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目が覚めた。あれ…?ここはどこ?

「目めたか。気分はどうだ?大丈夫か?」

声のほうを見る。わんわんがいる…。誰だろう?
わんわんは私のほうに手を伸ばしてくる。叩かれると思って私は身を縮めた。

「あっ、ごめんな…。怖かったか?」

私は何も言えずにブルブル震える。

「大丈夫だから…な?」

そういってまた手を伸ばしてくる。その手は、私の頭をなでてきた。初めての感覚。気になってわんわんの手を触ってみる。

「よしよし。話せそうか?」

「た…ぶん…」

かすれた声で話す。その声に気付き、わんわんは水の入ったコップを渡してくれた。それを受け取り、飲み干す。だいぶ落ち着いてきた。ここは…ベッドの上だ。

「わんわん…」

ぼそっと口にしてしまった。

「わんわん?あぁ、俺のことか。違うよ。俺は狼の獣人。ライオットっつうんだ。」

「じゅう…じん?…人?」

「もしかしてみるの初めてか?」

縦に二回首を振る。

「そうか…。まあ、獣人は動物を人間の血が混ざったハーフみたいなもんだ。人間の遺伝子のほうが強いから2足歩行できる。こうやって君と手をつなぐこともできる。」

私の手を握ってきた。ほとんど人と変わらない。でも見た目は…かっこいい、狼さん。

琥珀こはく色のきれいな瞳をしている。銀色の…もふもふ。

私は知らぬ間に狼さんの腕に抱きついていた。

「君の名前は?」

「アイ…ナ…」

「アイナ…アイナか…。いい名前だ。さすが俺のつがいだ」

つがい?何のことだろう。ぱっと言ったことだからあんまり気にしなくてもいいのかな。それよりも、狼さんからいい匂いがしていつの間にが腕をクンクンしていた。

「あっ、ダメだぞ…。俺が興奮しちゃうだろ」

またわからない言葉。何のことだろう。

ぎゅるる~。おなかが鳴る。そういえばご飯食べてない。

「やはりおなかすいてたか。スープ作ったんだ。食べれるか?」

狼さんは私の口元にスプーンを持ってくる。口を開けてスープを飲んでみると、初めて感じる味。とても美味しい…これが、美味しい。感動していると私は泣いてしまった。

「おおおい!?!?なんで泣くんだ?」

狼さんはびっくりしてスープを少しこぼしてしまった。

「は…はじめて…おい…しい」

泣いているせいで上手く話せない。

「そ、そうか…よかった。おいしくないかと思った…。ほら、まだたくさんあるぞ」

そういってまたスプーンを口元に持ってくる。


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スープを食べ終わったら眠くなってしまった。

「ふわあ~…」

あくびをすると、狼さんもいっしょにあくびをしていた。

「俺もそろそろ寝るかな」

寝る?夜だったのかな。と考えていたら隣に狼さんが寝転んできた。

「一緒に寝るぞ、アイナ。俺がいるから、怖いものはないだろう?」

そういい、おでこにキスをしてきた。

私は、狼さんの匂いに包まれてすやすやと眠ってしまった。







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