。
私の失踪の原因を掴んだからこそコリーナに弱音を吐いたフリをしてみせただけだ。
絶対そうだ。
きっとそこまで来ている。
私は助け出される。
生きる気力が湧いてきた。
ほらね。大勢の足音が聞こえる。
ずっと閉ざされた空間に居たからか、耳がとっても良くなったのよ。
「メイ!」
久しぶりのお兄様の声だ。
「メイ!どこだ!」
カイ、私はここよ。
心配かけてごめんね。
さあ、今度はあなたの番よ。
怯えなさい。
自分のしたことに責任を取りなさい。
言い逃れはさせないわよ。
生き証人の私が居るのだから⋯⋯
安心したのか、温かい腕に包まれた感覚がしたからか意識が遠のいていく⋯⋯
ああ、これで帰れる⋯⋯やっとゆっくり眠れる⋯⋯
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
次話は視点が変わります。
苦手な方は読み飛ばして下さい。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
もう、何度目だろう。
彼女は毎日ここに来る訳ではなく、少し痛みがマシになる頃になると現れ暴力を振るう。
それは5回。それが彼女のルールらしい。
毎回しどこかしらを殴るか蹴るかだ。
殴られ蹴られた場所は痛み熱を持っている。腫れているのが分かる。そのせいで私が発熱していようが彼女はお構い無しだ。
「フンッ、まだまだよ。コレでも手加減しているのよ?」
「⋯⋯」
口の中も切れて最近は痛くてロクに食事も摂れていない。
本当はとっくに心は折れている。
抵抗なんてする気力もない。
でも、泣き顔だけは見せない。命乞いだってするつもりは無い。
最後の時までイスト公爵家の令嬢として生きてきた矜持だけは捨てたりしない。
「もっと抵抗してわたくしを楽しませなさい。じゃないと殺すわよ?」
実際、彼女は遠くない未来で私を殺すだろう。
「アハハッ綺麗な顔も今では化け物のようね」
でしょうね。
「また来るわ」
今日も何とか生きている。
でも、身体は限界だって悲鳴をあげている。
あと何回耐えられるだろうか⋯⋯
これだけ時間が経っていたら、もう私は死んだことにされているかもしれない⋯⋯
いいえ、まだ諦めたらダメよ。
お父様だって、お母様だって、お兄様だって今も必死に探してくれているはずだ。
⋯⋯本当に?
ダメ!疑ってはダメ。
必ず見つけてくれる。
必ず助けに来てくれる。
今もそう信じている。
でも身体がもういうことを聞かないの。
「あ~あ、この玩具ももう限界ね」
「どうするんだ」
「いつものように川に投げ捨てればいいわ。でも今回はそこにある滝にから落とすわ。そうすれば死体が上がってもこの傷も川底で打ちつけたと誤魔化せるわ」
そっか⋯⋯やっと解放されるんだ。
「メイジェーンありがとう。あなたの犠牲のおかげで暫くは暴力行為を抑えられるわ」
異常だ。
さっきの会話から今までにも私以外の犠牲者がいたことは間違いない。
「トドメを刺さなくていいのか?」
「いいわよ。どうせ死ぬもの。岩肌に何度も身体を打ちつけ水の中で苦しみながら死ねばいいのよ」
思い通りになんかならない。
絶対、生きてやる。
生き抜いて同じ目に遭わせてやる。
「そうそう、最後だから教えてあげる。お義父様とお義母様の面倒はわたくしがちゃんと見るから安心してね」
え?
「レオクリフ様もね、今日やっと『君に支えて欲しい』って『弱い私を見せられるのはコリーナだけだよ』って抱きしめて言ってくれたのよ!だから貴女はもうイスト公爵家では用無しになったの」
コリーナ?
コリーナって言った?
私の友達の?
嘘!私の知っているコリーナ嬢とは顔が全然違う!それに彼女は優しい子よ。こんな酷いことなんてしないわ!
⋯⋯否定しようとしても、この声は彼女のものだ。
「顔なんてね化粧でどうとでもなるのよ?」
化粧?
「貴女を騙すのは簡単だったわ。ちょっと庇っただけですっかりわたくしを信用して、友達にするなんて馬鹿な子。貴女が居なくなってからは、毎日公爵家に通って皆さんをわたくしがずっと支えていたのよ。おかけで公爵家の皆んなに信用されて大事にされているの。コレでわたくしは全てを手に入れたのよ。美しい夫も、公爵夫人の地位も!贅沢な生活も!アハハハハッ」
⋯⋯最悪だ。
私が馬鹿だったんだ。
私が騙されて家に彼女を引き入れしまったんだ。
コリーナ嬢を⋯⋯友達だと思っていたのに⋯⋯信じていたのに⋯⋯悔しい、悔しくて頭がどうにかなってしまいそうだ。
「さあ、話は終わりよ。全て話してあげたんだから思い残すこともないでしょう?ザイフォン運んでちょうだい」
なんでザイフォンは彼女の言いなりなの?
コリーナに弱みでも握られているの?
こんなのおかしいって分かっているでしょう?
抵抗する気力もなくザイフォンに担ぎ上げられた。
痛みに顔が歪む。その歪めてしまった顔すら痛い。この身体はどこに触れても痛まないところは無い。
「そうそうもう1つの教えてあげるわ。エルザを唆したのはわたくしよ。馬鹿で扱いやすかったわ」
最低だ。
あの子も大概な性格だったけれどコリーナは比べ物にならないぐらい性悪だ。
絶対に諦めない。必ず生きて復讐してやる。
許さない。絶対に許さない。
後悔させてやる。
たとえ死んでも許さない。
大丈夫。私の家族は馬鹿じゃない。
あのお兄様が他人に弱音を吐くわけがない。
私の失踪の原因を掴んだからこそコリーナに弱音を吐いたフリをしてみせただけだ。
絶対そうだ。
きっとそこまで来ている。
私は助け出される。
生きる気力が湧いてきた。
ほらね。大勢の足音が聞こえる。
ずっと閉ざされた空間に居たからか、耳がとっても良くなったのよ。
「メイ!」
久しぶりのお兄様の声だ。
「メイ!どこだ!」
カイ、私はここよ。
心配かけてごめんね。
さあ、今度はあなたの番よ。
怯えなさい。
自分のしたことに責任を取りなさい。
言い逃れはさせないわよ。
生き証人の私が居るのだから⋯⋯
安心したのか、温かい腕に包まれた感覚がしたからか意識が遠のいていく⋯⋯
ああ、これで帰れる⋯⋯やっとゆっくり眠れる⋯⋯
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
次話は視点が変わります。
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⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。